2018年 04月 24日

<Episode #389> タンニンカラーに染まる本流

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海からの風には、ほんのりと春らしい潮の匂いが混じていたように思う。
天気予想に反して早朝の天気はどんよりとした薄い灰色の雲に覆われたものだった。
ポツポツと短時間だけれど存在感の薄い小さな雨粒が曇り空から落ちてきたりもした。

ここ2週間は毎週末になると雪の白さをフィールドで目にしていたけれど、4月の半ばを過ぎた先週末あたりからはやっと春らしく気温がポカポカと上がり始めたように思う。
予定通り、今回初めて別寒辺牛川を訪れるというIzumiさんと湿原から染み出したタンニンカラーに染まるOyster riverへと足を運んだ週末だった。





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Black mouth white spotted char(通称クチグロアメマス)





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R.B.Meiser S2H14067MKX-4 "Jock Scott"




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シンプルなHair wing streamerも最初からバーブを潰します





何の根拠もないのだけれどアメマスへのダメージが少ないことを願って、フックのバーブは最初からフォーセップを使いプチっと音がするまで潰すことにした。
早朝はまだ風がその存在感を感じさせないぐらい穏やかに吹いていたけれど、道東の太陽が低い地平線から40度ぐらいの高さぐらいまで昇ると、予報通り南南西の風が9m/sの速さで川面を走っていく。
満潮時間を過ぎて下流への流れが出始めると、ゆっくりとスイングするフライがほんの少しの違和感を感じた後、グゥンと衝撃と共に引き込まれるようになる。
お気に入りのロッドがバット付近から心地良いカーブを描き、通称クチグロのいかにもワイルドな風貌のアメマス達が顔を出してくれた。





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お気に入りのFarlexも使用後にはしっかりと塩抜きを兼ねたメンテナンス





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ベカンの春らしい色のコントラスト




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風の強い春の別寒辺牛川に対して僕が抱く印象といえば、春らしい少し霞の掛かったような黄色い青空と風の影響で濁りの入った茶褐色の流れとが作り出すコントラストだろうか。
日曜日は鈴木旅館の窓ガラスが風で揺れる音で目が覚めた。
春らしい青空の下、風が土曜日とは正反対の方向から強く川面を吹き抜けていき、そんなフィールドでは時折騒がしい鳥山も見かけた。
ピッチの速いロングストロークのリトリーブでランニングラインをつまんだ指先に不意に衝撃が訪れる。
夢中にならないつもりでいたのだけれども、いつの間にか時間が経つのも忘れて、すっかり釣りの方に夢中になってしまっていた。
次にタンニンカラーに染まる本流へと僕が足を運ぶのは、おそらく1年後の4月になるだろう。






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# by slowfishing-yun | 2018-04-24 23:37 | Fishing Reports | Comments(6)
2018年 04月 24日

<Episode #388> Fishing Movies

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ラベルのデザインに惹かれてつい買ってしまったこのブレンドスコッチウイスキー、飲み心地はなかなかスムーズ





YouTubeにiPhoneで撮った昨年の動画をいくつかアップしてみた。
YouTubeへの投稿が前がいつだったか全く思い出せないぐらい久しぶりだったので、作業に夢中になっていると時間はあっという間に過ぎ、時計の針はすっかり深夜。
まだまだ不慣れな作業だけれど、奥が深くてなかなか面白いからもう少しは続けてみようかと思っている。
さすがに撮影の難易度が高いiPhoneを使った魚やり取りの動画は撮れないけれど、指先の力をフッと緩めた手から魚体がゆっくりと離れて泳ぎだしていくC&Rのシーンぐらいなら、もしかしたら僕にも余裕をもって撮れるかもしれない。

リーズナブルな価格だけれどもスムーズなテイストのスコッチウイスキーでも飲みながら、少しだけあの時の心地良い余韻を思い出したいなと思ったりする。










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# by slowfishing-yun | 2018-04-24 00:07 | Fishing Movies | Comments(0)
2018年 04月 18日

