カテゴリ:Fishing Reports( 168 )


2018年 05月 20日

<Episode #392> 大人のピクニック / 朱鞠内湖

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薄い灰色の雲のフィルターを通して柔らかい早朝の日差しがモスグリーン色の湖面をゆっくりと照らしている。
僕たちをこの日の風裏となる北大裏で降ろした渡船のボートがそんな湖面の向こうに小さく消えていこうとしていた。
ボートのエンジン音が次第にフェードアウトしていくと、静寂さと共に野鳥の囀りが耳に届くようになり、そして今度は背後の白樺林の上の方でゴーゴーと風が強く吹く音(確か予報では風速6m/s)がするようになっていた。
北大島まではうねる波にボートの底がたたきつけられて結構お尻が痛かったけれど、北大島を経由して北大裏に近づくと、湖面のうねりは嘘のように消えていったのが印象的だったかな。
漁協の話によると先週よりも湖の水位は1m以上は上昇していて、朱鞠内湖はほとんど満水に近いんだそうだ。
青空の下で輝く朱鞠内湖の風景も好きだけれど、曇り空の下だと少し肌寒くってブルーグリーンの色彩がより際立つように思えて、こちらも結構好きだったりする。

パラパラと小雨が降る中、温かいコーヒーを淹れて冷えた身体を温めたりもした。
結局、北北東の風が強く吹く日の風裏となる北大裏で僕らは何一つ生命感を感じることがなく、相談の結果、北大裏からポイント移動して北大島でこの日のMAXを終えることにした。





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今回の釣りの目的は何と言っても去年に引き続き、朱鞠内湖での大人のピクニック。
さらに今回のピクニックのメインディッシュはというと、Bistro-andieloop(Cafeからランクアップ)の2種類のホットサンド。

そしてそのメニューはというと、自家製ベーコンとトマトソースのホットサンドに自家製スモークチキンとホワイトソースのホットサンド。

毎回腕を上げているandieさんの2種類のホットサンドはどちらも絶品で、久しぶりに食パン5枚とおなかの方にもボリュームも満点(笑)
日差しに恵まれてもう少し気温が高くてビール日和だったら、きっとキリっと冷えたビールか泡のワインにピッタリだったのにと友人たちともちょっと後悔。

さてさて肝心の釣りの方はいうと、湖の濁りの程度そのものは先週とほとんど変化がないのだけれど、岸際を泳ぐワカサギの群れの数が格段に増えたことにちょっと期待をしたりする。

食後のシエスタを終えて、まだ釣りへの集中力がそれほど完全ではない時だったけれど、キャスト後に10カウント。
ロングストロークのリトリーブを始めて3回目のリトリーブで根掛りのような重くて強い衝撃が僕のロッドに訪れる。
衝撃の主は、まだまだ完全に大人にはなりきれていない若いイトウだったけれど、イトウらしい少しブルーがかったメタリックな頬の色をしたイトウだった。

事前の天気予報の内容とは異なり、何とかひどい雨にはあたらなかったけれど、おそらく来年の朱鞠内湖での大人のピクニックの時は、もう少し温かい日が巡って来たらいいのになと思った。
きっと湖畔でのビール(おそらくホットサンドにはコロナビールが一番合いそう)が美味いに違いないと思ったから。





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by slowfishing-yun | 2018-05-20 22:58 | Fishing Reports | Comments(10)
2018年 05月 14日

<Episode #391> シエスタ / 朱鞠内湖

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シエスタ(Siesta)とは、スペイン語でお昼寝を意味する言葉なんだということを、きっとこちらを読んでくださっている皆さんはご存じに違いない。

天気予報では一日を通して24個のお天気マークがずらりと横並びに続き、日中の気温がいかにもグングンと上がりそうな土曜日、友人たちと渡船サービスが始まった朱鞠内湖に集うことにする。
きっとこんな日は5月の太陽の湖面からの照り返しが強くて、夕方には僕の顔も真っ赤に焼けているに違いない。
本当は日焼け止めでも顔に塗っておくのがベストなのだろうけれど、ものぐさ釣り師は日焼け止めクリームとはどうやら無縁のようで、一度もドラッグストアで購入したことはなかったりする。
なにしろ湖畔でのお昼寝(シエスタ)タイムの時にも、顔の上に帽子を置いて日よけに代わりにしているぐらいだから。

