カテゴリ:Fishing Reports( 158 )


2014年 11月 24日

<Episode #77> キャンプ

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対岸のシルエットは淡くかすみ、薄い皮膜で柔らかく包み込まれたような十勝川だった。
今年もアメマス・キャンプと称して、大勢の友人達と十勝川下流域で2日間を過ごす。
(いつの間にか春と秋の恒例行事のようになってしまったかな。もちろんメインは夜の部、平和園の焼き肉ということで・・・笑)
十勝らしい寒さを心配したけれど、お気に入りのロッドのガイドは一度も凍りつくことはなく、フリース地のグローブもいらなかった。
そんなとても11月後半とは思えない暖かさの中で過ごした2日間だっただろうか。


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十勝らしい照りつける太陽の下、ラインシステムはスカジットコンパクト・インター+タイプ8のティップの組み合わせで通す。
2日目はこの時期特有の上流からの風が強まり、対岸の河畔林の幹が大きく左右に揺れていた。
アメマスは群れで移動するのかもしれないけれど、もしかしたら群れは別の場所へと移動したのかもしれない。
やはりタイミングがなかなか難しいかな。
出合えそうな時とそうでない時の何かしらの予感めいたものが僕には感じられるけれど、今回は後者の方。
残念ながらやり取りにドキドキ、ハラハラするような大きなアメマスには出合えなかったけれど、なかなか楽しい恒例のキャンプだった。
今度大勢で集まれるのは忘年会、それとも来年春のキャンプかな?(笑)。
                                                     1.88→1.98
                                                     1.97→1.93→2.03

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by slowfishing-yun | 2014-11-24 18:03 | Fishing Reports | Comments(16)
2014年 11月 16日

<Episode #74> 太いボディ / Tokachi River

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まるで流木か丸太のように太いボディ。
フリース地のグローブを外し、水の中でアメマスのボディを支えると、手にはずっしりとした重量感が伝わってくる。
数日前に巻いた空中分解する前のアメマス・ロケットを少し濁りの入った本流の中で気に入ってくれた十勝川のアメマス。
サイズにして、ナナマル・クラスの3Lサイズ。
6/7番のMeiser MKSをバットからグンニャリと気持ちよく曲げてくれた。


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出発前の札幌は雪が降っていた。
ハイウエイの長いトンネルを抜けると、融けた雪で黒く濡れたアスファルトが灰色の乾いたものになっていく。
気温が氷点下のフィールドには白霜がすべてのものの輪郭をなぞりながら降りていた。
乾ききった冷い風がフィールドで僕らを出迎えてくれる。
まずはロッドにアトランティックサーモンSH S3/S4 9/10(590gr)が巻かれたST.JOHNをセットした。


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オレンジ色のニット帽を被った僕の頭上には、この日も十勝らしい初冬を感じさせる冷たい青空が広がっていた。
8時頃を境にこれまでは穏やかだった風が徐々にその存在感を増し始める。
背後の河畔林からはキーキーとまるで鳴き声のように木立の幹が擦れ合う音が響いてきた。
最初のポイントでは悪くないサイズのアメマスにフックアウトされてしまう。
次のポイントでは、アメマスが少し沖合いのかけ上がりにステイしているのではと、この北西の風でも飛距離出そうな
スカジット・コンパクト・インター(540gr)+15フィート、Type8のティップが巻かれたMarquis Samon No.1にリールを交換する。


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それなりに水深のある足元がぬかるんだポイントでは、ほとんどバックスペースが取れない。
ストレスの掛かる窮屈なキャストだった。
ターンオーバーしたアメマス・ロケットが、下流へと膨らむスカジットコンパクトに引かれてゆっくりとスイングを始める。
やがてグーンと根掛かりのような負荷がロッド全体に掛かり、次第に振幅の大きなゆっくりとしたバイブレーションへと変わっていく。
極限まで張り詰めたティペットが強い北西の風を受けていつもより大きな糸鳴りを奏でてくれた。
大きなアメマスは僕の手にその重量感という余韻をしっかりと残して、濁りの残る本流へと帰っていった。
                                                           2.17→2.05