<Episode #387> FarlexとHardy、そしてBekanbeushi river

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何とか今でも継続しているBlogの過去の釣行記をたどってみると、僕がこの茫洋とした風景が広がる極東の本流のタンニンが染み出した紅茶色の流れに佇み、初めてロッドを振ったのはどうやら2008年の4月のことのようだ。
そして厚岸町の鈴木旅館さんに初めてお世話になったのが2009年の4月だから、鈴木旅館さんとはかれこれ10年来のお付き合いということになる。
毎年この時期には欠かさずお世話になっているから、すっかり今では常連客のようになってしまったかな。
そんな長い付き合いの鈴木旅館さんもこの10年間で建物はさらにくたびれたけれど、さすがにブラウン管だったテレビも数年前からは液晶テレビになっていた。
相変わらず雑然とした厨房から出てくる牡蠣料理の美味しさだけは、ここ10年来何一つ変わることがないように思う。
さてさてそんな厚岸町を流れる別寒辺牛川に今週末も友人たちと毎年恒例の釣り旅と称して遊びに行ってきた。






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この時期の別寒辺牛川の毎回僕らが足を運ぶエリアが最河口部ということもあり、満潮前後には海水が混じることもあるから、ロッドにセットして使用するリールの仕様に本来はもう少し気を使うべきなのだろう。
おそらくソルト対応のリールの方が安心なのは分かっているけれど、官能的なサウンドを奏でるクリック音の大きなソルト対応ではないリールの方が趣があって個人的には好きなので、これまでもそういうリールばかりを使っていた。
今回使用したリールはFarlexの3 3/4" S-handleとHardyのMarquis Salmon No.1。
Farlexの方にはAtlantic Salmon Short #8/9(520gr) S1/S2。
Hardyの方にはSkagit Compact Int. 540grに15’ #8/9 Inter(clear)のティップを使用。
フィールドでの使用後には海水をしっかりと洗い流してウエスで水分をふき取り、さらに回転部分にはグリスアップを施しておく。
こういう手間も毎回施すようにしておくと、それほど億劫にならずにすむだろうか(笑)






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潮が満ちてくるとフィールドを吹き抜ける風に海から遡上してきたクチグロアメマスの匂いがしたような感じた。
とにかく風が強くて、瞬く間に水で濡れた指先の感覚がしびれてなくなりそうなタフコンディションのフィールドだったし、正直なところ、釣りの方も僕にはかなり難しかった。
一日を通して僕のロッドがアメマスの躍動感で美しい弧を描くことはほとんど少なく、海からの風を感じながら友人たちのロッドが描く美しいロッドのカーブを見ながら風の強い土曜日を過ごしただろうか。
本当はフックのバーブをフォーセップで潰してフライをスイングさせるぐらいの余裕が欲しかったのだけれど、そんな気持ちの余裕は僕の中で最初からは生まれていなかったので、バーブを潰したのは最初のアメマスをリリースした後からかな。
ここ10年を振り返ってみると、少しずつアメマスの数が減っているように感じる印象が強いし、それが釣り人による影響なのか、それとも環境的な要因なのか僕には定かではないけれど、リリースするアメマスへのダメージが極力少ないように次は最初からバーブレスにしてみようと思っている次第。

札幌の感覚からするとそれ程の量ではないのだけれど、日曜日には地元の方もビックリするぐらいの雪が降り、さらに強風というタフコンディションと重なったため釣りの方は諦め、友人たちとのんびり宿で朝食をいただき札幌へと帰ることにする。
まあ、最近はこんなのんびりとしたゆとりも少なかったから、ちょうどよいリフレッシュになったかなと思っている。






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鈴木旅館の夕食、ここに生牡蠣2個と尾幌昆布のお吸い物がつく



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# by slowfishing-yun | 2018-04-18 22:01 | Fishing Reports | Comments(11)
2018年 04月 11日

<Episode #386> 7回目の車検

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札幌の積雪量がゼロとなり、とうとう今年の秋には7回目の車検を迎えるエリーゼのカバーを外した。
エンジンキーを回すと一瞬の間をおいて不安定なアイドリング音が薄いシート越しに背中から響いてくる。
ガレージから車を出して、冷たい水で冬のホコリをひと流しした。
今回は最近お気に入りのテムレスを使って洗車をしたから、これまでのように水の冷たさで手の感覚がなくなるということもなく快適に洗車を終えた。





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僕が歳を重ねたと同じようにこの車と過ごすようになってかれこれ15年もの年月が流れようとしている。
もちろん15年前に手に入れた時のような初々しい輝きはすっかり消え失せ、どこか枯れた感じすら漂うライトウェイトスポーツカーになってしまったけれど、それでもまだまだエンジンを回すと現役そのもので、着座位置の低いシートに座り径の小さなハンドルを握ると緊張感にも似た不思議な感覚を覚えることがある。
ハンドルを握る機会が次第に減ってくると何度か手放そうかという考えがこれまでに脳裏によぎらなかったと言えばまったくウソになるのだけれど、やっぱりもう少しハンドルを握る愉しみを味わっていたいものだ。
今年も機会をみてまたサイドシートにお気に入りのロッドを積み込みまたフィールドへとロングドライブしてみようと思っている。





