2015年 08月 31日
知床半島の渡船を利用したピンクサーモンの釣りを僕が最初に楽しんだのが2001年の夏。 それから毎年のようにペキンノ鼻やモイレウシに渡してもらってピンクサーモンの釣りを楽しんでいるから、今年で15年目となる。 最初は#8番のシングルハンドロッドでのオーバーヘッドキャストの釣りだった。 それからロッドはシングルハンドからツーハンドロッドとなり、ここ10年ぐらいはスペイやスカジットキャストでの釣りを楽しんでいる。 そんな僕が使うツーハンドロッドも、ライン指定は#6/7番。 知床半島でのピンクサーモンの釣りは、僕にとって夏の釣りから秋の釣りへとモードがシフトする節目のようなもの。 今年は友人達を合わせて総勢15名のパーティーでの渡船の利用となった。 相変わらず遠足前の子供のように、1週間ぐらい前から気分がソワソワとしだすのは、毎年のように変わらない。 夏の終わりらしい知床の日差しを浴びていると、背後の切り立った急な斜面の上からジージーと夏ゼミの声が響いてくる。 知床のペキンノ鼻に上陸出来たのは、残念ながら期待に反してとても短い時間だったけれど、 海面がゆったりと上下するうねりの残った知床ブルーの海からは、予想通り微かな潮の香りが漂ってきた。 フローティングのスカジットコンパクトにインターのティップの組み合わせ。 1X、12フィートのテーパーリーダーの先には、バーブを潰したノンウェイトのとてもシンプルな赤いゾンカー。 毎年いろんなフライを巻いて試してみるのだけれど、やはり個人的にはこれが一番ピンクサーモンに好かれるような気がする。 キャスト後は糸ふけを取るようなイメージで本当にスローなリトリーブを心掛ける。 盛り上がった波間には群れで泳ぐたくさんのピンクサーモンの姿。 それでもスレ掛かりは割合的に半分以上だっただろうか。 かなり婚姻色が強くなり、せっぱったピンクサーモンが多かったけれど、あの何とも表現し難いモゾっとした違和感。 そしてその数秒後から始まる躍動感は、やはり僕にとってこの時期独特のものだろうか。 そんな知床という辺境で感じるピンクサーモンの躍動感も、もしかしたら今年が最後になるのかもと思いながら知床をあとにした。 何しろ今年の知床釣行で最も印象的だったのは、yusukeさんの料理する鱒のソテーにイズミさんのハードパン、 ジェノベーゼ・ソースはとにかく最高のコラボーレーションだった。 朝食に出たandieloopさんのチェダーチーズにハム、オニオン、それにトマトをあわせたホットサンド、これが深煎りのコーヒーにベストマッチ。 友人達とのライダーハウスでの楽しい宴の後、翌日はのんびりと午後から湧別川でロッドを振ることにした。 ソルトとフレッシュ、それぞれのフィールドの違いを感じながらキャストとステップダウンを繰り返す。 夏の終わりのフィールドに吹く風が思ったよりも心地よかった。 それほど期待はせず、お気に入りの長いランをもう一度ステップダウン。 コーンヘッド仕様のブラック・ゾンカーを対岸の際めがけてキャストしていると、いきなり下流に膨らむスカジットラインが止まる。 2度ほどジャンプしてリールから逆回転音を響かせてくれたのは、湧別川の本流レインボー。 サイズはともかく、ピンクもいいけれど、レインボーはもっと好きかなと思った夏の終わりだった。 50.71 Today's BGM : #
by slowfishing-yun
| 2015-08-31 20:01
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2015年 08月 23日
ロッドを手に河畔に生えた僕の背丈以上の藪を抜けると、パッと視界が広がると共に、あの何ともいえないカメムシの匂いがした。 木立からは相変わらず夏ゼミのセミシグレがBGMのように流れ続け、草むらにはバッタやコオロギの姿をたくさん見かけた。 朝にはずいぶんと遠くにあった夏の青空にも、やがてどこからか低い雲がたくさん現れてきて、 突然、周りが暗くなったかなと思ったら、パラパラと存在感の薄いミスト状の夏の雨が降ったりもした。 今回はくたびれたSIMMSのフィッシングベストは着用せず、何年かぶりにHARDYの小さなバックを肩にかけて釣りをした。 少しウェーディングしたので、今度はバッグに入れたフライボックスが濡れないようにジプロックにでも入れようかと思う。 週末は友人達と先週に引き続き尻別川に足を運ぶことにした。 印象的には本流の濁度は7~8程度とフィールドコンディションは決して悪くはなかったと思う。 最初のポイントには、残念ながらすでに先行者の車が・・・。 そして目の前のポイントをカヌー下りを楽しむ人たちが手を振りながら下っていく。 川は誰のものでもないから、いろんな楽しみ方があっても良いと思う。 魚はウグイ君たちしか相手にしてくれなかったけれど、僕は僕なりに尻別川での夏の釣りを楽しめただろうか。 時折りフィールドに吹く風に、不思議と秋の気配をほんの少しだけ感じたように思う。 お盆を過ぎて、季節の針がほんの少しだけ先に進んだだろうか。 夏の終わりと秋の始まりのはざ間で、稲穂が風に吹かれて揺れていた。 9.35 Today's BGM : #
