2018年 10月 15日

<Episode #417> Autumn field

f0317993_21192386.jpg





f0317993_21192707.jpg





一桁という気温の低さのせいか、やや鋭角的に僕の皮膚をなぞっていく秋の風がゆっくりとではあるがフィールドには吹いていた。
真冬ほどではないけれど、しばらくするとジンジンとフリース地のグローブをはめていない指先が感覚を失い始める。
水温がまだ11℃前後ということもあって、この日も幻想的な朝霧がフィールド全体をベールのように覆っていた。
どうやら昨夕からまた岩尾内湖の放水が始まったようだけれど、今日も天塩川は何事もなかったかのように流れていた。
しばらくもすると、頭上の空はきっと濃淡のない淡いグレーからいくつかの雲がぽっかりと浮かんだ清々しい秋空へと変わっていくのだろう。





f0317993_21193378.jpg




f0317993_21193691.jpg




f0317993_21194414.jpg




ABUさんには素敵なLサイズの本流レインボーが2尾も微笑んだようだけれど、僕には冬に向けて本流の水温が少しずつ下がってきていることを感じさせるアメマス達とアベレージサイズのレインボーが顔を出してくれただけ。
そういえば雪虫が飛んでみるのを見かけると、数週間のうちに雪が降るという話は聞いたことがあるけれど、アメマスの白い斑点を見ても、数週間後にはフィールドに雪が降ったりはおそらくしないと思う。

イタドリの葉が山吹色に色付くとともに、盛夏の深い緑は徐々に色褪せていき、フィールドには赤やオレンジといった熱量の乏しい暖色系の色彩が今年も増えていく。
それにしても日中の気温が安定していたこともあり、フィールドにウェーディングしているだけでも気持ちが良くって、「それにしても、なんて気持ちがいいんだろう」とフライラインの軌跡を目で追いながらスイングするフライをイメージしつつ、僕は何度も独り言のようにつぶやいてしまった。

いつもならお昼のサイレンを耳にするとフィールドをあとにする準備を始めるのだけれど、この日はあまりもフィールドで過ごす居心地が良かったので、ABUさんがLサイズの本流レインボーに出合ったというポイントでチューブフライをひと流ししてみる。
もちろんそんんな簡単に出合えないのは十分承知の上でのことだけれど、やっぱりスイングしているフライをイメージしているだけれども気持ちが良かったかな。
不意に訪れるかもしれない突然の衝撃に淡い期待を抱きながら…笑
                                     68.09→68.00




f0317993_21194752.jpg




f0317993_21195025.jpg





f0317993_21195223.jpg




Today's fishing movie :


Today's BGM :




[PR]

# by slowfishing-yun | 2018-10-15 21:56 | Fishing Reports | Comments(2)
2018年 10月 08日

<Episode #416> 秋の空

f0317993_17435240.jpg





f0317993_17434362.jpg




土曜日の空は、不思議なほど秋らしく、とても青くて高かった。
もしかしたら、それは近づいてくる次の台風の前触れだったのかもしれない。
秋虫の羽音に交じって、木々の葉が風に吹かれていた。
そんな緩やかな時間が流れる中、空の青さと色付き始めた木々の葉のコントラストが鮮やかだったのが、僕にはとても印象的だったかな。





f0317993_17434638.jpg




f0317993_17435087.jpg




前日からフィールドに入った友人たちからの素敵な知らせに僕の心も思わず踊ってしまった。
まだ仕事も終わっていないというのに、すっかり僕まで素敵なレインボーに出合えたような気分になってしまったものだから…。
でもいざフィールドに立ってみるともちろんそんなに簡単にレインボーに出合えるわけもなく、近づいてくる台風の存在とフィールドでの残された時間に、次第に気持ちが焦らされるような気がして、キャストにランニングラインの処理といろんなところでミスが目立って気持ちがモヤモヤしてしまう。

先週は遡上してきたサーモン達の姿をたくさん見たんだけれど、今週は同じ場所でサーモンの姿を全く見かけなかった。
僕はすっかりその気になって晩秋仕様のエッグなフライをフライケースにたくさん用意してきたんだけれど、どうやら当てが外れてしまったようだ。
イブニングには名も知れぬ小さなカゲロウがハッチし、水温も12℃前後と予想に反して本流はまだまだ晩夏モードだった様子。
結局、僕のスイングさせるE.S.L.には小さなアメマスが微笑んでくれただけ。
イメージしていたスイング中に突然ラインを引っ手繰るような衝撃は、結局期待に反して一度も訪れなかったかな。
でも久しぶりにアメマスの顔を見ることが出来たし、雪虫が飛んでいるのも見たから、これからゆっくりと秋が深まっていくんだろうなと思った次第。
                              67.86→67.93




f0317993_17433984.jpg




f0317993_17434800.jpg




Today's fishing movie :