前浜からの渡船の出船時間は朝の5時。
日の出前の静寂さが湖畔を包んでいるけれど、先週とは違っていくつも浮かんでいた大きな氷の塊の姿は湖面からすっかり消えている。
予想通り氷は融けたけれど、そこはまだまだ氷が融けたばかりの氷水といった感じで水温はまだまだ低いようだし、モスグリーン色をした湖水の濁りも先週ととくに変化はない。
膝下までウェーディングしてブーツのつま先がやっと見えるといったところだろうか。
おそらく湖の北部やインレット周辺の方がこの濁りは幾分薄らいでいるものだと思う。
そういえば早朝の湖面にライズリングが広がるということも一度も見ることはなかったかな。

これまでの経験からそんなことはおおよそ見当はついているのだけれど、イトウとの出合いにまったく期待が持てないわけではないし、それに今シーズン初めて朱鞠内湖で過ごすMAXだから、一番心地良く過ごせそうな北大島に渡してもらうことにした。
もちろんお昼寝(シエスタ)用のロールマットもしっかりと忘れないようにして。




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僕の場合、NHK-FMの「音の風景」という番組を聴くのがなぜかとても好きだったりする。
特に自然の中で鳥たちの囀りがまるで耳元で鮮明に響いてくるような番組内容の時ならなおさら好きだろうか。

今シーズンの朱鞠内湖での初MAXでは、湖のあまり良くないコンディションもあって、湖畔でのお昼寝(シエスタ)タイムもいつの間にかMAXになっていた。
意識の遠くで友人のキャストするサウンドに交じって打ち寄せる波の音が響いてくる。
風が少し穏やかになると背後の白樺林から様々な野鳥の囀りが響いてきた。
まるでお気に入りの「音の風景」という番組をリアルタイムで聴いているかのように、とても心地良い時間を北大島で過ごせたように思う。

岸際にワカサギの小さな群れを何度か見たけれど、本格的なワカサギの岸寄りまではまだまだ時間を要するのだろう。
トラウトのボイルは1日を通して2度だけ見たけれど、イトウのボイルは皆無。
でも遠くにいたルアー釣り師の方はイトウに出合っていたようだから、この濁りの中でも出合えるチャンスは皆無という訳ではないらしい。

予想通り心地良いシエスタもあってか、僕の顔もすっかり赤く日焼けをしてしまった。
ノーバイトで過ごした朱鞠内湖MAXは、湖畔でのシエスタがあってもやっぱり長く感じられた一日となった。
来週も友人たちとまた訪れる予定だから、次にこの地を訪れる時も日焼け止め対策を少しぐらいは考えておいた方が良さそうなぐらい天気が良いといいのだけれど。




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by slowfishing-yun | 2018-05-14 22:23 | Fishing Reports | Comments(6)
2018年 05月 05日

<Episode #390> 静寂な湖 / Lake Shumarinai

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車のドアから一歩外に出ると、雨上がりのひんやりとした空気感と共に僕は何とも言えない静寂さに包まれた。
きっと湖全体がすっぽりと隈なく朝靄に包まれているからなのだろう。
さながら音の輪郭が一層際立つレコーディングルームの中にでも迷い込んだ気分だった。
まるで隣でささやいているかのようにウグイスや名も知れぬ野鳥の囀りが僕へと降り注いでくる。
それは僕が知っている朱鞠内湖らしい美しい朝だった。

僕は一瞬、タルコフスキー監督の映画「ノスタルジア」の中の朝靄のシーンを思い出す。

雪解けの流れを音色を耳にしながら、厚く固まった雪の上を歩いてイタリア半島の先端を目指すとする。
雪の上を歩きながらも、僕は相変わらず風の存在感を全く感じない。
長い白樺林を抜けると、きっとこんな日の朝の湖面はメタリックなシルバーグレイにピカピカになるまで磨き上げられているに違いない。





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釣りには不向きな朝だった。
でもこの静寂さとロケーションの中にポツリと佇みたくって深夜に200kmも車を走らせてきたのだから不満は何一つない。
何度も大きく息を吸い込み、ゆっくりと息を吐いた。
きっと湖を包んでいる朝靄が消え去り青空が顔を出したら、ゆっくりと湖面がさざ波立つに違いないから。

