カテゴリ:Fishing Reports( 164 )


2015年 03月 16日

<Episode #101> 3月の十勝川 / しずくの音色とフライの定番カラー

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下の部分が波で少し侵食されたような分厚い氷の塊りが、岸際で幾重にも重なり合いながらずっと下流へと長く延びていた。
特に注意深く耳を澄まさなくても、そんな厚い氷の塊から滴り続けるしずくの音色が絶え間なく僕の耳に響いてくる。
日が高く昇るにつれて気温も上がり、その音が奏でられるピッチも少しずつ速くなっていっただろうか。
これも僕にとっては早春の十勝川らしい風情のひとつのように思えたりするのだが。


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強く照りつけ続ける3月の寒々とした眩しい太陽の紫外線で、まだ暦は3月だというのに僕の顔はすっかり日焼けをしてしまった。
少しぐらいは考えても良さそうだけれど、日焼け対策は何もしていないから、今日もヒリヒリと顔の下半分が痛い。
おまけに乾燥した寒風にさらされて、すっかり手や顔の肌の方もカサカサに乾燥しきっている。
何だかこれも早春の十勝川らしい出来事なのかもしれないけれど。


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週の初めに北海道を通過した大型の低気圧がもたらした降雨の影響で、道東の本流はしっかりと水位が上昇した様子。
週末にはコンディションが落ち着くのだろうかと内心とてもヒヤヒヤしたけれど、金曜日の深夜で濁度計は40前後。
まあとにかく行けばきっと何とかなるでしょうと、ある意味楽観的な気持ちで深夜のハイウェイを友人達と道東へ走る。
相変わらず行き当たりばったり、これもいつものことなのだけれど。


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思いがけず、まだとても早い段階で本流のアメマスが僕のフライを濁りの強い流れの中から見つけてくれたのは、ちょっとした嬉しい誤算だった。
このテレメーターの濁度計の示す数字では、アメマスとの出合いにもう少し時間がかかるだろうと予想していたものだから。
スイングするフライへのグゥンというテイクの後、ロッド全体に掛かるバイブレーションの強さは最初はそうでもなかったけれど、
ラインをリールに巻き取るうちに、それは徐々に力強いものへと変化していった。
これもちょっとした僕にとっては嬉しい予想外れだったりするのだが。


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フライは前日の夜に2本だけ巻いたダブルコーンヘッドのチューブフライ。
コーンヘッドは、UOSO社のチャートリュース(C3)とタックルマックの5mmのコーンヘッドの組み合わせ。
ボディハックルには、ヘアラインのラージ・クリスタル・ハックル・ホットオレンジ。
コーンヘッド同士の間にはチャートリュースのUVポーラーシェニールとマラブーのコンビネーション。
チャートリュースとホットピンクをベースにしたホットオレンジという色の組み合わせは、
濁りの入った流れに泳ぐアメマスだけでなく僕にとっても何とも誘われる配色だったりするのだけれど、
この色の組み合わせを目にする度に、僕は十勝川のアメマス釣りをしているんだという気持ちにさせられる。
どうやらこのカラーというか配色、ルアーでも定番カラーのようで。
                                                         2.21→2.02

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by slowfishing-yun | 2015-03-16 22:59 | Fishing Reports | Comments(16)
2015年 03月 09日

<Episode #100> 十勝川の春空とロッドティップ

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濃淡のほとんどないとても淡白で薄い鉛色をした空が、僕の頭上で週末の間はずっと広がり続けていただろうか。
道路脇には僕の予想を超える背丈以上の高さの雪山が残された3月最初の週末だった。
2月の道東に降った大雪の影響がまだ強く残っている。
出発前は東か南かとフィールドの選択に迷ったけれど、平水よりも若干水位が低くなった十勝川の下流域で過ごすことにした。
そもそも平水の水位がどれ位かも知らないのではあるが・・・笑。


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別の意味では、数シーズン前に買ったスノーシューの恩恵にあずかった週末でもあった。
でもおかげで日頃の運動不足がたたってか、雪上をスノーシューでたっぷりと歩いてすっかり両足は筋肉痛になってしまったのだが・・・。

