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2018年 07月 02日

<Episode #402> 本流が濁る前に

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テレメーターでは1時間にたった12mmの雨量だったようだけれど、フィールドに立つ僕にはまるで熱帯雨林の突然のスコールのような激しい雨のように感じられる。
今思い返すと、それはもしかしたら何かしらの予兆だったのかもしれないとさえ思う。
曇り空に覆われ今にも雨が降り出しそうな湿度の高い日曜日の天塩川だった。
激しいスコールのような雨が過ぎ去った時、友人たちとの間では通称"ハチマル"という名前で呼び合うポイントに僕は"Copenhagen Winter Green"のコスメをまとったMKXを片手に立っていた。
朝の8時にそれぞれの思い入れのあるポイントへと分かれた友人たちとの帰りの待ち合わせ時間はお昼の12時。
僕がフィールドに立っていられるのは、残すところあと10分ぐらいだから、数キャスト&スイングさせたらリールにラインを巻き込むことになりそうだ。





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土曜日には二桁だった濁度も時間と共に少しずつ下がり始め、早朝の天塩川の濁度計は概ね7前後を示す。
すでに朝から4ヶ所のポイントでロッドを振ってみたけれど、本流レインボーからのリアクションは一向に何一つ起こることはなかった。
4ヶ所目のポイントに車で向かっている途中からフロントガラスに大きな雨粒が当たるようになる。
通称"ハチマル下"のポイントも気になるけれど、到底時間内ではまわり切れないから、今回は通称"ハチマル"のランを流し終えたら集合場所に戻ることにしよう。
スイングするフライに何も感じることがないまま、僕はとうとう"ハチマル"の長いランのエンド付近に差し掛かろうとしていた。
なんだか流れがいつもよりも奥の左岸側へシフトしているように感じられたので、あと数歩だけ流芯に近づきスネークロールに続くペリーポークからフルキャストすることにする。





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Rod : R.B.Meiser S2H14078MKX-4 "Copenhagen Winter Green"
Reel : Saracione MK.V 4" Black / Silver
Line : Airflo Skagit Compact Floating 600gr + 15' T-14
Fly : Conehead Tube Fly "Interaction" Variant

僕自身、通称"ハチマル"とあまり相性が良くなかったこともあり、このランのエンド付近まで丁寧にフライをスイングさせるということはこれまでなかったと思う。
でも、心のどこかでこのタイミングで本流レインボーが出てくれたらという願望がなかったかといえばウソになるけれど、それはタイミング的にかなり確率の低いことなのは経験的に知っている。

それは全く予想に反してのことなんだけれど、この絶妙のタイミングでスイングするフライが強烈な重量感で抑え込まれ、続いてLLサイズを予感させる振幅の広いヘッドシェイクと続く。
思わずこれはアディオスしたくないとつい欲が出てしまうような相手だった。

なぜか相手は下流へと猛烈なスピードで疾走することをしなかった。
僕がリールにラインを巻き込み始めると、僕の下流へとすんなりと近寄ってくる。
それはもしかしたら僕がリールにラインを巻き込むスピードよりも速かったかもしれない。
この後の本流レインボーの動きとシナリオのおおよそ予測がつくので、最初のフッキングのことを考えると一瞬僕の中で嫌な予感がよぎる。

今度はある瞬間を境にして相手は突然スイッチが入ったかのように猛烈なスピードで対岸の下流に向けて疾走。
そして「来る」っと僕が思った瞬間、まるでイルカのように横っ飛びに水面上をジャンプした。
今でも忘れられないけれど、はっきりと僕の目に焼き付いたのは体高が20cm以上はありそうなグラマーなLLサイズの本流レインボーだった。

アッといううめき声のような声が僕の口から自然と出て、ラインから生命感を感じるテンションが失われていることに僕が気付くまでに数秒は要しただろうか。
そんな久しぶりに感じるスリリングなやり取りだった。
僕自身としては少ないチャンスだっただけに、ぜひともLLサイズの本流レインボーの姿を写真や動画に残しておきた方のだけれど、こればかりは仕方がない。
おそらく本流が濁る前のほんのひと時だけ、本流レインボーにスイッチが入ったのだけかもしれないけれど…。