湖のコンディションからいうと、湖面にはいくつもの氷の塊が浮かび、湖水も透明度は50cm程度で朱鞠内湖らしいモスグリーン色に染まっていた。
取水崎の濁りはイタリアよりもさらにきつく、雪解けの沢水か注ぐインレットの方が濁りは薄らいでいたと思う。

ランニングラインをリトリーブする左手が強い衝撃でグゥンと止まる。
僕はその次に続く大きなヘッドシェイクを期待するのだけれども、ロッドはグリップの根元から美しいベンディングカーブを描いたまま。
偏光グラス越しにその存在と位置をチェックはしているものの、水面下の切り株にフライを何度も引っ掛けてしまい、フライボックスから一つまた一つとオリーブ色のゾンカーが姿を消していく。

収獲も一つあった。
マイザーの14’、#7/8番MKSにアトランティック・サーモン・ショート、8/9、S1/S2、520grがとてもマッチしていたこと。
本当は9/10があればそちらを使いたいんだけれど、ラインナップにはないのでちょっと残念。
それでもヘッドが少し短くなったおかげで、少しは長く丁寧にリトリーブすることが出来るかなと期待している次第。

リトリーブ中に僕が感じた根掛りとは異なる違和感は2度。
以前にも切り株の間にフライを通していて予想外の素敵な出合いもあったから、思わずそんな記憶がフッと僕の脳裏に蘇る一日だった。
あの静寂さを忘れないうちに、また足を運べればと思っている。





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by slowfishing-yun | 2018-05-05 22:43 | Fishing Reports | Comments(4)
2018年 04月 24日

<Episode #389> タンニンカラーに染まる本流

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海からの風には、ほんのりと春らしい潮の匂いが混じていたように思う。
天気予想に反して早朝の天気はどんよりとした薄い灰色の雲に覆われたものだった。
ポツポツと短時間だけれど存在感の薄い小さな雨粒が曇り空から落ちてきたりもした。

ここ2週間は毎週末になると雪の白さをフィールドで目にしていたけれど、4月の半ばを過ぎた先週末あたりからはやっと春らしく気温がポカポカと上がり始めたように思う。
予定通り、今回初めて別寒辺牛川を訪れるというIzumiさんと湿原から染み出したタンニンカラーに染まるOyster riverへと足を運んだ週末だった。





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Black mouth white spotted char(通称クチグロアメマス)





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R.B.Meiser S2H14067MKX-4 "Jock Scott"




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シンプルなHair wing streamerも最初からバーブを潰します





何の根拠もないのだけれどアメマスへのダメージが少ないことを願って、フックのバーブは最初からフォーセップを使いプチっと音がするまで潰すことにした。
早朝はまだ風がその存在感を感じさせないぐらい穏やかに吹いていたけれど、道東の太陽が低い地平線から40度ぐらいの高さぐらいまで昇ると、予報通り南南西の風が9m/sの速さで川面を走っていく。
満潮時間を過ぎて下流への流れが出始めると、ゆっくりとスイングするフライがほんの少しの違和感を感じた後、グゥンと衝撃と共に引き込まれるようになる。
お気に入りのロッドがバット付近から心地良いカーブを描き、通称クチグロのいかにもワイルドな風貌のアメマス達が顔を出してくれた。





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お気に入りのFarlexも使用後にはしっかりと塩抜きを兼ねたメンテナンス





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ベカンの春らしい色のコントラスト




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風の強い春の別寒辺牛川に対して僕が抱く印象といえば、春らしい少し霞の掛かったような黄色い青空と風の影響で濁りの入った茶褐色の流れとが作り出すコントラストだろうか。
日曜日は鈴木旅館の窓ガラスが風で揺れる音で目が覚めた。
春らしい青空の下、風が土曜日とは正反対の方向から強く川面を吹き抜けていき、そんなフィールドでは時折騒がしい鳥山も見かけた。
ピッチの速いロングストロークのリトリーブでランニングラインをつまんだ指先に不意に衝撃が訪れる。
夢中にならないつもりでいたのだけれども、いつの間にか時間が経つのも忘れて、すっかり釣りの方に夢中になってしまっていた。
次にタンニンカラーに染まる本流へと僕が足を運ぶのは、おそらく1年後の4月になるだろう。






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by slowfishing-yun | 2018-04-24 23:37 | Fishing Reports | Comments(6)
2018年 04月 18日

