2016年 12月 11日

<Episode #302> シグナル

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こんなに遠かっただろうか?
ハァ、ハァ、ハァとポイントに着く途中ですでに僕の息が上がっている。
駐車スペースにとめた車からスノーシューを装着しないで降り積もった雪をラッセルしながらかなりの距離を歩いたかもしれない。
普段から運動不足にならないように気をつけているけれど、さすがに途中から両足が重だるくなって上がらなくなってきた。
降り積もった雪が山になっていて思わずバランスを崩しそうになる。
思わずもうやめたと途中でロッドを放り投げて柔らかいパウダースノーの上にダイブしたくなってしまった。


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札幌に大雪が降ることなんてまったく思いもせずに、週末は友人達と尻別川へと足を運ぶことにした。
さらに車をドライブして後志利別川に足を運ぶという選択肢もあったけれど、より流れのあるフィールドでフライをスイングさせたくって、
ずいぶんと迷った挙句に、やはり12月の尻別川をチョイスしたことに後悔はなかった。
氷点下の気温だけでなく水温もギリギリまで低いだろう。
タックルケースに多少は強引に使える、トラブルの少なそうなリールを入れることにした。


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マイザーの14フィート、6/7番のMKSにエナメル塗装を落としたHardyのマーキス・サーモン・No.1をセットする。
リールにはエアフロのスカジットコンパクト・FISTの540grを巻き込み、ティップとして15フィートのT-14を繋いだ。
2.5号フロロのティペットの先には先日巻いたブラスパイプを1インチカットしたコーンヘッド仕様の"Snaelda"のバリエーション。
個人的にはウーリーバーガーをアレンジしたパターンだと思っているけれど、この水温だから鱒に気に入ってもらえるかどうかは・・・笑。


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尻別川のフィールドは白一色に染まっていた。
生命感に溢れた盛夏の緑はどこかへと消え去り、どこか物悲しい寂しさがフィールドには漂う。
それでも深い青色とも緑色ともつかない太い流れの筋が鮮明に白のキャンバスに描かれていた。
遠くから大きな雪雲が少しずつ迫ってきて、景色が白く霞んでいく。
小さな粒状の雪が混じった北西の風は、ことさら冷たかっただろうか。

12月の釣りとしては、予想通りのノーフィッシュ、ノーコンタクト。
ロッドガイドは凍りつき、水に濡れたリールは瞬く間に凍りつく。
それでも今年の本格的な冬の訪れのシグナルだけはしっかりと感じることが出来た一日だったかもしれない。
                                                          9.37

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# by slowfishing-yun | 2016-12-11 16:40 | Fishing Reports | Comments(4)
2016年 12月 07日

<Episode #301> 冬眠中

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11月の末にバッテリーケーブルだけでなくワイパーにアンテナも外して、車にすっぽりと銀色のカバーを掛けた。
2003年製の僕のエリーゼはすでにガレージの中で冬眠中。
カバーを外すのはおそらく来年の3月の末頃になるのだろう。
今年もあまり遠くへとこの車では出かけなかったかな。
ちょっともったいなかったような気がしないでもない。

来年の春には軽いステアリングを握って、また遠くまで出かけてみたいなあと思っている。
もちろんお気に入りのロッドとタックル一式を積み込んで・・・笑。


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# by slowfishing-yun | 2016-12-07 21:14 | Slow Fishing | Comments(6)
2016年 12月 04日

<Episode #300> 先週の忘れ物

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少しすき間の空いたプラスチック製のチープな僕のフライボックス。
そんなフライボックスは100円ショップで売っているピルケースにぶつかり防止用の薄いウレタン製シートを貼ったものだったりする。
最近は歳のせいか遠近感がなかなかつかめず、対岸の枝にフライを引っ掛けてしまうことが多いようだ。
だからVARIVASの6番のストリーマーフックにLサイズのブラスビーズを通し、オリーブのウーリー仕立てのストリーマーを数本巻き足す。
週末に足を運ぶフィールドは道南の後志利別川にすることする。
先週のフィールドで感じたアメマスの躍動感とフッと消え去る生命感とが、まだしっかりと記憶の中に残っている。
そんなフィールドに置き忘れてきた忘れ物を探しに、土曜日の早朝には車を道南に向けて走らせていた。