川ヤナギのふっくらと膨らみ始めたシルバー色の新芽を見ながら、この日の風の穏やかさにちょっと感謝する。
本格的な春の暖かさが届くのはまだまだ先のようだけれど、かすんだ風景にほんのりと春めいたものが感じられた。


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今年の十勝川での早春のアメマス釣りは、予想通りそう簡単ではなかった。
もちろん幸運にもサイズの大きなアメマスの群れにでも遭遇出来たら、またちょっと違った釣りが楽しめるのだろうけれど、
基本的に群れが薄くてさらに岸から遠くと、僕にとってはキャスティングレンジ外、おまけにアメマスはスプーキーときたから、さらに困った。


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早朝の警戒心が低い時はまだしも、釣り人からのハイプレッシャーを受けるようになると釣りの方は途端に厳しさを増す。
本当はゆっくりと釣り下ったり、ポイントを少し移動して気分転換したいのだけれども、なかなかそうもいかないフィールドコンディション。
でも、まだ早い時間帯で何とかロッドを気持ちよく曲げてくれるようなアメマスの躍動感に出合えたのは、
僕にとって実は幸運なことだったかもしれない。
川面に映ったMKSのベンディングカーブが、僕にはやけに美しく見えた。

やがてウェーダーのブーツの中の僕の足先が水の冷たさでジンジンと痺れ始めた。
相変わらず、アメマスからの返答はあれから何も得られないまま。
ふと、頭上を白鳥の群れが鳴き声と共に大きな羽音を立てながら飛び去っていった。
相変わらず、アメマスからの返答はずっと何も得られないまま。
ジンジンとした足先の痛みを感じながら、次こそはとキャスト&スイングを繰り返したけれど、
アメマスからの鮮明な返答が得られない時間がとても長く続いただろうか。
でも、そんな何かに夢中になっている時間が僕にはとても楽しく感じられた。


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ヘアライン社のLarge Krystal Hackleという面白そうなマテリアルをショップで見つけたので、
さっそくFl.Orangeをチャートリュースのコーンヘッドに合わせてFascinationスタイルで巻いてみた。
鮮明な色の存在感はなかなかだったから、もう少しアレンジを加えて何本かは巻いてみようかなと思う。

十勝川の大きなアメマスとの出合いは友人達に譲ったとして、僕としては僕の不注意でどこかに落としてきてしまったロッドティップを、
幸運にも紛失することなく無事に見つけ出すことが出来たのが、今回の釣り旅での一番の大きな収穫だったかな。
                                                             1.72

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by slowfishing-yun | 2015-03-09 22:51 | Fishing Reports | Comments(4)
2015年 02月 22日

<Episode #98> 2月の道南のフィールド

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青い空が頭上にはどこまでも広がり、遠くには白い雪に覆われた山々の頂きが空に向かっていくつも連なる。
いかにも春らしい柔らかな日差しの下、風も穏やかでとても2月とは思えないような土曜日だった。
函館ナンバーの車のアングラーの方が、2月なのにこんなに穏やかな日は珍しいんですよと話されていたのが印象的だった。
昨年12月の最後の釣行から数えると、オフシーズンはほぼ2ヶ月。
オフシーズンにたっぷりとフライを巻くなどして過ごしていた僕にとっては、今回が今年初めの釣行となる。
そんな僕が今年最初に選んだフィールドは道南のフィールド。
久しぶりに足を運んだフィールドは、僕の右腕にキャストで心地よい疲労感を残すものとなった。


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2月の道南の本流がしっかりと目覚めるまでの朝の時間帯は、せたな町から少し車で走った道南の小さな漁港で過ごすことにした。
漁港の斜路に立ち、RIO社のパワーフレックスコアというラインニングラインを無心ななってロングストロークの速いピッチでリトリーブする。
何の前触れもなく不意に「ゴン」とVARIVASの#4番フックに巻いたイワタ・スペシャル(改)にバイトが訪れたのは幾度もあった。
ゆっくりと泳ぎ去っていくアメマスのうしろ姿は、いつ見ても僕は美しいと思う。


