カテゴリ:Fishing Reports( 150 )


2017年 08月 06日

<Episode #339> 8月の本流 / 湧別川

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存在感の薄い霧雨のような小雨が降る湿度の高い8月のオホーツクの本流だった。
ハイウェイの途中からABUさんがハンドルを握ったmasaさんの車の外気温計が、峠の頂上付近では確か14℃を表示していたと思う。
札幌は夕方からすでに曇り空で、深夜にはこれから降り始める雨を予感させた。
そしてフィールドでは8月の存在感の薄い小雨が、アングラーにレインジャケットを羽織るべきかどうか、とてもちっぽけなことだけれど、最後まで迷わせ続けた。


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この日はフィールを歩いていると、なんだかいつもとは違う不思議なにおいがフィールドでしたように思う。
おそらくそれは気温と水温の上昇によるもので引き起こされたものなのだろう。
冷たさや新鮮さとは対極にある流れのない澱んだようなものだった。
なかなかそれが何のにおいか僕には思い出せなかったけれど、あるとき不意にそれが子供の頃に飼っていたカエルやおたまじゃくし、それにカメなどの水槽のにおいと同じなことを思い出した。
おそらくフィールドのコンディションも決していいものではなかったのかもしれない。


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R.B.Meiser 12'6" 6/7wt MKS "Black doctor"
Saracione Mk.V 3 1/2" All black
Airflo Skagit Switch 480gr + Rio 15' 8wt Type3
2.5号のフロロカーボンのティペットの先にNo nameのウエットフライを結び、少し流れの速い浅瀬で対岸めがけてキャストしていると、着水してスイングを始めたフライが不意にグゥンと引き込まれる。僕がもしかしたらと期待していた少し水深のある深瀬のポイントがさらにステップダウンした少し先に控えていたものだから、フライへのテイクに心の準備が出来れていなくて、正直かなり慌ててしまったけれど、水面下に現れた色鮮やかなレッドバンドにさらに追い打ちをかけられてしまう。
ABUさんにランディングをヘルプしていただいたレインボーはサイズこそMサイズだけれど、とても美しいバランスの取れたレインボーだったかな。

レインボーを静かにリリースすると、いつの間にか頭上には夏ゼミの鳴き声と共に夏の空が広がていた。
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by slowfishing-yun | 2017-08-06 19:10 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 07月 31日

<Episode #337> 霧のち快晴


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本流の川面が深い碧色と傾きかけた夕日のオレンジとに染まり始めた土曜日のイブニング前の出来事だった。
僕がキャストしてスイングするフライに何の変化も起こらないことがすでに80m以上ステップダウンしても変わらず続いていただろうか。
川幅がギュッと狭まる対岸のテッシといういくつかの大きな岩盤が集まったエリアを過ぎると、今度は本流の川幅が少しだけ広くなって流速が若干だけれど遅くなった。
何の前触れもなくふと何気に下流へと視線を向けると、まるでタイミングでも見計ったかのように偶然にも25mほど下流の岸際近くでサーモンサイズのレインボーが重量感のある炸裂音と共にライズする。



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僕は若干ピッチの速まった呼吸を整え、下流で一度だけ姿を見せたレインボーとのおおよその距離をもう一度確認する。
流芯からゆっくりと岸に向かってスイングしてくる#4番のストリーマーフックに巻いたコーンヘッド仕様の黒のInteractionに少しだけアクションを加えていると、まるで僕の頭の中で描いたイメージ通りにグゥンと重量感のある負荷が掛かった。
最初は根掛ではないのかと一抹の不安もあったけれど、ロッドに掛かる負荷は徐々に躍動感を伴った力強いものへと変化していく。
僕が手にした"Solar eclipse"はバットの付け根からグンニャリと曲がり、これは久しぶりのトロフィーサイズとのランデブーと思った瞬間、フッとテンションがどこかへとスポイルされたかのようにフェードアウトし、残念なことにあのレインボーとはアディオスしてしまった。やっぱり束の間の短い盛夏のランデブーだったかな。



