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2017年 09月 04日

<Episode #345> 秋シーズン

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ロッドを片手に秋虫の音色が響く土手の斜面を登ると、築堤にとめた車の向こうに秋の始まりのようなオレンジ色に染まった夕焼けが広がっていた。
フィールドを吹き抜けていく風には、何やら秋らしい涼しさすら感じられる。
夕日が沈んで辺りがすっかり暗くなり始めたら、きっとシャツの上にユニクロのフーディでも着る必要がありそうだ。
この週末は、台風の影響で釣りに出かけるのは難しいかなと思っていたけれど、予想に反して何とか北のフィールドに立つことが出来たのは本当に幸運だった。
楽しかった今日という一日のように、どうか明日も素敵な一日となりますように…笑。



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早朝のフィールドには白いガス状の霧が掛かっていて、とにかく幻想的な雰囲気を醸し出していたのが印象的だった。
まるで流れの描くストリームが、霧の奥へとゆっくりと静かに消えていくかのように…。
そんな霧の向こうから思わずドキリとするようなサーモンサイズのレインボーの跳躍音がする訳ではないけれど、そんな音がいつ響いてきてもおかしくはないような早朝の中州に続く深瀬のポイントだっただろうか。

2ヶ所目に訪れたポイントは産卵床の瀬に続く深瀬のポイント。
バックスペースがあまり取れないので、ここではオレゴンの工房でリメイクしてもらった13フィート、7/8番、MKXを使うことにする。
540grのフローティングのスカジットスイッチの先に15フィートのT-14を繋ぎ、ティペットの先には数日前に巻いたばかりのConehead tube fly "Interaction 2017" black&orangeを結んだ。
10m程ステップダウンしたあたりだっただろうか。
スイングのほぼ終わりかけでフライの動きが一瞬止まる。
水面下の岩盤にフライが根掛りでもしたのかと思ったけれど、次の瞬間静寂さが猛烈なヘッドシェイクへと変貌した。

予想したほど下流には疾走しなかったけれど、なかなかパワフルかつトルクフルなLサイズ後半のオスのレインボー。
でも僕にとってとにかく印象的だったのはレインボーの大きな頭もそうだけれど、それ以上に不自然な形で「く」の字に曲がったレインボーの背中の方だった。
奇形という言葉は好きな言葉ではないけれど、おそらく生まれながらにして何かしらの障がいがあったのだと思われる。
ここまで大きくなったこのレインボーのタフさにも驚いたけれど、このレインボーがここまで大きくなれた天塩川もすごいなあと思ったのだった。



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対岸から初めてポイントにアプローチしてみる。
いつもとは違う風景を目にしながらキャスト&スイングを楽しんだけれど、残念ながら小さなアタリが2度ほど。

イブニング前には早朝のポイントで3キャスト目にLLサイズにアディオスされてしまう。

日曜日は前日のmasaさんのLLポイントでキャスト&スイングしててみたけれど、すでにLLサイズはお留守にされているようで出合えずじまい…笑。

そして日曜日に僕が訪れた最後のポイントで最後のキャスト&スイングを終え、リールにラインを仕舞い込み岩盤の岸際を歩いていると、ふと砂地に見慣れた鹿やキツネの足跡ではない横並びの鋭い爪の跡が残されているような気がした。
さらに進むと、今度は岸際の砂地にヒグマの足跡がしっかりと残されている。
ここは天塩川の美深エリアの中でも超メジャーポイントのひとつ。
おまけに6月29日に流れたTVの美深町でのヒグマ関連のニュース映像でも映っていた場所。
正午も過ぎた時間帯だったのですっかり油断してしまい熊スプレーは車の中に置きっぱなし。
かなり緊張しながらいつも以上に鈴と笛を鳴らしつつ何とか何事もなく車まで戻って来れたけれど、やっぱり油断大敵ということだろうか。
僕にとってはとてもいい教訓になったと思う。
                                          68.01→67.94

