2017年 08月 06日

<Episode #339> 8月の本流 / 湧別川

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存在感の薄い霧雨のような小雨が降る湿度の高い8月のオホーツクの本流だった。
ハイウェイの途中からABUさんがハンドルを握ったmasaさんの車の外気温計が、峠の頂上付近では確か14℃を表示していたと思う。
札幌は夕方からすでに曇り空で、深夜にはこれから降り始める雨を予感させた。
そしてフィールドでは8月の存在感の薄い小雨が、アングラーにレインジャケットを羽織るべきかどうか、とてもちっぽけなことだけれど、最後まで迷わせ続けた。


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この日はフィールを歩いていると、なんだかいつもとは違う不思議なにおいがフィールドでしたように思う。
おそらくそれは気温と水温の上昇によるもので引き起こされたものなのだろう。
冷たさや新鮮さとは対極にある流れのない澱んだようなものだった。
なかなかそれが何のにおいか僕には思い出せなかったけれど、あるとき不意にそれが子供の頃に飼っていたカエルやおたまじゃくし、それにカメなどの水槽のにおいと同じなことを思い出した。
おそらくフィールドのコンディションも決していいものではなかったのかもしれない。


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R.B.Meiser 12'6" 6/7wt MKS "Black doctor"
Saracione Mk.V 3 1/2" All black
Airflo Skagit Switch 480gr + Rio 15' 8wt Type3
2.5号のフロロカーボンのティペットの先にNo nameのウエットフライを結び、少し流れの速い浅瀬で対岸めがけてキャストしていると、着水してスイングを始めたフライが不意にグゥンと引き込まれる。僕がもしかしたらと期待していた少し水深のある深瀬のポイントがさらにステップダウンした少し先に控えていたものだから、フライへのテイクに心の準備が出来れていなくて、正直かなり慌ててしまったけれど、水面下に現れた色鮮やかなレッドバンドにさらに追い打ちをかけられてしまう。
ABUさんにランディングをヘルプしていただいたレインボーはサイズこそMサイズだけれど、とても美しいバランスの取れたレインボーだったかな。

レインボーを静かにリリースすると、いつの間にか頭上には夏ゼミの鳴き声と共に夏の空が広がていた。
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# by slowfishing-yun | 2017-08-06 19:10 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 08月 03日

<Episode #338> ロッドビルダーは二人のNick

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手前のロッドが、R.B.Meiser 12'6" 7/8wt MKS "Solar Eclipse"で、Nick Mainさんが組んだもの。
奥のロッドが、R.B.Meiser 14' 7/8wt MKX "Copenhagen Wintergreen"で、Nick Mosesさんが組んだもの。

マイザーさんとのメールのやり取りの中では、Nickというファーストネームしか出てこないので、すっかり同一人物だと僕は思っていたけれど、数ヶ月前のメールでのやり取りでやっとオレゴンのマイザー工房で働くNickは実は二人もいたということが判明した次第。
確かにどちらのロッドにも最終的にはマイザーさんがネーム入れなどを含めて監修していると思うけれど、どちらのロッドも二人のNickのロッドビルダーとしての個性がとても色濃く反映しているように思えてならない。

特にNick Mainさんのコスメはかなり個性的だったかな。グリップは少し太めだけれど、フェザーインレイだけでなくスレッドワークはかなり斬新だったと思う。
そんな彼は、父親の仕事を手伝うためにもうすでにオレゴンにあるマイザーロッドの工房を離れて地元へと戻っていったんだとか。



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ここ最近のマイザーロッドはそのほとんどをNick Mosesさんが組んでいるようで、おそらくマイザーさんはネーム入れなどの監修程度なのだろう。また彼のお父さんのMike Mosesさんもオレゴンのマイザーの工房でロッドビルダーのひとりとして働いているのだそうだ。おそらく最近のマイザーロッドの特徴としては、薄いカラーリングを両グリップの圧縮コルクの間に飾りとして入れていることだろう。おそらくこのアクセントはMosesさん親子がオレゴンの工房で働くようになってから始まったのではないかなと僕は予想しているのだけれど。

先週末にマイザーさんからロッドの発送に関するメールがあり、オーダーしていた14' 6/7wt MKX "Jock Scott"が金曜日までには間に合いそうもないけれど、何とか今週末には届きそうな気配である。オーダーしたコスメがイメージ通りに仕上がっているかは、ロッドソックスを開けてみるまでのお楽しみなのだけれど、フロントグリップの細さなど細部へのオーダーが新しいロッドにしっかりと反映されているかは、実のところかなり不安だったりする次第(笑)。
とにかくクラシカルなコスメの新しいMKXのフィールドデビューは、どうやら来週末以降に持ち越しとなりそう。




