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2017年 04月 18日

<Episode #321> Oyster river 2017

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極東の地を流れるタンニンの染み出した湿原河川、Oyster riverこと別寒辺牛川。
今年も独特の茫洋とした風情をかもし出す極東の本流へとクチグロアメマスに出合いに週末にかけて友人達と足を運ぶことにした。
風さえ穏やかであれば、きっとさらに思い出に残る気持ちのよい釣り旅となったであろう。
日中ともなると風に吹き止む合間に、まるで早春の道南の本流のように頭上でヒバリが賑やかに舞い続ける。
少し霞んだ風景と共に眩しい早春の日差しを浴びていると、どこか気持ちが和んだような気がした。
しかしそれも束の間の静寂さであり、ふと気付くと右後方からの風は川面に幾重にも筋を描くぐらいに強く吹き続けていた。


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雪の重みで幾重にも折り重なった葦のフワフワとした感触の上を、不思議な違和感を感じながら今年も無事に歩くことが出来た。
そして川底のヌメっとした感触をウェーダーのブーツ底で確かめながら、慎重にウェーディングしていく。
フライは鮭稚魚を模したVARIVASの#4番のストリーマーフックに巻いたゾンカースタイル。
フィールドで手にするのは2度目となる新しいロッドにセットしたリールからラインを引き出し、そしてキャストする。
干潮は午前11時半頃の予定。
少し前に訪れた友人達からの情報通り、アメマスとの最初のコンタクトが訪れるのには長い時間を要したのかもしれない。


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今回はカモメの鳥山もほとんど見ることはなかったから、おそらく鮭稚魚の降海はもう少し先になるのだろう。
何がスイッチとなったのか正確には分からないけれど、干潮を過ぎた辺りから状況が一変したのかもしれない。
スカジットコンパクト・インターに15フィートのインターのティップを組み合わせたラインを背後からの強風に乗せて遠投する。
ゆっくりとラインを流れに馴染ませながらフライをドリフト、そして上流へとランニングラインをメンディングすると、
すでにアメマスがフライを咥えているのか、ガツンとフライをひったくるような衝撃が手元に伝わってくる。
上手くは言葉で表現できないけれど、僕にとってはそんなイメージ通りの釣りをOyster riverでは楽しむことが出来たかな。


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by slowfishing-yun | 2017-04-18 22:19 | Fishing Reports | Comments(4)
2017年 04月 02日

<Episode #318> 雪代

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早朝のハイウェイ、それにR275と北のフィールドへと続くアスファルトは、そのほとんどがドライコンディションだったと思う。
久しぶりに朝日の眩しさを感じる気持ちの良いドライブだった。
おまけに車の外気温計は出発からずっとマイナス表示のまま。
この気温ではきっと本格的な雪代もまだ始まっていないはずと僕はすっかりたかをくくっていた。
そして天塩川に架かる最初に橋を渡った時、僕の中での安易な期待感はどこかへと吹き飛んで行ってしまう。


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テレメーターの濁度計は7前後だったけれど、橋の上から見る流れはどう見てもロッドを振りたくなるようなコンディションではなかった。
でも、久しぶりに風が穏やかでここまで好天に恵まれた早春の一日はまだ始まったばかり。
せっかくここまで来たのだからと、何とか新しく届いたロッドを振りたくなるようなポイントを探すことにした。

ロッドは先日届いたばかりのR.B.Meiser S2H14078MKX-4 "Copenhagen Wintergreen"。
ロッドの各ピースを繋ぎ、透明のビニールテープでまるで儀式のようにこのロッドにとって最初となるテーピングをしっかりと施す。


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そしてロッドに600grのスカジットコンパクトが巻き込まれた4インチのSaracioneをセットした。
MKXとなってMKSよりも少しは軽くなったと思うのだけれど、ロッドにラインが巻かれたリールをセットして手にしても、
正直比較するものが無いからあまり軽量化の恩恵は感じなかっただろうか。

でも、ブランクが変わってやはりリカバリースピードはMKSよりも少し速くなっているように思う。
僕としてはMKSの時よりもキャストアウト時のループが少しタイトになったような気がするのだが・・・。

相変わらず春の風はその存在感をどこかに置き忘れたまま。
くっきりと二つに分かれたツートーンの流れと岸際に厚く積もった雪とがずっと下流まで延々と続いている。
雪でシールドされたフィールドはこれまで経験したことがないぐらいに静かだっただろうか。
まるで知らないフィールドにでも迷い込んだような不思議な気分になれたのがとても新鮮だった。
こんな感覚をまた味わえるのなら、来シーズンにも懲りずに足を運んでみようかなと僕は思った。
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by slowfishing-yun | 2017-04-02 17:54 | Fishing Reports | Comments(8)
2017年 03月 27日