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理由は定かではないけれど、数日前からテレメーターの表示する本流の水温が18~20℃を推移していたこともあり、7月最後の週末を天塩川で過ごすことにした。
予想通り前回訪れた時(23℃前後)とは違って、そっと本流に手を差し入れてもそんなに生温いという感想は抱かなかったと思う。
7月末ということもあってか、僕が足を運んだポイントではほとんど他の釣り人に出会うことはなかった。
おかげで訪れる釣り人が少ないせいか、車を止めてポイントまでのアプローチには踏み跡もなくすっかりイダドリなどの草木が生い茂ってしまっていて、ルートを見つけるのにかなり苦労をしたかな。



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やっと天塩川の本流レインボーらしいMサイズに出合えたのは、正午を知らせるサイレンが鳴り終わったあとだった。
フィールドではスカジットコンパクトのフローティングと15フィートのT-14を組み合わせたラインシステムでほとんどを通した。
朝から5ヶ所目のポイントの瀬頭からステップダウンし始めて、流速が少し落ち着き始めた頃にやっとスイングするフライを何の前触れもなく抑え込むようにしてひったくってくれる。
天塩川では時々出合うことのある顎の下部をまるでペリカンやカエルのように膨らませた、そのサイズ以上のパワフルさを兼ね備えたレインボーだった。
レインボーをリリースするとフィールドには夏ゼミの鳴き声が響き、おそらく気のせいだけれど盛夏の暑さの中で少しだけ風が動いたような気がした。



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週末は2日間とも朝はフィールド全体に白いガス状の霧が掛かり、いつも目にするフィールドとはまた一味違った幻想的な雰囲気を楽しませてくれる。風の存在感は皆無だった。虫の音、川のせせらぎ、野鳥に囀りなどが静かにフィールド全体を覆う。逸る気持ちを抑えつつ、もしかしたら一番心地が良い時間なのかもしれない。
やがて霧が晴れると今度は一気に夏ゼミの鳴き声と共に青空が顔を出してくれた。
それは抜けるように青い夏の青空だったと思う。
                                                    67.95


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by slowfishing-yun | 2017-07-31 23:13 | Fishing Reports | Comments(8)
2017年 07月 17日

<Episode #334> オホーツクの本流と小さな山上湖

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車のカーゴルームに釣りのタックル一式と車中泊セットを積み込み、7月の連休をオホーツク方面で過ごした。
確かに天塩川で過ごすというプランも僕の頭の中をよぎったけれど、連休にカヌー下りが予定されているのと、今回は少しでも水温が低そうな湧別川に足を運ぶことにする。
ここ最近の北の大地は連日暑い日が続き、特に初日の土曜日は30℃を超える思わず頭がクラクラとしてしまいそうな真夏日だった。
ペットボトルに入れた水で時折ゴクゴクと乾いた喉を潤すなどこまめな水分補給を取りながら、炎天下の下で去年までとはすっかり様変わりしてしまった本流の新たなポイント探しに川原をたっぷりと歩いただろうか。


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初日の記念すべき第1投目で僕のスイングするフライをひったくり、リールの激しいスクリーミングサウンドを伴った下流への猛烈な疾走と計6回のジャンプで僕にすっかりLサイズ半ばの本流レインボーだと勘違いさせた予想外の魚との出合いには本当に驚かされた。
何しろランディングネットに入るまで、これっぽっちも僕は本流レインボーじゃないとは疑いもしなかったぐらいだから。

早朝の予期せぬ出合い以来、GoogleMapの航空写真を頼りにいろんなポイントを探索してみたけれど、この暑さと遮る物がない頭上からの日差しのせいか、僕がスイングさせるフライにはコツリともアタリは訪れない。
イブニングにもう少し何かしらの虫のハッチでも起これば、少しは状況が変わるのかもしれないのだけれど・・・。


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久しぶりにMeiserの12フィート6インチ、6/7番のMKS "Black doctor"を使ってみた。
ロッドにセットしたSaracioneのMk.V 3 1/2" All blackには、480grのスカジット・スイッチが巻き込まれている。

今回もいつものように少しInstagramで写真を加工してみたけれど、それだけで雰囲気というかイメージが変わるからなかなか面白いと思う。特にピントというかボカシは奥が深くてなかなか面白いなぁと思った次第。写真の雰囲気はちょっとミニチュアというかジオラマ風になるのだろうか。おそらくPhotoshopで加工すればもう少し丁寧に仕上がるのかもしれないけれど、このラフさもなかなか悪くはないと思う。