P.S.月曜日の朝に美深町役場に連絡する。まだ若いヒグマで右岸と左岸を行ったり来たりしているとのこと。これからのシーズン、天塩川へと足を運ばれる方は是非気をつけて下さい。



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by slowfishing-yun | 2017-09-04 23:40 | Fishing Reports | Comments(8)
2017年 08月 27日

<Episode #344> スコール

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ここ最近はオホーツクや知床のピンクサーモンのフィールドへとめっきり足を運ばなくなり、どうもこの時期のフィールド選択にずいぶんと迷うようになってしまったかもしれない。
結局のんびりとした時間にフィールドに向けて自宅を出発した時には、まだそよぐ風にお盆を過ぎた夏の気配が含まれていたように思う。
空はまだまだ夏の青さの残る8月の青空だった。
でも僕がハンドルを握る車が中山峠を越えて羊蹄山の麓の真狩村のあたりに差し掛かってから、どうやら少しずつ風が強まり始めて、目指す先のフィールドの空の色が濃い灰色に変わっていった。
やがてポツポツと大粒の雨粒が車のフロントガラスに当たり始める。
尻別川の昆布エリアの駐車スペースに車が滑り込んだ時には、ほんの短時間だけれど車の外に出るのを躊躇うほどのスコールのような激しい雨となった。



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激しい雨が降り止むと、今度は眩しい日差しと共に先ほどよりもさらに青いと感じる夏の青空が頭上に現れた。
そして少しのタイムラグをおいて、夏ゼミの鳴き声がフィールドに響き始める。
湿度の伴った夏の暑さがフィールドを覆っていた。
そういえば早春のアメマス以来、ずいぶんと久しぶりに足を運ぶ晩夏の尻別川だった。
水位は若干低めだったけれど、もう少しクリアーかなと思っていた本流の色は濃いオリーブ色に染まり、透明度はおおよそ80cmといったとこだろうか。
第1、第2セクションで何度かバイトはあったけれど、僕がフックを外すためにトラウトに触れるという状況までには至らなかった。



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遅いランチと飲み物を買いに蘭越町にあるセイコマートに入ると、今度は先ほどの数倍ほどのまるでバケツをひっくり返したような豪雨となった。
僕が車の中での遅いランチを食べ終わるころにはスコールのような大雨が嘘のように降り止む。
おそらく本流が濁るまでには多少のタイムラグがあるとしても、田畑や用水路からあふれた黄土色に濁った水が本流に注ぎ始めるのだろう。
今日はイブニングまで本流で粘ろうとヌカカ対策もしっかりと準備してきたけれど、今日はこれでストップ・フィッシングにしよう。

雨のあとは、なぜかフィールドに吹く風がひんやりとしたものとなった。
着替えをしていると草むらからの秋虫の音色が突然消え、頭上を爆音とともに2機のオスプレイが旋回しながらあっという間に遠くへと消えていった。
そしてフィールドには秋を感じる静けさが何事もなかったかのようにまた戻ってきた。
                                          9.30


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by slowfishing-yun | 2017-08-27 21:44 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 08月 22日

<Episode #342> 夏の本流

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釣り旅へと出かけようと1週間ぶりに車の運転席に乗り込むと、車の中にクモの巣が張り巡らされていて、とても驚いたのが週末の始まりだった。
どうやら先週末の釣行のさい、いつの間にか車の中にクモが忍び込んでいた様子。
それにしても車の中にこんなにクモの巣が張っていたのは初めての経験。

そして本流が流れる北のフィールドに立つと、まったりとした夏のにおいがしたように僕には感じられた土曜日。
それはある意味、僕と鱒との距離を感じさせるにおいだったように思う。
不思議なもので、年に数回はフィールドに立つとそんなにおいを自然と感じたりして、無用な期待をしなくなったこともあっただろうか。
出来れば僕の気のせいだあってほしいと願いながらお気に入りのロッドをキャストしていたように思うこの週末だった。



