季節外れのプラスの気温に思わず誘われてしまったわけではないけれど、なんとなく今シーズン最後のフィールドへと足を運びたくって、僕は車を尻別川へと走らせることにする。
決してまだ暗いうちから車を走らせたわけでもなく、アラームが鳴るいつもの平日の時間よりもほんの少しだけ早い時間に土曜日のアラームをセットしておいた。
しばらくといってもたったの1ヶ月ほどだけれど、すっかりフィールドから足が遠のいていると何だかタックルの準備もなかなかスムーズにはいかないようでちょっともどかしい気分。
とにかく忘れ物をしないことにはことさら気をつけて、さらにタックルボックスの中にコーヒーセットも忍ばせておくことにする。
久しぶりにスノーシューを履いて、尻別川の白い雪原をたっぷりと汗をかきながらポイントまで歩いた。
今年は例年よりも雪がかなり深いようで、もしもスノーシューがなければ、予定していたポイントにはおそらくたどり着けなかったかもしれないと思う。
プラス気温がすべてを象徴するかのように、とにかく風が穏やかで静寂さに包まれたフィールドだった。
少しブルーグリーン色をした美しい尻別川の流れが目の前に広がる。
残念ながら、期待していたアメマスやレインボーには出合えなかったけれど、尻別川で過ごした1日の中で僕はたった1回だけだけれど生命感を感じることが出来た。
でもなぜか僕は感謝でいっぱいというか、心の底からとても平穏で幸せな気分だった。
上手くは言葉で言い表せないけれど、こんな生産性のない釣りというものを趣味にすることが出来て本当に良かったとさえ思えたぐらいだから…。
分からない人にはなかなか理解してもらえないことなのかもしれないけれど、きっとフィールドで何かを感じながら過ごすという時間が本当に心地良いんだと僕には思える。
おそらくそれがたまたま釣りを介してのものだったに過ぎないのだろうけれど…。
そんな、僕に何かを再認識させてくれて、やっぱり足を運んで良かったと思えるシーズンラストの尻別川というフィールドだった。
9.24
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