by slowfishing-yun
| 2015-08-23 18:54
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2015年 08月 18日
名寄市内の思わず見過ごしてしまいそうな小さな釣具店だったと思う。 今でもあるかどうかは分からないけれど、確か名前は鈴木釣具店だっただろうか。 同じ職場の小児科医の友人に朱鞠内湖に鱒釣りに行くけれど一緒に行かないかと誘われたのがきっかけで、 おそるおそるローカルの釣具店に入り、入門用のグラスファイバー製のルアーロッドとスピニングリールを買い揃え、 当時は鱒釣りのことなど何も分からなかった僕に、お店の方が勧めてくれたルアーがDAIWAのクルセイダーとチヌークだった。 クルセイダーにはどこか小魚っぽい模様が施されて、何となく鱒が釣れそうな気がしたけれど、 もう一つのチヌークはというと、表面の半分が蛍光赤に塗られたとても簡素なもので、あまり鱒には好かれなさそうに僕には思えた。 でも、朱鞠内湖の鱒にはクルセイダーよりもなぜかチヌークの方が不思議と反応が良くって、 それ以来チヌークという名前は僕にとってあまり違和感のないものになっていった。 シルバー・サーモンのことを、コーホー・サーモンと呼ぶのを最近知った。 そういえば、コーホーという名前のボディに小さな穴が開いたルアーもあっただろうか。 キング・サーモンのことを、チヌーク・サーモンとも呼ぶことを最近知る。 普段あまり馴染みがない呼び名なので、ついついどちらがどちらなのか頭の中でこんがらがってしまいがち。 カナダにお住まいのmatsuさんのblogでは、9月になるとランディングされたキング・サーモンの姿が出てくるけれど、 僕もいつかチャンスがあれば是非チャレンジしたいものだと思う。でも、今のタックルのキャパではちょっと難しいかな(笑)。 今のところは海外のチヌーク(キング)・サーモン釣りの動画で我慢。 それにしても動画の完成度が個人的にはとても高いと思う。是非フルスクリーンで。 #
by slowfishing-yun
| 2015-08-18 21:59
| Slow Fishing
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2015年 08月 16日
朝のパラパラっと降った小雨はいつの間にか止み、頭上には今にも雨が降り出しそうな曇り空が広がる。 シャン、シャン、シャンと木立から高周波で絶え間なく鳴り響く夏ゼミの鳴き声が、この日はずっと僕の耳から離れなかった。 戦後70年の終戦記念日、蘭越町を流れる尻別川に足を運んだ。 もしかしたら70年前の8月15日も、川は今日と同じようにとうとうと流れ、賑やかなセミシグレに包まれていたのかもしれない。 正午を知らせる蘭越町のサイレンが大きな音で鳴り響いた。 本物の空襲警報のサイレンの音はもちろん聞いたことはないけれど、当時はもしかしたらこんな音だったのだろうか。 尻別川は雨の影響でやはり濁っていた。 膝上ぐらいまでウェーディングすると、ガイドブーツののシルエットが曖昧になり始める。 尻別川に濁度を示すテレメーターはないけれど、感覚的には10~12といったところ。 以前の僕ならロッドを出すことに迷っていたかもしれないけれど、初夏の天塩川での出来事以来、それほど迷わなくなっている。 もしかしたら気が利く鱒がフライを見つけてくれるかもという希望的観測だけで、蘭越放水口下のランを釣り下った。 ロッドはいつものマイザーMKSではなく、なぜか今回は気分でバーキーを繋ぐことにした。 540grのスカジットコンパクトにType6のティップの組み合わせで2ヶ所目のポイントとなる小南部川合流下のランをステップダウン。 フライは前夜に巻いた、テイルに白のカーリーテールを使ったコーンヘッド仕様の黒のウーリー、通称「ウグイ・スペシャル」。 名前の由来は、流れの緩いポイントで使うと、その名の通り、ウグイ君達にとても好かれるからである。 でも、経験的に彼らに好かれるということはアメマスにも好かれるように思っている。 それにしてもこのフライのテイルの動きはやはりアングラーにも魅力的に映るようだ。 きっと十勝川の下流域のアメマスにも好かれるんじゃないかと、今年の初冬はラバーレッグと組み合わせて巻いてみるつもり。 最初のステップダウンではウグイ君に混じって、ゆっくりとしたスイング中に一度だけ思わずドキリとするような強烈なバイトがあった。 僕としては本流レインボーではなく、きっとグッドサイズのアメマスだったと思いたいところ。 