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by slowfishing-yun | 2014-11-16 17:49 | Fishing Reports | Comments(8)
2014年 11月 09日

<Episode #72> バウンドするロッド / 晩秋の十勝川

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指先に伝わる衝撃の後に、ガバッ、ガバッとヘッドシェイクにシンクロしながら川面が大きく炸裂し、僕には大きな尾びれが目に焼きついた。
ティップはType8だったけれど、きっとコーンヘッド仕様のイントルーダーはそれほど深く沈んではいなかったかもしれない。
ほぼクロス気味にキャストし、下流に向かってゆっくりと膨らむスカジットコンパクト・インター。
フライがラインに引かれてスイングし始めると、衝撃は僕から下流に向かっておおよそ斜め45度の角度で訪れた。


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早朝の気温は氷点下だった。
河畔林の木立の間から鳥達の囀りが聞こえてくる。
透明感のある白い霜が輪郭を彩ったパリパリに乾いた枯草や枯葉を踏み分けながらゆっくりと本流を目指す。
きっと今日も11月としては暖かな一日となるのだろう。アングラーとして何となくそんな予感がした。


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ブルーの空とのコントラストからも、フィールドの秋はゆっくりと深まっているように感じられる。
鏡のような川面にも、柔らかく秋の乾いた風が吹くと、生命感のような淡い小波が息づき始めた。
ぬかるんだフィールドに足を踏み入れると、思っていたよりも本流の流れはあったかもしれない。
そういえば、夜空には大きな丸い月がポッカリと浮かんでいたから、きっと午前中はそういう潮周りなのだろう。
土手の上に登ると、対岸にウェーディングした友人ふたりの姿が小さく見えた。きっと彼らも素敵な釣りをしているに違いない。
午前中にはmoriさんに3Lサイズのアメマスが微笑み、
そして僕とandieloopさんには、それぞれにアベレージサイズのアメマスと少し大きめのアメマスが顔を出してくれた。


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ガクン、ガクンとアメマスの振幅の大きなヘッドシェイクにシンクロしつつ、バットからグンニャリと曲がった僕のMKSが大きくバウンドする。
そして今度は一気に下流へと疾走し、#6/7番のMKSにセットしたClassic79から激しいスクリーミングサウンドを奏でた。
一瞬、遡上したてのフレッシュなサーモンかと思えるようなトルクフルなパワフルさ。
大きな尾びれと野太いボディ。
これがもしも道東の海だったらと思うと、この釣りに魅了され、大海原めがけてキャストするアングラーの気持ちも分からないでもない。
何とか無事に大きなアメマスをランディングすると、僕にはなぜかあの海アメ独特の匂いがしたような気がした土曜日の午後だった。
                                                      2.04→1.97→2.01

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Today's BGM : ヴィム・ヴェンダース監督の映画「WING OF DESIRE (邦題)ベルリン・天使の詩」より。久しぶりに聴いたかな(笑)。


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by slowfishing-yun | 2014-11-09 22:37 | Fishing Reports | Comments(4)
2014年 11月 02日

<Episode #70> Loop Classicと晩秋の十勝川のアメマス

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柔らかいカーブを描いたS字ハンドルを一番にイメージしてしまうバーミンガムスタイルのクラシックな雰囲気の漂うフライリール、
きっと何かの刷り込みはあるのだろうけれど、僕はやっぱりどんなデザインのフライリールよりも好きだろうか。
少し前にUsedでLoop社のClassic79というディスクブレーキ搭載のリールを手にいれた。
スカジットキャストがこれほどポピュラーではなく、僕がまだRio社のウィンドカッターというショートベリーのスペイラインで、
本流でのシングルスペイを楽しんでいた頃、何を間違ったのかLoop社のClassic1013という一番大口径のリールを買ってしまったことがある。
そのリールは今ではすでに手放してしまったけれど、Loop社のClassicというリールを手にしたのは、これで2台目ということになる。