<Episode #387> FarlexとHardy、そしてBekanbeushi river

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何とか今でも継続しているBlogの過去の釣行記をたどってみると、僕がこの茫洋とした風景が広がる極東の本流のタンニンが染み出した紅茶色の流れに佇み、初めてロッドを振ったのはどうやら2008年の4月のことのようだ。
そして厚岸町の鈴木旅館さんに初めてお世話になったのが2009年の4月だから、鈴木旅館さんとはかれこれ10年来のお付き合いということになる。
毎年この時期には欠かさずお世話になっているから、すっかり今では常連客のようになってしまったかな。
そんな長い付き合いの鈴木旅館さんもこの10年間で建物はさらにくたびれたけれど、さすがにブラウン管だったテレビも数年前からは液晶テレビになっていた。
相変わらず雑然とした厨房から出てくる牡蠣料理の美味しさだけは、ここ10年来何一つ変わることがないように思う。
さてさてそんな厚岸町を流れる別寒辺牛川に今週末も友人たちと毎年恒例の釣り旅と称して遊びに行ってきた。






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この時期の別寒辺牛川の毎回僕らが足を運ぶエリアが最河口部ということもあり、満潮前後には海水が混じることもあるから、ロッドにセットして使用するリールの仕様に本来はもう少し気を使うべきなのだろう。
おそらくソルト対応のリールの方が安心なのは分かっているけれど、官能的なサウンドを奏でるクリック音の大きなソルト対応ではないリールの方が趣があって個人的には好きなので、これまでもそういうリールばかりを使っていた。
今回使用したリールはFarlexの3 3/4" S-handleとHardyのMarquis Salmon No.1。
Farlexの方にはAtlantic Salmon Short #8/9(520gr) S1/S2。
Hardyの方にはSkagit Compact Int. 540grに15’ #8/9 Inter(clear)のティップを使用。
フィールドでの使用後には海水をしっかりと洗い流してウエスで水分をふき取り、さらに回転部分にはグリスアップを施しておく。
こういう手間も毎回施すようにしておくと、それほど億劫にならずにすむだろうか(笑)






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潮が満ちてくるとフィールドを吹き抜ける風に海から遡上してきたクチグロアメマスの匂いがしたような感じた。
とにかく風が強くて、瞬く間に水で濡れた指先の感覚がしびれてなくなりそうなタフコンディションのフィールドだったし、正直なところ、釣りの方も僕にはかなり難しかった。
一日を通して僕のロッドがアメマスの躍動感で美しい弧を描くことはほとんど少なく、海からの風を感じながら友人たちのロッドが描く美しいロッドのカーブを見ながら風の強い土曜日を過ごしただろうか。
本当はフックのバーブをフォーセップで潰してフライをスイングさせるぐらいの余裕が欲しかったのだけれど、そんな気持ちの余裕は僕の中で最初からは生まれていなかったので、バーブを潰したのは最初のアメマスをリリースした後からかな。
ここ10年を振り返ってみると、少しずつアメマスの数が減っているように感じる印象が強いし、それが釣り人による影響なのか、それとも環境的な要因なのか僕には定かではないけれど、リリースするアメマスへのダメージが極力少ないように次は最初からバーブレスにしてみようと思っている次第。

札幌の感覚からするとそれ程の量ではないのだけれど、日曜日には地元の方もビックリするぐらいの雪が降り、さらに強風というタフコンディションと重なったため釣りの方は諦め、友人たちとのんびり宿で朝食をいただき札幌へと帰ることにする。
まあ、最近はこんなのんびりとしたゆとりも少なかったから、ちょうどよいリフレッシュになったかなと思っている。






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鈴木旅館の夕食、ここに生牡蠣2個と尾幌昆布のお吸い物がつく



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by slowfishing-yun | 2018-04-18 22:01 | Fishing Reports | Comments(11)
2018年 04月 09日

