2017年 10月 25日

<Episode #355> 秋の天塩川…1

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美深町の天塩川にかかる橋の近くの駐車スペースに車を止め、釣り旅の荷物がぎっしりで少し狭くなった荷室に敷いた寝袋の中にすっぽりともぐりこむ。
1日遅れでスタートした秋休暇の初日に訪れた朱鞠内湖で過ごした疲労感もあったけれど、350mlの缶ビール1本とほんの少しのジャックダニエルの力を借りただけで僕はすぐに深い眠りに落ちていった。
でも、まだ車の周りにははほんの少しの街灯の明かりぐらいだけしか届かない早朝の時間帯に、僕はあまりの寒さに体がブルっと反応して不意に目が覚めてしまう。
外の気温は-3℃とすっかり冷え込み、車のボディや窓ガラスだけではなくすべてのものがすっかり白い霜でコーティングされていた。
日の出までにはもう少し時間があるから、まだ寝袋の中でもう一眠りしようと思うけれど、今晩からは寝袋の中に湯たんぽを入れておこう思ったのだった。




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築堤の上に止めた車から霜の降りた斜面を本流へと、ロッドを手にパリパリッという音を立てながらながら滑って転ばないようにゆっくりと慎重に下る。
本流の奏でる流れの音と早朝の引き締まった空気感とが心地がよかった。
目の前の天塩川からはまるで温泉郷のように水蒸気がゆらゆらと立ち昇り、朝日が差し込む霞のかかった風景はとにかく幻想的だった。

バックスペースが十分に確保できる産卵床の瀬やその下流の岩盤ポイントでは、R.B.Meiser 14' 7/8wt MKXにF.I.S.TとT-11の組み合わせで釣り下る。
上流ではサーモンたちが浅瀬でバシャバシャと最後の生命の営みに真っ最中だけれど、僕の気持ちだけが焦ってしまって、ユラユラと流れの中をスイングするフライには、過去をふまえた期待に反して1度しか違和感が訪れなかった。

今度はバックスペースの乏しい対岸のポイントに移動し、R.B.Meiser 12'6" 7/8wt MKSにフローティングのスカジットスイッチとT-14の組み合わせでステップダウンする。
岩盤で構成された深瀬のポイントだけれど、スイング中のフライがいきなりグンと止まり、お相手は何度かの大きなヘッドシェイクのあとリールのスクリーミングサウンドと共に一気に下流へと疾走。
それと同時に僕に心臓も大きく高鳴り、これはもう久しぶりのLLサイズの本流レインボーとの出合いかなと思ったけれど、残念ながらお相手はちょっと魚種が違ったかな。




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独特の声で鳴きながら僕の頭上をV字状に並んで飛んでいく白鳥の群れや、水辺でゆっくりと羽を休める白鳥たちをたくさん見た今回の天塩川だった。
日を追うごとに気温や水温は少しずつ高くなっていったけれど、白鳥の群れの飛来はやはりこの北の大地にゆっくりと冬が近づいてきていることを示唆する兆候なのだろう。
今回からはユニクロのヒートテックのアンダータイツを寒さ対策で履くようにしたし、先日破格値で購入したSimmsのSlick Jacketもなかなかの着心地だった。

支流の合流する岩盤エリアでスイングの後半にやっとE.S.Lのチューブフライを見つけてくれたのは、白点の美しいまだまだ小ぶりなアメマスだった。
秋の休暇中、僕が天塩川でフライをスイングし始めて2日目の朝にしてやっとの出合いだっただろうか。

期待していた大きな本流レインボーからの反応はいくつもの目ぼしいポイントを巡るものの全く起こる気配もなく、でもふと頭上を見渡してみると雲一つない秋晴れに恵まれた日があるなど、レインボーは全く相手にはしてくれないけれど、なんだかとても気持ち良く一日を過ごすことが出来たと思う。
おまけに土曜日の夜にはMoriさんがキャンプ場でキムチ鍋を準備してくれ、さらにKaneyasuさんが用意してくれた焚き火をジャックダニエルをちびりちびりと舐めながら皆で囲めたからね…笑。
そいえば焚き火を囲むなんて知床以来のような気がするなあ。
                                 68.02→68.09→67.96