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個性的なラチェットサウンドを耳にしながら届いたばかりの新しいリールにバッキングライン、ランニングライン、
それにスカジット・コンパクトのインター(540gr)と巻き込み、さて週末はどこのフィールドに足を運ぼうかと頭を悩ませる。
テレメーターで支流の水位変動の経過を見ながら、金曜日の夜には友人と十勝川へと足を運ぶことにした。
まずは十勝川下流域のアメマス、そして時期尚早であれば中流域のレインボーという贅沢な釣行プランである。
薄っぺらいプラスチック製のフライケースに、チャートリュースカラーのフライを慌てて詰め込んだ。


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早朝の気温はグッと冷え込んでいたけれど、フリース地のグローブを必要としない晩秋の十勝川。
そこには幻想的な朝靄に包まれた広大なフィールドが目の前に広がっていた。
早朝の湿りっ気のある独特のフィールドの匂いに優しく包み込まれる。
遠くからかすかに響く渡り鳥の羽音を耳にしながら、川底がぬかるんだ本流へとゆっくりとウェーディングした。
十勝川の下流域としては水位、それに濁度とフィールド・コンディションは申し分なかったと思う。


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十勝のフィールドに吹く風は秋の長閑さのように穏やかだったけれど、2.5号フロロ製のティペットの奏でる糸鳴りは何度か耳にした。
フィールドに静かにディープウェーディングし、ラインニングラインを少しずつリトリーブしてフライのスイングスピードを補っていると、
2キャスト目にはコーンヘッド・ゾンカーへのコツ、コツというショートバイトの後に、アベレージサイズのアメマスが顔を出してくれた。
さらに数m程ステップダウン。着水したフライにランニングラインを引いてテンションを加えると、いきなりズドンと鈍重なパワーでストライク。
水面から出た大きな団扇のような尾びれとバットからグンニャリと曲がる#6/7のMKSに掛かる負荷からは、経験的に3Lサイズオーバー。
でも、残念ながらこれは静かなまるで鏡のような十勝川の川面に大きな波紋を残しつつフックアウト。
きっとフッキングが浅かったのだろう。


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Type8のティップでは根掛かりが多いので、途中からはType6のティップに交換した。
さらに10mほどキャスト&スイングを続けながらステップダウンする。
下流へと釣り下っていったmoriさんの姿が少しずつ小さくなっていった。
リトリーブを加えたスイングの終わりかけ、僕のMeiser Rodにいきなり鈍重な衝撃が訪れる。
ロッドにセットしたLoop社のClassic79からパリ、パリ、パリと独特の音色を持ったスクリーミングサウンドが奏でられる。
ティペットが奏でる糸鳴りはしばらく鳴り止むことはなかっただろうか。
3Lサイズにはあと数cm足りないドーナツ状の白い斑点を身に纏った十勝川らしいアメマスだった。
アメマスはしばらく流れの中にステイしたあと、ゆっくりと少し濁った十勝川の流れの中へと消えていった。


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結局、中流域のレインボーへと移動することなく、土曜日という1日を下流域でのんびりと過ごすことになった。
午後も時間が過ぎるとブーツの中の指先がジンジンと冷えて痺れ始めたから、もしかしたら少し水温が下がったのかもしれない。
そろそろネオプレーンウェーダーの中に着用するインナーウェアーにも冬の釣りの準備が必要なようだ。
十勝川の本格的なアメマスシーズンが始まるのはもう少し先だろうけれど、寒さが厳しくなる12月中旬までフィールド通いは続くことになりそう。
                                                         2.10→1.96

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by slowfishing-yun | 2014-11-02 20:29 | Fishing Reports | Comments(18)
2014年 10月 26日