<Episode #385> 白い桜のように / Bekanbeushi river

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何となくそんな予感はしていたのだけれど、金曜日の夕方に友人からの連絡を受けて、土曜日に足を運ぶフィールドをヒバリの囀りが響いてきそうな春らしい南から、釧路よりもさらに遠い東へと急遽変更することに対して、やはり僕はまだ十分に心の準備が出来ていなかったんじゃないかと思う。
道東道の占冠SAを過ぎたあたりから、気温の低下と同時にみぞれ交じりの雪が降り始めた。
そして帯広を過ぎたあたりからは次第に湿った雪へと変わっていく。
空が明るくなり始めると、この時期の道東では珍しく白銀の雪景色の風景が目の前に広がっていった。
そして国道沿いに広がる木々の葉に被った湿った雪は、まるで白い雪でできた桜の花ようにも僕には見えた。
いつもなら不意に国道の脇から鹿が飛び出してきそうなんだけれど、この寒さではそんなハプニングも起こることはなかったかもしれない。
満潮となる朝の6時前後には、何とか無事にすでに何台かの車が止まっているフィールドにたどり着くことが出来たことに、ほっと安堵感に包まれると同時に柔らかい眠気がジワーっと押し寄せてくる。
でもそんな眠気もすぐ脇を通り過ぎていくトラックが雪解けのシャーベットをビシャーっと周りに飛ばしていくと、一気に覚めていくのだった。





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この地には珍しい雪景色






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シャーベット状の雪が早春のフィールドを包む






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例年よりも数週早いこの時期にベカンを訪れるのは、僕にとって初めてのこと。
さらにこんな白一色に包まれたモノトーンの雪景色のベカンを訪れるのも、初めてだと思う。
明るい鉛色の道東らしい空が頭上を覆っていた。
乾いた葦の色や泥炭、それにタンニンの染み出した色など、ここ数年は毎年のようにこの地を訪れているからすっかり見慣れたと言ってもいいフィールドに抱く色彩に、たった白という色彩が加わるだけでこんなにも印象がガラッと変わるものかと驚いてしまった。

フィールドには北寄りの風が強く吹く。
少しずつ流れが出始めたのは8時頃だたかもしれない。
それが合図かどうかは分からないけれど、少しずつベカンのアメマス(通称クチグロアメマス)からのコンタクトが僕のロッドにも訪れるようになった。





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6/7番のMKXがバットから美しいベンディングカーブを描く






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無骨でワイルドなアメマスらしい大きな背びれ
この背びれの質感、どこか黒鯛(チヌ)に似ている?






干潮はおそらく午後の2時頃だったと思う。
その時間に向けてゆっくりと本流が本来の流れの勢いを取り戻していく。
満潮近くはまだ海水が混じっているので水温はそれほど低くはなかったけれど、時間とともに流れが出始めると今度は雪解け水が混じり始めて一気に水温が下がり、ウェーダーの中でユニクロのヒートテック・ソックス2枚重ねの僕の足先が急に冷えていくのが分かった。

久しぶりにパワフルなクチグロアメマスの躍動感を感じることが出来た一日だった。
それもスイングの釣りを楽しむことが出来て、僕としては足先の冷たさはなかなか厳しかったけれど、やはりあっという間に過ぎていった一日だった。
日帰りというかなりハードな釣り旅だったということもあるけれど、やっぱりちょっと無理をしてでもmasaさん、sugiさんと足を運んで良かったと思える一日になったと思う。
そして僕らがフィールドを離れる頃には、早朝にフィールド一面に咲いていた雪でできたひと時の白い桜はすっかり散ってしまっていたのだった。

P.S.あの色彩から使用することにとても躊躇していたテムレスというグローブが非常に機能的な商品だということに気づく。
14フィート、6/7wt、MKXにアトランティックサーモン・ショートSH、8/9(520gr)、S1/S2がとてもマッチしていたことも収穫のひとつだったかな。





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今回メインで使ったフライには、VARIVASの4番と6番フックを使用
マラブーよりもスードゥーヘアの耐久性が良かった





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by slowfishing-yun | 2018-04-09 22:20 | Fishing Reports | Comments(4)
2018年 04月 01日

<Episode #383> 遠いサカナ

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この冬のフィールドの積雪量はかなり多かったようだけれど、今年の3月末には例年以上に気温が高い暖かい日が続いたから、数日前には札幌の積雪量がゼロになったとNHKのアナウンサがーがラジオで話していた。
そういえば道東の網走で観測以来の3月の最高気温を更新したらしいし、友人たちとのグループLINEでは増水して茶色く濁った湧別川の動画を友人がシェアしていただろうか。
この時期はよほどの雨量の雨でも降って増水しない限り、雪代前の本流での釣りを楽しめるのだけれど、今年はどうもタイミングやリズムが乱れているような気がする。
少しずつ下がり始めた後志利別川も水位が3.60と何とかギリギリ釣りにはなったかもしれないけれど、やはり今回はあまり無理はせず今シーズン2回目となる支笏湖に足を運ぶことにした。

