2014年 08月 17日

<Episode #52> 真夏のロングドライブ

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重なり合ったいくつもの大きなイタドリの葉が穏やかな潮風に吹かれてゆっくりと揺れていた。
14フィートのツーハンドロッドを手に長い坂を下ると、目の前の視界がぱっと広がり、
穏やかな表情の夏の顔をしたオホーツクの海がそこにはあった。
すれ違いざまに挨拶交じりの言葉を交わした早朝の釣りを終えたばかりの釣人の表情は、どうもあまり芳しくはない。
なかにはこれから釣りをしようという方に申し訳なくってと笑いながら言葉を濁す人もいた。

記憶と経験を頼りに数ヶ所ほどのポイントを巡っただろうか。
オホーツクの海でのトータルのキャスト&リトリーブの回数は、およそ30ぐらい。
透明度の高い海の中を巻きたての赤いゾンカーが何事もなく僕のもとに舞い戻ってくる。

海面下のピンクサーモンの姿だけでなく、跳ね、モジリと何かしらの変化を見つけようと海面を凝視し続けたので、
何だかとっても目が疲れてしまったかな。
結局オホーツクの海では、一度も目の前を横切っていくピンクサーモンの姿を僕は見ることはなかった。


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帰りにオホーツクの山上湖に立ち寄ってみる。
僕としては1年ぶりに訪れる湖だったけれど、湖を囲む山々の緑はいっそう濃いものとなり、
それを映し出す湖面の緑はより深い色合いだった。
水面下でのリトリーブの釣りでは2度ほどショートバイトが訪れたのみ、湖水の冷たさに夏用のウェーダーではかなり我慢の釣りを強いられる。
ポイントを少し移動し、ラインをインターのアトランティックサーモンSHからフローティングのAFSに換える。
フライボックスから取り出した持ち合わせの中で一番大きなドライフライをてぃぺとの先に結び湖面に浮かべてみたものの、
一度ポコッとフライに反応はあったが、どうやらお相手のサカナが小さ過ぎたのか、残念ながら躍動感までには至らなかった。
でもやっぱり止水でのドライフライの釣りは苦手。
支笏湖でセミフライやカメムシフライをキャストし、じっとひたすら待ち続ける忍耐の釣りには、慣れたつもりでいたのだったけれど・・・。
そういえば、少し上流にいたSHUさんの方から、セントアイダンの甲高い逆回転音が長い間鳴り響いていた。
残念ながらランディング寸前で2.5号のティペットを切られてしまったそうだが、相変わらず僕のフライには何の異変も起こらない。

今回の真夏のロングドライブ、釣りをしたというよりも、どちらかというと車のハンドルばかり握っていたような気がする。
オホーツクのピンクサーモン、それに山上湖のレインボーには出合えなかったけれど、それはそれとしてやっぱり楽しかったかな。
さて、明日は夏用のウェーダーの水漏れでも修理することにしますか・・・笑。


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# by slowfishing-yun | 2014-08-17 14:37 | Fishing Reports | Comments(4)
2014年 08月 10日

<Episode #51> CDCセッジ / クイルウィングのタイイングが苦手な貴方へ

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本流の大きなトラウト達がヒゲナガに夢中になるシーズンに、いざ大きなサイズのウェットフライを巻こうと思っても、
ウィングに使うピーコッククイルやモットルドターキークイルなどにいたっては、近頃プライスタグがジワジワと上昇傾向で、
クイルウィングをシャンクの上に曲がったり反らさせず綺麗にかつ美しく巻くのがとにかく苦手な僕としては、
ショップで羽根の模様が美しいグレードの高いマテリアルを見つけてもなかなか手が出ないでいる。
ある程度の数を巻くとそれなりにコツのようなものをつかめるのだけれど、しばらく巻かないでいると、
やっとつかみかけたコツもどこへやらで、またまたタイイングバイスを前にして悶々とした時間が過ぎていく。