<Episode #316> ブランク

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北の大地もこれからの春に向けて少しずつ気温が上がってきているようだ。
三寒四温とは上手く言い表したもので、ちょっとした変化にも春の兆しを感じ取ろうとしてしまうものなのかもしれない。
本流好きのアングラーとしてはこれから気温が少しずつ上昇していくと雪代というキーワードがとても気がかりになるのだけれど、
まあこればかりは厳しい冬をやり過ごして次の季節を迎えるにあたってはどうしても避けることが出来ないものなのだろう。

Bobさんからロッドを送ったよのメールが届いて、次の釣行までに何とかロッドが届かないかと首を長くして待ったけれど、
荷物の追跡調査では川崎にある郵便局のオフィスにとどまったままで、結局金曜日の夜になってもロッドは自宅に届かなかった。


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Meiserの13フィート、5/6番MKSのロッドと美しい音色を奏でるクリックブレーキ仕様のFarlexの3 3/4"のリールの組み合わせは、
僕にとって中規模河川での釣りに欠かせないロッドとリールの組み合わせとなったようだ。

本格的な雪代が流入せず依然として低い水位で推移する後志利別川へ週末はもう一度友人達と足を運んでみた。
2週間ほど前に訪れた時には河川敷を覆っていた雪面もすでに姿を消し、久しぶりに芽吹いたばかりのフキノトウを目にする。
頭上には穏やかな春の空が広がり、道南らしいヒバリの囀りを耳にしながらライトタックルのスペイロッドを心地良くキャストした。

そんな何とも言えない春の心地良さを感じつつ、時折りやってくるまどろんだ眠気に意識が遠のきかけた時、
スルスルスルと指にかけたランニングラインが何かの力で引き出されていく。
僕は何が起こったかさっぱり分からず、それが魚による仕業だと分かるには数秒ほどの時間を要しただろうか。
はっと我に返った時にはすでに躍動感は消え去っていたけれど、なぜだか不思議なぐらいに気分だけは良かった。
きっとこれも魚の躍動感を感じなかったブランクが長かったからだろうけれど・・・。


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まったくもって釣り日和の穏やかな春らしい天気は続いているけれど、午後からは予定通り尻別川へと移動してみた。
気温が上がったせいか、河畔に降り積もった雪もかなり緩んでいる。
ところどころスノーシューの踏み跡も微かに残っているから、ポイントへのアプローチにはまだ必要なシーズンなのだろう。

Meiserの14フィート、6/7番MKSのロッドにSaracione 3 3/4"のリールの組み合わせ。
ティップはインターとタイプ3で迷ったけれど、鮭稚魚の姿を見かけないのでタイプ3をフローティングのスカジットコンパクトに繋いだ。

初めてのポイントだったのでmasaさんにポイントへとガイドしていただく。
僕が手にするロッドに魚の躍動感が訪れたのは、masaさんに早春のアメマスが微笑んだあとだった。
でも、これも不覚にもロッドを脇に挟んでよそ見をしている間の出合いだったから、本当に出合ったと言っていいものかどうか。
まあこれもブランクというか冬のオフシーズンが長過ぎたということにしておこう。
おまけにネットインにもモタモタと手間取ってしまう始末だから、これはしばらくリハビリが必要となりそうな予感がする。
でも今年最初に出合ったアメマスはレギュラーサイズだったけれど、なかなかコンディションの良い美しいアメマスだった。

日が傾くとフィールドの気温も一気に下がるようだ。
寒暖の差にまだ僕の身体のリズムがついていかないのを感じながら、さてこの長いブランクからの復調にはもう少し時間が必要かな。
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by slowfishing-yun | 2017-03-27 23:04 | Fishing Reports | Comments(4)
2017年 03月 20日

<Episode #315> タイミング

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100均のピルケースを使ったチープなプラスチック製のフライボックスに、新しく巻いたフライを何本か強引に収納した。
もしかしたら雪代も混じり始めているかもしれないから、カラーにはチャートリュースだけでなく黒もいくつか選ぶことにする。
晴れの日が続いていたから、おそらく道東へと続く早朝のハイウェイはどこまでもドライ・コンディションに違いない。
アクセルを無理に踏み込まなくても、何とか朝の7時までには十勝川のフィールドに着けるといいのだが。