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先週とは違って、いかにも夏らしい好天には恵まれていたけれど、減水がさらに進み、日中の水温が思わず生温いとさえ感じる23℃ぐらいまで上昇した天塩川だった。
そんな週末の2日間で僕は天塩川の思いつくポイントを彷徨い、いつもよりも少し先までウェーディングして普段の水位ならフライを届けることが出来ないポイントまでフライをキャストし、ドキドキしながらスイングさせてみたりする。
どんな出合いが訪れるか全く予想がつかない緊張感は、僕なりにかなり楽しかったかな。
でも、そんな淡い期待感の中で顔を出してくれるのは、フライの大きさとはまったく不釣り合いな小さなレインボーぐらい。
そしてフィールドで僕が目にした釣り人の姿はというと、それもたったの3人とかなり閑散としたものだった。



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夏のけだるさも不注意というか気の緩みの一つの要因だったかもしれない。
いつもよりも速いピッチでリトリーブするラインにグゥンと衝撃が伝わる。
でもその悪くはない躍動感は残念ながら長続きはしなかった。
フライを回収してみるとチューブフライにセットしたチヌ針のフックが伸びていた。
おそらくその前のキャストで川底の大きな石に引っ掛かったフライを少し強引に外した時にフックが伸びてしまっていたのだろう。
フックの状況を確認していなかったのを少しだけ悔いたもしたけれど、やはり夏の暑さのせいにすることにした。

お気に入りの深瀬のポイントでは、到底フライを届けられない対岸でサーモンサイズの魚が跳ねていたから、もしかしたら夏の美しくてパワフルな本流レインボーに出合えるチャンスがどこかで巡ってくるのかもしれない。
車をとめた駐車スペースの脇の草むらから秋虫の羽音が聞こえてくると、フィールドに近づいてくる秋の気配をほんの微かに感じるのだった。

P.S. FBで知り合ったUsamiさんから届いた旧モデルのスカジットスイッチ(420gr)とマイザーの13フィート、5/6番のMKSとのマッチングがドンピシャだったのがとても嬉しい収獲だった半面、早春に購入したオレンジ色のPatagoniaのストームフロント・ヒップパックが、防水ファスナー以外のところから浸水したのがちょっと痛かったかな。まずはアクアシールで補修してみようと思っている。
                                              67.86


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by slowfishing-yun | 2017-08-22 22:01 | Fishing Reports | Comments(4)
2017年 08月 13日

<Episode #340> 雨の本流

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天塩川のキャンプ場で迎えた土曜日の朝。
昨日の午後から降り始めた8月の冷たい雨がまだ降り続いていた。
きっと台風から温帯低気圧に変わった前線の影響なのだろう。
けっして大粒の雨というわけではないけれど、時にはシトシトと霧雨のように、また時にはパラパラと小粒となり、まるでゆっくりと波打つかのようにその存在感を変えながら、僕のRearth社製のレインジャケットにゆっくりと染み込んでいった。
フィールドでは雨が降り止むということはなく、レインジャケットの耐水性能を超えて染み込んだ雨とその冷たさで、僕は思わずブルっと何度も身震いしてしまっただろうか。


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祝日の午後から降り始めた雨は土曜日になっても降り止むことはなく、かなり水位が下がっていた本流だったけれど、少しずつ水位が上がると同時に濁りも増していったように思う。
風が穏やかだったこともあってか、雨が弱まると草むらからは虫の音が響き、ツバメが低空を飛び交っていた。
いつくかのポイントを巡り、最後に訪れたポイントだった。
フローティングのスカジットコンパクトの先に15フィート、タイプ3のティップを結び、ティペットの先にはコーンヘッド仕様のブラスチューブSnaeldaのスモーキータンを結ぶ。
流れを超えてややクロス気味にキャストしたフライが着水して数カウント後、いきなり強烈な衝撃と共に手にしたラインがひったくられる。
ブレーキを絞ったSaracioneから何度もすごいパワーでラインを引き出し、心地良さを超えたスクリーミングサウンドを何度もロッドを手にしたアングラーの耳に届けてくれた。