そこで最近はヒゲナガのシーズンともなると、ゴールデンフェザントセンターテイルと3枚のCDCを組み合わせた
CDCセッジというウェットフライを巻くことが多いだろうか。
ゴールデンフェザントセンターテイルは模様も素敵だけれど、プライスタグもお手頃だし、
何度失敗してもやり直せるから僕としてはとにかく重宝している。

ずいぶんと前に本流のヒゲナガのシーズンでCDCを使ったマーチブラウンやシルバーマーチブラウンが
結構いいんだよと教えてくれたのはhoriさんだったと思うし、
確かSHUさんもそれをアレンジしていい感じにセッジフライを巻かれていたと思う。
そういえば以前にSHUさんからタイイングの参考にと1本いただいたのだけれど、
あの白いウェットフライは、いったいどこへ行ってしまったのだろうか・・・笑。


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CDCセッジのタイイングは、← こちらから。

ヒゲナガが本流の川面を不規則に乱舞するシーズン。
きっと水面はいたるところでガボっ、ボシュっ、ガボっと、本流レインボーの作り出す水飛沫で落ち着かないのだろう。
対岸に向けてキャストをし、上流へのメンディングを繰り返しながらフライをナチュラルにドリフトさせるのも悪くはないけれど、
そんな時に僕なら、一直線に伸びたチャートリュースカラーのスカジットコンパクトを下流に向けて大きくメンディングする。
トルクフルな流れに乗り、下流へとさらに大きく膨らむスカジットコンパクト・フローティングに引かれて、
きっとCDCの中に気泡をためたウェットフライは、水面直下を結構なスピードで本流の流れを横切っているはず。
そろそろかと、ランニングラインをホールドする指先が、やがて訪れる衝撃に備えて緊張する瞬間がたまらなくスリリング。


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# by slowfishing-yun | 2014-08-10 17:27 | 私的FlyTyingの愉しみ | Comments(8)
2014年 08月 06日

<Episode #50> Pink Salmon Zonker

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今年もまだその声は小さいけれど、ショアからのピンクサーモン(カラフトマス)の便りが僕の耳にも届き始めた。
去年までに少しずつ巻きためていたけれどフィールドで使いきれずに余ったりして、
透明のジプロックに収納しておいた赤いフライのストックをチェックしてみると、
どうやら今年も少しは巻き足さないといけないのかもしれない。
なので、重い腰を上げて夜な夜な苦手なタイイングに勤しむ今日この頃。
今年はこれまでの赤いゾンカーのタイイングのやり方の手順に少しだけアレンジを加えて、
2014年バージョンとして巻いてみた。 ← タイイングはこちらから。


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心地よい海風を感じていると、目の前の海をカラフトマスの群れが横切っていく。
逸る気持ちを抑えて、ラインニングラインをさらにスローにリトリーブ。
フッという何かしらの違和感のあと、手にしたロッドはバットからグンニャリと曲がり、
ソルト用のシャンパンゴールドのリールからは猛烈なコルクパッドのミュートサウンドが奏でられる。
今年もシーライスのついたフレッシュな銀鱗眩しいピンクサーモンに出合えるだろうか。
そんなことを考えながら、ご機嫌なリズムとメロディーを聴きつつフライを巻くことにした。
ちなみに僕の巻くフライはいたってシンプル(笑)。

次の気ままな私的フライタイイングの愉しみは、
最近お気に入りの、CDCセッジ/クイルウイングのタイイングが苦手な貴方へ/を予定(予告でした・・・笑)。


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# by slowfishing-yun | 2014-08-06 21:53 | 私的FlyTyingの愉しみ | Comments(2)
2014年 08月 03日

<Episode #49> スイッチ

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スイッチ。といっても今回のテーマはスイッチロッドのことではないのであしからず(笑)。