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早朝は乾燥しきった冷たい風とともにフィールドに溶け込むように佇んでいた。
川の奏で続ける音色以外は不思議と僕の耳には届かない。
ロッドのガイドが凍りつき、ネオプレーンウェーダーのブーツの中の僕の足は水の冷たさで次第に感覚を失い始める。
十勝川の透明度はおおよそ30~40cmといったところだろうか。

フィールドの選択にはずいぶんと迷ったと思う。
結局は帯広の友人からの素敵な情報を頼りに春の連休を道東で過ごすことにしていた。


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行動を共にした友人二人には、十勝川でそれぞれバイトが1度ずつあったようだけれど、
僕が期待を込めてスイングさせるフライには、なぜかストラクチャーとのコンタクトしか訪れない。
本流の濁り具合からすると、やはり訪れるタイミングが少し遅かったのかもしれないと僕は思う。

予想通り時間と共に山からの吹きおろしの風が強まり始める。
道東の青空は僕が顔を向けた視線の遙か向こうまでずっと続いていた。
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翌日は十勝川をあとにし、天馬街道を越えて静内川へと移動する。
途中で日高幌別川の様子も見たけれど、残念ながら雪代流入が遅れているようで、水位がかなり低かった。
それにしても静内川へと足を運ぶのは何年振りだろうか。
おそらく僕がまだスペイを始めた頃の冬の時期に何度か足を運んだぐらいだから、かれこれ10年以上は経っているのかも。
いやいやその後も確かABUさんと夏の時期に一度だけ足を運んだことがあったような・・・。

相変わらず春の日差しを浴びて川面がキラキラと輝く美しい流れだった。
お気に入りのフライを流れに馴染ませてスイングさせる。
これでゴツンと生命感を伴ったアタリでもあれば気分も違う方へと変わるのだけれど、
今回は2日間を通して一度も生命感を感じることはなかっただろうか。
まあ、こんな春の連休もあるということで・・・。
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by slowfishing-yun | 2017-03-20 18:40 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 03月 12日

<Episode #314> 早春のフィールド / 後志利別川

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もしかしたら夜のうちに少し雪が降っていたのかもしれない。
春らしい紫外線がたっぷりと含まれた朝の日差しが柔らかくフィールドを包み込むけれれど、上流には雪雲がまだ居座っているようだ。
川面を吹き抜けていく風はまだまだ冷たく、気温は放射冷却も加わって氷点下のまま。
透明感の際立った川面は日差しを浴びてキラキラと輝いているけれど、ウェーディングしたブーツの中の僕のつま先は、
本流の鋭角的な冷たさというか水温の低さで、あっという間にジンジンと感覚が麻痺しそうになるぐらいにしびれ始める。
そんな2017年の最初に選んだフィールドは、恒例の道東の十勝川ではなく道南の後志利別川だった。


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ロッドはMeiserの13フィート、5/6番、MKSにリールはFarlexの3 3/4"のコンビネーション。
ラインは480grのスカジット・コンパクトに15フィートの各シンクレートのティップの組み合わせ。
ティペットの先には鮭稚魚をイメージしたチューブフライやビーズヘッド仕様のオリーブのウーリーなどなど。

それにしても僕らが当初予想していたよりも本流の水位が低くて、さらに流速も緩いことに苦労する。
過去の経験からいくつかめぼしいポイントを巡ってみたけれど、やはりこのコンディションでは予想通りのノーバイト。
僕自身もここまで水位が低いコンディションの後志利別川に足を運んだのは初めてだろうか。

そういえば例年なら雪の隙間や土手の土から少しは顔を出している新緑のフキノトウを僕は一度も目にすることはなかったし、
岸際を泳ぐ鮭稚魚の姿を見たのもたった2度だけだったことを考えると、やはり訪れる時期が少し早過ぎたかなと思う。
鮭稚魚にボイルするアメマスの刺激的な光景を目にすることが出来るのは、そろらくもう少し先かもしれない。

それでもオフシーズンに手に入れて初めてフィールドで使ってみるPatagoniaのStormfront Hip PackのCusco Orangeは、
とにかくフィールドでも際立って目立つ派手なオレンジ色だったので、僕としてはちょっとお気に入り。
でもやっぱり思ったよりもかさばるので、本格的な出番はウェーディングジャケットを着込まなくなってからのシーズンかな。
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by slowfishing-yun | 2017-03-12 19:30 | Fishing Reports | Comments(2)
2016年 12月 11日