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土曜日には湧別川とオホーツクの山上湖に足を運んでいた。
鳥たちの囀りとセミの鳴き声そして眩しい光、フィールドは初夏の雰囲気に包まれようとしていた。
気温はみるみると上がり、一気に夏の様相を感じさせるぐらいだっただろうか。
また季節の針が数歩だけ前に進んだように僕には思えた。
                                         68.11




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by slowfishing-yun | 2018-07-02 22:20 | Fishing Reports | Comments(10)
2018年 06月 25日

<Episode #401> 鳥たちの囀りを耳にしながら / 天塩川

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土曜日の早朝から鳥たちの囀りがいつも以上に印象的な週末の天塩川だった。
それは時折存在感の薄い霧雨のような小雨が降ったことや、または河畔林の木の枝が大きく揺れるぐらい強い風がが吹いたことも、おそらく鳥たちの囀りを僕により強く印象付ける要因のひとつなのだろう。
でも、きっと一番の要素はというと、僕と本流レインボーとの距離が一向に縮まらないことに他ならないのだけれど。

何となく多くのことが何かしらの歯車としてかみ合わなかった週末だったように思う。
一旦リズムがずれ始めると、なかなか修正は困難なもので、やはりジワジワと焦燥感のようなものが芽生え始める。
今回も動画を撮っていて思ったのだが、1日の中でも僕自身1ヶ所のポイントでじっくりと粘らずに結構ポイントを移動しているんだなあって。
これでも一応は一日のプランを考えたり構想は練るのだけれど、単純に考えてもイレギュラーの予定変更を含め相当な距離を車で移動しているんだと思う。





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週末の天気予報と、土曜日の夜に降った雨のことから、日曜日にはもしかしたら湧別川へと移動することも覚悟したけれど、何とかフィールドのコンディションが大崩れすることはなかったようだ。
頭上の雲が凄いスピードで流されていく。
霧雨のような小雨が降ったかと思えば、今度は雲の隙間から青い空が時折顔を出してくれたりした。
晴れ間がのぞくと春ゼミの合唱がフィールドに響くなど、猫の目のように目まぐるしく天気が変わるだけでなく、フィールドを包む音色も変わっていくようだ。

おそらく濁度などフィールドコンディションとしては申し分なかった週末だったのだろう。
なかなかこんなタイミングは巡ってこないだろうと、僕はいつもよりも少し長くフィールドに滞在していたように思う。
けれども期待に反して、グッドサイズの本流レインボーに出合うということは最後まで叶わなかった。
いきなりラインを引っ手繰るような衝撃とそれに続く疾走への心の準備はいつでも出来てはいたのだけれども。

数週間前に友人から「そろそろステージが変わる」という話を聞いたことがある。
詳しくは聞かなかったけれど、水面下では何かしらの変化が起こっているのだろうか?
どちらにしても、毎年このシーズンになると同じような悩みを抱えているような気がするのだけれども。
相変わらず何も変わっていないなと思うこの頃、それと同じく鳥たち囀りも何ら変わらないままかな。
                                           68.10 68.16→68.10



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by slowfishing-yun | 2018-06-25 21:37 | Fishing Reports | Comments(10)
2018年 06月 18日

<Episode #399> 新しいリールとTeshio river

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数日前に英国からオーダーしていた2台の新しいリールが自宅に届けられた。
確か今年で71歳になるChris Henshawさんがたった一人でリールを一から製作するBarny Reels HenshawのPerfect 3 3/4"。
いわゆるハンドメイドリールのひとつになるのだろう。

さっそく新しいリールにバッキングラインを巻き、ランニングラインとスカジット・スイッチSHを二つのリールに巻きこむことにする。
天塩川の水位は先週よりも若干高めだけれど、週末は新しいリールを実際にロッドと組み合わせ、ロッドとのバランスをチェックするぐらいのゆとりを持ってフィールドに向かおうと考えた。





