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2016年 08月 11日

<Episode #220> LL over

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昆布エリアの第3セクションの深くてこれ以上ステップダウンすることが出来ない最後のポイントだった。
対岸めがけてクロス気味にペリーポークからフルキャストする。
ラインはスカジットコンパクト・インターに15フィートのT-11の組み合わせ。
2.5号のフロロカーボンのティペットの先にはコーンヘッド仕様のチューブフライ"Interaction" Willie Gunnのバリエーション。
フライがゆっくりとスイングを始めると、右の頬にチクっと痛みを感じた。
きっとヌカカだろう。先ほどから顔や首の周りを音もなく飛んでいる。このスイングを終えたらタバコに火をつけることにしよう。
そんな事を思った矢先、一度ランニングラインを上流へとメンディングして、フライがちょうど流芯を横切ろうとした瞬間だった。
グゥンという鈍重な衝撃と共に一気にラインが下流へと走り、サラシオーネからけたたましいスクリーミングサウンドが響く。
前もってディスクブレーキのノブはある程度絞ってはおいたけれど、あっという間にバッキングラインまで引き出されてしまった。
僕の立ち位置はこれ以上下れないポイントだから、反射的にブレーキのノブをさらに数段階絞り込む。
そしてさらに追いあわせを1・2回加えた。

もしかしたら、これがまずかったのかもしれない。
追いあわせを加えた瞬間、ゴツゴツというこれまであまり感じたことのない違和感をロッドとラインを通して感じる。
そして、ちょっと前までロッドを通して感じていたあの物凄いパワーすべてを失ってしまった。

流れの速さを差し引いても、経験的にあの魚は僕にとっては尻別川で出合うメモリアルな一尾となるレインボーだったと思う。
そんな訳で、早朝の本流でしばらくの間冷静さを失ってしまっていたかもしれない。
それぐらいロッドとラインを通して感じるパワーは物凄かっただろうか。


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日が昇ると夏ゼミの鳴き声が賑やかな尻別川だった。
ABUさんとほぼ1年ぶりに中山峠を越えて尻別川本流へと車を走らせる。
頭上には夏を思わせる青空が広がり、暑い一日を充分に予感させた。

結局正午を知らせる音楽が流れるまでの間、2ヶ所のポイントでロッドを振った。
川面を飛び交うヒゲナガも時々見かけたけれど、今回は一日を通してフライを沈めてスイングさせることにした。
心地良い流れの冷たさを感じながら、フライをキャスト&スイングさせていると時折り小振りなレインボーが顔を出してくれる。
早朝のコンタクト以外、大きなレインボーとのコンタクトは訪れなかったけれど、夏の釣りらしい気持ちの良い一日だった。

また機会があれば訪れてみようと思う。でも、ヌカカに咬まれることだけは勘弁して欲しいけれど・・・笑。
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Today's BGM :



by slowfishing-yun | 2016-08-11 21:39 | Fishing Reports | Comments(4)
Commented by abu-z4 at 2016-08-12 20:50
今日は、お疲れ様でした。
Yunさんのあれほど落胆した表情は、初めて見たような気がします。
それほど手応えが大きかったこということですね。
なんと言ったら良いのか言葉が見つかりませんが、これだけは言えます。
尻別川には、僕たちがまだ出会ったことのないモンスターが存在すると言うことを。
いつの日か、その存在をYunさんが明らかにしてくれることを期待してます。
Commented by slowfishing-yun at 2016-08-12 22:15
ABUさん、こんばんは。
昨日の「山の日」はお疲れ様でした。
ほぼ1年ぶりに訪れた尻別川でしたが、おかげさまで楽しむことが出来ました。
それにしてもあの魚は残念でした。
立ち位置からして、もしかしたらランディング出来なかったかもしれませんが、
ABUさんのサポートがあれば、もしかしたら姿が見れたかもと思ったりします(笑)。
相変わらずヌカカに咬まれたあとの腫れがひどいですが、また機会があれば宜しくお願いします。
Commented by mr,hoo at 2016-08-14 12:02 x
yunさん こんにちは 同じポイントで同じ体験をしました(笑) 3度目のジャンプの後で流れに乗り走り走り始めた時点でいつも強気な私がこれ取れんと直感しました(笑) 案の定はるか下流で4度目のジャンプの最中にフライが外れたのが見えました(笑)

Commented by slowfishing-yun at 2016-08-14 14:16
mr,hooさん、こんにちは。
結んだフライのパターンは違いますが、やはり同じポイントでしたか。
でも、あの流れ速さのポイントで流れに乗ってレインボーが下流に下ると、
クリック・ブレーキのリールだとさすがに厳しいかもしれませんね(笑)。
mr,hooさんの感じた直感、何となく分かるような気がします。
私はディスク・ブレーキのリールだったので、少しはチャンスがあったかもしれません。
それにABUさんのサポートがあれば、もしかしたら・・・。
でも、フックが伸びるかラインブレイクしていたかもしれませんね。
どちらにしても印象深いいい思い出になりました。


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