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# by slowfishing-yun | 2018-04-11 23:05 | Slow Fishing | Comments(2)
2018年 04月 09日

<Episode #385> 白い桜のように / Bekanbeushi river

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何となくそんな予感はしていたのだけれど、金曜日の夕方に友人からの連絡を受けて、土曜日に足を運ぶフィールドをヒバリの囀りが響いてきそうな春らしい南から、釧路よりもさらに遠い東へと急遽変更することに対して、やはり僕はまだ十分に心の準備が出来ていなかったんじゃないかと思う。
道東道の占冠SAを過ぎたあたりから、気温の低下と同時にみぞれ交じりの雪が降り始めた。
そして帯広を過ぎたあたりからは次第に湿った雪へと変わっていく。
空が明るくなり始めると、この時期の道東では珍しく白銀の雪景色の風景が目の前に広がっていった。
そして国道沿いに広がる木々の葉に被った湿った雪は、まるで白い雪でできた桜の花ようにも僕には見えた。
いつもなら不意に国道の脇から鹿が飛び出してきそうなんだけれど、この寒さではそんなハプニングも起こることはなかったかもしれない。
満潮となる朝の6時前後には、何とか無事にすでに何台かの車が止まっているフィールドにたどり着くことが出来たことに、ほっと安堵感に包まれると同時に柔らかい眠気がジワーっと押し寄せてくる。
でもそんな眠気もすぐ脇を通り過ぎていくトラックが雪解けのシャーベットをビシャーっと周りに飛ばしていくと、一気に覚めていくのだった。





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この地には珍しい雪景色






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シャーベット状の雪が早春のフィールドを包む






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例年よりも数週早いこの時期にベカンを訪れるのは、僕にとって初めてのこと。
さらにこんな白一色に包まれたモノトーンの雪景色のベカンを訪れるのも、初めてだと思う。
明るい鉛色の道東らしい空が頭上を覆っていた。
乾いた葦の色や泥炭、それにタンニンの染み出した色など、ここ数年は毎年のようにこの地を訪れているからすっかり見慣れたと言ってもいいフィールドに抱く色彩に、たった白という色彩が加わるだけでこんなにも印象がガラッと変わるものかと驚いてしまった。

フィールドには北寄りの風が強く吹く。
少しずつ流れが出始めたのは8時頃だたかもしれない。
それが合図かどうかは分からないけれど、少しずつベカンのアメマス(通称クチグロアメマス)からのコンタクトが僕のロッドにも訪れるようになった。





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6/7番のMKXがバットから美しいベンディングカーブを描く






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無骨でワイルドなアメマスらしい大きな背びれ
この背びれの質感、どこか黒鯛(チヌ)に似ている?






干潮はおそらく午後の2時頃だったと思う。
その時間に向けてゆっくりと本流が本来の流れの勢いを取り戻していく。
満潮近くはまだ海水が混じっているので水温はそれほど低くはなかったけれど、時間とともに流れが出始めると今度は雪解け水が混じり始めて一気に水温が下がり、ウェーダーの中でユニクロのヒートテック・ソックス2枚重ねの僕の足先が急に冷えていくのが分かった。

久しぶりにパワフルなクチグロアメマスの躍動感を感じることが出来た一日だった。
それもスイングの釣りを楽しむことが出来て、僕としては足先の冷たさはなかなか厳しかったけれど、やはりあっという間に過ぎていった一日だった。
日帰りというかなりハードな釣り旅だったということもあるけれど、やっぱりちょっと無理をしてでもmasaさん、sugiさんと足を運んで良かったと思える一日になったと思う。
そして僕らがフィールドを離れる頃には、早朝にフィールド一面に咲いていた雪でできたひと時の白い桜はすっかり散ってしまっていたのだった。

P.S.あの色彩から使用することにとても躊躇していたテムレスというグローブが非常に機能的な商品だということに気づく。
14フィート、6/7wt、MKXにアトランティックサーモン・ショートSH、8/9(520gr)、S1/S2がとてもマッチしていたことも収穫のひとつだったかな。





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今回メインで使ったフライには、VARIVASの4番と6番フックを使用
マラブーよりもスードゥーヘアの耐久性が良かった





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# by slowfishing-yun | 2018-04-09 22:20 | Fishing Reports | Comments(4)