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ロッドはMeiserの12フィート6インチ、7/8番、MKSの"Solar Eclipse"と同じくMeiserの13フィート、7/8番、MKXの"Copenhagen Winter Green"を使うことにする。
ブラスフェイスのリールは他のリールと比べても若干重さがあるけれど、特にキャスティングなどに支障が出るということはなかった。
どちらのリールも、僕にとってはちょっとゴージャスな趣と落ち着きがあるリールなように思えた。

水面直下をスイングするマドラーCDCセッジにレインボーが魅了され、リールからものすごい勢いでランニングラインが引き出されていくことを心の片隅で密かに期待する。
けれども、数日前の雨による増水と気温の低さが影響したのか、早朝やイブニングになってもあまり虫っ気のない本流だっただろうか。

結局、T-14の先に結んだコーンヘッド仕様のチューブフライ″Interaction"を気に入ってくれたSサイズの小さなレインボーは、友人の名前がついたポイントの対岸の深瀬でやっと僕のフライを見つけてくれた。
深瀬の流れの強さもあって、レインボーが下流へと疾走するとリールから予想以上に心地良いサウンドが響いてきて、僕は思わず嬉しくなってしまっただろうか。

フィールド全体が新緑の緑に覆われていて、野鳥の囀りなど生命感に溢れていた週末だったにもかかわらず、僕はリールの奏でてくれるサウンドの方にすっかり気が取られてしまっていたかな(笑)
                                             68.22→68.14



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by slowfishing-yun | 2018-06-18 22:49 | Fishing Reports | Comments(6)
2018年 06月 11日

<Episode #397> 深夜の最低気温は2℃ / Teshio river

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おそらく落ち着かないというのは、きっとこんな気分のことを言うに違いない。
いつも以上に丁寧に仕事をしていたつもりでも、金曜日に上流域で降った雨の量とそれによって起こる本流のコンディションの変化のことが全く気にならなかったかと言えば、きっとそれはウソになるのだろう。
何しろ僕にとっては楽しみにしていた今年の本流シーズンの本格的なシーズンインとなるのだから。
タックルの準備ならまだしも、久しぶりの車中泊セットの準備も併せてともなると、忘れ物をしないことにとにかく気をつけるとこにする。
それ以上に僕が気になったのは、天気予報が告げる土曜日の夜の最低気温が真冬並みの低さで2℃だということ。
シュラフだけでなく毛布までを準備しても、きっと深夜は寒さで何度も目を覚ますことになるに違いない。






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時々休憩がてら車をとめて本流の濁度をチェックしつつ、車はR275をゆっくりと天塩川に向けて北上する。
この時期の日の出は3時45分頃だから、本流に近づくにつれて東の空が次第に明るくなっていく。
そして最初のポイントに車を滑り込ませると、すでにそこにはMoriさんの車が止まっていたりするものだから、考えることは同じだねと思わず笑ってしまった。

静かにウェーディングすると、上流域で降った雨の影響をあまり感じさせない本流が深いグリーン色を湛えつつ太く流れている。
急激に気温が下がったせいか、ヒゲナガの姿もほとんど見ない。
その代わり野鳥たちの囀りは例えようのないぐらい鮮明に耳に響いてくる。
午後には川面の上をツバメが飛び交い、土曜日は曇り空の本流で過ごす心地の良い一日となった。

土曜日で一番印象的だったのが、ヒゲナガの瀬でSAWADAのBlack Spey #4に巻いたCDC Sedgeをスイングさせている時に不意に訪れた強引な力で引っ手繰るような衝撃だろうか。
"Salar Eclipse"にセットしたSaracione MK.IV 3 3/4"から間欠的に心地良いスクリーミングサウンドが奏でられる。
iPhoneで動画の撮影をするなどすっかり油断していたせいか、Lサイズ半ばの重量感のお相手にはしばらくすると向こうからアディオスされてしまった。