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この時期に道南の本流、後志利別川に僕が足を運ぶのは、もしかしたら初めてだろうか。
なにしろ例年なら河口に近い下流域は厚い氷で閉ざされているから。
3月ともなると雪代が少しずつ入り始めて、もう少し水位が上がっているのだけれど、さすがにまだ本格的な目覚めに程遠いようだ。
流れが遅いのでラインはAtlantic Salmon S1/S2でも良かったけれど、相変わらずものぐさな僕はライン交換が億劫なので、
リールに巻かれたままのS2/S3を使い、スイングとリトリーブを組み合わせることにする。


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もちろん鮭稚魚の姿はまったく見かけなかったけれど、ティペットの先に結ぶフライはMini "Fascination" / 鮭稚魚バージョン。
十勝川の下流域のようなゆっくりとした流れにスイングにリトリーブを組み合わせてアメマスを誘う。
コツコツとボトムにフライがタッチするのを感じながらゆっくりとキャスト&ステップダウンを繰り返していると、
不意にグゥっとラインが止まり、やがてそれは道南のアメマスらしい強い躍動感へと変化した。
サイズこそLサイズ後半だったけれど、相変わらず後志利別川のアメマスは小顔のわりに筋肉質で無駄のないボディだと思う。


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まだまだたっぷりと雪が残された雪原を時折りズボっと足をとられながらロッドを片手にヨタヨタと歩く。
本流に辿り着くまでにたくさんの汗をかいたけれど、オフシーズンの運動不足を解消するには良かったのかもしれない。
まるで春のような日差しを浴びた本流の流れはキラキラと輝き、本当に静かで美しかった。
それにしても僕としては雪原の向こうの本流まで真っ直ぐに歩いたつもりだったけれど、
雪原に残された僕の歩んだ足をどりを眺めてみると、いやはや僕の迷いがしっかりと残されているようだ。
実はあまりの疲労感から2度ほど途中で引き返そうかと思った訳で・・・笑。
次回この地を訪れる時は、是非ともフキノトウの黄緑とヒバリのさえずりに出合いたいものだと思う。
さて、心地良いJazzでも聴きながら帰るとしますか。

                                                             2.85 

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by slowfishing-yun | 2015-02-22 17:22 | Fishing Reports | Comments(4)
2014年 12月 14日

<Episode #81> 氷のさえずり

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冷たい十勝川の流れにウェーディングしていると、すぐ横の岸際からどこか聞き覚えのある音色が響いてきた。
チリ、チリ、キンキン、チリ、キンと、指先のシビレすらもふと忘れさせてくれるような軽やかでリズミカルな音色である。
何気なく意識をそちらの方へと向けると、その音は岸際から張り出した氷と打ち寄せられた氷とが打ち合って奏でる音色だった。
それは木炭で火をおこした時、ようやく火が落ち着き始めて木炭の周りが白くなり始めた時に響いてくる音色や木琴の音にそっくりだった。
フィールに訪れた冬は、そんな不思議な音色を奏でながら、ゆっくりとそこに根付こうとしてたのかもしれない。
岸際の氷が週を追うごとに成長していく氷点下のフィールドで、ふと僕はそんな事を思った。


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冬型の気圧配置と十勝らしい冬の青空で、フィールドは見事に冷え切っていた。
ロッドのラインが通るガイドは、ひとつの例外もなくその全てが瞬く間に硬く凍りついた。
先端付近のガイドの氷を溶かそうと本流の中にロッドの先端を差し込むと、、今度はロッドの先端のブランクの周りまでもが凍りつく。
こうなると何だかお気に入りのMKSも、ロッドのアクションがモワン、モワンと歯切れの悪いものとなる。
リールを水に浸さないように細心の注意を払いながら、ロッドにまとわりついた氷を何度も取り払うのだけれど、その度に指先のシビレが増していった。