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サイズこそLサイズ半ばだけれど、そのサイズ以上に分厚くて幅広の体高の方が僕には印象的なレインボーだった。
左の顎には古傷があったから、おそらく以前に他のアングラーのロッドをギリギリまで絞り込んだことのあるレインボーなのだろう。
雨が降り続ける中、iPhoneで何枚かの写真を撮り、そっとリリースする。
またきっとサイズアップだけでなくパワーアップもして、他のアングラーのロッドを極限まで絞り込んでくれるに違いない。



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天塩川へと足を運ぶ前に、サワデーさんお気に入りの本流をサワデーさんご本人にガイドしてもらう。
この日が先週の土曜日に届いたばかりのR.B.Meiser 14' 6/7wt MKX "Jock Scott"のフィールドでの道具としてのデビューとなった。
ガイドしていただいたフィールドは独特の風情のあるロケーションだったけれど、大きなレインボーの気配がプンプンなので機会があればまた訪れてみたいと思う。
そしてロッドのレビューに関しては、近いうちにこちらで紹介できればと思っている。
そんなフィールドで新しいロッドのキャストフィールを感じていると、流れに馴染みながらスイングする黒のInteractionをMサイズのレインボーが気に入ってくれたようだ。
とても気持ちのよいフライへの出方とレインボーの描く3回のジャンプはお見事だったかな。


水温が20℃よりも下がっていたこともあり、金曜日の午後からは水位の下がった天塩川へと移動することにした。
ポイント選びにはかなり迷ったけれど、今シーズンになって二人の友人がLLサイズに出合っている、少し水深のあってバックスペースがほとんどないポイントに足を運ぶことにした。
15フィートのT-14の先に黒のInteractionを結び、あれは僕の記憶が正しければ確か2キャスト目だったと思う。
流れに馴染みながら程よいスピードでスイングするフライに不意にグゥーンと鈍重な違和感を感じる。
そしてグゥワン、グゥワンという幅広のヘッドシェイクと続き、これは明らかにトロフィーサイズかもと思った僕の期待に反して、
フッといつものようにテンションがどこかへとフェードアウトしてしまう。
今回もグッドサイズのお相手とは束の間のランデブーに続くアディオス。
大きなため息とともに、途方もない虚脱感に包まれてしまった「山の日」の祝日だったかな(笑)。
                                   67.79→67.97


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by slowfishing-yun | 2017-08-13 17:15 | Fishing Reports | Comments(4)
2017年 08月 06日

<Episode #339> 8月の本流 / 湧別川

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存在感の薄い霧雨のような小雨が降る湿度の高い8月のオホーツクの本流だった。
ハイウェイの途中からABUさんがハンドルを握ったmasaさんの車の外気温計が、峠の頂上付近では確か14℃を表示していたと思う。
札幌は夕方からすでに曇り空で、深夜にはこれから降り始める雨を予感させた。
そしてフィールドでは8月の存在感の薄い小雨が、アングラーにレインジャケットを羽織るべきかどうか、とてもちっぽけなことだけれど、最後まで迷わせ続けた。


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この日はフィールを歩いていると、なんだかいつもとは違う不思議なにおいがフィールドでしたように思う。
おそらくそれは気温と水温の上昇によるもので引き起こされたものなのだろう。
冷たさや新鮮さとは対極にある流れのない澱んだようなものだった。
なかなかそれが何のにおいか僕には思い出せなかったけれど、あるとき不意にそれが子供の頃に飼っていたカエルやおたまじゃくし、それにカメなどの水槽のにおいと同じなことを思い出した。
おそらくフィールドのコンディションも決していいものではなかったのかもしれない。