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土曜日の夜の気温の低さがまるで嘘のように、日曜日の朝は雲一つない6月らしい快晴の清々しい一日となった。
コーヒーとパンで朝食を摂り、のんびりとした時間からキャンプ場よりも下流域で、まったりと釣りを始めることにする。
土曜日は釣りをする際のあのワクワクとした愉しさを久しぶりに感じさせてくれる一日だったけれど、日曜日はこんな穏やかな青空の下でのんびりと釣りが出来出来る幸せのようなものを感じさせてくれる一日だった。

春ゼミが賑やかに鳴き続ける中、ヒゲナガが飛び交い始めた瀬のポイントで小さなレインボーがスイングするMuddler CDC Sedgeを見つけ出してくれた。

久しぶりに訪れた天塩川だったけれど、そのロケーションの素晴らしさと本流の雄大な流れに、僕はその魅力を再認識させてもらえた一日だった。
                                        68.13→68.02





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by slowfishing-yun | 2018-06-11 22:59 | Fishing Reports | Comments(8)
2018年 06月 04日

<Episode #396> 春ゼミの鳴く渚滑川

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週末をこの季節らしいエゾハルゼミの賑やかな鳴き声に包まれた新緑の映える渚滑川で友人たちとのんびりと過ごすことにした。
確かに天塩川や湧別川という選択肢がなかったわけではなかったけれど、テレメーターの濁度計が示す数字やライブカメラの様子から本流のコンディションがおおよそ見当がついたので、今回は見合わせることにする。
どうやら数日前の短時間の降った大量の雨が、釣り人が思わず敬遠するぐらい本流のコンディションに変化を与えたようだ。
おそらくポイントさえ選ばなければ、もちろん釣りにはなるのだけれども…笑。

渚滑川のC&Rの下流区間から更に下流のエリアでお世話になったローカルのコンビニエンスストア・セイコマート。
僕が何よりも驚いたのはそのお店の閉店時間。
24時間営業がごく当たり前の都会のコンビニエンスストアとの違いに、なんとなくほのぼのとした気分になる。





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早朝の時間にはまだポツポツと空から降り落ちてくる雨粒の存在感を意識したけれど、時間と共に何とも心地良い6月の青空が頭上に広がっていった。
まだ僅かな雪代の名残を伴った流れが奏でる音色に交じって野鳥たちの囀りが絶え間なく河畔林から響いてくる。

流れに上をゆっくりとAirfloのスイッチラインがスイングしていく。

一瞬遠くで雷光が輝いた。
そして数秒後には雷鳴が響いてくる。

僕は相変わらず目には見えない水面下でフライがそれに追従するかのようにスイングしているのを頭の中でイメージしていた。
それはここ最近あまり感じることが出来ない世界、心地良さを伴う不思議な時間だったからのような気がする。

やがてジリジリと音でも聞こえてきそうなぐらい気温が上がりはじめると、今度はエゾハルゼミの賑やかな鳴き声でフィールドが包まれるようになっていったのだった。
エゾハルゼミ、野鳥の囀り、それに新緑が映える緑と6月という季節を僕に感じさせてくれた週末の釣り旅だったと思う。
                                              36.03



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by slowfishing-yun | 2018-06-04 22:04 | Fishing Reports | Comments(8)
2018年 05月 28日

<Episode #393> 向かい風の中の朱鞠内湖MAX

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西北西の風が吹くとちょうど出し風になる朱鞠内湖の前浜で、湖は濃い紺色に染まりながらこのうえなく穏やかな表情をしていたように思う。
前浜に係留されている何艘もの貸出ボートが静かに打ち寄せる波に揺られてガタゴトと音を立てていた。
東の空がゆっくりと明るくなり始めているけれど、渡船の出船時間は朝の4時の予定。
まだ日の出前だというのにキャンプ場の木立の方からは野鳥のさえずりが賑やかに聞こえ始めようとしていた。