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フィールドの最低気温の推移から、上流から流れてくる氷のことを考えて少し遅めに札幌を発つことにした。
それでも、十勝川の支流のひとつである利別川から流れてくる氷の数が多過ぎて、その下流域ではほとんど釣りにはならなかった。
フィールドにウェーディングしていながらも、流れてくる氷の存在感が気にならなくなったのは、おそらく午後を過ぎてからだろうか。
小振りでプリッとしたアメマスにしか出会えなかったけれど、利別川の合流部よりも上流域では流れもあってなかなか面白かった。


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下流へと膨らむスカジットコンパクト(インター)に引かれてゆっくりとスイングするチャートリュース色のコーンヘッド・チューブ・ゾンカー
フライの名前はさしずめ、"Interaction : インタラクション"。
きっとチューブに固定されたラビットストリップの細かいファイバーとスードゥーヘアが流れの中で妖しく揺らいでいるのだろう。
そんなフライがズドンといきなり強い力でひったくられたのは、午後からさらに下流域へと移動してからのことだった。
バウン、バウンとアメマスのトルクフルな力強さというか幅広のヘッドシェイクと共に、マイザーMKSが大きくバウンドする。
ネットが凍り付いて役に立たないフォールディングネットは車の中だから、ハンドランディングまでにかなりヒヤヒヤしただろうか。
おまけにいつの間にかガイドが凍り付いてラインが通りづらかったから、尚のことリールにラインを巻き込みながら焦ってしまった。
背中がグリーンバックの海の色に染まっていたから、もしかしたら遡上タイプのアメマスだったかもしれない。
尾びれ付近が太くてたくましいアメマスの右顎から、チューブフライから離れたフックをフォーセップで外すと、
一瞬の間をおいて、あっという間に流れの中へと消えて見えなくなった。
このまま気温の低い日が続けば、十勝川で彼らに再会出来るのは、もしかしたら来年の春になるのかもしれない。
そんなことを氷のさえずりをかすかに耳にしながら僕は思うのだった。
                                                          1.72→1.81
P.S. Hardyから"Duchess"というクリック式の新しいリールが出るみたい。

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by slowfishing-yun | 2014-12-14 17:10 | Fishing Reports | Comments(8)
2014年 12月 07日

<Episode #79> 冬の気配 / 十勝川

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お気に入りの#6/7番MKSのガイドは瞬く間に凍りつき、ラインが通るロッドガイドとしての機能を果たさなくなる。
濡れたフライの柔らかなファイバーは氷点下の気温の中でしばらくすると、本来の柔らかさを失いゴワゴワとしたものになっていった。
12月の釣りらしい指先の痺れというかチリチリ感にフライを交換するもどかしさを感じる。
そんな冬の気配を身近に感じる十勝川で過ごした土曜日だっただろうか。


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Talexのレンズが入った長年愛用している偏光グラスを自宅に置き忘れてきたことを後悔した。
ニット帽の下につばの長いSIMMSのキャップ帽を被っていたけれど、川面から照り返す初冬の眩しい日差しだけは避けられなかった。
上流から流れてくる薄氷の帯が朝のうちは途切れることがなかっただろうか。
水位が下がるにつれ、岸際の氷が割れるパリ、パリという音が印象的だった。
絶え間なく流れてくる薄氷の帯、そして沈まないラインにフライ、釣りへの集中力が僕の中で次第に萎んでいくのを感じる。



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上流から流れてくる薄氷の存在感が気にならなくなったのは10時頃だっただろうか。
ゆっくりとスイングするフライが不意の違和感と共に一瞬止まる。
すでに新しく巻いたコーンヘッド仕様のチューブフライを2個も根掛かりでロストしていたから、またしてもストラクチャーかと思ったら、
やがてそれはゆっくりとした振幅の大きな生命感を伴うバイブレーションへとシフトしていった。