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# by slowfishing-yun | 2017-10-25 18:42 | Fishing Reports | Comments(0)
2017年 10月 23日

<Episode #354> 秋の朱鞠内湖

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木曜日の東の空がまだ明るくなる前の早朝だった。
僕の車のヘッドライトに朱鞠内湖の前浜の駐車スペースに止められていたsugiさんの車の特徴的なシルエットが浮かび上がる。
もしも朱鞠内湖の前浜の駐車スペースにsugiさんの車の姿がなかったら、おそらく僕の一日遅れの秋休みはまだ濁りの残る天塩川からスタートしていたかもしれない。
思い返すとかれこれ25年近く朱鞠内湖で釣りをしてきたけれど、夏休みや秋休みを朱鞠内湖で過ごしたのはほんの数日しかなかったと思う。
数日前に降った初雪の名残がまだ管理棟の軒下にはあった。
早朝のまだ暗い色に染まったままの湖面を吹き抜けていく風を僕はほとんど感じなかったけれど、気温がグッと下がったことだけは確実に感じられた。

スタッフの黒田さんから「ちょっと渡船代金が高くなりますけれど…」という説明を受けて、黒田さんお勧めの「天狗の鼻」というポイントにsugiさんと渡してもらうことにした。
白い靄で湖畔だけでなく湖全体のシルエットがあいまいな湖面を、確かスタッフの長谷川さんがナビを見ながら操船する渡船ボートがゆっくりと音も立てずに時間を掛けて慎重に進む。
それでも気温の低さなのか、僕の身体もゆっくりと冷えていくのがしっかりと感じられた。
先日の雨の影響なのか、湖水にはサンドベージュ色の濁りがかなり残っていたかもしれない。
でもボートが朱鞠内湖の北部に進むにつれて、その濁りもやや薄まっていっただろうか。




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iPhoneのGoogle MAPで「天狗の鼻」のおおよその位置を確認する。
湖には霧が掛かりおそらくそれもが外部からの音を遮断しているのだろう。
前浜や国道からこれだけの距離が離れることもあってか、ほとんど人工的な音が渡船ボートのエンジン音以外、僕の耳に届くということはなかった。
静寂さと波音、そして時折響いてくるのはエゾシカの鳴き声だろうか。
やがて風が吹くと湖を覆っていた霧が晴れていき、秋の青空が顔をだした。




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秋の釣りが厳しいことはこれまでの朱鞠内湖での経験から十分承知していたけれど、今回は幸運なことにまだ湖面を覆っていた霧の存在感が消えてしまう前に2尾のイトウに出合うことが出来た。

Rod : R.B.Meiser 14' 7/8wt MKX "Copenhagen Winter Green"
Reel : Hardy The Sovereign 9/10
Line : SA Atlantic Salmon SH S1/S2 9/10
Fly : #2 Wakasagi Olive Zonker

最初のイトウはボディがよりハール調に輝いた美しいイトウだったし、2尾目のイトウは最初よりもほんの少し大きなイトウだった。
どちらも僕に久しぶりにイトウらしいトルクフルなパワーを思い出させてくれたと思う。
支えていたボディからゆっくりと手を離すと、どちらのイトウも濁りの残った湖水の中へとゆっくりとフェードアウトしていった。

僕の今年の秋休みの1日目は、そんなわけで秋の深まる朱鞠内湖からスタートした次第。




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# by slowfishing-yun | 2017-10-23 23:44 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 10月 18日

<Episode #353> アパレル

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FBのカメラのアプリに入っていたフィルターがなかなか面白くて使ってみた。
何やらどこかの無名の印象派の画家がキャンバス地の上に描いた油絵のような雰囲気。
久しぶりに面白いと思えた結構お気に入りのフィルターかな。
でもフィルターもほどほどが一番のようで、面白いからとやり過ぎてしまうと、ちょっと興醒めしてしまうことも…笑