<Episode #302> シグナル

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こんなに遠かっただろうか?
ハァ、ハァ、ハァとポイントに着く途中ですでに僕の息が上がっている。
駐車スペースにとめた車からスノーシューを装着しないで降り積もった雪をラッセルしながらかなりの距離を歩いたかもしれない。
普段から運動不足にならないように気をつけているけれど、さすがに途中から両足が重だるくなって上がらなくなってきた。
降り積もった雪が山になっていて思わずバランスを崩しそうになる。
思わずもうやめたと途中でロッドを放り投げて柔らかいパウダースノーの上にダイブしたくなってしまった。


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札幌に大雪が降ることなんてまったく思いもせずに、週末は友人達と尻別川へと足を運ぶことにした。
さらに車をドライブして後志利別川に足を運ぶという選択肢もあったけれど、より流れのあるフィールドでフライをスイングさせたくって、
ずいぶんと迷った挙句に、やはり12月の尻別川をチョイスしたことに後悔はなかった。
氷点下の気温だけでなく水温もギリギリまで低いだろう。
タックルケースに多少は強引に使える、トラブルの少なそうなリールを入れることにした。


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マイザーの14フィート、6/7番のMKSにエナメル塗装を落としたHardyのマーキス・サーモン・No.1をセットする。
リールにはエアフロのスカジットコンパクト・FISTの540grを巻き込み、ティップとして15フィートのT-14を繋いだ。
2.5号フロロのティペットの先には先日巻いたブラスパイプを1インチカットしたコーンヘッド仕様の"Snaelda"のバリエーション。
個人的にはウーリーバーガーをアレンジしたパターンだと思っているけれど、この水温だから鱒に気に入ってもらえるかどうかは・・・笑。


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尻別川のフィールドは白一色に染まっていた。
生命感に溢れた盛夏の緑はどこかへと消え去り、どこか物悲しい寂しさがフィールドには漂う。
それでも深い青色とも緑色ともつかない太い流れの筋が鮮明に白のキャンバスに描かれていた。
遠くから大きな雪雲が少しずつ迫ってきて、景色が白く霞んでいく。
小さな粒状の雪が混じった北西の風は、ことさら冷たかっただろうか。

12月の釣りとしては、予想通りのノーフィッシュ、ノーコンタクト。
ロッドガイドは凍りつき、水に濡れたリールは瞬く間に凍りつく。
それでも今年の本格的な冬の訪れのシグナルだけはしっかりと感じることが出来た一日だったかもしれない。
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by slowfishing-yun | 2016-12-11 16:40 | Fishing Reports | Comments(4)
2016年 12月 04日

<Episode #300> 先週の忘れ物

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少しすき間の空いたプラスチック製のチープな僕のフライボックス。
そんなフライボックスは100円ショップで売っているピルケースにぶつかり防止用の薄いウレタン製シートを貼ったものだったりする。
最近は歳のせいか遠近感がなかなかつかめず、対岸の枝にフライを引っ掛けてしまうことが多いようだ。
だからVARIVASの6番のストリーマーフックにLサイズのブラスビーズを通し、オリーブのウーリー仕立てのストリーマーを数本巻き足す。
週末に足を運ぶフィールドは道南の後志利別川にすることする。
先週のフィールドで感じたアメマスの躍動感とフッと消え去る生命感とが、まだしっかりと記憶の中に残っている。
そんなフィールドに置き忘れてきた忘れ物を探しに、土曜日の早朝には車を道南に向けて走らせていた。


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峠の下り坂や木立に覆われたカーブのアイスバーンに、何度も車のテイルが滑ってヒヤッとする。
あともう少しでプラットホームに届いてしまうスタッドレスタイヤは、そろそろ履き替え時なのかもしれない。
白波の立つ島牧海岸にアングラーの姿は皆無。
北西の強い風を受けて海岸沿いに立ち並んだ風車の羽根が勢いよく回っていた。

先週に訪れた時にあった雪はすっかりフィールドから姿を消していた。
初冬の青空が頭上には広がり、小さな雲が北西の風に吹かれて泳いでいく。

今回はロッドをマイザーの13フィート、5/6番のMKSにすることにした。
リールシートにセットしたFarlexの3 3/4"S-Handleには480grのスカジットコンパクト(F)が巻き込んである。
そしてティップには自作の15フィートのT-11を繋げた。


