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2019年 05月 19日

<Episode #454> 若いイトウとホットサンド、そしてコーヒー

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早朝、それもまだ日が昇る前の湖はというと、野鳥の囀りを引き算すると、それはそれは静寂さそのものに包まれていたように僕は感じた。
まるで鏡のような波ひとつない湖面には時折ポワーン、ポワーンとひとつ、またひとつと大きなライズリングが音もなく広がっていく。
おそらく小さなトラウトかウグイの作り出すものだろうけれど、時にはそれらとはまるで違うサイズのライズリングも遠くで広がるものだから、ついつい今日という一日への期待感が僕の中でいっそう膨らんでしまうわけだ。
早朝の気温はまだ7℃前後だったけれど、フリース地のグローブを必要とはしない朝だった。
渡船が桟橋からエンジン音と共に静かに滑り出していく。






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湖の向こうに連なる山々に残った残雪が朝日に照らされて輝き出す前のまだ早い時間帯だったけれど、僕がリトリーブするオリーブゾンカーを見つけてくれたのは、まだ若くて元気いっぱいの次世代を担うイトウだった。
岸際を群れになってスクーリングするワカサギの数は先週よりもさらに増え、それにつられてトラウトやイトウも岸寄りするから、きっとこれから朱鞠内湖の釣りもベストシーズンを迎えるのだろう。
先週よりも湖面の水位は若干上昇していたけれど、それでも例年よりは水位が低いように感じられた。

ジリジリと照り付ける日差しに、なかなか心地良いお昼寝タイムを湖畔で取ることが出来なかったけれど、それでもこの日差しは僕にとってそんなに嫌なものではなかった。

今年も湖畔でandieさんお手製のホットサンドをご馳走していただく。
キリっと冷えたビールを持ってこなかったのを後悔するぐらい、昨年よりもさらに美味しくなったホットサンドだった。
andieさんのホットサンドとsugiさんの深煎りのコーヒー、この組み合わせを密かに来年も楽しみにしていたりする。






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# by slowfishing-yun | 2019-05-19 21:02 | Fishing Reports | Comments(12)
2019年 05月 12日

<Episode #453> 朱鞠内湖の強風

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冷たい雨粒がまるで気絶するかのように湖岸でひと時の深い眠りに落ちていた僕の顔にいく粒も降り注ぐ。
ふと気が付くと北大島に吹きつけていた北西寄りの強風は、僕が眠りに落ちた時よりもさらに勢いを増したようだった。
ダークカラーの湖面には白波が幾重にも連なり、ゴーゴーと音を立てながら背後の白樺の木が大きく前後に揺れている。
ほんの数尾のワカサギのスクーリングは見たけれど、打ち寄せる波で岸際がサンドベージュに濁り始めたから、この状況ではもう視認はできないだろう。
先週のGW後半に僕の目に焼き付いた朱鞠内湖の空いっぱいに広がったあの青さは、もうそこにはなかった。

気温はもちろんプラスの一桁だけれど、体感温度はそれ以下、まるで氷点下の気温の下で釣りをしているような感覚だった。





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西北西の風は北大島の僕らが好きなポイントだと、おそらく真正面かやや右正面から吹くかたちになるのだろう。
ロッドを手にオレンジ色のバッグを肩に掛け、北大島の風裏を求めて1周半近くもトレッキングしてしまったようだ。
まるで別世界のような風裏の穏やかさに、ほっと気持ちが和んだことが今回の朱鞠内湖では特に印象深かった。

風が吹き、5月の雨が降り、そして時には春の日差しがフィールドに降り注ぐ。
そんな湖面でイトウらしき大きなボイルを沖合に見たのはたった一度だけ。
ワカサギをイミテートして2番フックに巻いたオリーブ色のゾンカーには、アメマスとサクラマスがリアクションしてくれた。
それは26年前に僕が朱鞠内湖で初めて見たプラチナシルバーを鮮明に思い出させてくれる湖沼型のサクラマスだったし、アメマスの方は湖水の色を反映するかのように色味の薄い背中の色をしたアメマスだっただろうか。

密かに抱いていた出合いと躍動感への期待に反して僕が動く根掛りに出合うことは、MAXの迎えの船のエンジン音が近づいてくるまで訪れることはなく、そして今回もたくさんのフライをロストしてしまった。
それにしてもイブニング前、あれだけ強かった風がピタリと吹きやむと、湖の印象がガラリと変わったのにはちょっと驚いたかな。