当初の予定ではmasaさんとオホーツクを流れる2つの本流を巡る予定でいたのだけれど、フィールドのコンディションから金曜日の夜に朱鞠内湖へと急遽土曜日の行き先を変更することにした。
そんな中、いつもお世話になっている幌加内町のあじよし食堂でジンギスカンを初めて注文してみるというのも、今回の楽しみのひとつだっただろうか。





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先週と同様に今回も北大島に渡してもらうことにする。
早朝のうちはまだ青空もところどころで顔を出してくれていたけれど、ほぼ向かい風が吹き続ける中、朱鞠内湖の空は次第に厚い雲に覆われていくようになっていった。
いつもなら5月の空の鮮やかなアズールブルーと新緑のグリーン、そして白樺の幹のオフホワイトとが印象的な朱鞠内湖だけれど、この日はグレーの空とモスグリーン色の湖水の色とが不思議なぐらいに印象的な朱鞠内湖だった。
西北西や西からの向かい風が強くなると、やがて北大島の前の湖面は白波が立つぐらいうねりが強まり始める。
向かい風の中でひたすらキャストを繰り返すことで疲労感が蓄積し、冷たい風で体感温度が徐々に下がり始めると僕の釣りへの集中力も次第に保てなくなる。
そんな中でsugiさんが淹れてくれた野幌珈琲のフレンチローストのコーヒーが体の芯から温めてくれるようで、冷え切った身体にはこのうえなくありがたかった。
湖畔で気持ちの良い昼寝をしていても、寒さで何度もお昼寝から目覚るという朱鞠内湖MAXは、僕にとって久しぶりかもしれない。





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とてもラッキーなことなんだろうけれど、たまたまタイミングが良かったこともあってか、この日は2尾のイトウに出合うことが出来た。
まだまだ若いイトウだけれどメタリックカラーの頬が印象的なイトウで、とてもイトウらしくないスピード感に溢れた元気なイトウ達だったかな。

普段はフライを飲み込まれないようになるべく速いリトリーブを心掛けているのだけれど、最初のイトウにはフライを喉の奥までしっかりと飲み込まれてしまった。
もちろんフライはバーブレスだけれど、フォーセップでフライを挟んでいるうちにイトウがバタバタ、グルグルと大暴れして、フライを外す際に少し出血させてしまったようだ。
リリース時にはとりあえず元気に湖に戻っていったけれど、今でも湖で元気に泳いでくれていることを心から願うばかり。

イブニング近くになれば風や波も収まり、今日も穏やかな表情の朱鞠内湖の一面が見れるかなと期待したけれど、イブニングを迎えても風は一向に収まることはなく、朱鞠内湖の空は雲で閉ざされたまま。
そしてMAXを無事に終えた僕らを載せた迎えのボートが、夕闇が迫ろうとしている前浜の桟橋にスルスルっと滑り込むように到着する。
ボートから降りて釣り人の車がたくさん並んだ前浜に立ってみるとハッと何かに気がついた。
そこは北大島で見た朱鞠内湖とはまるで別世界のような静かで穏やかな表情をした朱鞠内湖が目の前に広がっていたのだった。





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by slowfishing-yun | 2018-05-28 22:13 | Fishing Reports | Comments(4)
2018年 05月 20日

<Episode #392> 大人のピクニック / 朱鞠内湖

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薄い灰色の雲のフィルターを通して柔らかい早朝の日差しがモスグリーン色の湖面をゆっくりと照らしている。
僕たちをこの日の風裏となる北大裏で降ろした渡船のボートがそんな湖面の向こうに小さく消えていこうとしていた。
ボートのエンジン音が次第にフェードアウトしていくと、静寂さと共に野鳥の囀りが耳に届くようになり、そして今度は背後の白樺林の上の方でゴーゴーと風が強く吹く音(確か予報では風速6m/s)がするようになっていた。
北大島まではうねる波にボートの底がたたきつけられて結構お尻が痛かったけれど、北大島を経由して北大裏に近づくと、湖面のうねりは嘘のように消えていったのが印象的だったかな。
漁協の話によると先週よりも湖の水位は1m以上は上昇していて、朱鞠内湖はほとんど満水に近いんだそうだ。
青空の下で輝く朱鞠内湖の風景も好きだけれど、曇り空の下だと少し肌寒くってブルーグリーンの色彩がより際立つように思えて、こちらも結構好きだったりする。