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気になっていたランの2ヶ所を2回も流してみたけれど、ゆっくりとスイングするフライに何も違和感を感じることはなかった。
今日も結局先週の忘れ物を見つけることは出来ないのかと、ブツブツと独り言を思わず呟いている自分にハッと我にかえる。
風に揺れた木立の幹が擦れ合い、キーキーと鳴き声のように響いてきた。
日が陰ると一気に体感気温が下がってしまい初冬の釣りの様相を呈していく。

最後に訪れたランでやっと僕は2尾のアメマスの躍動感を感じることが出来た。
決して大きくはないサイズだけれど、僕にとってはあっけなくもあり、反面どこか報われたような嬉しい出合いでもあった。

まだ15時半だというのにフィールドに映った僕の影が長く伸びている。
そんな影は夏の影とは違ってどこか物寂しいもののように僕には思えた。
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by slowfishing-yun | 2016-12-04 15:07 | Fishing Reports | Comments(4)
2016年 11月 27日

<Episode #299> 2バイト、2テイク、2アディオス&ノーフィッシュ

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空は冬色の雲に覆われていたけれど、風が思ったよりも穏やかな道南のフィールドだった。
数名のアングラーがロッドを振る日本海らしい青白い海の色をした島牧海岸を通り過ぎ、さらに南下して後志利別川を車は目指す。
数日前に降った雪でフィールド一面は予想以上に雪色に覆われていた。
本流の水位は思ったよりも低く、僕はRIOのiShortの先に結ぶティップの選択に少々迷ったかな。


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冷たい本流におそるおそるウェーディングし、体感する流れの速さと水深でティップを15フィートのT-11にすることにした。
ネオプレーンウェーダーのブーツの底から僕が感じるのは、小さな礫からなる後志利別川らしいフワフワとした柔らかさだろうか。
11月も末ともなると明るい時間はあっという間に過ぎてゆき、あたりが暗くなり始める日の入りは16時過ぎ。
期待していた後志利別川のアメマスからのコンタクトが訪れない時間が続き、お昼過ぎには尻別川への移動も考えたけれど、
なるべくなら少しでも長くロッドを振っていたいので、友人たちと相談の末、そのまま一日を道南の本流で過ごすことにした。
結局イブニングライムまでの間に僕らが巡ったポイントは5ヶ所となった。


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道南の本流はとにかく透明度の高い静かで穏やかな流れだった。
コーンヘッド仕様のブラスパイプのチューブフライもティペットの先に結んだけれど、3ヶ所目の少し深みのある流れからは、
先週に巻いたビーズヘッド仕様の小さなオリーブのウーリーに結び換えた。

小刻みなトゥイッチングにショートリトリーブを加えたスイングの終わりかけに、グーゥンとラインに負荷がかかる。
手にした"Black Spey"仕様のロッドのバットからの曲がり具合からして、2度目のテイクはなかなか悪くないサイズのお相手だった。
でも慌ててリールにラインを巻き込み、さあこれからという時に何度目かのヘッドシェイクで残念ながらアディオス。
水面に向かって鋭角的にピーンとテンションのかかったラインから、それと同時に躍動感が失われてしまった。
ほんの少しでもいいから全身に白点を散りばめたその姿を見てみたかったなぁ・・・。
そして、ショートバイトも含めて今日はこんなことばかりが続く。
どうやら今年の僕の本流での釣りを象徴しているかのようだ。

イブニング近くなると気温も下がり、さすがにロッドのガイドにも冬の訪れらしい氷の塊ができ始める。
例年ならこの時期ともなると十勝川の下流域に足を運ぶのだけれど、伝え聞くところによるとコンディションがあまりよくないとのこと。
そんな訳で、また機会がれば気温が上がりそうな時にでも道南の本流に足を運んでみようかと思う。
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by slowfishing-yun | 2016-11-27 18:08 | Fishing Reports | Comments(4)
2016年 11月 21日

<Episode #298> 週末は1100kmオーバーの釣り旅

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さすがに4人分の荷物を車のカーゴルームに積み込むと、僕の車もリア側が少し沈んだ姿勢になった。
札幌の自宅を出発したのが深夜の2時。そして車が目指した先は道東の屈斜路湖。
本当は十勝川アメマスキャンプと称して友人たちと十勝川の下流域で過ごす予定だったけれど、
夏の台風などの影響で本流のコンディションが良くなく、今回は恒例のアメマスキャンプを中止して行き先を大きく変更したのだった。
早朝にフィールドに辿り着くと、波ひとつない鏡のような湖面の屈斜路湖が存在感たっぷりと僕らの目の前に広がる。