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お気に入りだったSIMMS社のオレンジ色のGuide Jacketが数年前にカタログから消え、それからはなかなか気に入ったカラーのジャケットが見つけられず困り果てていたところ、偶然にもしばらく(おそらく数年)買い手が見つからず店頭展示品のままだった、こちらもすでに廃番カラーのSIMMSのSlick JacketのFury OrangeのSサイズを近所の釣具量販店で見つけ、なぜかmasaさんにお店の方と値段交渉してもらうことになり、おかげさまで僕にとってはさらに破格値で…笑。Sサイズとちょっと小さめだったけれども、何とかぎりぎり厚着さえしなければ大丈夫そう。それにしても鮮やかなオレンジ色だこと…笑。




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フィールドで僕はここ最近もっぱらレザー製のハンチング帽を被ることが多い。
ファブリック(布製)ではなくレザー(革製)にしているのはフライがミスキャストで頭に当たった時、ファブリックよりもレザーの方が断然フックが刺さるということが少ないから。
要は見た目だけでなく安全のためにレザーのハンチング帽を被っているということ。
でも私はゴルフをやらないのでメーカーについてよくわからないのだけれど、先日でamazonでなかなかイカしたファブリック製のチェック柄のハンチング帽を見つけてしまい思わずポチっと衝動買いしてしまった・・・笑。
こちらもちょっとお気に入り。




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# by slowfishing-yun | 2017-10-18 18:40 | Slow Fishing | Comments(0)
2017年 10月 18日

<Episode #352> フライ健忘録・・・7 / いつくかの新しい試み

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まずは最近使っている僕のチープなフライボックスから。
ここ最近は、アメリカ屋漁具という釣具量販店で200円ほどで購入したプラスチック製のフライケースにSeriaという100円ショップのぶつかり防止クッション(おそらくウレタン製)を両面に張り付けたものを愛用している。
フライケースにはMoriさんやKazuyaさんからいただいたパロディ・ステッカーを貼るなどして僕なりにアレンジ。
シンクレートの高いティップを使っていると根掛りでフックが伸びたりポイントが甘くなってしまうことがあるから、フック交換用にハリミツ社の菅付きチヌ針5号をウレタンフォームに刺して準備している。




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まずは僕が巻くチューブフライの定番パターンとなったConehead tube fly "Interaction 2017"のバリエーションから。
チューブフライで使うボディとして、最近は1.5mmの黒のプラスチックが好み。
理由はよく分からないけれど、なぜか赤などの他のカラーよりもプラスチックら柔らかい印象で、フックのアイがスムーズに移動するから重宝している。
あとは海釣り仕掛けコーナーでよく目にするTOHO社の超!ケイムラやUVなどのフラッシャーをチューブフライの両サイドに多用するだろうか。
ブラック&オレンジ、オリーブ&ブラック、オレンジ&ピンクはすっかり定番カラーになったかな。





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Glass beadhead tube fly / Mini fascination / E.S.L
今回初めてハリミツ社のグラス製のファットビーズ / ピンクを使用してみた。
ファットビーズは自重もあり、いくつかのカラーバリエーションもあるから、これから重宝しそう。
ただグラスという素材なので、耐久性はもう少しフィールドテストしてみないとね…笑。





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Glass beadhead tube fly / Mini fascination / Teshio shrimp
次はハリミツ社のグラス製のファットビーズ / 黒を使用してみる。
天塩川ではザリガニ以外に川エビを僕はまだ見たことはないけれど、タイイングした後の気分でネーミングは天塩川シュリンプ。
でも生きた川エビはもう少しオリーブ色に近いと思うから、とりあえず茹でた川エビということで(笑)。




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Brass conehead & Glass beadhead tube fly / Egg ball insert / SUZU-KO
この手のフライはアングラーとして妥協点を見つけるのがやっぱり難しいと思うけど、タイイングしていてやっぱり面白いフライのひとつ。
決してリアルなものがベストというわけではあながちなさそうなので、結構僕なりに楽しみながら巻いている。
イクラ(エッグボール)をイミテートしたプラスチックボールは、釣具量販店の海釣り仕掛けコーナーから…笑
水に濡れるとかなり妖しい雰囲気になるから、Moriさんはこのフライを見てまるで「筋子フライだね」と笑っていた。