<Episode #68> レインボー / Salty Heaven River

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ちょっと寂しい気持ちもするけれど、もうすぐこの車ともお別れしないといけないのだろう。
すでに走行距離は193000kmを越えていて、ファンベルトやベアリング、それに電気系統にいくつかの不具合も。
悪路を走るから外見上はそれなりにヤラれてはいるけれど、エンジンの回転の方はすこぶる好調そのもの。
中古で購入してから6年目となる今年の12月で車検が切れるので、このV70XCと共に過ごした僕の釣り旅も、残すところあとわずか。
長い間ご苦労様と車の調子というかノイジーな異音に耳を傾けつつ僕はハンドルを握る。


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夜のキャンプ場で、お仕事の方はすでにリタイヤされたという初老のアングラーとお話をさせてもらった。
スペイというかスカジットを初めてまだ5年ぐらいという、とても穏やかな話し方をされる男性だった。
僕はもっぱらここではニジマスのことをレインボーと表記するけれど、友人達との会話の中ではレインボーのことをニジマスと呼ぶ。
そういえばこれまでに会話の中でニジとかニジマスという言葉は聞くけれど、レインボーと言うアングラーには出会った事が無かったかな。
夜のキャンプ場で交わされたさりげない会話なのかで、僕は初めてニジマスのことをレインボーと呼ぶアングラーに出会ったような気がする。
なぜだかよく分からないけれど、会話の中で耳にしたレインボーという言葉の響きには、不思議な違和感があっただろうか。
初老のアングラーの方が語られるレインボーは本当に美しいよねという言葉に、僕はただただ共感するだけなのだが・・・。


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僕の釣り旅、2日目となる金曜日、この日も秋の空はとても青く、フィールドに吹く風は爽やかそのものもだった。
空へと高く伸びたススキの穂が秋風に吹かれて緩やかに揺れる。
そんなススキの穂のように僕もフィールドを行ったり来たりと思いつくままに彷徨う。
北の本流のコンディションは水位は低いものの、深いブルーグリーンの水の色といい申し分なかっただろうか。


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僕が手にしたロッドにズゥンという強い衝撃が訪れたのは、この日の太陽が高く昇ったヒゲナガの瀬を中間辺りまでステップダウンした時。
もちろん遡上したり産卵行動に忙しいサーモン達の姿は皆無だから、ティペットの先にはE.S.L.ではなくコーンヘッド仕様のチューブフライ。
カツンと一度前アタリがあり、慎重さを心掛けた次のキャスト&スイングだった。
スイングの後半の鈍重な衝撃。速い流れに乗ってレインボーは猛スピードで下流へと疾走する。
水面が大きく乱れる度に、フックアウトするのではと何度もヒヤヒヤした。
結局またしても10mほど下流へと下り、何とか無事にネットイン。
秋の日差しを浴びてほんのりとピンク色が浮かび上がりながらもギラギラとメタリックに輝くLサイズのレインボーだった。


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秋の一日は心悔しいぐらい本当にあっという間に過ぎてしまう。
足を運んで是非チェックしたいポイントはたくさんあるのだけれど、到底全てに足を運ぶことは出来ない。
太陽が山間へと少しずつ傾き、夕暮れ近くともなると何となく気持ちが焦ってしまうのを僕は強く感じる。
そんなこともあってか、水温は朝よりも上がっているというのに、不思議と午後はあまり反応が良くなかったように思う。
僕の釣り旅も残すところあと一日。
夕暮れ空に浮かぶ白い飛行機雲。気温はゆっくりと下がり始めた。
明日は思い出に残るような本流レインボーに出合えますように。
                                                        67.83
                                                        2.0

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by slowfishing-yun | 2014-10-26 11:59 | Fishing Reports | Comments(0)
2014年 10月 25日

<Episode #67> 深まる秋のフィールド / Salty Heaven River

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フィールドは秋の気配で満ちていた。
放射冷却の影響で早朝の気温は-6℃。
ロッドのガイドは瞬く間に凍りつく。
お気に入りのMeiser Rodには霜が降り、白く染まったロッドを僕は久しぶりに見たような気がする。


