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2016年 04月 21日

<Episode #194> クチグロ・アメマス / 別寒辺牛川

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週末は阿寒ICまで延びた道東道に乗り、道東の地を流れる別寒辺牛川に友人たちと足を運んだ。
この地を訪れるのは1年振りである。
この1年で何かが少し変わったようにも思えるけれど、ある意味何も変わっていないようにも思えるフィールドでもあった。
相変わらず強い風が吹き、風の合い間にかすかな潮の香りを肌で感じる。
日曜日には早春の冷たい雨もが降った。


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訪れたタイミングが良かったのか、それとも良くはなかったのかは、僕にはフィールドから離れる最後まで分からなかったけれど、
潮回りだけはあまりよくなかったのは確かなようだ。
河口域でのスイングの釣りを楽しみにしていたけれど、今回は最後までリトリーブ中心の釣りになった。
もちろんそれはそれで楽しいのではあるが、この日のためにいくつか巻いたフライはスピードの速いリトリーブに耐えられず、
クルクルと回転してしまってアメマスにはどうもそれほど好かれなかったのがちょっと心残りだっただろうか。
やはりスピードの速いリトリーブでもバランスを崩しにくいシンプルな細身のフライの方が、アメマスには好かれたようだ。
そんな訳でフライはVARIVASの4番のストリーマーフックに巻いた、とりわけシンプルなゾンカーだったりする。


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もしかしたら鮭稚魚の群れが水面近くを海に向かって下っていっていたのかもしれない。
対岸近くの流れには時折り慌しいカモメといった海鳥の鳥山を見ることもできたから。
アングラーは目にすることは出来ない水面下の様子をイメージしながら、
到底届くわけもない対岸めがけてキャストとリトリーブを繰り返す。
背後からの追い風にラインが乗ると予想以上にフライが遠くへと届けられる。
そんな事を事前に予想して、ロッドはいつもの6/7番ではなく7/8番を手にしていた。
ラインはスカジット・コンパクト(インター)600grに15フィートのインターのティップの組み合わせ。


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フライが着水し5秒ほどのカウントダウン。
ロングストロークの速いピッチでのリトリーブを始めると、数回目のリトリーブでガツンという衝撃に続いて水面が大きく盛り上がる。
クチグロ・アメマスが水面下で暴れると、それにシンクロして手にしたロッドがバット付近から大きくバウンドし始める。
それとは別に、ヘッドとランニングラインの繋ぎ目がトップガイドを通過する寸前で、リトリーブのピッチを速めると、
ジワーっと手にしたラインに負荷がかかり、やがてそれはクチグロ・アメマスのヘッドシェイクへと変わっていったりもした。
今回は別寒辺牛川らしい大きくていかにもワイルドな風貌のクチグロ・アメマスには出合えなかったけれど、
久しぶりにアメマスらしい躍動感をたっぷりと楽しませてもらっただろうか。

空から滴り始めた小さな雨粒がやがてたくさんの大きな雨粒へと変わっていく。
そして風も強まり始めると、雨で濡れた指先がさらに冷たくなっていった。
ベカンの釣りは、やっぱりこうでなくっちゃ・・・。
そんなことを考えながら、また1年後にこの地を訪れる時のことが今から楽しみになったりしたのだった。


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by slowfishing-yun | 2016-04-21 21:43 | Fishing Reports | Comments(10)
2016年 04月 10日

<Episode #193> A windy day / Tokachi river

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ゴーゴーと普段は聞き慣れない海鳴りが、まるで地響きのように絶え間なく耳元で響いていた。
干潮の時刻を過ぎると風向きが変わり、帽子が吹き飛ばされそうなぐらいの強風が吹き始める。
翌日の朝刊には、確か広尾町で最大瞬間風速が25m/s以上だったと書かれていた。
toritoriさんの案内で僕が初めて訪れた十勝川の河口域、先週に引き続き、台風並みの強風に翻弄された一日だった。



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アングラーにとってライズやボイルといった視覚的刺激は、いつものリズムを何かしら乱すものなのかもしれない。
ギリギリのキャストレンジの範囲で、ゴボっ、ゴボっとアメマスがボイルするたびに、次のリトリーブで訪れる衝撃を期待するのだけれど、
なかなかそうは期待通りに事が運ばないのはいつものことなのかもしれない。
ラインやティップのシンクレートに迷い、さらにティペットの先に結ぶフライにも迷う。