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峠の下り坂や木立に覆われたカーブのアイスバーンに、何度も車のテイルが滑ってヒヤッとする。
あともう少しでプラットホームに届いてしまうスタッドレスタイヤは、そろそろ履き替え時なのかもしれない。
白波の立つ島牧海岸にアングラーの姿は皆無。
北西の強い風を受けて海岸沿いに立ち並んだ風車の羽根が勢いよく回っていた。

先週に訪れた時にあった雪はすっかりフィールドから姿を消していた。
初冬の青空が頭上には広がり、小さな雲が北西の風に吹かれて泳いでいく。

今回はロッドをマイザーの13フィート、5/6番のMKSにすることにした。
リールシートにセットしたFarlexの3 3/4"S-Handleには480grのスカジットコンパクト(F)が巻き込んである。
そしてティップには自作の15フィートのT-11を繋げた。


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気になっていたランの2ヶ所を2回も流してみたけれど、ゆっくりとスイングするフライに何も違和感を感じることはなかった。
今日も結局先週の忘れ物を見つけることは出来ないのかと、ブツブツと独り言を思わず呟いている自分にハッと我にかえる。
風に揺れた木立の幹が擦れ合い、キーキーと鳴き声のように響いてきた。
日が陰ると一気に体感気温が下がってしまい初冬の釣りの様相を呈していく。

最後に訪れたランでやっと僕は2尾のアメマスの躍動感を感じることが出来た。
決して大きくはないサイズだけれど、僕にとってはあっけなくもあり、反面どこか報われたような嬉しい出合いでもあった。

まだ15時半だというのにフィールドに映った僕の影が長く伸びている。
そんな影は夏の影とは違ってどこか物寂しいもののように僕には思えた。
                                                        2.95

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# by slowfishing-yun | 2016-12-04 15:07 | Fishing Reports | Comments(4)
2016年 11月 27日

<Episode #299> 2バイト、2テイク、2アディオス&ノーフィッシュ

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空は冬色の雲に覆われていたけれど、風が思ったよりも穏やかな道南のフィールドだった。
数名のアングラーがロッドを振る日本海らしい青白い海の色をした島牧海岸を通り過ぎ、さらに南下して後志利別川を車は目指す。
数日前に降った雪でフィールド一面は予想以上に雪色に覆われていた。
本流の水位は思ったよりも低く、僕はRIOのiShortの先に結ぶティップの選択に少々迷ったかな。


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冷たい本流におそるおそるウェーディングし、体感する流れの速さと水深でティップを15フィートのT-11にすることにした。
ネオプレーンウェーダーのブーツの底から僕が感じるのは、小さな礫からなる後志利別川らしいフワフワとした柔らかさだろうか。
11月も末ともなると明るい時間はあっという間に過ぎてゆき、あたりが暗くなり始める日の入りは16時過ぎ。
期待していた後志利別川のアメマスからのコンタクトが訪れない時間が続き、お昼過ぎには尻別川への移動も考えたけれど、
なるべくなら少しでも長くロッドを振っていたいので、友人たちと相談の末、そのまま一日を道南の本流で過ごすことにした。
結局イブニングライムまでの間に僕らが巡ったポイントは5ヶ所となった。


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道南の本流はとにかく透明度の高い静かで穏やかな流れだった。
コーンヘッド仕様のブラスパイプのチューブフライもティペットの先に結んだけれど、3ヶ所目の少し深みのある流れからは、
先週に巻いたビーズヘッド仕様の小さなオリーブのウーリーに結び換えた。