さて、まるで何かのスイッチでも入ったかのように、北の大地の気温がグングンと上がっていく。
きっと今の時期が1年を通して北海道でも一番夏らしい暑さを感じる時期なのだろう。
今回も十勝のフィールドをたっぷりと歩いたので、シャツの下のTシャツはすっかり汗で重くなってしまった。
公園の木陰に車を止め、エアコンのノブをフルにまで回す。
きっとキンキンに冷えたビールが美味しいに違いないけれど、ここはグッとこらえて氷からとけ始めたカルピスウォーターで我慢だね(笑)。

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早朝の上流域は、まだ気温も低く過ごしやすかった。
木々の葉についた朝露が滴り、時折り僕のシャツをシトっ、シトっと濡らしていく。
ヒゲナガの姿は先週ほどではなかったけれど、レインボー達の朝食の時間の川面は、何かのスイッチが入ったかのように賑やかだった。
2.5号のフロロカーボンのティペットの先にはCDCセッジ。
今回は何とかティペットが途中で切れるということもなく、相変わらず上流域のスプリンター達に僕のマイザーは翻弄されっぱなし。

ロッドもそうだけれど、それに装着するリールもクリック式、それにディスク式、カラーもゴールド、シルバー、それにブラックとさまざま。


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容赦なく照りつける十勝の太陽の日差し、汗がいくつもの筋となって額を流れる中、楽しみにしていたポイント、それに新しいポイントと、
めぼしいと思わしき中流域のフィールドを友人達と彷徨った。
ここぞというポイントでとっておきのフライをティペットの先に結んでじっくりとと流す。
高めの水温、それに時間帯と、なかなか厳しいフィールドのコンディションだったけれど、期待に反して
やはり最後まで大きな本流レインボーの何かしらのスイッチがオンになることはなかったかな。
それでも北海道でも一番暑い時期に、たっぷりと夏の本流での釣りを堪能できたように思う。
                                                        60.01→60.02


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# by slowfishing-yun | 2014-08-03 18:39 | Fishing Reports | Comments(14)
2014年 07月 27日

<Episode #48> 恵みの雨 / Tokachi River・・・2度のラインブレイク

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やはり居ましたか。それは残念でしたね。きっとレ大きな本流インボーは他にもまだ居ますよ。
ロッドを7/8番のMKSに換えて、ティペットをフロロカーボンの3号にして下さい。頑張って・・・。
雨足が強くなる中、そんな励ましの内容のメールがまだ興奮冷めやらぬ僕の携帯電話にmoriさんから届く。
ラインを回収すると交換したばかりの真新しい2.5号のフロロカーボンのティペットが、途中からブツリと切れていたのはこれで2回目。
僕がこれまであまり経験してこなかった、いわゆるラインブレイクと言うものだ。
雨の中、一度車まで戻ろうかとも考えたけれど、車からここまでの距離を考えると、同じタックルシステムでこのまま釣り下ることにした。


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午後からは前線の通過でしっかりとした雨の予報。
いつ雨が降り出してもおかしくない濃淡のない淡いグレーの曇り空が十勝の空を覆い尽くす。
ヒゲナガが乱舞するまだ薄明るい早朝の上流域で静かにウェーディングしキャストした。
真新しい2.5号のフロロカーボンのティペットの先には、VARIVAのDEEP WIDE WETというフックの#4番に巻いたCDCセッジ。
3キャスト目にスイングするフライがいきなりガツンと強い衝撃と共に引っ手繰られて、一瞬にしてフッとテンションが軽くなった。
6/7番のMKSの曲がり方は尋常ではなかったけれど、ラインを回収してみるとティペットが途中でプツリと切れていた。
これがこの日1回目のラインブレイク。きっと僕にとってはグッドサイズのスプリンターだったに違いない。
でも、久しぶりに早朝の時間帯にブグレーの壊れんばかりのけたたましいスクリーミングサウンドが聞けたように思う。


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久しぶりにSHUさんと十勝川の中流域を彷徨ってみた。
少し離れていたけれど、ふと何気なく違和感のような気配を感じて上流にいたSHUさんの方を見ると、
彼の手にしたバンブーのスペイロッドがバットからグンニャリと曲がり、AFSのラインが鋭角的に水面へと突き刺さっていた。
レインボーの疾走と共にSHUさんがバンブーにしがみつきながら川原を走る。そして僕は彼のネットでランディングのお手伝い。
久しぶりに見るLサイズの十勝川レインボーは体高もあり、メタリックで美しかった。