パラパラと小雨が降る中、温かいコーヒーを淹れて冷えた身体を温めたりもした。
結局、北北東の風が強く吹く日の風裏となる北大裏で僕らは何一つ生命感を感じることがなく、相談の結果、北大裏からポイント移動して北大島でこの日のMAXを終えることにした。





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今回の釣りの目的は何と言っても去年に引き続き、朱鞠内湖での大人のピクニック。
さらに今回のピクニックのメインディッシュはというと、Bistro-andieloop(Cafeからランクアップ)の2種類のホットサンド。

そしてそのメニューはというと、自家製ベーコンとトマトソースのホットサンドに自家製スモークチキンとホワイトソースのホットサンド。

毎回腕を上げているandieさんの2種類のホットサンドはどちらも絶品で、久しぶりに食パン5枚とおなかの方にもボリュームも満点(笑)
日差しに恵まれてもう少し気温が高くてビール日和だったら、きっとキリっと冷えたビールか泡のワインにピッタリだったのにと友人たちともちょっと後悔。

さてさて肝心の釣りの方はいうと、湖の濁りの程度そのものは先週とほとんど変化がないのだけれど、岸際を泳ぐワカサギの群れの数が格段に増えたことにちょっと期待をしたりする。

食後のシエスタを終えて、まだ釣りへの集中力がそれほど完全ではない時だったけれど、キャスト後に10カウント。
ロングストロークのリトリーブを始めて3回目のリトリーブで根掛りのような重くて強い衝撃が僕のロッドに訪れる。
衝撃の主は、まだまだ完全に大人にはなりきれていない若いイトウだったけれど、イトウらしい少しブルーがかったメタリックな頬の色をしたイトウだった。

事前の天気予報の内容とは異なり、何とかひどい雨にはあたらなかったけれど、おそらく来年の朱鞠内湖での大人のピクニックの時は、もう少し温かい日が巡って来たらいいのになと思った。
きっと湖畔でのビール(おそらくホットサンドにはコロナビールが一番合いそう)が美味いに違いないと思ったから。





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by slowfishing-yun | 2018-05-20 22:58 | Fishing Reports | Comments(10)
2018年 05月 14日

<Episode #391> シエスタ / 朱鞠内湖

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シエスタ(Siesta)とは、スペイン語でお昼寝を意味する言葉なんだということを、きっとこちらを読んでくださっている皆さんはご存じに違いない。

天気予報では一日を通して24個のお天気マークがずらりと横並びに続き、日中の気温がいかにもグングンと上がりそうな土曜日、友人たちと渡船サービスが始まった朱鞠内湖に集うことにする。
きっとこんな日は5月の太陽の湖面からの照り返しが強くて、夕方には僕の顔も真っ赤に焼けているに違いない。
本当は日焼け止めでも顔に塗っておくのがベストなのだろうけれど、ものぐさ釣り師は日焼け止めクリームとはどうやら無縁のようで、一度もドラッグストアで購入したことはなかったりする。
なにしろ湖畔でのお昼寝(シエスタ)タイムの時にも、顔の上に帽子を置いて日よけに代わりにしているぐらいだから。

前浜からの渡船の出船時間は朝の5時。
日の出前の静寂さが湖畔を包んでいるけれど、先週とは違っていくつも浮かんでいた大きな氷の塊の姿は湖面からすっかり消えている。
予想通り氷は融けたけれど、そこはまだまだ氷が融けたばかりの氷水といった感じで水温はまだまだ低いようだし、モスグリーン色をした湖水の濁りも先週ととくに変化はない。
膝下までウェーディングしてブーツのつま先がやっと見えるといったところだろうか。
おそらく湖の北部やインレット周辺の方がこの濁りは幾分薄らいでいるものだと思う。
そういえば早朝の湖面にライズリングが広がるということも一度も見ることはなかったかな。