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最近僕がタイイングしているチューブフライはどれもフックまでの全長が5cm以内と、かなりコンパクトに巻くように心掛けている。
特に理由はないのだけれど、その方がよりベイトのサイズに近い感じがするからかな。




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最後に紹介するのは、最近お気に入りのConehead tube fly “Interaction” / E.S.L 2017 new version
こちらも水に濡れるとかなり妖しいので、これからのラストシーズンにはきっと重宝するはずだと思う。
カラーにはホットピンクとホットオレンジのソフトハックルを使用。
シェニールを巻いて作ったエッグボールの上に、スレッドによりつけたサーモンエッグカラーのエッグヤーンを巻き付けている。
ラビットゾンカーは黒とホワイトを用意。
僕としてはオールマイティに黒の方が好きだろうか。




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# by slowfishing-yun | 2017-10-18 13:50 | 私的FlyTyingの愉しみ | Comments(2)
2017年 10月 17日

<Episode #351> Hardy The Cascapedia 8/9

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ディスクレーキやワンウェイクラッチなどの機構がこれまでのCascapediaと同じ構造なら、おそらく僕はもうこのリールを購入することはなかったと思う。
でも9月に発売された今回ブレーキなどの機関が全く新しくリニューアルされたHardyのCascapedia 8/9に思わず触手が伸びてしまった。
外観もかなりリニューアルされていて、これまでよりもさらにクラシカルな雰囲気が強まっただろうか。
どこか安っぽくて軽薄感を醸し出していたアルミ素材にも、控えめな光沢に抑えられていて僕には好感が持てたし、両サイドプレートの黒の塗装にも若干光沢が抑えられる加工が施されていて、落ち着いた雰囲気がしっかりと出ているように感じる。
もちろんオリジナルのCascapediaとは全てにおいて比べようもないのだけれども、アルミの光沢を控えめにした3つのメダルも案外悪くはないように思う。
オリジナルのニッケルシルバーの渋い輝きを知っているだけに、やはりこれは別物として考えた方が良いに違いない。



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今回の新しいCascapediaはこれまでのCascapediaと比べてもかなり丁寧な作りになったような気がする。
ハンドルノブの支柱が真鍮製?のように見えるのも、やはりリールからよりクラシカルな雰囲気を漂わせたいのだろう。
おそらくそれは非常に功を奏しているようで、今回のCascapediaはこれまでのCascapediaが醸し出してきたネオ・モダンな雰囲気とはまたっく違った雰囲気を醸し出すことに成功しているようだ。
ただ僕として残念なのは、Sハンドルのデザインが太いこととピカピカとした鏡面仕上げなこと。
おそらくもう少し霞んだ艶消しの仕上がりだとさらにクラシカルで重厚な雰囲気が増すと思うのだけれども…笑。




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あとは出来ればラチェット音がもう少し派手だったと思ってしまう。
ディスクブレーキなどの内部構造がSovereignとほとんど同じ構造なので、ラチェットもおそらく小さなトング?が使われているだろうと予想していたけれど、リールを開けてみると目の細かいギヤの形状などやはり予想通りの構造で、音色そのものはとても上品で高域のピーキーなサウンドだった。
もしもあまりサウンドが好みでなければサイレント仕様にもノブを移動させれば簡単に出来るようだ。

以前のCascapediaではリールが水に濡れるとディスクブレーキがあまり効かなくなるということが頻繁にあったけれど、おそらく今回のSovereignと同様のブレーキシステムだとトラブルは少ないのではないかと予想している。
それにはもう少しフィールドでのテストが必要になるだろうか。

Hardy The Cascapedia 8/9 : AirfloのSkagit Switch G2 480grを巻き込んだ状態でリールの重量は423gだった。
またカタログ上のライン容量は、WF9+190m(30lb Dacron)。スプールの形状から、ライン容量はそれほど多くはないことが予想できる。

今回は初めてebayでUKから直接このリールを購入してみたけれど、国内の流通価格よりもかなり安く手に入れることが出来て、僕としては実際にリールが届けられるまで心配だったけれど、最後にはとてもいい経験になったと思っている。




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# by slowfishing-yun | 2017-10-17 23:07 | My Favorite Reels | Comments(0)