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2015年 10月 25日

<Episode #150> Weekday fishingtrip / Teshio river

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早朝のランを丁寧に釣り下だり、やがてゴツゴツとした岩盤エリアがスタートして20m程ステップダウンしたあたりだった。
天塩川の流れに乗り、フローティングのSkagit Compactがゆっくりと下流へと孤を描きながら膨らんでいく。
突然それまで滑らかだったラインの動きが、これから始まる何かの前触れを暗示するかのようにフッと止まる。
一瞬の間をおいて、ランニングラインに伝わる鈍重な衝撃と共にSaracioneのMarkV 4"から激しいスクリーミングサウンドが奏でられた。
僕の下流でドッバーンと大きな魚体が派手に跳躍する。
そこには朝日に照らされた美しいレッドバンドがあった。


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普段の僕の釣りはというと、仕事柄どうしてもウィークエンドの釣りがほとんど。
でも今回は仕事の休暇を取り、年に一度のウィークデイのフィッシング・トリップ。
車のカーゴルームに車中泊セット一式を積み込み、北の本流、天塩川に向けて車を走らせる。
前日の夕方から岩尾内ダムからの放水が止まったのは、本当にタイミングが良かったのかもしれない。
秋も深まり、峠の気温は氷点下まで下がっていた。
タイヤはすでにスタッドレスタイヤに交換済み。
それでもR275に掛かる橋は、冷え込みでところがブラックアイスバーンとなっているから、ドライビングには細心の注意を払っただろうか。


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今回の釣り旅は3日半の間、天塩川にロングステイの予定。
車を運転しながら足を運ぶポイントのスケジュールを組み立てる。
滞在中の天気は概ね良好の予報だが、こればかりはなかなか予想がつかない。

早朝は久しぶりにシムスのくたびれたフリース地のグローブをはめて釣りをすることを余儀なくされる。
マイザーのガイドはキャストとリトリーブを繰り返すと瞬く間に硬く凍りつき始めた。
浅瀬で繰り広げられている遡上したサーモン達の産卵行動も、おそらくピークを過ぎ始めていたかもしれない。
先週末よりも水位は下がり、岸には使命を終えたサーモン達の亡き骸がいくつも横たわっていた。


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最初に僕が選んだポイントは、上流の長いランの浅瀬でサーモン達がたくさんの卵を産み落とす、通称"産卵床の瀬"だった。
Skagit compact(F)の先には、ずいぶんと迷った挙句に15フィート、Type6のティップ。
2m程の3号フロロカーボンのティペットの先には、ブラック&オレンジの"Fascination"を結ぶ。
すでに岩盤への根掛かりで今回の釣り旅にあわせて慌てて巻いた"Fascination"を3個ほどロストし、
そして僕に幸運が訪れたのは、ティペットの先に4個目の"Fascination"を結んだ時だった。


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レインボーは下流へと猛烈なスピードで疾走すると、白い靄のかかった幻想的な本流の上でもう一度派手に跳躍した。
ドッバーン。
早朝の静寂さの中でそんな音を聞くと、僕の心臓は一瞬何かにギュッとわしづかみされたかのように苦しくなる。
振幅の大きなヘッドシェイクに重量感を伴った疾走。
僕の中で天塩川の本流レインボー仕様となった#7/8番のMeiser MKSはバットからグンニャリとのされっぱなし。
レインボーとの距離が一向に縮まる様子はなく、僕はリールのブレーキノブを数ポジションだけ絞り込んだ。
ピーンと極限まで張ったライン。
僕は久しぶりにヒィーンというラインが奏でる糸鳴りを耳にした。
一度目のセルフランディングに失敗し、レインボーが岸際で暴れると僕はかなり肝を冷やす。
そして仕切り直しの2度目のセルフランディングで無事にネットイン。
至福感と虚脱感とが複雑にブレンドされた不思議な感覚に全身が包まれる。
サーモン達の産み落とした卵を飽食したのか、お腹がポッコリと膨らんだオスのレインボーは、今シーズン3尾目に出合うLLサイズ。
右顎からチューブフライのチヌ針をフォーセップで外すと、ゆっくりと天塩川の流れへと彼は戻っていった。
今回の釣り旅、初日となる10月21日は朝の7時半の出合い。