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お昼前から天気が崩れるという予報の日曜日には朝から数ヶ所でフライをスイングさせてみたけれど、結局生命感が感じられないままノーバイト。少し早めに本流を離れ、オホーツクの山上湖へと車を走らせた。
冷たい湖水にゆっくりと慎重にウェーディングする。実は他のアングラーの姿をまったく見つけることが出来ない山上湖に僕が何かしらの不安を少し覚えたのは確かなことかな。
ゆっくりとあたりを見渡すと湖の真ん中にまだいくつかの大きな流木が残されているなど、去年の台風の影響がまだいたるところに少し残っているようだ。

ランニングラインをリトリーブする指先にグゥンと違和感を感じて、僕はやっと安堵というかホットしただろうか。
小さなレインボーやアメマス達だったけれど、オホーツクに山上湖が少しずつ回復してきているようで、なぜだか少し嬉しくなってしまったような気がする。
                                       50.88

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by slowfishing-yun | 2017-07-17 17:33 | Fishing Reports | Comments(4)
2017年 07月 10日

<Episode #333> 不思議な感覚

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ジリジリと容赦なく照り付ける紫外線をたっぷりと含んだ初夏の日差し。
そんな7月の日差しがギラギラとこの上なく眩しく感じられたと同時に、僕にはなぜかしらとても薄い皮膜か何かに覆われているようにも感じられた。
おそらくそれは、久しぶりに好天に恵まれたフィールドで過ごす週末だったことも一つの要因なのだろう。
北のフィールドは早朝からこの日の気温の上昇を予感させる兆候ですでに満ちていたように思う。
それはある意味僕と鱒との出合いをさらに難しくさせる兆候とも言えなくはないのだが・・・。
やがて気温がまるで羽でも生えたかのようにみるみると上昇していくと、なんとなくフィールドがこれまでのものから少し変化したように僕には感じられたのだった。


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野鳥の囀り、本流の奏でる音色、風の音などフィールドでこれまで耳にしたり感じていた音色がなぜか不思議といつもよりも遠くに感じるのである。
木立から響いてくる野鳥の囀りも、もしも曇り空ならまるですぐ隣で囀っているのではと思うぐらい近い距離に感じるのだけれど、なぜかこの日はとても遠いところから微かに聞こえてくるような感覚だった。
まるで蜃気楼のように暑さと熱気で感じ方に歪みを感じるようなものだろうか。
少しリアリティに乏しい感覚が僕にはとても不思議な感じがして印象的だったかな。
そんな不思議な感覚を感じながら、生温かいとさえ感じる本流にウェーディングし、キャストとスイング、そしてステップダウンを何事もなかったかのように繰り返す。


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今回の天塩川では30℃を超える気温の中、僕としては汗をかきながもかなりの距離を歩いたように思う。
テレメーターが示す23℃近い水温はさすがに鱒との出合いが難しいように思えたこともあるけれど、この機会にとロッドを手にしながら僕がいつも足を運ぶポイントの対岸側をリサーチしてみた。
それにしても対岸から見る風景は、まるで別のポイントか別のフィールドにでも足を運んだんじゃないかと思うぐらい、なかなか新鮮なものに僕には思えた。
実は対岸の岸際からすぐにスリット状の岩盤になっていたりと、いつもウェーディングする側からだとまったく気づかなかった事がたくさんあっただろうか。
それにどうしても素敵に見える対岸のポイントが、いざ足を運んでみるとそれほど魅力的じゃなかったということだって・・・。
そんな訳で、なかなかいつもとは違った不思議な感覚を感じることが出来た天塩川で過ごした週末だったかな。
                                  68.01→67.91

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by slowfishing-yun | 2017-07-10 23:50 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 07月 02日

<Episode #332> 7月の雨

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7月に降った最初の雨は、まるでミストのような存在感の薄い霧雨だった。
少し前まで乾いていた夏用の青い小さな花柄のプリントシャツが、そんな雨に濡れると少しずつ重くなっていくのを感じる。
のっぺりとした厚い雲が隙間なく7月最初の空をどこまでも覆っていた。
高い湿度のせいか、少しの風でもその重さを肌で感じとれるほどだった。