[PR]

# by slowfishing-yun | 2018-10-08 18:21 | Fishing Reports | Comments(10)
2018年 10月 01日

<Episode #415> 67.73

f0317993_21360167.jpg






f0317993_21360727.jpg





テレメーターの水位計が示す67.73という数字は、おそらく僕が知っている天塩川の中で一番低い水位を示していたかもしれない。
フィールドのロケーションはこれまでとすっかり変わり、いつもとは違う淀んだような有機物が分解されるような匂いが漂っている。
いつもなら流れに隠れている岩盤がむき出しとなってさらに太陽の日差しにさらされて乾くものだから、フィールドを彩る色彩のバランスがすっかり変わってしまっていた。

それでも予報通り朝靄がフィールドをすっぽりと包んでいた。
ゆっくりと呼吸すると、吐く息の白さに季節の変化を感じたりする。
どうりで寒いと思ったら、朝の気温は5℃まで下がっていた。





f0317993_21355623.jpg




f0317993_21363567.jpg






14℃前後とトラウトの生息環境としては、水温的におそらく理想的な数字なのだろう。
なにしろ、僕が最後にはアディオスしてしまったLサイズのレインボーも、その下流へと疾走するスピードだけは申し分なかったから。
何とか3回目かの疾走はiPhoneの動画で撮ることが出来たけれど、最初とその前の疾走のスピード感と距離はといういと動画とはまったく比べものにもならなくって、いつもあのサスティーンの効いた音色が奏でられるシーンを動画に撮って残しておければとな思ってしまう。
それにしても水位が低いとこれほどまでに流速も遅くなるんだと実感してしまった週末だった。
フローティングのスカジットSHやスイッチSHにタイプ3のティップの組み合わせのラインシステムだったけれど、とにかくフライのロストが多かった。
結局のところ、シンプルなオリーブやブラックのビーズヘッドウーリーが一番活躍してくれたのかもしれない。

鮭の遡上も例年よりも少し早いような印象を持った。
これは少し早めにE.S.Lを用意しておいた方が良さそうだね。
                                67.73





f0317993_21355996.jpg




f0317993_21360551.jpg





Today's fishing movie :





[PR]

# by slowfishing-yun | 2018-10-01 22:02 | Fishing Reports | Comments(5)
2018年 09月 24日

<Episode #414> Low Waterと肘の痛み

f0317993_17371271.jpg






f0317993_17370909.jpg





首から両肩、そして両手にかけて何かを持ち上げる時に痛みを伴う違和感を先週あたりから感じ始めていた。
フィールドにいる時も、周囲のちょっとした変化に気が向いている時やフライがスイングしている時はそれ程でもないのだけれど、それでもふとした瞬間にズキンと鋭角的な痛みが走ることがあった。
特に肘を延ばしたままロッドで蛍光イエローの600grスカジットSHやターコイズブルーの540grのスイッチSHをリフトしている時が辛かっただろうか。
スペイキャストにチャレンジし始めた時のスペイ肘のような痛みともまた少し違う痛みのようだ。
きっと加齢によるものなのだろうけれど、歯が痛い時と同じように、何かしらの痛みがると好きな釣りをしていてもなかなか夢中になって楽しめないものだと思う。





f0317993_17370727.jpg




f0317993_17371558.jpg




Low Waterの天塩川。
いつもの見慣れた光景とは少し違っていて、不思議な違和感を覚えたりする。
水温は14℃前後とレインボーの活性にも一番適した水温に近いのかもしれない。
そんな有り余る期待感をよそに、早朝から何も起こらない時間だけが過ぎていった。

土曜日の午後に訪れたユウスケさんポイントの対岸だった。
流れの速い浅瀬から続く水深のある深瀬でゆっくりとフライをスイングさせる。
スイングの後半に少しだけ誘いを入れてみると、予想に反して引っ手繰るようなテイクが訪れた。
この水温だとレインボーのスピード感もMAXに近いのだろう。
サラシオーネからもの凄いスピードで引き出されていくランニングラインとレインボーの横っ飛びのジャンプの美しさに、僕は思わず息をのんでしまった。