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通称"木村さんポイント"でLサイズ半ばにジャンプされてフックアウトし、
通称"Yusukeさんポイント(熊の足跡ポイント)"でLサイズにアミーゴしてしまった釣り旅の初日以降、
残りのステイ期間中に本流レインボーからのコンタクトは訪れず。
思いつくままポイントを巡り、決してフィールドコンディションは悪くはないのだろうけれど・・・。
平日だからキャンパーのほとんどいない夜のキャンプ場で、ホットウィスキーを飲みながら、ひとり翌日のプランを練る。

秋の深まったウィークデイのフィールドで、他のアングラーに出会う事はほとんどなかった。
それでもbolocyanさんと初対面であるが偶然フィールドでお会いすることが出来たし、
本州から来られたyanbaidesuさんやKAZUYAさんともご一緒出来て、それはそれでなかなか楽しい今回の釣り旅だったかなと。

本流レインボーもシーズン終盤だけれど、あと1回ぐらいは深まる秋の気配の中に身を置きたいところ。
                                                         68.05→67.94

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Today's BGM : 車の中で、今回はビリーホリデーをずっと聴いていたので・・・


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by slowfishing-yun | 2015-10-25 13:01 | Fishing Reports | Comments(22)
2015年 10月 18日

<Episode #149> ハイ・ウォーター&ディープ・ウェーディング / 天塩川

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オリーブ色に薄っすらと濁りが入った力強い流れが川幅いっぱいに広がっていた。
おそらくこのフィールド・コンディションをハイ・ウォーターといっても、あながち間違いではないように思う。
数週間前に僕が天塩川を訪れ時よりも、水位が少なくとも60cm以上は上昇していたものだから。
確かに前回はロウ・ウォーターといってもよいぐらいの低水位だったから、いつもの水位なら立てないところにも入れるという恩恵に与ることも。
けれども今回は久しぶりのハイ・ウォーターでの釣り。
目の前に広がるのはいつもとは少し違った風景。
それにしても、これはこれで釣りとしてはなかなか難しいのである。


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おそらく天塩川を彩る木々の葉の紅葉が一番美しいタイミングは、すでに過ぎていたのだろう。
少しかすれた色合いがフィールドには広がっていた。
その代わりに、浅瀬では遡上してきたサーモン達の産卵がもう直ぐピークに達するのかもしれない。
メスをめぐってオス同士が争い、バシャ、バシャと水飛沫の音が賑やかそのものである。
でも、せっかく産み落とした卵も、やがて水位が下がるとそこは乾いた岸になるのだから、何だか気の毒なような気がしないでもない。


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ハイ・ウォーターの週末は、とにかくポイント選びに苦労する。
その上、事前に目をつけていためぼしいポイントでも、案の定かなりのディープ・ウェーディングをしいられる。
水位が低い時にもう少し地形を把握しておくべきだったとちょっぴり後悔するが、こればかりは悔やんでも仕方がない。
岸際をそろりそろりと足元を確かめながらゆっくりとステップダウンする。

ラインはスカジット・コンパクト(インター)にタイプ8の組み合わせとアトランティック・サーモンSHのS3/S4を、ポイントによって使い分けた。

結局、2日間ロッドを振り続けて、レインボーのものと思われるフライへのコンタクトは一度も無かったかもしれない。
期待感だけは有り余るほどあるのだが・・・


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久しぶりに夜のキャンプ場でGUINNESSを飲んだ。
このクリーミーなテイストと深みのあるコクを上手く表現することは難しいけれど、やっぱり美味しいとしか言いようがない。
ホットウィスキーをからだの隅々にまで流し込み、カサカサと枯れ葉が風で吹かれる音を耳にしながら車の中でシュラフにもぐりこんだ。
キャンパーのほとんどいない夜のキャンプ場で過ごすと、本流でのレインボーの釣りもそろそろ終盤なんだと僕は思うのだった。
                                                         68.46→68.37