これまでの経験からそんなことはおおよそ見当はついているのだけれど、イトウとの出合いにまったく期待が持てないわけではないし、それに今シーズン初めて朱鞠内湖で過ごすMAXだから、一番心地良く過ごせそうな北大島に渡してもらうことにした。
もちろんお昼寝(シエスタ)用のロールマットもしっかりと忘れないようにして。




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僕の場合、NHK-FMの「音の風景」という番組を聴くのがなぜかとても好きだったりする。
特に自然の中で鳥たちの囀りがまるで耳元で鮮明に響いてくるような番組内容の時ならなおさら好きだろうか。

今シーズンの朱鞠内湖での初MAXでは、湖のあまり良くないコンディションもあって、湖畔でのお昼寝(シエスタ)タイムもいつの間にかMAXになっていた。
意識の遠くで友人のキャストするサウンドに交じって打ち寄せる波の音が響いてくる。
風が少し穏やかになると背後の白樺林から様々な野鳥の囀りが響いてきた。
まるでお気に入りの「音の風景」という番組をリアルタイムで聴いているかのように、とても心地良い時間を北大島で過ごせたように思う。

岸際にワカサギの小さな群れを何度か見たけれど、本格的なワカサギの岸寄りまではまだまだ時間を要するのだろう。
トラウトのボイルは1日を通して2度だけ見たけれど、イトウのボイルは皆無。
でも遠くにいたルアー釣り師の方はイトウに出合っていたようだから、この濁りの中でも出合えるチャンスは皆無という訳ではないらしい。

予想通り心地良いシエスタもあってか、僕の顔もすっかり赤く日焼けをしてしまった。
ノーバイトで過ごした朱鞠内湖MAXは、湖畔でのシエスタがあってもやっぱり長く感じられた一日となった。
来週も友人たちとまた訪れる予定だから、次にこの地を訪れる時も日焼け止め対策を少しぐらいは考えておいた方が良さそうなぐらい天気が良いといいのだけれど。




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by slowfishing-yun | 2018-05-14 22:23 | Fishing Reports | Comments(6)
2018年 05月 05日

<Episode #390> 静寂な湖 / Lake Shumarinai

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車のドアから一歩外に出ると、雨上がりのひんやりとした空気感と共に僕は何とも言えない静寂さに包まれた。
きっと湖全体がすっぽりと隈なく朝靄に包まれているからなのだろう。
さながら音の輪郭が一層際立つレコーディングルームの中にでも迷い込んだ気分だった。
まるで隣でささやいているかのようにウグイスや名も知れぬ野鳥の囀りが僕へと降り注いでくる。
それは僕が知っている朱鞠内湖らしい美しい朝だった。

僕は一瞬、タルコフスキー監督の映画「ノスタルジア」の中の朝靄のシーンを思い出す。

雪解けの流れを音色を耳にしながら、厚く固まった雪の上を歩いてイタリア半島の先端を目指すとする。
雪の上を歩きながらも、僕は相変わらず風の存在感を全く感じない。
長い白樺林を抜けると、きっとこんな日の朝の湖面はメタリックなシルバーグレイにピカピカになるまで磨き上げられているに違いない。





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釣りには不向きな朝だった。
でもこの静寂さとロケーションの中にポツリと佇みたくって深夜に200kmも車を走らせてきたのだから不満は何一つない。
何度も大きく息を吸い込み、ゆっくりと息を吐いた。
きっと湖を包んでいる朝靄が消え去り青空が顔を出したら、ゆっくりと湖面がさざ波立つに違いないから。

湖のコンディションからいうと、湖面にはいくつもの氷の塊が浮かび、湖水も透明度は50cm程度で朱鞠内湖らしいモスグリーン色に染まっていた。
取水崎の濁りはイタリアよりもさらにきつく、雪解けの沢水か注ぐインレットの方が濁りは薄らいでいたと思う。