小刻みなトゥイッチングにショートリトリーブを加えたスイングの終わりかけに、グーゥンとラインに負荷がかかる。
手にした"Black Spey"仕様のロッドのバットからの曲がり具合からして、2度目のテイクはなかなか悪くないサイズのお相手だった。
でも慌ててリールにラインを巻き込み、さあこれからという時に何度目かのヘッドシェイクで残念ながらアディオス。
水面に向かって鋭角的にピーンとテンションのかかったラインから、それと同時に躍動感が失われてしまった。
ほんの少しでもいいから全身に白点を散りばめたその姿を見てみたかったなぁ・・・。
そして、ショートバイトも含めて今日はこんなことばかりが続く。
どうやら今年の僕の本流での釣りを象徴しているかのようだ。

イブニング近くなると気温も下がり、さすがにロッドのガイドにも冬の訪れらしい氷の塊ができ始める。
例年ならこの時期ともなると十勝川の下流域に足を運ぶのだけれど、伝え聞くところによるとコンディションがあまりよくないとのこと。
そんな訳で、また機会がれば気温が上がりそうな時にでも道南の本流に足を運んでみようかと思う。
                                                             2.93

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# by slowfishing-yun | 2016-11-27 18:08 | Fishing Reports | Comments(4)
2016年 11月 21日

<Episode #298> 週末は1100kmオーバーの釣り旅

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さすがに4人分の荷物を車のカーゴルームに積み込むと、僕の車もリア側が少し沈んだ姿勢になった。
札幌の自宅を出発したのが深夜の2時。そして車が目指した先は道東の屈斜路湖。
本当は十勝川アメマスキャンプと称して友人たちと十勝川の下流域で過ごす予定だったけれど、
夏の台風などの影響で本流のコンディションが良くなく、今回は恒例のアメマスキャンプを中止して行き先を大きく変更したのだった。
早朝にフィールドに辿り着くと、波ひとつない鏡のような湖面の屈斜路湖が存在感たっぷりと僕らの目の前に広がる。


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風がそよとも吹かない屈斜路湖で僕がキャスト&リトリーブした回数は、おそらく30回にも満たなかっただろうか。
平日の夜に時間を見つけて少しだけ巻いたフライも、何事もなかったように戻ってくることの繰り返し。
時折り岸際で小さなウグイと思われる小魚の作る波紋が、ポワーン、ポワーンと広がる。
それにしても釣りにはとてつもなく不向きな穏やかさに満ち溢れた屈斜路湖だっただろうか。

友人たちと相談して、今度は東の果ての小さな沼へと大きく移動することにした。
それにしても極東の茫洋とした風景は北海道に住んでいながらも独特と感じることがある。
そんな極東の小さな沼でやっと小さなアメマスが僕のフライを見つけてくれた。


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翌日は屈斜路湖の川湯の小奇麗な温泉宿からさらに大きく移動する。
目指した先は太平洋側を流れる日高幌別川。
雪のないフィールドで初めてスイングの釣りを楽しんだけれど、結局スイングするフライに生命感が得られないまま時間が過ぎていった。

トータルの移動距離はおそらく1100kmオーバーだと思う。
きっと釣りをしていた時間よりも車で移動していた時間の方が長かったかもしれない珍道中だった。
こんな長距離ドライブは僕にとっても初めてだし、これからも友人たちとはことあるごとに話しの種になるのだろう。
もちろん笑い話のひとつとしてではあるが・・・。
でも一番印象に残ったのは、車の中で117クーペの話をしていた時に、偶然にもその117クーペとすれ違ったことだろうか。
こんな奇遇はタイミングがあまりにもよすぎてちょっと怖いぐらい。
きっと今回の釣り旅は鱒ではなく117クーペに出会う釣り旅だったのかもしれない。


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# by slowfishing-yun | 2016-11-21 21:54 | Fishing Reports | Comments(10)