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風がそよとも吹かない屈斜路湖で僕がキャスト&リトリーブした回数は、おそらく30回にも満たなかっただろうか。
平日の夜に時間を見つけて少しだけ巻いたフライも、何事もなかったように戻ってくることの繰り返し。
時折り岸際で小さなウグイと思われる小魚の作る波紋が、ポワーン、ポワーンと広がる。
それにしても釣りにはとてつもなく不向きな穏やかさに満ち溢れた屈斜路湖だっただろうか。

友人たちと相談して、今度は東の果ての小さな沼へと大きく移動することにした。
それにしても極東の茫洋とした風景は北海道に住んでいながらも独特と感じることがある。
そんな極東の小さな沼でやっと小さなアメマスが僕のフライを見つけてくれた。


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翌日は屈斜路湖の川湯の小奇麗な温泉宿からさらに大きく移動する。
目指した先は太平洋側を流れる日高幌別川。
雪のないフィールドで初めてスイングの釣りを楽しんだけれど、結局スイングするフライに生命感が得られないまま時間が過ぎていった。

トータルの移動距離はおそらく1100kmオーバーだと思う。
きっと釣りをしていた時間よりも車で移動していた時間の方が長かったかもしれない珍道中だった。
こんな長距離ドライブは僕にとっても初めてだし、これからも友人たちとはことあるごとに話しの種になるのだろう。
もちろん笑い話のひとつとしてではあるが・・・。
でも一番印象に残ったのは、車の中で117クーペの話をしていた時に、偶然にもその117クーペとすれ違ったことだろうか。
こんな奇遇はタイミングがあまりにもよすぎてちょっと怖いぐらい。
きっと今回の釣り旅は鱒ではなく117クーペに出会う釣り旅だったのかもしれない。


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by slowfishing-yun | 2016-11-21 21:54 | Fishing Reports | Comments(10)
2016年 11月 13日

<Episode #296> 初冬の湧別川

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いつのまにかフィールドは少しずつ晩秋から初冬へとシフトしているようだ。
とりあえずガレージの奥から引っ張り出してきたスノーシューを車のカーゴルームに積み込むことにする。
週末は積雪の多い天塩川にするか、それとも工事による濁りは収まったけれど水位の低い湧別川にするかで随分と迷った。
きっと天塩川なら駐車スペースを探すのに苦労し、さらにスノーシューが必須アイテムとなるだろう。
masaさんと相談の末、湧別川へと車を走らせることにする。


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ロッドはMeiserの12フィート6インチのMKS、コスメは黒いグリップがお気に入りの"Black Doctor"仕様。
リールはSaracioneのMk.V 3 1/2" オールブラック。
ラインはRioのiShort475grに15フィートのT-11やT-8の組み合わせ。
この日はプラス気温だったけれど、これから気温がさらに下がるとお気に入りのS-Handleのリールたちは春までしばらくの間お休み。

河口からそれほど遠くはないせいか、フィールドではカモメの姿をよく見かけた。
頭上には雲のすき間から初冬の青空が顔を出し、フリース地のグローブがなくても何とか釣りには支障がない。
それにしても予想よりも水位が低くて川幅も狭いから、お気に入りのロッドでは少々物足りなさを感じてしまう。
最初の2ヶ所のポイントでは残念ながらノーバイト。
水温の低さで僕の足先はすでにジンジンと痺れている。


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ティペットの先にはコーンヘッド仕様のチューブフライ"Interaction"のESLやエッグパターンの”Snaelda"を結ぶ。
3ヶ所目に訪れたポイントでやっとこの日初めての躍動感がお気に入りのロッドに訪れた。
やはりお相手はレインボーではなくプリプリのコンディションのよいアメマス。
そのあとも同じランで3度ほどアメマスらしいサカナとやり取りしたけれど、残念ながらすべてアディオス。
ロッドの曲がり具合から、おそらくもう少しサイズアップしたアメマスも混じっていたと思う。

濁りが落ち着いても台風による増水の影響が強く残っていた湧別川だった。
お気に入りだったポイントはすべて様変わり。
来春に訪れることがあれば、きっとポイント探しから始まるのかもしれない。
それも考えようによっては楽しみのひとつととなるのだけれど・・・。

今年の本流でのスイングの釣りもそろそろ終わりだろうか。
何となく物寂しい気分になりながら、リールにラインを巻きこむことにした。
                                                             50.48

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Today's BGM :


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by slowfishing-yun | 2016-11-13 16:36 | Fishing Reports | Comments(6)