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Today's BGM :


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by slowfishing-yun | 2015-10-18 21:51 | Fishing Reports | Comments(12)
2015年 10月 12日

<Episode #148> 秋晴れの十勝川 / そして歩く

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意識の遠くの方からかすかにガタゴトと物音が響いてくる。
車に敷いたシュラフの中で、僕は深い眠りからゆっくりと目が覚めた。
昨夜は夜空の星が綺麗だった。だから放射冷却もあってか、外気温は5℃を示している。
ドアを少しだけ開くと、ひんやりとした冷たい秋の外気が車の中に入ってきた。
日曜日の天気は薄曇。そんな淡いグレー色を背景にナナカマドの実がよりいっそう赤く色付いていた。
昨日はたっぷりと歩いた。それにまだ少しだけ昨夜に飲んだボウモアが身体の中に残っているのかもしれない。
さてゆっくりと準備しながら、熱い深煎りのコーヒーでも飲むことにしますか。


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週末を前にして、北海道の東の海上で台風が温帯低気圧に変わった。
変動するテレメーターの数字を頼りに、足を運ぶフィールドを消去法で選択する。
そして一番雨の影響が少なさそうな十勝川の中流域へと足を運ぶことにした。
時折り山からの吹き降ろしの強い風が吹くものの、秋晴れの空の下で悠然と流れる十勝川だった。
おそらくフィールドのコンディションとしては申し分なかったのだろう。
レインボーからのコンタクトがあるかどうかは別の話ではあるが・・・。

最初のポイントは、仲間内での間の通称"アミーゴ・ポイント"。
おそらくこの水温ではレインボーはまだまだ底付近にステイしていると想定し、ラインはアトランティックサーモンSHのS3/S4。
ティペットの先にはコーンヘッド仕様のブラック&オレンジの"Fascination"を結ぶ。
ペリーポークからややクロス気味にキャストし、幾度かメンディングを入れながらゆっくりとランニングラインを送り込む。
イメージ通り、スイングスピードはスカジットコンパクトといったシンクティップよりもスローである。
何度かバイトはあるものの、スイングの終わりかけに訪れたテイクは小振りなSサイズ半ばのレインボー。
2年後にまた出合えたらとフォーセップでフックを外しリリースする。


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久しぶりに足を延ばして中流域から帯広市街地の通称"毛虫ポイント"にも足を運んでみる。
数年前に河川改修工事が行われ、それまではなかなかアプローチしづらかったポイントだったけれど、
今では拍子抜けするぐらいかなり楽にアプローチ出来るようになってしまった。
でも駐車した車から少し歩くと、とても帯広市街地の中の流れとは思えない景色が目の前に広がる。
河畔林の枝がオーバーハングしたポイントに立ち、かなり窮屈なキャストが強いられるけれど、
フルシンクのスカンジSHをキャストして送り込むと、何度かバイトはあったから、また機会があれば訪れてみようと思う。
ちなみにフライはコーンヘッド仕様のブラック・ゾンカー。
でも、ここでもしもグッドサイズとの出合いがあれば、ちょっとランディングには苦労するかもしれない。


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午後からは一緒に行動していたABUさんと別れ、僕はもう一度アミーゴ・ポイントに戻り、最後のひと流しをすることにする。
ロッドはMeiserのMKS、14フィート、#6/7番、"Trouty Orange"
リールは先日リール内部を分解清掃してグリスアップしたSaracioneのMarkIV
ラインはスカジット・コンパクト(インター)にタイプ8のティップの組み合わせ。
実は先日他の2台のMarkVの方も、恐る恐るリール内部を分解清掃してグリスアップしてみた。
こちらはリール内部がかなり複雑な構造の様子。
結局、ディスクブレーキなどのメカニカルな部分には手をつけず、リール内部の簡単な清掃とグリスアップのみで引き返す。
でも、おかげでSaracioneのMarkVが奏でるスクリーミングサウンドの美しさの秘密が、少しだけ分かったような気がする。