ランニングラインをリトリーブする左手が強い衝撃でグゥンと止まる。
僕はその次に続く大きなヘッドシェイクを期待するのだけれども、ロッドはグリップの根元から美しいベンディングカーブを描いたまま。
偏光グラス越しにその存在と位置をチェックはしているものの、水面下の切り株にフライを何度も引っ掛けてしまい、フライボックスから一つまた一つとオリーブ色のゾンカーが姿を消していく。

収獲も一つあった。
マイザーの14’、#7/8番MKSにアトランティック・サーモン・ショート、8/9、S1/S2、520grがとてもマッチしていたこと。
本当は9/10があればそちらを使いたいんだけれど、ラインナップにはないのでちょっと残念。
それでもヘッドが少し短くなったおかげで、少しは長く丁寧にリトリーブすることが出来るかなと期待している次第。

リトリーブ中に僕が感じた根掛りとは異なる違和感は2度。
以前にも切り株の間にフライを通していて予想外の素敵な出合いもあったから、思わずそんな記憶がフッと僕の脳裏に蘇る一日だった。
あの静寂さを忘れないうちに、また足を運べればと思っている。





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Today's BGM :



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by slowfishing-yun | 2018-05-05 22:43 | Fishing Reports | Comments(4)
2018年 04月 24日

<Episode #389> タンニンカラーに染まる本流

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海からの風には、ほんのりと春らしい潮の匂いが混じていたように思う。
天気予想に反して早朝の天気はどんよりとした薄い灰色の雲に覆われたものだった。
ポツポツと短時間だけれど存在感の薄い小さな雨粒が曇り空から落ちてきたりもした。

ここ2週間は毎週末になると雪の白さをフィールドで目にしていたけれど、4月の半ばを過ぎた先週末あたりからはやっと春らしく気温がポカポカと上がり始めたように思う。
予定通り、今回初めて別寒辺牛川を訪れるというIzumiさんと湿原から染み出したタンニンカラーに染まるOyster riverへと足を運んだ週末だった。





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Black mouth white spotted char(通称クチグロアメマス)





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R.B.Meiser S2H14067MKX-4 "Jock Scott"




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シンプルなHair wing streamerも最初からバーブを潰します





何の根拠もないのだけれどアメマスへのダメージが少ないことを願って、フックのバーブは最初からフォーセップを使いプチっと音がするまで潰すことにした。
早朝はまだ風がその存在感を感じさせないぐらい穏やかに吹いていたけれど、道東の太陽が低い地平線から40度ぐらいの高さぐらいまで昇ると、予報通り南南西の風が9m/sの速さで川面を走っていく。
満潮時間を過ぎて下流への流れが出始めると、ゆっくりとスイングするフライがほんの少しの違和感を感じた後、グゥンと衝撃と共に引き込まれるようになる。
お気に入りのロッドがバット付近から心地良いカーブを描き、通称クチグロのいかにもワイルドな風貌のアメマス達が顔を出してくれた。





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お気に入りのFarlexも使用後にはしっかりと塩抜きを兼ねたメンテナンス





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ベカンの春らしい色のコントラスト




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風の強い春の別寒辺牛川に対して僕が抱く印象といえば、春らしい少し霞の掛かったような黄色い青空と風の影響で濁りの入った茶褐色の流れとが作り出すコントラストだろうか。
日曜日は鈴木旅館の窓ガラスが風で揺れる音で目が覚めた。
春らしい青空の下、風が土曜日とは正反対の方向から強く川面を吹き抜けていき、そんなフィールドでは時折騒がしい鳥山も見かけた。
ピッチの速いロングストロークのリトリーブでランニングラインをつまんだ指先に不意に衝撃が訪れる。
夢中にならないつもりでいたのだけれども、いつの間にか時間が経つのも忘れて、すっかり釣りの方に夢中になってしまっていた。
次にタンニンカラーに染まる本流へと僕が足を運ぶのは、おそらく1年後の4月になるだろう。






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by slowfishing-yun | 2018-04-24 23:37 | Fishing Reports | Comments(6)