さて、本流のコンディションは気になるけれど、また時間を見つけてタイイングバイスの前に座る必要があるようだ。





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# by slowfishing-yun | 2019-05-12 20:13 | Fishing Reports | Comments(8)
2019年 05月 06日

<Episode #452> GW後半

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4500円という1ヶ月券を初めて購入し、GW後半となる3日間を過ごした道北の朱鞠内湖で、僕がフィールドを歩いた総距離はおおよそ32km。
十勝川下流域のアメマスでもポイントを探してフィールドを彷徨いながらたくさん歩くことはあるけれど、そこにまるでフィヨルドのように複雑に入り組み、さらに高低差も加わる朱鞠内湖の湖畔を全身汗だくかつヘトヘトになりながら本当に良く歩いたものだと自分でも感心する。
特に冬季通行止めのゲートからブトカマベツのインレットを熊鈴と熊スプレー持参しながら歩いた時は、次はもうここに歩いて来ることはないなと思うぐらいヘトヘトに疲れてしまったかな(笑)
でも、その苦労に見合うぐらいの朱鞠内湖の神秘的な風景を見ることが出来たから、まあ良しとすることにしよう。
小雨がパラつく初日の天気だった。
湖に映し出される木立の陰影がより一層朱鞠内湖の持つ神秘さを増幅させていたように思った。





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2日目以降は早朝は穏やかな5月らしい青空が頭上に広がるけれど、時間と共に南西寄りの風が強まって湖はさざ波立ち、岸際からサンドベージュの色合いが強くなった。
遠くの山に残された残雪の白と朱鞠内湖の空の青さ、それに白樺のグリーンの葉とオフホワイトの幹に湖水の減水でむき出しになったサンドカラー、朱鞠内湖らしいモスグリーンの色合いとが作り出す色彩のコントラストは、本当にため息が出そうなぐらい美しかったりする。

僕がフィールドでほんの数尾のワカサギの姿を見かけたのは2度だけだった。
おそらく早朝とイブニング以外で本格的なワカサギの岸寄りはまだまだ先のことになるのだろう。

初日には2度のバラしがあり、2日目には朱鞠内湖ではちょっとレアな感じがする一瞬80アップを予感させた鯉、そして最終日の3日目はノーバイト。
鯉がヒットした時はてっきり80アップだと思い込んでいるから、少し前にイトウに出合ったばかりのsugiさんにランディングをお願いしたぐらいだから…笑
ワカサギが岸寄りしている時期は根掛りのような衝撃を伴ったテイクが多いけれど、今回は何となくモゾモゾというどこか躊躇うようなアタリが多かったのが印象的。

そういえば僕が初めて朱鞠内湖でルアー釣りによるトラウトフィッシングをしてから、かれこれ27年も経つようだ。
おそらくフィールドに立って目にする風景はあまり変わっていないと思うけれど、この美しさがこれからも変わらず続いて欲しいと思うのだった。





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# by slowfishing-yun | 2019-05-06 16:57 | Fishing Reports | Comments(8)
2019年 05月 01日

<Episode #451> GW前半

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車のカーゴルームにロールマットと寝袋、それに毛布までもを積み込んだのは数ヶ月ぶりだろうか。
相変わらず車中泊セットに忘れ物がないかどうかが心配になり、2度ほど入念にチェックを済ませておく。

10日間も休みが続くGWの前半はどこのフィールドで過ごそうかとずいぶんと迷い、まずは別寒辺牛川のフィールドを目指すことにする。
世の中は長いGWが始まったばかり、深夜の道東道はいつも以上に車が走っていた。






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Beadhead Streamer White Tail / Varivas Streamer Hook #6





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別寒辺牛川のサンドベージュでSaracioneも少しお化粧。




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早朝は風も穏やかで野鳥の囀りが響き渡るぐらい静寂さに包まれたフィールドだった。
アメマスのサイズは桜前線の北上と共に春が進むにつれ、少しずつサイズダウンしているように感じるけれど、相変わらずアングラーのロッドを小気味よく曲げてくれる。
それでも、時には大きいサイズのアメマスの群れも行き来することもあるようで、不意にランニングラインをリトリーブする指先に伝わる衝撃の重さというか強さに、僕自身もちょっとビックリすることもあった。