Lサイズの期待に反して、サイズこそMサイズ後半だったけれど、メタリックに輝くとても美しいレインボーだった。
その美しさを言葉に言い換える技量を持ち合わせていないことにもどかしさすら覚えたものだ。
VARIVASの#2番フックに巻いたダブルエッグ・サッキングリーチをフォーセップで外したけれど、少し血が滲んでいたので指でしばらく圧迫止血し、流れに戻るのをしっかりと見届けた。


翌日は林道側で先行者の大きくてフレッシュな足跡を岸際に見た。
くれぐれも用心だけは怠らないようにしないと。

イタドリの葉がゆっくりと山吹色に色付き始めていた。
フィールドはゆっくりと秋へと向かい始めているようだ。
                              67.81→67.74→67.85




f0317993_17370253.jpg




f0317993_17370513.jpg





Today's fishing movie :



[PR]

# by slowfishing-yun | 2018-09-24 18:15 | Fishing Reports | Comments(4)
2018年 09月 19日

<Episode #413> 秋虫の羽音と朝霧の本流

f0317993_21012871.jpg





f0317993_21014623.jpg




f0317993_21015079.jpg





台風による降雨と北海道で起こった地震の影響とで、僕がフィールドに足を運ぶのにこの時期としては珍しく、少し間隔があいてしまったようだ。
週間天気予報から、どうやら好天に恵まれそうな9月最初の連休を、北のフィールドである天塩川で過ごすことにする。
相変わらず久しぶりの車中泊を兼ねた釣り旅だと忘れ物がないかつい不安になってしまうのはいつものこと。
いつも頭の中でひとつずつイメージしながらチェックするのだけれど、それにも限界があるから、そのうちに忘れ物チェックリストでも作ってみようかなと思っていたりする。
日の出時刻はおおよそ5時過ぎだ。
早めに着いて仮眠をとることもあるけれど、今回はその時刻をめどにR275をゆっくりと北上する。
途中で立ち寄ったコンビニで陳列されているドリンクの数の少なさに、地震による物流への影響をひしひしと感じてしまった。





f0317993_21020879.jpg




f0317993_21021326.jpg




f0317993_21021551.jpg





今回僕がフィールドで僕が過ごした間、早朝のフィールドは幻想的な朝霧に包まれて出迎えてくれた。
野鳥の囀りと静寂さとがフィールドいっぱいにクリアーな輪郭を描きながら広がる中、水位がかなり下がり透明感の増した本流の流れは美しい音色を奏でながらよりスローに流れ続けていた。
時折岸際の浅瀬を遡上しようとするサーモン達の姿を目にする。
いよいよ秋シーズンもこれから少しずつ本格的になるのだろう。
野草や大きなイタドリの葉が風に吹かれて揺れる中、秋虫たちの羽音の音色がいつまでも響いていた。

あまり期待はしていなかったのだけれど、OTの更に下流の岩盤エリアでタイプ3のティップの先に結ばれたコーンヘッド仕様の"Interaction" Black&orangeをLサイズのレインボーが見つけてくれたのは、僕にとってはちょっと嬉しい誤算だった。
本当は朝一に入った昨年の同時期にアディオスされたONでのグッドサイズとの出合いを期待したのだけれど、それはあくまでも期待を込めてということで…。

みるみるとフィールドの水位は下がっていき、67.77というテレメーターの数字はきっと初めてだと思うのだけれど、フィールドで目にした新しい光景は、僕がこれまで見慣れてきたものとはちょっと違った様相を呈したりしていて、それはそれでなかなか刺激的だったりもした。

それは予想以上の水温の上昇と水位の低下の中で、次はどこのポイントに足を運ぼうかとiPhoneを片手にABUさんと相談している最中だった。
OKの中州下でスイング後に流れの中でステイしていたT-11のティップの先の"Interaction"がいきなり強い力で引き込まれる。
なかなかのスピード感を兼ね備えたMサイズ後半の美しいレインボーだった。

そんなレインボーをゆっくりと流れにリリースすると、背後の草むらからまた秋虫の羽音が一段と大きくなって響いてくるのだった。
                                 67.97→67.77




f0317993_21021912.jpg




f0317993_21022195.jpg




f0317993_21022490.jpg



Today's fishing movie :




[PR]

# by slowfishing-yun | 2018-09-19 21:59 | Fishing Reports | Comments(8)