そして2度目のステップダウンで、小振りだけれど何とも夏らしいアメマスが、テイルの怪しげな動きに魅了されてくれた。 コンビニでの簡単なランチの後、もう一度蘭越の放水口下のランを今度は対岸側から釣り下ることにする。 午後になるとさらにセミシグレのボリュームが大きくなっただろうか。 時折り雲のすき間から太陽が顔をのぞかせるけれど、相変わらず風はちょっとも吹かない。 上流域でまとまった降雨があったのか、午前中よりも水位が上がり、若干サンドベージュの濁りが強くなったような気がした。 フライを「ウグイ・スペシャル」からジャバラ・コーンヘッド・チューブフライに結び換え、ステップダウンを続けた。 それにしても随分と流れが変わり、以前は底石が滑りやすい早瀬だったポイントが今ではよい雰囲気の深瀬になっていたりする。 そして、色のついた流れの中でフライがゆっくりとスイングしていると、いきなり手もとのラインが引き込まれ、 続けざまに本流レインボーが流芯の流れの上を大きな音と共に跳躍する。 最初の印象よりもかなり小振りだったけれど、ギラギラとメタリックに輝いた夏の本流レインボーだった。 そして何とも夏らしいセミシグレに包まれながら僕らは終戦記念日の尻別川をあとにした。 家に帰るとヌカカに咬まれた痕が2ヶ所、それにしても痒い、カユイ(笑)。 9.26→9.37 Today'BGM : #
by slowfishing-yun
| 2015-08-16 17:30
| Fishing Reports
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2015年 08月 13日
かなり昔に南青山にあった「アングラーズブック」という釣り関係の洋書を扱った小さな書店で、 "ADVANCED FLY FISHING FOR STEELHEAD"という洋書を買い、それがちょっとした僕の中でのバイブルブックでもあった。 もちろん当時はインターネットも生まれたての赤子のような存在で、今ほどは普及していなかったと思う。 そんなバイブルブックのような洋書の中で、一番印象的で当時の僕に最も実用的だったのが今回紹介するオープン・クリンチ・ノット。 このノットを知るまでは、フィールドでフライを結ぶノットはもっぱらクリンチ・ノットばかりで、それでも特に支障はなかったけれど もう少しティペットに干渉されず、フライが自由に動けば良いのにと思っていた時にタイミング良く知ったノットでもある。 チューブフライでティペットを管付きチヌ針に結ぶ時は、やはり今でもクリンチ・ノットを使うけれど、 ストリーマー、ウエット、ニンフ、それにイントルーダーなどには、全てオープン・クリンチ・ノットを使っている。 イラストでは5回転ほどティペットを捩っているけれど、僕の場合はちょっと少なくて3回転。 これでもこれまで一度もトラブルには出合ってない。 新しいノットは慣れるまでにちょっと時間がかかるけれど、かなり有用性が高いので、お暇な時にでも是非。 たまたま海外のサイトを見ていた時に出ていたこの動画は、僕にとってかなりインパクトがあっただろうか。 以前からBSの釣り番組でタイラバが紹介されていると、そのテイルのラバーやネクタイの色と動きにとても興味を持ってしまい、 何とかフライにも応用できないかと思っていたところだった。本流レインボー、アメマスのフライなどなど。 商品名はKiley's Slow Rolla tail。 きっとこのテイルの動きというか波動は、ラバーレッグ以上にトラウトの好奇心を刺激してくれるかもしれない。 確かにバスフィッシングのワームの一つであるカーリーテールなどを応用することも出来のだけれど、 何度か試行錯誤はしたこともあるが、どうしても強度が弱く、ちぎれやすいのである。 でも、今回の製品はある程度の強度がありそうなので、もしかしたら結構耐久性があるのかも。 国内で販売されるかどうかは分からないけれど、かなり興味を持ってしまったマテリアルのひとつ。 きっと本流の流れの緩いポイントでスイングさせたら面白いに違いない。 Today's BGM : #
by slowfishing-yun
| 2015-08-13 22:43
| 私的FlyTyingの愉しみ
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札幌市在住Yunの北海道をメインフィールドにしたスカジットキャストによるトラウト&サーモン釣行記。R.B.MeiserなどのダブルハンドのカスタムスペイロッドやTube Flyなどの気ままなフライタイイングにお気に入りのリール、それにオリジナル音楽(Dub Techno, Ambient, Minimal, Drone, Noise Industrial)とフィールド動画(YouTube)などなど by Yun カテゴリ
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