早朝の気温は3度近くまで下がり、北海道上空を通過する等圧線がギュッと狭まった低気圧の影響で、
冷たい強風が音を立てながら湖面の上を吹き抜けていく土曜日の朱鞠内湖だった。
それと同調するかのように、背後の白樺の木立の幹が、ビュービューと風に吹かれて大きく揺れている。
風による波の影響なのか、硬い粘土質の湖底が押し寄せてくる波に洗われて、湖水がほんのりとサンドベージュに濁っていた。
風は冷たく、グローブが欠かせない土曜日の釣りとなった。
R.B.Meiser S2H14078MKS the "Fire God" and Kineya Model 705
先週のこともあり、ロッドをMeiserのMKS、6/7番から7/8番に持ち替える。
パラパラと雨粒が帽子の上にスッポリと被ったジャケットのフードや背中に当たる音が、耳から離れることはなかった。
ジャケットが雨に濡れて重くなるにつれ、身体は少しずつ冷えていき、寝不足の僕はジワジワと疲労感を感じ始める。
これで何の前触れもなく不意に大きなイトウからのコンタクトでもあれば、
一瞬にして疲労感はどこかへと昇華していくのだろうけれども・・・。
相変わらず、右前方からの強風が湖面の上を吹き抜けていく。
いつもなら丸一日キャストを続けていてもほとんど疲労感や筋肉痛を感じることはないけれど、
右前方からの強風だけは話は別で、飛距離を出そうと無理をすると、キャストアウト時に何度かパチンとフライが僕の背中を叩く。
危ない、危ない。
レギュレーションに沿って、フォーセップでバーブを潰しておいたフックで良かったと思うことが何度かあったかな。
突然目の前の波間にガバッと大きな波紋が広がる。もちろん僕のキャストレンジ内。
急いでその辺りにフライ(オリーブゾンカー)を泳がせてみたけれど、イトウはすでに泳ぎ去った後だった。
アトランティックサーモンSH(S1/S2)と20lbのリッジランニングラインを繋ぐヨリモドシがちょうどトップガイドを通過する直前辺りで、
グーっと掛かる負荷と共に小気味良い躍動感がロッドに伝わってくる。
朱鞠内湖らしい小顔であどけない表情のアメマス達だったけれど、後志利別川のアメマスの雰囲気にもちょっと似ていて、
冷たい雨に濡れたアングラーの気持ちをどこか優しくほぐしてくれたように思う。
どうやら今シーズンは
アメマスの数が多い予想?
Today's BGM :