フィールドに頭上から注ぐ春の日差しは本当に眩しかった。
10時頃を過ぎると、南西寄りの右背後からの風が強まりはじめて川面がさざ波立つ。
泥炭地の湿原の浅瀬からサンドベージュの濁りが少しずつ混ざり始めて、上流へと逆流していく。
結局、今日も岬に残ったアングラーは僕ひとりっきりになてしまった。
そんな日が別寒辺牛川では2日間も続いた。

数年ぶりに立ち寄った厚岸の食事処一休、今回は醤油ではなくお勧めの塩ラーメンを選んでみたけれど、こちらもやさしい味でとても美味しかった。





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しおラーメンとチャーハンのセット。しょうゆラーメンもおすすめ。




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2日目の午後から十勝川へと移動し、3日目はフィールドリサーチを兼ねて十勝川でフライをスイングさせてみることにする。
水温はまだまだ低く、若干雪代の混ざった青白い色合いが早春の本流の流れを彩っていた十勝川だった。
十勝川のレインボーに出合いたくって上流から中流域を彷徨ってみる。
数年前とはすっかり様変わりしてしまった本流だったけれど、水深と流速をキーワードにまずはポイント探しから。

野鳥の囀りが心地良い朝だった。
そんなフィールドの心地良さとは正反対に、なぜか僕にはトラウトからの気配があまり感じられない本流だった。
数ヶ所ほどの思いつくポイントを巡ったものの何のリアクションもなく、ここのポイントで反応がなければ次が思いつかないというポイントでスイングするフライがいきなり何の前触れもなく引き込まれる。
手にしたロッドがバットから大きくバウンドし、水面が大きく割れた。
ロッドから伝わる重量感やヘッドシェイクの振幅の幅からもグッドサイズが容易に予感できた。
しばらく膠着状態が続いたけれど、少し間合いが近くなったところでフッとロッドに伝わるテンションがどこかへと消えてしまった。

僕はこの状況が直ぐには呑み込めなくて、一瞬言葉を失ってしまったけれど、なんだか残念ではあるもののとても嬉しくなってしまった。
これでまた十勝川に足を運びたいという気持ちが繋ぎとめられたように僕には感じられたから。

そんな訳で今回の十勝川の収穫は行者ニンニク。
酢味噌和えにしていただくと、とても美味しかった。
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行者ニンニクの群生を初めてみた。少しだけ自然の恵みをいただく。




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# by slowfishing-yun | 2019-05-01 18:37 | Fishing Reports | Comments(4)
2019年 04月 24日

<Episode #450> Hardy Zenth Fly Reel

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現在はすでに廃盤になているHardy社の"Zenith・ゼニス"という名前のフライリールが、僕の中で以前から少し気にはなっていたのは意識していた。
リールの径は少し小さいけれど、ワイドスプール仕様なので低番手のスペイラインなど収納できるライン容量はそれなりにあるとのこと。
きっと低番手のスペイロッドにはお手軽なG&Pのリールになるのだろう。
これまでもヤフオクなどではそれなりの値段で取り引きされていて、僕が思い切って入札するまでにはなかなか気分が盛り上がらなかったけれど、最終的には僕のこのリールに対する許容範囲の落札価格を超えて取り引きされていたから、結局のところいつまでたっても遠い存在のリールであることに違いはなかった。

ヤフオクならまだしも、海外のebayでリールを落札したのは、これが初めてのことである。
少し使い古されたリールだったけれど、まさかこの値段で落札されることはないだろうと、でもひょっとしたらという一抹の期待も込めて、おそるおそる入札してみた。

結局のところ僕以外の誰も入札することはなかったようで、PayPalで落札代金と送料を送金すると、送金してから約12日後には僕の手元に英国からの小さな荷物が届いく。

Hardyのリールからはもう卒業したつもりでいたけれど、僕のリールコレクションにまたひとつ小さなHardyのリールが増えてしまった。
それにしてもニッケルシルバー製のヘビーUのラインガード、なかなか雰囲気があっていいのである。

この小さなリールにスカンジ系のフローティングのSHを巻き込み、本流でウェットフライをスイングさせてみたいと思っている。
きっとZenithのG&Pからは素敵な音色が奏でられるはず。






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Today's BGM : この澄み渡る女性の歌声、なかなか印象的でした。北欧はノルウェーの方のようです。Massve Attackの名曲のカバーというのがまた素敵です(笑)





# by slowfishing-yun | 2019-04-24 21:27 | My Favorite Reels | Comments(4)