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午後からはSHUさんと別れ、ひとりで未知の中流域を彷徨ってみた。
ポツリポツリとフロントガラスに雨滴が浮かび上がる中、堤防をゆっくりと車で走りながら、ポイントを探してみる。
以前から気になっていたポイントに辿り着くと、ゆっくりとした雨足が次第に強まり始め、やがて本降りとなってしまった。
Meiserの14フィート、6/7番MKSに540grのスカジットコンパクト(インター)。ティップは15フィートのType3。
スプールから切り出した真新しい2.5号のフロロカーボンのティペットの先には、僕の中でパイロットフライとも言っても過言でない
VARIVASの#6番のストリーマーフックに巻いたビーズヘッド仕様の黒のウーリー。

ポイントのちょうど中間に差し掛かった頃、中層をスイングしていたフライがガツンと引っ手繰られ、
続けざまに大きな本流レインボーがドバーンと大きくジャンプする。
北の本流での経験と手にしたロッドから伝わる重量感、それについさっき見た視覚的情報を頭の中で統合すると、
レインボーのサイズはさしずめLLサイズといったところか。もちろん僕にとっては十勝川で出合うトロフィーサイズ。
ギャーン、ギャーーーン、さらに一呼吸置いて、ギャーーーーーーンと、
レインボーがもの凄いスピードで下流へと疾走すると、ロッドにセットしたパーフェクトからは恐怖感すら感じるスクリーミングサウンドと共に
オレンジ色のランニングライン、そして白いバッキングラインととてつもないスピードでいっきに引き出されていった。


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ラインを巻いては、またリールから引き出され、雨降る中のスリリングなやり取りは本当に長く感じられた。
ブルーのシャツが雨でビショビショに濡れていることなんてまったく意識の外だったと思う。
2度目の大きな跳躍を何とかこらえたところで、おそらくフックアウトはしないだろうと確信した。
パーフェクトにオレンジ色のランニングラインを少し巻き取り、レインボーとの間合いが少し縮まったところでレインボーは3度目のジャンプ。
そしてそれを境にロッドとライン全体からプツリとテンションが失われた。
もしかしてフックアウトかとラインを回収してみると、2.5号のフロロカーボンのティペットかブツリと途中で切れていた。
これが今日2回目のラインブレイク。


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ABUさんからは、もしかしたら恵の雨かもというメールが届いた。
まだスリリングなやり取りの興奮は冷めないけれど、気を取り直してスプールから新しい2.5号のフロロカーボンのティペットを切り出し、
その先にもうひとつのパイロットフライを結んで、ゆっくりとステップダウンを繰り返しながら、ポイントの後半を釣り下る。

そして何かがスイングするフライにタッチする感覚の後、指でホールドしたラインに鈍重な加重が加わった。
レインボーはまたしても流れに乗っていっきに下流へと疾走する。
僕が足を運んだ中流域でパーフェクトの激しいスクリーミングサウンドを耳にするのは、今日これが2回目。
パーフェクトのハンドルフェイスがもの凄い速さで逆回転する。
雨降る中、ヒヤヒヤしながらも僕が何とかランディング出来たのは十勝川の美しいLサイズのレインボー。
エナメル塗装を落としたパーフェクトのハンドルフェイスのように、本流レインボーはメタリックに輝いていた。

レインボーをリリースしホッと息をつくと、雨でビショビショに濡れた体がいっきに冷えてきた。
ABUさんが言うように、僕にとっては本当に恵みの雨だったかもしれない。
さて、心地よい疲労感と共に車まで戻ることにしますか・・・笑。
                                                  59.98→60.00

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# by slowfishing-yun | 2014-07-27 17:30 | Fishing Reports | Comments(14)