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R.B.Meiser 12'6" 6/7wt MKS "Black doctor"
Saracione Mk.V 3 1/2" All black
Airflo Skagit Switch 480gr + Rio 15' 8wt Type3
2.5号のフロロカーボンのティペットの先にNo nameのウエットフライを結び、少し流れの速い浅瀬で対岸めがけてキャストしていると、着水してスイングを始めたフライが不意にグゥンと引き込まれる。僕がもしかしたらと期待していた少し水深のある深瀬のポイントがさらにステップダウンした少し先に控えていたものだから、フライへのテイクに心の準備が出来れていなくて、正直かなり慌ててしまったけれど、水面下に現れた色鮮やかなレッドバンドにさらに追い打ちをかけられてしまう。
ABUさんにランディングをヘルプしていただいたレインボーはサイズこそMサイズだけれど、とても美しいバランスの取れたレインボーだったかな。

レインボーを静かにリリースすると、いつの間にか頭上には夏ゼミの鳴き声と共に夏の空が広がていた。
                                                 50.81

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by slowfishing-yun | 2017-08-06 19:10 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 07月 31日

<Episode #337> 霧のち快晴


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本流の川面が深い碧色と傾きかけた夕日のオレンジとに染まり始めた土曜日のイブニング前の出来事だった。
僕がキャストしてスイングするフライに何の変化も起こらないことがすでに80m以上ステップダウンしても変わらず続いていただろうか。
川幅がギュッと狭まる対岸のテッシといういくつかの大きな岩盤が集まったエリアを過ぎると、今度は本流の川幅が少しだけ広くなって流速が若干だけれど遅くなった。
何の前触れもなくふと何気に下流へと視線を向けると、まるでタイミングでも見計ったかのように偶然にも25mほど下流の岸際近くでサーモンサイズのレインボーが重量感のある炸裂音と共にライズする。



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僕は若干ピッチの速まった呼吸を整え、下流で一度だけ姿を見せたレインボーとのおおよその距離をもう一度確認する。
流芯からゆっくりと岸に向かってスイングしてくる#4番のストリーマーフックに巻いたコーンヘッド仕様の黒のInteractionに少しだけアクションを加えていると、まるで僕の頭の中で描いたイメージ通りにグゥンと重量感のある負荷が掛かった。
最初は根掛ではないのかと一抹の不安もあったけれど、ロッドに掛かる負荷は徐々に躍動感を伴った力強いものへと変化していく。
僕が手にした"Solar eclipse"はバットの付け根からグンニャリと曲がり、これは久しぶりのトロフィーサイズとのランデブーと思った瞬間、フッとテンションがどこかへとスポイルされたかのようにフェードアウトし、残念なことにあのレインボーとはアディオスしてしまった。やっぱり束の間の短い盛夏のランデブーだったかな。



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理由は定かではないけれど、数日前からテレメーターの表示する本流の水温が18~20℃を推移していたこともあり、7月最後の週末を天塩川で過ごすことにした。
予想通り前回訪れた時(23℃前後)とは違って、そっと本流に手を差し入れてもそんなに生温いという感想は抱かなかったと思う。
7月末ということもあってか、僕が足を運んだポイントではほとんど他の釣り人に出会うことはなかった。
おかげで訪れる釣り人が少ないせいか、車を止めてポイントまでのアプローチには踏み跡もなくすっかりイダドリなどの草木が生い茂ってしまっていて、ルートを見つけるのにかなり苦労をしたかな。



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やっと天塩川の本流レインボーらしいMサイズに出合えたのは、正午を知らせるサイレンが鳴り終わったあとだった。
フィールドではスカジットコンパクトのフローティングと15フィートのT-14を組み合わせたラインシステムでほとんどを通した。
朝から5ヶ所目のポイントの瀬頭からステップダウンし始めて、流速が少し落ち着き始めた頃にやっとスイングするフライを何の前触れもなく抑え込むようにしてひったくってくれる。
天塩川では時々出合うことのある顎の下部をまるでペリカンやカエルのように膨らませた、そのサイズ以上のパワフルさを兼ね備えたレインボーだった。
レインボーをリリースするとフィールドには夏ゼミの鳴き声が響き、おそらく気のせいだけれど盛夏の暑さの中で少しだけ風が動いたような気がした。