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プロポーションの素敵なグッドサイズのアメマスに出合うというアングラーの期待は、果敢なく次の機会までお預けとなった。
今度訪れる時はシンクレートの高いフルシンクのスカンジSHが巻かれたリールを忘れないようにしよう。
そんな事を思いながら、吹き荒れ始めた強風に押されるように河口のポイントをあとにした。
相変わらず、オリーブ色を薄めたような十勝川の天候は目まぐるしく変わるのである。


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友人たちと相談の末、帰りがてら十勝川の中流域の様子を見ておこうという事になる。
前夜の降雨と雪代の流入により若干の濁りはあるものの、フライをスイングさせるのには問題はないようだ。
上流からの風は強いものの、河口域で感じたほどではない。
この早春の時期にネオプレーン製のウェーダーを通して感じる流れの強さと冷たさに、不思議な心地良さを感じてしまった。


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この低い水温の中、トラウトがスイングするフライに本当にリアクションしてくれるのか、僕にはさっぱり分からないけれど、
傾き始めた早春の太陽の日差しを浴びならが、フライを流れの中でスイングさせられただけで気持ちが良かった。
ティペットの先に少しでも目立つようにと派手な色合いの"Interaction"を結んでみる。
ティップはさしずめ15フィートのT-14。

アミーゴポイントに差し掛かるずいぶんと手前で、スイングするフライに一瞬何かが触れたけれど、その後は続かなかった。
きっとボトムだったのだろう。そう思うことにする。

日陰にはまだ僅かだけれど残雪が忘れ物のように残されていた。
フィールド全体に溢れんばかりの生命感が宿るようになったら、またお気に入りのロッドを手に訪れてみようと思っている。
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by slowfishing-yun | 2016-04-10 22:26 | Fishing Reports | Comments(4)
2016年 04月 06日

<Episode #192> Brass tube fly / ブラス製のチューブフライ

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プラスチック、アルミ、コパー、それにブラス。
取り敢えず、チューブフライのチューブの素材として上記のものが思い浮かぶけれど、
これまでに僕が巻いたことがあるのはプラスチックとアルミ、それにブラス製のボトルチューブぐらい。
友人たちの勧めもあって、先日初めてブラス製のチューブフライを巻いてみた。

ブラス製のパイプは、東急ハンズで購入。
外径2.1mm×内径1.5mm×長さ300mmのブラスパイプが5本入ってプライスは600円前後。
コストパフォーマンスはそれほど悪くはない。
ちなみにブラスパイプをカッターで好みの長さにカットするのだが、僕の場合は3cmぐらいの長さでカットすることが多いので、
単純に計算して1パックで50本ぐらいのブラス製のチューブフライが巻ける事になる。

同じく以前に東急ハンズでチューブフライ用に購入したアルミパイプも自宅に残っていたが、
どうやら考えることは同じらしく、サイズはブラスパイプと同じく外径2.1mm×内径1.5mmだったのには笑ってしまった。

ちなみにブラスパイプそのままではカットしたエッジ部分でティペットが切れてしまうことがあるので、
アルミパイプの時と同じく、ブラスパイプの内側にプラスチック製の0.6mmの硬質カラミ止めパイプを差し込むことになる。
ただ、0.6mmの硬質カラミ止めパイプにアタッチメントのニードルが入らないので、
これを差し込むのはタイイング終了後となるが・・・笑。
タイイング前にカットしたブラスパイプのエッジを100円ショップのダイヤモンドやすりで研磨し、
タイイング終了後にカラミ止めパイプを差し込み、両端をライターの火で炙る(マテリアルを焦がさないように注意)。
この際硬質カラミ止めパイプの穴が小さくなったら、ニードルを差し込んで穴を広げておくと良いだろう。


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友人からチューブフライをタイイングする際、100円ショップのダイヤモンドやすりで写真のようにくさび状にカットし、
3点でチューブ本体を固定するようにすると、タイイングの際にクルクルと回転しないというアドバイスを聞き、
多少いびつな形にはなったが、僕もヤスリでゴシゴシと削ってみた。
写真の左のアタッチメントは削る前、写真の右は削ったあと。
この作業を行ってからは、確かにクルクルとチューブが回転することがなくなったかな(笑)。

チューブフライ本体とフックとを覆うシリコンチューブは楽天の通販で購入。
友人のアドバイスでは、外径2.5mm×内径1.5mmのシリコンチューブがお勧めとのこと。
http://item.rakuten.co.jp/ricoro/6-586-04/