土曜日の早朝から、とても濃いオリーブ色をした天塩川本流の流れがとうとうと僕の目の前を流れていた。
テレメーターの濁度計はどうやらまだメンテナンス中のようで、濁度の数字はしばらく表示されていないけれど、感覚的には8から10程度といったところだろうか。
確か膝下までウェーディングしてシューズのつま先がかろうじて見えるぐらいだから、透明度はおよそ50㎝ぐらいかな。



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3ヶ所目に廻ったポイントでは流れの緩くなる下流側からまわり込み、今シーズンになって初めてお気に入りの中州に渡ってもみた。
そして2つのラインシステムでこのランを釣り下ってみるとこにする。

まずはフローティングのスカジット・コンパクトに15フィートのType3のティップの組み合わせ。
ティペットの先に6番のBlack Sedgeに巻いたシルバーマーチブラウンを結んで釣り下ってみた。
次にティップを15フィートのT-14に交換し、ティペットの先にはコーンヘッド仕様のチューブフライ"Interaction"を結んで1回目よりも少し深いレンジでフライをスイングさせてみたりする。

時間をかけて丁寧に2度のステップダウンを繰り返したつもりだけれど、結局このランではアタリすら僕には感じられなかった。



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河畔林がオーバーハングしたヒゲナガの瀬で今度は6番のBlack Sedgeに巻いたマーチブラウンをスイングさせてみる。
ヒゲナガはほとんど見かけなかったけれど、それでもスイングの終わりかけにまるでカツンと音でも響いてきそうな鋭角的な衝撃と共に小さなレインボー達が元気に顔を出してくれた。


午後から訪れた岩盤のせり出したプールのポイントでType3のティップの先にコーンヘッド仕様のチューブフライ"Interaction"のブラックバージョンを結び、ゆっくりと流れをスイングさせてみる。
フライが着水し、ラインが下流へと膨らんでフライが魅力的にスイングし始めると、下流に膨らんだラインの先端の少し上流でMサイズのレインボーがジャンプした。
そして2度目のジャンプで、そのレインボーとは確実にフッキングすることもなくアディオス。
どうしようもないかもしれないけれど、僕にとってフッキングは今後も課題かな。

雨音に交じって僕の頭の中ではこんな曲が流れていた。
どこかノスタルジックな雰囲気と透明感の漂う"July Skies"の曲。
僕にとっての最初の7月の空は、残念ながら雨雲に覆われていたけれどね…笑
                                   68.08→67.97

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by slowfishing-yun | 2017-07-02 17:52 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 06月 25日

<Episode #331> 雨の中の新しいポイント探し

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北のフィールド・天塩川に近づくにつれ、ヘッドライトに照らされる夜のアスファルトが雨に濡れて少しづつ光沢を帯びながら黒く染まり始めた。
この週末も北の本流・天塩川で車中泊をしながらのんびりと過ごす予定でいたけれど、土曜日の夜にまとまった量の雨が降るという天気予報。
6月の天気は相変わらず予測するのがなかなか難しいし、週末アングラーの淡い期待は外れてばかりだろうか。
とりあえず車のカーゴルームからシュラフなどの車中泊セット一式を運び出し、Moriさんの荷物を載せるスペースを確保する。



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6月の雨が降り続ける中、いつも足を運ぶレギュラーポイントだけでなく、今回はMoriさんのガイドとGoogle Mapを頼りに、僕がまだ足を運んだことがない天塩川のポイント数ヶ所に初めて足を運んでみることにする。
それにしてもどのポイントもワクワクするぐらい魅力的で、さまざまな表情を見せてくれるポイントだった。
折をみてのんびりとリサーチしてみようと思っているけれど、僕としてはこんなポイントでイトウではなく本流レインボーに出合えたらいいなぁと思った次第…笑。
雨に濡れた艶やかな緑とカジカガエルの鳴き声、それに野鳥の囀りが印象的な6月最後の週末だったかな。
年を追うごとに本流レインボーに出合えるチャンスは少なくなってきているように感じるけれど、フィールドで過ごす時間はやっぱり他のものでは代えられないぐらい得るものがあると思っている。
                                             67.95