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週末は2日間とも朝はフィールド全体に白いガス状の霧が掛かり、いつも目にするフィールドとはまた一味違った幻想的な雰囲気を楽しませてくれる。風の存在感は皆無だった。虫の音、川のせせらぎ、野鳥に囀りなどが静かにフィールド全体を覆う。逸る気持ちを抑えつつ、もしかしたら一番心地が良い時間なのかもしれない。
やがて霧が晴れると今度は一気に夏ゼミの鳴き声と共に青空が顔を出してくれた。
それは抜けるように青い夏の青空だったと思う。
                                                    67.95


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by slowfishing-yun | 2017-07-31 23:13 | Fishing Reports | Comments(8)
2017年 07月 17日

<Episode #334> オホーツクの本流と小さな山上湖

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車のカーゴルームに釣りのタックル一式と車中泊セットを積み込み、7月の連休をオホーツク方面で過ごした。
確かに天塩川で過ごすというプランも僕の頭の中をよぎったけれど、連休にカヌー下りが予定されているのと、今回は少しでも水温が低そうな湧別川に足を運ぶことにする。
ここ最近の北の大地は連日暑い日が続き、特に初日の土曜日は30℃を超える思わず頭がクラクラとしてしまいそうな真夏日だった。
ペットボトルに入れた水で時折ゴクゴクと乾いた喉を潤すなどこまめな水分補給を取りながら、炎天下の下で去年までとはすっかり様変わりしてしまった本流の新たなポイント探しに川原をたっぷりと歩いただろうか。


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初日の記念すべき第1投目で僕のスイングするフライをひったくり、リールの激しいスクリーミングサウンドを伴った下流への猛烈な疾走と計6回のジャンプで僕にすっかりLサイズ半ばの本流レインボーだと勘違いさせた予想外の魚との出合いには本当に驚かされた。
何しろランディングネットに入るまで、これっぽっちも僕は本流レインボーじゃないとは疑いもしなかったぐらいだから。

早朝の予期せぬ出合い以来、GoogleMapの航空写真を頼りにいろんなポイントを探索してみたけれど、この暑さと遮る物がない頭上からの日差しのせいか、僕がスイングさせるフライにはコツリともアタリは訪れない。
イブニングにもう少し何かしらの虫のハッチでも起これば、少しは状況が変わるのかもしれないのだけれど・・・。


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久しぶりにMeiserの12フィート6インチ、6/7番のMKS "Black doctor"を使ってみた。
ロッドにセットしたSaracioneのMk.V 3 1/2" All blackには、480grのスカジット・スイッチが巻き込まれている。

今回もいつものように少しInstagramで写真を加工してみたけれど、それだけで雰囲気というかイメージが変わるからなかなか面白いと思う。特にピントというかボカシは奥が深くてなかなか面白いなぁと思った次第。写真の雰囲気はちょっとミニチュアというかジオラマ風になるのだろうか。おそらくPhotoshopで加工すればもう少し丁寧に仕上がるのかもしれないけれど、このラフさもなかなか悪くはないと思う。


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お昼前から天気が崩れるという予報の日曜日には朝から数ヶ所でフライをスイングさせてみたけれど、結局生命感が感じられないままノーバイト。少し早めに本流を離れ、オホーツクの山上湖へと車を走らせた。
冷たい湖水にゆっくりと慎重にウェーディングする。実は他のアングラーの姿をまったく見つけることが出来ない山上湖に僕が何かしらの不安を少し覚えたのは確かなことかな。
ゆっくりとあたりを見渡すと湖の真ん中にまだいくつかの大きな流木が残されているなど、去年の台風の影響がまだいたるところに少し残っているようだ。