午後からは水温も少し上がり、それと共にレインボーの活性も少しだけ上がったのかもしれない。
フワフワと小さなメイフライ(?)がハッチし、対岸の岸際のヨレではライズもあるようだ。
小さなウエットでも良いのだが、ティペットの先にコーンヘッド仕様のブラック&オレンジの"Fascination"を結び、
対岸めがけてほぼクロス気味にペリーポークからキャストする。
ラインが押しが強くてさらに速い流れに乗って下流に膨らみ始めると、対岸の岸際でMサイズのレインボーがジャンプする。
そして少しの間をおいて、ラインニングラインにグゥンとそのレインボーの重さが乗った。
夕暮れ前の傾きかけた太陽の日差しを浴びつつ、レインボーは2度ほど本流の上を跳躍した。
そして流芯を横切る際に大きくヘッドシェイクして、その瞬間フッとラインを通して感じていたテンションが消えていった。
やっぱり"アミーゴ・ポイント"というだけあって、この日も最後はアミーゴでのストップ・フィッシングだった。

土曜日に携帯電話のウォーキング・チェッカーが示す僕が歩いた距離は約11km。
今回もたっぷりとフィールドを歩いたかな。
次の健康診断まであと体重を2kgほど落としたいのだけれど、さてさてどうなりますことやら・・・笑。
                                                              59.99

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by slowfishing-yun | 2015-10-12 17:48 | Comments(14)
2015年 10月 04日

<Episode #147> 秋の始まりの十勝川 / 風強し

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北海道の北の海上で天気図の等圧線の間隔が今にもくっつきそうなぐらいギュッと狭まっていた。
窓の外からもビュービューと風が吹く音が聞こえてくる。
週末は自宅で苦手なタイイングにでも勤しもうかと思ったけれど、やはりお気に入りのロッドを手にフィールドに立ちたくって、
タフなコンディションを覚悟の上、Moriさんと車を十勝川に向けて走らせることにした。


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夜明け前の道東道、タイヤノイズよりも時折り車を揺るがす横からの突風の音の方が強かったかもしれない。
トマムICを過ぎいくつかのトンネルを通り抜けると、頭上に広がる厚い雲の先には早朝の明るいオレンジ色の日差しが広がっていた。
前夜の降雨で、僕らが気になるのは本流の水の色だろうか。
オリーブ色の流れに微かに濁りはあるけれど、水位などコンディションは悪くはない。
ただ気がかりなのは、この時期にはつきものの流れてくる大量の落ち葉に枯葉、そして小枝。


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フライをしっかりと底付近に漂わせたいので、ラインシステムはスカジット・コンパクト(インター)にタイプ8のティップの組み合わせ。
それでも十勝川の流れは速いから、僕がイメージしているよりもフライは沈んでいないのだろう。
木々の葉が強風でいっせいに白く裏返しになるぐらい突風は強かったけれど、対岸に向けてクロスでキャストしラインを送り込む。
それでもボトムは取れないけれど、やはりランニングラインに伝わるモゾっとした違和感はフックに絡みついた落ち葉。


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時折りパラパラっと秋らしい存在感の薄い雨が降った。
頭上の雲は山々から吹き降ろす嵐のような突風に吹かれて凄いスピードで流れていく。
赤や緑、それに黄色といったこれだけ様々な色合いの流下物が大量に流れていると、
本流レインボーは僕のブラック&オレンジのチューブフライ"Fascination"を見つけてくれるのかと心配になる。
それでも3ヶ所目に訪れたアミーゴ・ポイント、プールの終わりかけで流芯を横切るフライにズゥン、ズゥ、ズゥンと明確な生命感。
でも残念ながら2秒ほどで期待に反してこの本流レインボーとはアディオス。
このタフコンディションの中、せっかく本流レインボーが僕のフライを見つけてくれた唯一のチャンスだったというのに・・・。

午後からは流れてくる落ち葉を避けて、上流域に足を運んでみる。
僕には小さなレインボーしか相手にしてくれなかったけれど、初夏から夏とは違ったどこか物寂しい雰囲気がフィールドから感じられた。
                                                              60.00

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by slowfishing-yun | 2015-10-04 13:49 | Fishing Reports | Comments(8)