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by slowfishing-yun | 2017-06-25 17:20 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 06月 19日

<Episode #330> イブニング前のアディオス


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僕が手にしたロッドはマイザーの14フィート、7/8番、MKX。
そしてお気に入りのリールに巻かれたラインは、エアフロのスカジット・F.I.S.T(600gr)に自作した15フィートのT-14のティップの組み合わせ。
フロロカーボン3号のティペットの先にはコーンヘッド仕様の黒のInteractionを結ぶ。
それにしても、これから本格的にヒゲナガが飛び交うであろうイブニングのプライムタイムを前にして、このラインシステムはちょっと無理があるのかもしれないけれど、僕がイブニング前にどうしてもひと流ししておきたい早瀬から続く深いプールを形成したポイントがあった。



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イブニングを前にして賑やかになり始めた野鳥の囀りを耳にしながらワンキャスト&スイングごとにゆっくりとステップダウンを繰り返す。
ステップダウンを繰り返していくと徐々にプールの水深が深くなっていき、フライのスイングスピードが少しずつ遅くなっていった。
僕は乏しくなったフライのアピール力を増せやしないかと、トリガーのように指に掛けたランニングラインをピョコピョコと動かしてはフライにイレギュラーなアクションを加えてみる。
そしてこの深いプールを形成したポイントの僕がカバーすることが出来る範囲のちょうど半分あたりまで、フライが何一つ異物の触れることなくステップダウンしてきたあたりだった。
流芯をゆっくりと横切っているフライが何の前触れもなくいきなり強烈かつ強引なパワーで引き込まれ、グゥアン、グゥアンと久しぶりにロッド全体が激しくバウンドする。
それはあまりにも暴力的で、僕の経験的にも紛れもなくレインボーのものだった。
でも、それからほんの数秒後にはレインボーとのあれだけ鮮烈だったコンタクトもフッと跡形もなく消滅する。
つまりいつものようにアディオス。
ほんの数秒間という短い間に、この少ない光量の中どこで写真を撮ろうか、どんなアングルにするかまで考えていたのに…笑。
どちらにしてもあの遠慮のない強引さというのは、本当に鮮烈な印象と余韻の残る記憶をアングラーに残していくようだ。



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土曜日の午前中は深い霧に包まれた天塩川だった。
幻想的な雰囲気の漂うフィールドは本流の奏でる音色と野鳥たちの囀りで占められていた。
やがて霧が晴れ、エゾハルゼミの蝉時雨が途切れない、6月らしい好天に恵まれた週末だった。
冷たさが伝わる本流は、おそらくレインボーにとってもなかなか心地の良い水温だったのではないかと思っている。
ただ相変わらず、僕がスイングさせるヒゲナガを模したウエットフライには小さなレインボーしか相手にしてくれなかったけれどね(笑)。

オレンジ色が眩しいパタゴニアのヒップパックはショルダー掛けにしてもなかなか使い勝手がいいようだ。
愛用している折りたたみ式のフォールディングネットも何とか掛けられそうだから、今年はフィッシングベストを着なくても釣りが楽しめそうな気がする
                                     68.07→68.00


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by slowfishing-yun | 2017-06-19 22:42 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 06月 12日

<Episode #329> 6月の雨音

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6月の冷たい雨が降り続いていた。
そんな冷たい雨が車のルーフに当たって奏でられる雨音のリズムがとにかく印象的な週末だったと僕は思う。
もしもそれが規則正しいリズムを刻んでくれる音色であればまだ心地良い眠気を誘ってくれるのかもしれないけれど、強弱のある音色にイレギュラーなリズムとくれは、聞き耳を立てているものとしてはその気持ちをいやおうなしに不安にさせられる。
明日は釣りになるのだろうか?
そんな僕の気持とまるでシンクロしたかのような不安定な天候が続いた週末だった。
おまけに遠くから雷鳴がかすかに数回も聞こえてくるものだから…。