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# by slowfishing-yun | 2017-08-03 22:07 | Custom Spey Rods | Comments(0)
2017年 07月 31日

<Episode #337> 霧のち快晴


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本流の川面が深い碧色と傾きかけた夕日のオレンジとに染まり始めた土曜日のイブニング前の出来事だった。
僕がキャストしてスイングするフライに何の変化も起こらないことがすでに80m以上ステップダウンしても変わらず続いていただろうか。
川幅がギュッと狭まる対岸のテッシといういくつかの大きな岩盤が集まったエリアを過ぎると、今度は本流の川幅が少しだけ広くなって流速が若干だけれど遅くなった。
何の前触れもなくふと何気に下流へと視線を向けると、まるでタイミングでも見計ったかのように偶然にも25mほど下流の岸際近くでサーモンサイズのレインボーが重量感のある炸裂音と共にライズする。



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僕は若干ピッチの速まった呼吸を整え、下流で一度だけ姿を見せたレインボーとのおおよその距離をもう一度確認する。
流芯からゆっくりと岸に向かってスイングしてくる#4番のストリーマーフックに巻いたコーンヘッド仕様の黒のInteractionに少しだけアクションを加えていると、まるで僕の頭の中で描いたイメージ通りにグゥンと重量感のある負荷が掛かった。
最初は根掛ではないのかと一抹の不安もあったけれど、ロッドに掛かる負荷は徐々に躍動感を伴った力強いものへと変化していく。
僕が手にした"Solar eclipse"はバットの付け根からグンニャリと曲がり、これは久しぶりのトロフィーサイズとのランデブーと思った瞬間、フッとテンションがどこかへとスポイルされたかのようにフェードアウトし、残念なことにあのレインボーとはアディオスしてしまった。やっぱり束の間の短い盛夏のランデブーだったかな。



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理由は定かではないけれど、数日前からテレメーターの表示する本流の水温が18~20℃を推移していたこともあり、7月最後の週末を天塩川で過ごすことにした。
予想通り前回訪れた時(23℃前後)とは違って、そっと本流に手を差し入れてもそんなに生温いという感想は抱かなかったと思う。
7月末ということもあってか、僕が足を運んだポイントではほとんど他の釣り人に出会うことはなかった。
おかげで訪れる釣り人が少ないせいか、車を止めてポイントまでのアプローチには踏み跡もなくすっかりイダドリなどの草木が生い茂ってしまっていて、ルートを見つけるのにかなり苦労をしたかな。



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やっと天塩川の本流レインボーらしいMサイズに出合えたのは、正午を知らせるサイレンが鳴り終わったあとだった。
フィールドではスカジットコンパクトのフローティングと15フィートのT-14を組み合わせたラインシステムでほとんどを通した。
朝から5ヶ所目のポイントの瀬頭からステップダウンし始めて、流速が少し落ち着き始めた頃にやっとスイングするフライを何の前触れもなく抑え込むようにしてひったくってくれる。
天塩川では時々出合うことのある顎の下部をまるでペリカンやカエルのように膨らませた、そのサイズ以上のパワフルさを兼ね備えたレインボーだった。
レインボーをリリースするとフィールドには夏ゼミの鳴き声が響き、おそらく気のせいだけれど盛夏の暑さの中で少しだけ風が動いたような気がした。



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週末は2日間とも朝はフィールド全体に白いガス状の霧が掛かり、いつも目にするフィールドとはまた一味違った幻想的な雰囲気を楽しませてくれる。風の存在感は皆無だった。虫の音、川のせせらぎ、野鳥に囀りなどが静かにフィールド全体を覆う。逸る気持ちを抑えつつ、もしかしたら一番心地が良い時間なのかもしれない。
やがて霧が晴れると今度は一気に夏ゼミの鳴き声と共に青空が顔を出してくれた。
それは抜けるように青い夏の青空だったと思う。
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# by slowfishing-yun | 2017-07-31 23:13 | Fishing Reports | Comments(8)
2017年 07月 23日