取り敢えず、何本かブラスチューブで鮭稚魚フライを巻いてみた。
ウイングは白のフォックステイルをリバースで巻いたテンプルドッグスタイル。
予想したよりも重さはないけれど、フライをコンパクトに巻けるので、今年のシーズンはコーンヘッド、プラスチックチューブだけでなく、
いろいろな長さにカットしたブラスチューブのフライもチープなフライケースに忍ばせて、フィールドへと足を運んでみようと思っている。
今年は手持ちのフライのバリエーションが増えそうな予感。
フィールドでは、どのフライを選ぶかたっぷりと迷うことになりそう・・・笑。


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by slowfishing-yun | 2016-04-06 19:11 | 私的FlyTyingの愉しみ | Comments(2)
2016年 04月 03日

<Episode #191> 強風の中で / 後志利別川

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僕の中で1年に一度ぐらいは訪れたいフィールドがある。
それは時々TVの釣り番組でも鮎釣りのフィールドとして紹介される、道南を流れて日本海へと注ぐ後志利別川。
魚の数はそれほど多くはないけれど、タイミングさえ良ければ海アメのようなコンディションの良いアメマスに出合えることがある。
とにかくこの本流で出合うアメマスは、道東など他のフィールドで出合う顔の比較的大きなアメマスとは違って、
流線型で筋肉質なボディとは対照的に顔が全体的に小さいのである。
理由は定かではないけれど、もしかしたら餌が豊富な海とを何度も行き来しているからなのかもしれない。


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流線型の筋肉質なアメマスも素敵だけれど、やはりこの地を訪れたくなるのは、少しだけ早く春の訪れを感じることが出来るからかな。
芽吹き始めた新黄緑色のフキノトウにどこかのどかな春を感じるヒバリの囀り、それに岸際を泳ぐ鮭稚魚。
もちろんそれだけではないのだろうけれど、毎年訪れる度に何かしかの春の兆しを感じることが出来るのが楽しみのひとつ。
それにしても、今年初めて訪れた道南のフィールドだったけれど、風速10m/s以上の風がずっと吹き続けていた。


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新しいオールブラックのサラシオーネに同じく新しいスカジットコンパクト540grを巻いた。
やはり卸し立て新品のラインはフレキシブルで滑りも良くって気持ちがいいものだ。
ティップはさしずめ15フィートのT-14、2.5号のフロロのティペットは少し長めに2mほど。
フライはグレーオリーブのコーンヘッドチューブフライ"Interaction"。
今年の鮭稚魚シーズン、僕のメインになりそうなフライで、相変わらずラビットストリップの波動のような動きは魅力的。


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ウェーディングしていても、前にのめりそうになるぐらい上流からの突風が吹き付ける。
キャストの際にロッド操作に支障が出るぐらいの強風。
きっと明日は右腕が筋肉痛になっているだろう。
何しろフィールドでは僕の他にツーハンドのフライロッドを振っているアングラーには出合わないぐらい風が強かったから。

朝から数えて4ヶ所目のポイントにウェーディングする。
午後からさらに風が強まり、風の吹き方はまるでリズムがつかめない息遣いといった感じ。
2ヶ所目のポイントでは岸際を泳ぐ鮭稚魚の姿を見たから、少しだけアメマスへの期待感が高まったけれど、
強風の中でキャストし続けながら「今日は厳しいなあ」とポツリと独り言のように出た自分の声に、ちょっと驚いたりもした。
そろそろ、今日アメマスに出合えなかったいい訳でも考え始めようかとしている時、
対岸近くに着水したフライがスイングを始めてしばらくすると、不意にラインを通して躍動感が伝わってきた。
決して激しくはないけれど、ロッド全体が心地良くバイブレーションする。
小振りなアメマスだったけれど、このコンディションの中で僕のフライを見つけてくれただけで嬉しかった。
ネットを差し出す前にヘッドシェイクでこのアメマスとはアディオスしてしまったけれど、
おかげで最後にカーゴルームカフェで淹れたいつものイタリアンローストのコーヒーが、すこぶる美味しく感じられた。
早春の後志利別川、風は相変わらず強いままである。
                                                           3.33→3.28

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by slowfishing-yun | 2016-04-03 19:55 | Fishing Reports | Comments(6)