岸際はまだまだ厚い氷で覆われ、視界いっぱいに氷で出来た白い雪原が広がっていた。
一歩ずつ踏み出すたびに、キュッキュッと氷のきしむ音色が響いてくる。
気温は低いけれど、3月のポカポカとした日差しが僕にはとっても柔らかく感じられた。
午前中の十勝川のフィールドに吹く風は、穏やかそのものである。
午前中はもしかしたらと、経験的に多少は期待感が持てそうな下流域の左岸のフィールドを中心に足を運んでみたものの、
予想以上に水位が下がっていたり、足場が悪かったりと、ストラクチャーへの根掛かりでたくさんのフライをロストしてしまった。
もちろん下流域の左岸ではアメマスからのコンタクトもなく、次回までに、またフライを巻き足しておかないと・・・笑。
ちなみに十勝川の水の色は、概ね下の写真の感じだろうか。
何度かアメマスからのコンタクトはあったのだろうけれど、ロッド全体のバイブレーションにまで変化していくコンタクトは、
一日を通して、結果的にそれほど多くはなかったと思う。
午後からはカラカラに乾いた冷たい北風が強まり始め、川面が大きく波立ち始めた。
何となく気になったので、オレンジ色のスペイハックルとメタリック・ブルーのフラッシャブーをミックスして巻いたイントルーダー。
やはりこのフライもさらに数キャスト後には、川底のストラクチャーへの根掛かりでロストしてしまう・・・残念。
根掛かりを見越して、ラインをアトランティック・サーモンSHのS3/S4からS2/S3にチェンジしておいたのだけれど・・・。
十勝川に足を運び始めて結構な月日が経つけれど、茂岩橋近くにあるアメリカンドーナツというのぼりが以前から気になっていた
「朝日堂」という菓子店に入るのは、僕にとって初めてだろうか。
実は、何年か前に買った「スロウ」という雑誌でもこのお店のドーナツが取り上げられていて、気になっていたものだから・・・。
そんな訳で「朝日堂」さんのあんドーナツ、実に素朴で、とても懐かしい味がするあんドーナツだった。
凍ったウェーダーを脱ぎ、急いで着替えを済ませて、
「朝日堂」さんのあんドーナツをほおばり、すっかり冷めてしまったコーヒーを一口飲む。
口の中では何とも言えない安堵感とどこか懐かしい甘さが広がるのだけれど、やはり十勝のフィールドに吹きすさぶ寒風で、
僕はまたブルっと大きく身震いしてしまった次第。さ、寒っ(笑)。
1.83
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