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朝のうちはまだ雲の隙間から陽も射すぐらいだったから、おそらく雨の存在感も薄かったかもしれない。
リールから素敵なスクリーミングサウンドを奏でてくれそうなグッドサイズのレインボーとの出合いを期待していた僕が最初に訪れたランの始まりでは、期待に反してすぐ下流に今年は大きな倒木が横たわってしまっていて、どうスイングを工夫しても上流からフライを送り込めず、せっかくのポイントが倒木で塞がれてしまっていた。
でもここのバックスペースがほとんどないポイントでは収穫が一つあった。
先週にオレゴンの工房から送られてきた14フィートが13フィートになった7/8番のMKXだけれど、これがエアフロの540grのスカジット・スイッチとの相性がすこぶる良いようで、これは今後の釣行が非常に楽しみになっただろうか。



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フィールドにたくさん咲いていたあれだけの黄色いタンポポの花は、1週間も経つとすっかり綿帽子に様変わりしていた。
タンポポの花が咲き終え、このリラ冷えのような寒さがひと段落すると、北の大地にもすがすがしい生命感に溢れた賑やかな初夏の季節がやってくるのだろう。

やがて6月の冷たい雨がアーミーグリーンのガイドジャケットの袖口からジンワリと染み込んできた。
決して激しい雨ではないけれど、それでもこの雨で本流の水位がほんの少し上がったかもしれない。
そして翌朝には水位だけでなく本流の濁度も少し上がってしまったようだ。

ヒゲナガのシャンクが上流からたくさん流れてきて、河畔林の木の枝の下からはヒゲナガが数匹飛び出しても来た。
全般的に表層をスイングさせるウエットフライへの反応が良かったけれど、藪をこいている最中にジャケットのポケットからウエットフライが詰まったフライケースを落としてしまったようだ。
残念な気持ちでいっぱい、唯一残ったのがダンケルト風のスペイフライのみ。また少しずつタイイングしないと…笑。

シーズン前に泥をかき出して少し整備されたと思われる用水路を伝って本流に出た。
目の前に天塩川らしい深いグリーン色をしたトルクフルな流れが広がている。
そこから下流へと相変わらず何事も起こることなくかなりの距離をステップダウンし、そろそろ僕がレインボーとの出合いを諦めかけた時、着水した黒のInteractionがスイングを始めて間もなく、いきなりグゥンとロッドが引き込まれた。
決して大きくはないサイズだけれ、このサイズのレインボーにも関わらず鰭がオレンジ色に染まっていた。
そんなレインボーをそっとリリースする。
するとガイドジャケットの袖口から今度は冷たい6月の本流の水がジワっと染み込んできたのだった。
                          68.07→68.23→68.17

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by slowfishing-yun | 2017-06-12 22:55 | Fishing Reports | Comments(2)
2017年 06月 04日

<Episode #327> 北の本流


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カレンダーではもうすでに6月だというのに、季節外れの寒波が北の大地を包み込む。
そして土曜日に訪れた北のフィールドでは冷たくて強い風が木々の幹や新緑の葉をガサガサ、ギーギーと揺るがせ続けていた。
濃淡の乏しい色彩を欠いたようなモノトーンの空が頭上を覆いつくす。
遠くの緑が白く霞み始めると、やがてパラパラと存在感の薄い小雨も降った。
朝夕の気温は5℃前後。
きっとエゾハルゼミもこの寒さでは木々の葉の裏で震えているに違いない。



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数日前にオレゴンの工房から修理を終えて戻ってきたMKXを使ってみることにする。
14フィートの7/8番のスペックで、コスメは不思議な色合いのグリーンが特徴的な"Copenhagen Green"。
そして、オールブラック仕様のサラシオーネの4”のサーモンリールとの組み合わせは、特に僕のお気に入りのコンボのひとつ。
なんとなくこの黒のコンボだとリールのハンドルが描く柔らかいS字のカーブがさらに浮かび上がるような気がするのだが・・・。
一度バットセクションのフェルール近くをキャスト中に折ってしまったけれど、工房のNicがうりふたつのロッドをもう一度組み上げてくれた。



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半年ぶりに天塩川のポイントをいくつか彷徨った。
Moriさんに案内してもらったポイントは、ヒグマの気配がプンプン。決して朝夕に一人では近づきたくはないかな。