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これが土曜日に僕が出合った十勝川のアメマスとの唯一のコンタクト。
ほとんど無風に近い中でピーンと張り詰めたティペットから久しぶりに糸鳴りを聴いた。
少し痩せ気味のボディ、おそらく産卵後の下りのアメマスなのだろう。
大きな尾びれと、側線付近にたくさん散りばめられた穴の開いたドーナツ状の白い斑点が印象的なアメマスだった。
数日前に巻いたラビットストリップとスードゥーヘアを使ったゾンカータイプのコーンヘッド仕様のチューブフライを気に入ってくれたことが、
きっと偶然だろうけれど僕としてはとにかく嬉しかった。


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初冬のフィールドで過ごす時間はあっという間に過ぎていき、午後も2時を過ぎるとストップ・フィッシングの時間が気になりだしてしまう。
少しでも風が吹くとロッドのガイドは凍りつき始め、ラインから滴った水が冷えてかたまり、リールのハンドルやスプールが回りづらくなった。
きっとこれから夜にかけて岸際には新しい氷が張り出すのだろう。
空には渡り鳥の群れがV字を描きながら飛んでいる。
フィールドには確実に今年の冬が訪れようとしているように僕には感じられた。
                                                         2.01→1.98

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by slowfishing-yun | 2014-12-07 20:25 | Fishing Reports | Comments(9)
2014年 11月 30日

<Episode #78> BurkieとTokachi River

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少し長すぎてロッドピースを取り出しにくいブルーグレーのロッドソックスから、Deep Cedar Greenのロッドを取り出す。
なんとなく新鮮な気分を味わいたくなり、土曜日の十勝川ではいつものMeiserではなくC.F. Burkheimerを使ってみることにした。
ロッドのスペックは、14フィート1インチの#7番、リールシートをウッドインサートに変更してもらった"Classic"のカスタム仕様
使い慣れた#6/7番のMKSと比べると、アクションだけでなくその軽さがやはり僕にはとても新鮮に感じられる。
そう言えばSpey Pagesのウェブサイトを久しぶりに訪れてみると、
新しく追加されそうなMeiser Rodのスペックやブランクに関してマイザー氏本人がこんなインフォメーションを・・・。


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濃淡のほとんどない淡いグレーの雲が十勝のすべて空を覆いつくす。
フィールドには晩秋の細かくて冷たい雨が降っていた。
12月近くともなると、さすがにフィッシングスタートの時間は遅くなり7時をゆうに過ぎていただろうか。
先着の友人達と簡単な挨拶を交わし、僕もゆっくりとタックルの準備を開始する。


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本流に沿って走る小道の轍が車のタイヤで踏み固められ、フィールドはいよいよ本格的なシーズンインの様相を呈する。
もちろんそれはおそらくアングラーの期待が先走っているからであって、現実のフィールドの状況はというと、
残念ながらいささかその期待に反するものなのかもしれないなどと思う。
広大な川幅を保ちながら、音もなく静かに流れる十勝川下流域の流れ。
この日も寒さが苦手なアングラーにとっては歓迎するべきものかもしれないけれど、
久しぶりに手にしたバーキーのガイドが凍りつくということは一度もなかった。


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一度だけスカジットコンパクト・インター(540gr)+Type8のティップのラインシステムを使ったけれど、
後はずっとAtlantic Salmon SH、#9/10(590gr)、S3/S4で一日を通した。
キャスト時にラインの重さでバットにグッと負荷がかかるのが分かるけれど、水を含むと少し重たくなるコーンヘッド仕様のチューブフライでは、
これぐらいのラインの重さでちょうどいいように感じる。
もう少し軽めのフライをティペットの先に結ぶのなら、ラインを一番手下げてもよいのかもしれないけれど・・・。
アメマスの群れがステイしそうな水深のあるハイウォールのポイントで岸際を張り出した木の枝を潜りながらアクロバチックに探ったけれど、
残念ながらいいサイズのなかなか重量感のあるバイトはあったものの、それから続く長いやり取りまでには繋がらなかった。
上流側から響いてくる友人のHardy Marquis Salmon No.1の逆回転サウンドにちょっぴり焦りを感じ、
なんだかいつものキャスト&リトリーブのリズムが乱れてしまうと、僕もまだまだだなあと思ってしまう今日この頃・・・笑。