穏やかな春の日差しに覆われた支笏湖を期待したけれど、のんびりとした時間に峠を下ると、西南西の風で湖面がうねった支笏湖が視界いっぱいに広がった。





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左からの風と強いうねりによる波が打ち寄せる南岸は95kmの少し先のポイントに、お気に入りのタックルと共に佇む。
Farlexには前夜にアトランティック・サーモンSH 9/10 S2/S3を巻き込み、メンテナンスから戻て来たばかりのMeiserの14’ 7/8 MKS "Autumn"にセットしてキャストした。
岸際にウェーディングしていると打ち寄せる波で僕の身体が前後に揺れ、思わず船酔いでもしたかのような気分の悪さになる。
さらに波の砕ける音のボリュームが大きすぎて、のんびりどころか神経がヘトヘトになりそうになった。

風裏になるトンネル側に移動したけれど、今度はポイントが国道に近すぎてトラックやトレーラーから道路の段差で奏でられるガッシャーン、ガッシャーンという金属音がとにかくうるさくて、何だかフィールドの風は穏やかだったけれど、釣りをする気分はすっかり興醒めしてしまったかな。

相変わらずサカナやその躍動感からはすっかり遠のいた今年の春を過ごしているけれど、何とか4月には元気なトラウトに出合えれば、もしかしたらちょっとはうれしい晴れやかな気分になれるかもしれないように思える。





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ハリミツのファットビーズを使ったウーリーバガー






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by slowfishing-yun | 2018-04-01 16:29 | Fishing Reports | Comments(4)
2018年 03月 25日

<Episode #382> 春の日差し / Shiribetsu river

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3月最後のフィールドに立つと、春の空の青さと雪山の白い稜線とが織り成すコントラストが、なぜだか僕にはとても美しいと感じられた。
気温のせいかフィールドの空気感は輪郭が曖昧なソフトなものではなく、どこまでも見渡せるようなとても透き通ったもののように感じられる。
そんな風が穏やかで気温が少し高くなりそうな土曜日に、masaさんと尻別川に足を運ぶことにした。
雪代が少し入っていることもあって水温は少し低めなのか、ネオプレーン製のブーツウェーダーの中でユニクロのヒートテックの厚手のソックスに包まれた僕の足先はすぐにジンジンと痺れ始めた。





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尻別川のフィールドで初めて見たキャッチ&リリースを呼びかける看板に、なぜか僕はちょっと違和感に近いものを覚えてしまった。
もしも看板に他の魚種の名前も書かれていれば、おそらくそれほど違和感は覚えなかったかもしれないけれど、なぜか看板からはイトウだけを特別扱いしているように感じられて、少し残念な気分になってしまう。
あくまでも僕個人の感想だけれども。


今回はMeiserの12’6”、6/7wt、MKSにAtlantic Salmon SH Short DH 8/9 S3/S4(520gr)の組み合わせでキャストしてみるのもフィールドでの楽しみのひとつ。
最近は各社から発売されるラインのバリエーションの多さになかなかついていけないけれど、12~13フィート前後のロッドにこの短いスカンジ系のフルシンクSHはなかなか使えるような気がして、今シーズンは他のフィールドのバックスペースがあまり確保できないポイントで、フライをしっかりと沈めたい時にでも試してみようかと思った。


堤防の除雪も済んだようで、今回は少し尻別川の下流域まで足を運んでみる。
前回に引き続き今回も生命感をランニングラインを通した指先で感じることは出来なかったけれど、早春の日差しの下で過ごした時間はやっぱり楽しかった。
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Meiser 12'6" 6/7wt MKS "Black Doctor"
Farlex 3 3/4" S-handle All Black




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by slowfishing-yun | 2018-03-25 16:36 | Fishing Reports | Comments(8)
2018年 03月 19日

<Episode #381> 風がやむと

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Meiser 14' 6/7wt MKSとSaracione Mk.V 3 3/4" Gold/Black