テレメーターの濁度計はどうやら故障しているようだけれど、フィールドで僕が感じる本流の濁度は5~6前後。
薄っすらと白さの混じった淡いモスグリーンの流れがいつものように力強く流れていき、時間が経つにつれて透明度が少しずつ増していった。
早朝らしい野鳥のさえずりでフィールドは包まれていたけれど、この寒さの中でヒゲナガの姿は一度も見ることはなかった。
夕方前には少し風が弱まり小さなカゲロウがハッチしていて、川面スレスレを滑空するように小さなツバメが飛んでいる。
もしも好天が続けば、そろそろウエットフライの釣りが楽しめるようになるかもしれない。
ウエットフライが入ったフライボックスも用意しておかないとね。
                                     68.10


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by slowfishing-yun | 2017-06-04 17:37 | Fishing Reports | Comments(4)
2017年 05月 28日

<Episode #327> Sea running rainbow trout(or Steelhead?)

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濃淡の乏しい淡い灰色に染まった渚滑川の空に、一日を通して何かしらの変化が訪れることはなかった。
野鳥の声を掻き消すような風の存在もこの日は特に薄かったように思う。
それでも朝にはこの日の運動会の開催を告げる花火の音が遠くから聞こえてきただろうか。

まるでそんな空の淡い灰色をそっと流し込んだような雪代が混じった渚滑川本流の流れが僕の目の前をとうとうと流れ続けている。
浮島峠にはまだ残雪が残っていたぐらいだから気温、それに水温ともまだまだ低く、早朝のフィールドは6℃前後とかなり低い。
フリースのジャケットを着たくなるぐらいに肌寒かった。


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Meiserの13フィート、5/6番のMKSにFarlexの3 3/4" S-handleのリールの組み合わせは、僕にとってお気に入りの組み合わせ。
まだまだ放流されて間もないレインボー達だけれど、雪代混じりの速い流れに乗れば、リールの心地良い逆回転音を奏でてくれる。
それでも今シーズンは水温がまだまだ低いこともあり、そんなレインボーたちも活性がそれほど高くはなかったようだ。

ABUさんMoriさんとC&R区間の大雄橋から渚滑川を釣り下ってみることにする。
相変わらず気温は低いけれど風は穏やかで、いつもの春ゼミではなく野鳥の囀りと本流の奏でる川音に包まれているだけで気持ちが良かった。


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C&R区間から離れて、さらにその下流域を久しぶりに訪れてみることにした。
一番上流にいた僕が釣り下り始めて、まだ数歩しかステップダウンしていなかった頃だったと思う。
僕のiPhoneが突然鳴り始める。
ABUさんからの電話に何事かと出てみると、
ABUさんが興奮した声で「76、76」と連呼している。
そしてその声の向こうでMoriさんが「何だこれ?ニジ?もしかしてスチールヘッド?」と叫んでいる。
さっぱり状況がつかめないのでとにかく電話を切り、リールにラインを巻いて100mほど下流にいる彼らの方へと向かう。


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ギラギラとシルバーメタリックに輝く大きな鱗がまるで鎧のようなボディ、そして灰色がかった頭部の色が印象的だった。
天塩川で目にすることがあるLLや3Lサイズのグラマーでメタボリックな本流レインボーともまた雰囲気が違って、
まるで海から遡上してきたばかりのサーモンのよう無駄がない流線型のボディ。
とにかく言葉を失うぐらい美しいレインボーだったことに違いない。
サイズは76cm、おそらく海に降りたレインボートラウトなのだろう。
過去にC&R区間よりも下流域で何度か僕も本流レインボーには出合ったことはあるけれど、
20年以上も毎年のように渚滑川に足を運んでいるけれど、
このエリアでこのサイズ、さらにこのタイプのレインボーを見たのは初めて。

ABUさん、素晴らしい出合い、おめでとうございます。
素敵な魚を見せていただきました。
出合える確率は宝くじ並みでしょうか。
しばらくは思わずニヤッとしてしまいそうな余韻に浸れますね・・・笑。

おそらくこんな海からの遡上タイプと思われる本流レインボーにはお目にかかれないと思うので、僕も自分のタックルを横に置いて記念写真を一枚。
                                          36.12


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by slowfishing-yun | 2017-05-28 16:43 | Fishing Reports | Comments(6)