12月ともなると寒さも一段と厳しくなるのだろう。あとはもう少し沖合いにいるアメマスの群れが、ほんの少し岸に近づいてくればと思うのだが・・・。
                                                      1.94→1.82→1.87

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by slowfishing-yun | 2014-11-30 18:34 | Fishing Reports | Comments(16)
2014年 11月 24日

<Episode #77> キャンプ

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対岸のシルエットは淡くかすみ、薄い皮膜で柔らかく包み込まれたような十勝川だった。
今年もアメマス・キャンプと称して、大勢の友人達と十勝川下流域で2日間を過ごす。
(いつの間にか春と秋の恒例行事のようになってしまったかな。もちろんメインは夜の部、平和園の焼き肉ということで・・・笑)
十勝らしい寒さを心配したけれど、お気に入りのロッドのガイドは一度も凍りつくことはなく、フリース地のグローブもいらなかった。
そんなとても11月後半とは思えない暖かさの中で過ごした2日間だっただろうか。


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十勝らしい照りつける太陽の下、ラインシステムはスカジットコンパクト・インター+タイプ8のティップの組み合わせで通す。
2日目はこの時期特有の上流からの風が強まり、対岸の河畔林の幹が大きく左右に揺れていた。
アメマスは群れで移動するのかもしれないけれど、もしかしたら群れは別の場所へと移動したのかもしれない。
やはりタイミングがなかなか難しいかな。
出合えそうな時とそうでない時の何かしらの予感めいたものが僕には感じられるけれど、今回は後者の方。
残念ながらやり取りにドキドキ、ハラハラするような大きなアメマスには出合えなかったけれど、なかなか楽しい恒例のキャンプだった。
今度大勢で集まれるのは忘年会、それとも来年春のキャンプかな?(笑)。
                                                     1.88→1.98
                                                     1.97→1.93→2.03

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by slowfishing-yun | 2014-11-24 18:03 | Fishing Reports | Comments(16)
2014年 11月 16日

<Episode #74> 太いボディ / Tokachi River

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まるで流木か丸太のように太いボディ。
フリース地のグローブを外し、水の中でアメマスのボディを支えると、手にはずっしりとした重量感が伝わってくる。
数日前に巻いた空中分解する前のアメマス・ロケットを少し濁りの入った本流の中で気に入ってくれた十勝川のアメマス。
サイズにして、ナナマル・クラスの3Lサイズ。
6/7番のMeiser MKSをバットからグンニャリと気持ちよく曲げてくれた。


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出発前の札幌は雪が降っていた。
ハイウエイの長いトンネルを抜けると、融けた雪で黒く濡れたアスファルトが灰色の乾いたものになっていく。
気温が氷点下のフィールドには白霜がすべてのものの輪郭をなぞりながら降りていた。
乾ききった冷い風がフィールドで僕らを出迎えてくれる。
まずはロッドにアトランティックサーモンSH S3/S4 9/10(590gr)が巻かれたST.JOHNをセットした。


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オレンジ色のニット帽を被った僕の頭上には、この日も十勝らしい初冬を感じさせる冷たい青空が広がっていた。
8時頃を境にこれまでは穏やかだった風が徐々にその存在感を増し始める。
背後の河畔林からはキーキーとまるで鳴き声のように木立の幹が擦れ合う音が響いてきた。
最初のポイントでは悪くないサイズのアメマスにフックアウトされてしまう。
次のポイントでは、アメマスが少し沖合いのかけ上がりにステイしているのではと、この北西の風でも飛距離出そうな
スカジット・コンパクト・インター(540gr)+15フィート、Type8のティップが巻かれたMarquis Samon No.1にリールを交換する。