ランニングラインをリトリーブする指先にグゥンと違和感を感じて、僕はやっと安堵というかホットしただろうか。
小さなレインボーやアメマス達だったけれど、オホーツクに山上湖が少しずつ回復してきているようで、なぜだか少し嬉しくなってしまったような気がする。
                                       50.88

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by slowfishing-yun | 2017-07-17 17:33 | Fishing Reports | Comments(4)
2017年 07月 10日

<Episode #333> 不思議な感覚

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ジリジリと容赦なく照り付ける紫外線をたっぷりと含んだ初夏の日差し。
そんな7月の日差しがギラギラとこの上なく眩しく感じられたと同時に、僕にはなぜかしらとても薄い皮膜か何かに覆われているようにも感じられた。
おそらくそれは、久しぶりに好天に恵まれたフィールドで過ごす週末だったことも一つの要因なのだろう。
北のフィールドは早朝からこの日の気温の上昇を予感させる兆候ですでに満ちていたように思う。
それはある意味僕と鱒との出合いをさらに難しくさせる兆候とも言えなくはないのだが・・・。
やがて気温がまるで羽でも生えたかのようにみるみると上昇していくと、なんとなくフィールドがこれまでのものから少し変化したように僕には感じられたのだった。


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野鳥の囀り、本流の奏でる音色、風の音などフィールドでこれまで耳にしたり感じていた音色がなぜか不思議といつもよりも遠くに感じるのである。
木立から響いてくる野鳥の囀りも、もしも曇り空ならまるですぐ隣で囀っているのではと思うぐらい近い距離に感じるのだけれど、なぜかこの日はとても遠いところから微かに聞こえてくるような感覚だった。
まるで蜃気楼のように暑さと熱気で感じ方に歪みを感じるようなものだろうか。
少しリアリティに乏しい感覚が僕にはとても不思議な感じがして印象的だったかな。
そんな不思議な感覚を感じながら、生温かいとさえ感じる本流にウェーディングし、キャストとスイング、そしてステップダウンを何事もなかったかのように繰り返す。


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今回の天塩川では30℃を超える気温の中、僕としては汗をかきながもかなりの距離を歩いたように思う。
テレメーターが示す23℃近い水温はさすがに鱒との出合いが難しいように思えたこともあるけれど、この機会にとロッドを手にしながら僕がいつも足を運ぶポイントの対岸側をリサーチしてみた。
それにしても対岸から見る風景は、まるで別のポイントか別のフィールドにでも足を運んだんじゃないかと思うぐらい、なかなか新鮮なものに僕には思えた。
実は対岸の岸際からすぐにスリット状の岩盤になっていたりと、いつもウェーディングする側からだとまったく気づかなかった事がたくさんあっただろうか。
それにどうしても素敵に見える対岸のポイントが、いざ足を運んでみるとそれほど魅力的じゃなかったということだって・・・。
そんな訳で、なかなかいつもとは違った不思議な感覚を感じることが出来た天塩川で過ごした週末だったかな。
                                  68.01→67.91

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by slowfishing-yun | 2017-07-10 23:50 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 07月 02日

<Episode #332> 7月の雨

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7月に降った最初の雨は、まるでミストのような存在感の薄い霧雨だった。
少し前まで乾いていた夏用の青い小さな花柄のプリントシャツが、そんな雨に濡れると少しずつ重くなっていくのを感じる。
のっぺりとした厚い雲が隙間なく7月最初の空をどこまでも覆っていた。
高い湿度のせいか、少しの風でもその重さを肌で感じとれるほどだった。

土曜日の早朝から、とても濃いオリーブ色をした天塩川本流の流れがとうとうと僕の目の前を流れていた。
テレメーターの濁度計はどうやらまだメンテナンス中のようで、濁度の数字はしばらく表示されていないけれど、感覚的には8から10程度といったところだろうか。
確か膝下までウェーディングしてシューズのつま先がかろうじて見えるぐらいだから、透明度はおよそ50㎝ぐらいかな。