日曜日は久しぶりに尻別川へと続くドライ・コンディションの中山峠のアスファルトを、車検を終えたばかりの車でゆっくりと越えた。
今年は道南の小さな漁港へ一度も足を運ばなかったから、この前はいつ中山峠を越えたかすら僕はなかなか思い出せないでいたりする。
こんな明るい時間帯に中山峠を越えたのもいつの事だか記憶もちょっと曖昧かな。
春らしい日差しの下でハンドルを握っていると、ふと道路脇に1m以上の高さまで幾重にもミルフィーユ状に重なった雪の断面が視界の脇を流れていくのが新鮮だった。
融雪剤でデコボコになったアスファルトにタイヤがとられると、そんなのんびりとした雰囲気も少しばかり緊張感が走ったりする。





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この日のフィッシングスタートは、とにかくスローなスタートだった。
オレゴンの工房でのモディファイを終えたばかりのお気に入りのロッド、届いたばかりのお気に入りのリール、それに春の尻別川ではちょっと相性の良いポイントと、すべての要素が揃っていたりするから、おのずと気分もウキウキと上ずってくるのかもしれない。
期待をして小さいなビーズヘッド仕様のオリーブウーリーから新しいチューブフライまでをティペットに結んで早春の流れにフライをスイングさせてみる。
でも結局最後まで僕がスイングさせるフライにアメマスからのコンタクトが訪れるということはなかった。

気温はおそらくプラス気温だったのだろう。
予報では最高気温が6℃の予報だったので、風が穏やかなら心地良い早春のフィールドでのキャストを楽しめるかなと期待していたんだけれど、日が陰って風が吹いたりすると体感気温はまるで氷点下。
ブーツの中のジンジンとしびれる足先の冷たさにアメマスからのコンタクトのなさも加わって、後半は釣り欲をキープするのが難しかったかな。
でも、風が止んで陽が射した時のポカポカとした陽気は本当に春らしいものだったように思った。
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by slowfishing-yun | 2018-03-19 22:59 | Fishing Reports | Comments(4)
2018年 03月 12日

<Episode #379> 3月の湖

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南風の予報だと美笛川の河口では右前方からの風になる
リトリーブしていても、あまり指先にテンションを感じなかった





週末は本格的な雪代が流入する前の十勝川へと足を運ぶ予定で、実は何本かの新しいチャートリュースカラーのチューブフライも巻いて準備の方も怠らなかったつもりだったけれど、木曜日辺りから予想以上の雨量が道東に降って、すっかりその予定はどこかへと消えていってしまった。
この時期にこんなに雨が降るというのは僕が3月の十勝川でのアメマス釣りを始めるようになてから初めての事なのだけれど、なんとなく今週も気温が高く経過しそうだから、もしかしたら今年の春の十勝川でのアメマス釣りは残念だけれどちょっとお預けになるかもしれない。
久しぶりに茂岩にある朝日堂さんのドーナッツがとても食べたい気分だったんだけれど、どうやらこちらもお預けになりそうだ…笑





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フロントグリップのBurnt corkをもう一度モディファイしてもらい、
さらにグリップ先端をより細身(17mm)に仕上げてもらったTrouty Orange






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風の強かった土曜日は避けて、日曜日のゆっくりとした時間から支笏湖にmasaさんと足を運ぶことにした。
新しいロッドが届いて、それに合わせるクリック音の美しい素敵なリールも新調したというsugiさんとは、支笏湖の南岸で待ち合わせをする予定。
支笏湖でのんびりとランチ(鍋焼きうどん)と深煎りのコーヒーのセットに久しぶりのキャスト練習を楽しもうという目論み。

右正面からのなかなかの向かい風が吹く美笛川河口も、それに今回は風裏になった通称95kmのポイントも、車から雪面が続くフィールドにたどり着くまでは、ひと汗以上もかくぐらい本当にいい運動になった。
クタクタになった身体の疲労感を感じながら風の音と打ち寄せる波の音を聞いていると、何だか本当にいい気分。
それが3ヶ月以上もフィールドから離れていたことや支笏湖を吹き抜けていく風の匂いのせいかどうかは僕にはわからないけれど。

相変わらず僕にはトラウトの生命感が感じられない早春の一日だっだけれど、ちょっとした気分転換とリハビリテーションにもなったから、今度はもう少し日差しが眩しくて気温が暖かい日に出掛けてみようと思っている。





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MLA 375の欠点は、ブレーキノブの黒の塗装がすぐに剥がれることかな(笑)
MLAのこのメタリックなブルー(ブルーグレー?)は、僕の中で唯一許せるブルー。





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by slowfishing-yun | 2018-03-12 21:05 | Fishing Reports | Comments(4)