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それなりに水深のある足元がぬかるんだポイントでは、ほとんどバックスペースが取れない。
ストレスの掛かる窮屈なキャストだった。
ターンオーバーしたアメマス・ロケットが、下流へと膨らむスカジットコンパクトに引かれてゆっくりとスイングを始める。
やがてグーンと根掛かりのような負荷がロッド全体に掛かり、次第に振幅の大きなゆっくりとしたバイブレーションへと変わっていく。
極限まで張り詰めたティペットが強い北西の風を受けていつもより大きな糸鳴りを奏でてくれた。
大きなアメマスは僕の手にその重量感という余韻をしっかりと残して、濁りの残る本流へと帰っていった。
                                                           2.17→2.05

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by slowfishing-yun | 2014-11-16 17:49 | Fishing Reports | Comments(8)
2014年 11月 09日

<Episode #72> バウンドするロッド / 晩秋の十勝川

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指先に伝わる衝撃の後に、ガバッ、ガバッとヘッドシェイクにシンクロしながら川面が大きく炸裂し、僕には大きな尾びれが目に焼きついた。
ティップはType8だったけれど、きっとコーンヘッド仕様のイントルーダーはそれほど深く沈んではいなかったかもしれない。
ほぼクロス気味にキャストし、下流に向かってゆっくりと膨らむスカジットコンパクト・インター。
フライがラインに引かれてスイングし始めると、衝撃は僕から下流に向かっておおよそ斜め45度の角度で訪れた。


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早朝の気温は氷点下だった。
河畔林の木立の間から鳥達の囀りが聞こえてくる。
透明感のある白い霜が輪郭を彩ったパリパリに乾いた枯草や枯葉を踏み分けながらゆっくりと本流を目指す。
きっと今日も11月としては暖かな一日となるのだろう。アングラーとして何となくそんな予感がした。


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ブルーの空とのコントラストからも、フィールドの秋はゆっくりと深まっているように感じられる。
鏡のような川面にも、柔らかく秋の乾いた風が吹くと、生命感のような淡い小波が息づき始めた。
ぬかるんだフィールドに足を踏み入れると、思っていたよりも本流の流れはあったかもしれない。
そういえば、夜空には大きな丸い月がポッカリと浮かんでいたから、きっと午前中はそういう潮周りなのだろう。
土手の上に登ると、対岸にウェーディングした友人ふたりの姿が小さく見えた。きっと彼らも素敵な釣りをしているに違いない。
午前中にはmoriさんに3Lサイズのアメマスが微笑み、
そして僕とandieloopさんには、それぞれにアベレージサイズのアメマスと少し大きめのアメマスが顔を出してくれた。


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ガクン、ガクンとアメマスの振幅の大きなヘッドシェイクにシンクロしつつ、バットからグンニャリと曲がった僕のMKSが大きくバウンドする。
そして今度は一気に下流へと疾走し、#6/7番のMKSにセットしたClassic79から激しいスクリーミングサウンドを奏でた。
一瞬、遡上したてのフレッシュなサーモンかと思えるようなトルクフルなパワフルさ。
大きな尾びれと野太いボディ。
これがもしも道東の海だったらと思うと、この釣りに魅了され、大海原めがけてキャストするアングラーの気持ちも分からないでもない。
何とか無事に大きなアメマスをランディングすると、僕にはなぜかあの海アメ独特の匂いがしたような気がした土曜日の午後だった。
                                                      2.04→1.97→2.01

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Today's BGM : ヴィム・ヴェンダース監督の映画「WING OF DESIRE (邦題)ベルリン・天使の詩」より。久しぶりに聴いたかな(笑)。


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by slowfishing-yun | 2014-11-09 22:37 | Fishing Reports | Comments(4)
2014年 11月 02日

<Episode #70> Loop Classicと晩秋の十勝川のアメマス

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柔らかいカーブを描いたS字ハンドルを一番にイメージしてしまうバーミンガムスタイルのクラシックな雰囲気の漂うフライリール、
きっと何かの刷り込みはあるのだろうけれど、僕はやっぱりどんなデザインのフライリールよりも好きだろうか。
少し前にUsedでLoop社のClassic79というディスクブレーキ搭載のリールを手にいれた。
スカジットキャストがこれほどポピュラーではなく、僕がまだRio社のウィンドカッターというショートベリーのスペイラインで、
本流でのシングルスペイを楽しんでいた頃、何を間違ったのかLoop社のClassic1013という一番大口径のリールを買ってしまったことがある。
そのリールは今ではすでに手放してしまったけれど、Loop社のClassicというリールを手にしたのは、これで2台目ということになる。