<Episode #336> 盛夏の釣り

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時折ムッとした熱気のこもった空気の塊とそれとは別にどこかひんやりとした冷気の塊とが交互に上流の方から流れてきた。
雲と夏の青空とが50%ぐらいずつで混在した早朝の空が頭上には広がっている。
きっと昨夜から降り出した雨は峠を越したのに違いない。
早朝のインレットの湖面の上を覆っていた白い靄の存在感が少しずつフェードアウトしていく。
これから気温がグングンと上がり、この日が夏ゼミの鳴き声が賑やかな湿度の高い盛夏の釣りになることを予想するのは僕にとってとても容易なことだった。


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金曜日の夕方から道北本面を中心に降った雨の影響もあり、今回はABUさんとサホロ湖へと車を走らせることにする。
実のところ今回は初めて訪れるサホロ湖での釣りもそうだけれれど、それ以外に新得町は屈足地区にある「たこや」で久しぶりにジンギスカンを食べるのも楽しみのひとつ。

それにしてもサホロ湖は僕がイメージしていたよりもずいぶんと小さくてコンパクトな湖だっただろうか。
おまけに解禁日当初は釣り人で賑わっているのだろうけれど、解禁日から日数が少し経過したことや土曜日の天候もあってか釣り人はほとんど見かけないから、さらに湖がこじんまりと感じたのかもしれない

この暑さで釣りの方もそうそう簡単ではなかったけれど、他のフィールドで出合うレインボーよりも不思議とどこか少し目が大きいと思えるレインボー達がこの暑さの中で少しだけ顔を出してくれた。

これからもなかなか訪れる機会には恵まれないだろうけれど、他のフィールドが釣りにならない時に「たこや」のジンギスカンと清水町の韋駄天の豚重との組み合わせでまた訪れても面白いかもしれないと思う・・・笑。


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Today's BGM : 僕が20代前半の頃に聴いていた極上のブリティッシュ・エレクトロニクスが4年前に新しいアルバムをリリース。




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# by slowfishing-yun | 2017-07-23 17:38 | Comments(4)
2017年 07月 20日

<Episode #335> 雑感

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最近こちらのblogに書き残し忘れていたことをいくつか。

今年のまだオフシーズンだった頃、ここ数年ハードに酷使したせいかフェルトソールを飛び越えてシューズ本体まで削れてしまったSimmsのガイドブーツをテムズさんに修理に出して、新しいソールへの交換と本体の修繕もしてもらう。
確か修理に掛かった費用は5000円前後だったと思うけれど、修理の方もなかなかの仕上がりで、これで僕としてはさらに2シーズンは持たせたいところだろうか。
とにかくガイドブーツは僕にとってもお気に入りで、このシューズが使い物にならなくなる時が来たら、おそらく次もガイドブーツを選ぶと思う。ちなみにこのガイドブーツは僕にとっての3代目のガードブーツになるのかな。


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実際にフィールドに足を運んでいても、これまではそれほど必要性を感じることはなかったけれど、とうとう今シーズンになって僕も熊スプレーというものを購入してフィールドに立つ時は携えることにした。
僕がよく足を運ぶ天塩川も以前はアプローチしやすいメジャーなポイントでタイミングさえ良ければ、それほど苦労はせずに本流レインボーに出合えたけれど、ここ最近は有志によるささやかな放流活動はあるもののめっきりと魚の数が減り、とにかく以前と比べて出合うことが難しくなったように感じる。そうなると本流レインボー好きのアングラーとしてはどうしてもこれまで足を運んでいなかった未知のポイントへと足を運ぶことが多くなり、そのことはヒグマの存在や気配を感じる確率をおのずと高めることになっていると思う。

確かにここ数年、ヒグマの足跡や糞などを見かけることが多くなったかもしれない。
幸運にもその姿や強烈な獣臭すらもまだ体験したことはないけれど・・・。


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本当はこの熊スプレーをヒグマに見せようものなら、ヒグマがこれを見た途端に向こうから怖がって退散してくれるとありがたいのだけれど、この熊スプレーにそんな効果は全くないので、僕がやれるとしたら決して無理はしないこと、音を出してこちらの存在を相手に知らせること、ちょっとした変化や痕跡それに違和感にも敏感であることぐらいだろうか。あと、早朝や霧が掛かった日などは普段よりもさらに慎重に行動することぐらいかな。熊スプレーがあるから絶対に安全という訳ではないからね。

上のフライはSawadaのフックに巻いたWillie Gunnのバリエーション。やっぱりこの色の組み合わせは好きかな。


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# by slowfishing-yun | 2017-07-20 23:05 | Slow Fishing | Comments(0)