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3ヶ所目に廻ったポイントでは流れの緩くなる下流側からまわり込み、今シーズンになって初めてお気に入りの中州に渡ってもみた。
そして2つのラインシステムでこのランを釣り下ってみるとこにする。

まずはフローティングのスカジット・コンパクトに15フィートのType3のティップの組み合わせ。
ティペットの先に6番のBlack Sedgeに巻いたシルバーマーチブラウンを結んで釣り下ってみた。
次にティップを15フィートのT-14に交換し、ティペットの先にはコーンヘッド仕様のチューブフライ"Interaction"を結んで1回目よりも少し深いレンジでフライをスイングさせてみたりする。

時間をかけて丁寧に2度のステップダウンを繰り返したつもりだけれど、結局このランではアタリすら僕には感じられなかった。



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河畔林がオーバーハングしたヒゲナガの瀬で今度は6番のBlack Sedgeに巻いたマーチブラウンをスイングさせてみる。
ヒゲナガはほとんど見かけなかったけれど、それでもスイングの終わりかけにまるでカツンと音でも響いてきそうな鋭角的な衝撃と共に小さなレインボー達が元気に顔を出してくれた。


午後から訪れた岩盤のせり出したプールのポイントでType3のティップの先にコーンヘッド仕様のチューブフライ"Interaction"のブラックバージョンを結び、ゆっくりと流れをスイングさせてみる。
フライが着水し、ラインが下流へと膨らんでフライが魅力的にスイングし始めると、下流に膨らんだラインの先端の少し上流でMサイズのレインボーがジャンプした。
そして2度目のジャンプで、そのレインボーとは確実にフッキングすることもなくアディオス。
どうしようもないかもしれないけれど、僕にとってフッキングは今後も課題かな。

雨音に交じって僕の頭の中ではこんな曲が流れていた。
どこかノスタルジックな雰囲気と透明感の漂う"July Skies"の曲。
僕にとっての最初の7月の空は、残念ながら雨雲に覆われていたけれどね…笑
                                   68.08→67.97

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by slowfishing-yun | 2017-07-02 17:52 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 06月 25日

<Episode #331> 雨の中の新しいポイント探し

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北のフィールド・天塩川に近づくにつれ、ヘッドライトに照らされる夜のアスファルトが雨に濡れて少しづつ光沢を帯びながら黒く染まり始めた。
この週末も北の本流・天塩川で車中泊をしながらのんびりと過ごす予定でいたけれど、土曜日の夜にまとまった量の雨が降るという天気予報。
6月の天気は相変わらず予測するのがなかなか難しいし、週末アングラーの淡い期待は外れてばかりだろうか。
とりあえず車のカーゴルームからシュラフなどの車中泊セット一式を運び出し、Moriさんの荷物を載せるスペースを確保する。



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6月の雨が降り続ける中、いつも足を運ぶレギュラーポイントだけでなく、今回はMoriさんのガイドとGoogle Mapを頼りに、僕がまだ足を運んだことがない天塩川のポイント数ヶ所に初めて足を運んでみることにする。
それにしてもどのポイントもワクワクするぐらい魅力的で、さまざまな表情を見せてくれるポイントだった。
折をみてのんびりとリサーチしてみようと思っているけれど、僕としてはこんなポイントでイトウではなく本流レインボーに出合えたらいいなぁと思った次第…笑。
雨に濡れた艶やかな緑とカジカガエルの鳴き声、それに野鳥の囀りが印象的な6月最後の週末だったかな。
年を追うごとに本流レインボーに出合えるチャンスは少なくなってきているように感じるけれど、フィールドで過ごす時間はやっぱり他のものでは代えられないぐらい得るものがあると思っている。
                                             67.95


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by slowfishing-yun | 2017-06-25 17:20 | Fishing Reports | Comments(6)