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個性的なラチェットサウンドを耳にしながら届いたばかりの新しいリールにバッキングライン、ランニングライン、
それにスカジット・コンパクトのインター(540gr)と巻き込み、さて週末はどこのフィールドに足を運ぼうかと頭を悩ませる。
テレメーターで支流の水位変動の経過を見ながら、金曜日の夜には友人と十勝川へと足を運ぶことにした。
まずは十勝川下流域のアメマス、そして時期尚早であれば中流域のレインボーという贅沢な釣行プランである。
薄っぺらいプラスチック製のフライケースに、チャートリュースカラーのフライを慌てて詰め込んだ。


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早朝の気温はグッと冷え込んでいたけれど、フリース地のグローブを必要としない晩秋の十勝川。
そこには幻想的な朝靄に包まれた広大なフィールドが目の前に広がっていた。
早朝の湿りっ気のある独特のフィールドの匂いに優しく包み込まれる。
遠くからかすかに響く渡り鳥の羽音を耳にしながら、川底がぬかるんだ本流へとゆっくりとウェーディングした。
十勝川の下流域としては水位、それに濁度とフィールド・コンディションは申し分なかったと思う。


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十勝のフィールドに吹く風は秋の長閑さのように穏やかだったけれど、2.5号フロロ製のティペットの奏でる糸鳴りは何度か耳にした。
フィールドに静かにディープウェーディングし、ラインニングラインを少しずつリトリーブしてフライのスイングスピードを補っていると、
2キャスト目にはコーンヘッド・ゾンカーへのコツ、コツというショートバイトの後に、アベレージサイズのアメマスが顔を出してくれた。
さらに数m程ステップダウン。着水したフライにランニングラインを引いてテンションを加えると、いきなりズドンと鈍重なパワーでストライク。
水面から出た大きな団扇のような尾びれとバットからグンニャリと曲がる#6/7のMKSに掛かる負荷からは、経験的に3Lサイズオーバー。
でも、残念ながらこれは静かなまるで鏡のような十勝川の川面に大きな波紋を残しつつフックアウト。
きっとフッキングが浅かったのだろう。


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Type8のティップでは根掛かりが多いので、途中からはType6のティップに交換した。
さらに10mほどキャスト&スイングを続けながらステップダウンする。
下流へと釣り下っていったmoriさんの姿が少しずつ小さくなっていった。
リトリーブを加えたスイングの終わりかけ、僕のMeiser Rodにいきなり鈍重な衝撃が訪れる。
ロッドにセットしたLoop社のClassic79からパリ、パリ、パリと独特の音色を持ったスクリーミングサウンドが奏でられる。
ティペットが奏でる糸鳴りはしばらく鳴り止むことはなかっただろうか。
3Lサイズにはあと数cm足りないドーナツ状の白い斑点を身に纏った十勝川らしいアメマスだった。
アメマスはしばらく流れの中にステイしたあと、ゆっくりと少し濁った十勝川の流れの中へと消えていった。


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結局、中流域のレインボーへと移動することなく、土曜日という1日を下流域でのんびりと過ごすことになった。
午後も時間が過ぎるとブーツの中の指先がジンジンと冷えて痺れ始めたから、もしかしたら少し水温が下がったのかもしれない。
そろそろネオプレーンウェーダーの中に着用するインナーウェアーにも冬の釣りの準備が必要なようだ。
十勝川の本格的なアメマスシーズンが始まるのはもう少し先だろうけれど、寒さが厳しくなる12月中旬までフィールド通いは続くことになりそう。
                                                         2.10→1.96

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Today's BGM :


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by slowfishing-yun | 2014-11-02 20:29 | Fishing Reports | Comments(18)