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水位の下がった北の本流からは白いガス状の霧が緩やかに立ち昇っていた。
そんな輪郭が霞んだ対岸めがけてタイプ6のティップとスカジットコンパクト(F)の組み合わせでキャストを繰り返す。
産卵床の瀬ではガイドの氷を取り払いながら、次こそは衝撃がくるかと期待感が増したけれど、
サーモンの卵を飽食してお腹がポッコリと膨らんだアメマスのアタリ以外、期待していたことは何も起こらなかった。
さらに下流のプールで一度良いサイズのアタリがあったけれど、これは残念ながらフックアウト。
鏡のような川面にはレインボーが作り出した大きな波紋だけが取り残されていた。


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いつものように数日間の釣り旅へと出掛ける前に、数本だけフライを巻いた。
今回はブラックとオレンジのマラブーとメタリックなフラッシャブーでアレンジしたコーンヘッド仕様のチューブフライを数本。
いくつものフライが並んだチープな薄っぺらいフライボックスを目の前にして、
さてこの状況でどのフライをティペットの先に結ぶのがベストかと、僕はあれこれずいぶんと悩む。
結局結ぶのはやっぱり巻きたてホヤホヤのフライになってしまうのだが・・・。


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小刻みなアクションを加えつつ、深いプールをゆっくりとスイングするフライが、いきなりズドンとひったくられたのは、
川底からいくつもの岩盤が水面に突き出た2ヵ所目のポイントだった。
レインボーは一度もジャンプすることなく、一気に猛烈なスピードで下流へと疾走する。
きっとディスクブレーキ搭載のリールで無ければ、白いバッキングラインがかなりの長さ引き出されていたのだと思う。
KINEYAのリールの大きなブレーキノブを少し絞り込んでおいたのが功を奏したのかもしれない。
その代わりにロッドはバットから水面近くまでかなり強烈に引き込まれるのだが・・・。
何度もスリリングなやり取りを繰り返し、10mほど釣り下って何とか無事にランディング出来たのは、
Salty Heaven Riverで僕が久しぶりに出合うLLサイズのオスのレインボーだった。
レインボーの右顎には巻きたてのチューブフライから離れた5号のチヌ針がしっかりとフッキング。
流れの中で彼の太くて体高のあるボディをしばらく保持していると、やがてゆっくりと泳ぎだしていった。
フーッと長くて大きな吐息をひとつ。
深まる秋の日差しが僕にとってこの上なく眩しかったりする秋の釣り旅、初日の木曜日だった。
                                                          67.84
                                                          3.0

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by slowfishing-yun | 2014-10-25 23:00 | Fishing Reports | Comments(2)
2014年 10月 19日

<Episode #66> 雨のあとには

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雨のあとには心地のよい爽やかそのものといってもいいような秋の青空が僕の頭の上には広がるのだけれど、
雨のあとのフィールドにはいくつかの置き土産も残されていたりして・・・。
それは釣り人にとってはあまりありがたくないサンドベージュの濁り、そしてキャスティングを難しくする強風。
まあ、こればかりは避けては通れないものだけれど、どうやら今回もあまりツキがないような予感。


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月明かりはやがて雲の中へとフェードアウトしていく。
深夜のアスファルトは降り続く雨で黒く濡れていた。
早朝のプライムタイム、サーモンたちの産卵床の瀬を彼らの邪魔をしないように気をつけながらゆっくりとステップダウンする。
そろそろかなと思っても何も起こらない。
ランニングラインをホールドした僕の指先は、やがて訪れるであろう躍動感溢れる重くて強い衝撃に備えて、
これでもかというぐらいピリピリと鋭敏になっているというのに。

やがて雲のすき間から早朝の陽光が差し込み始めた。
偏光グラスを外すと、本流が濁り始めていることに僕はやっと気付く。
時間と共に、ますます濁りはきつくなっていった。
そして午後からは朱鞠内湖にいくことをこの時点で決めた。


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漁協の中野さんに無理を言って午後からの渡船をお願いする。
浮島に渡ったのはもしかしたら僕にとって2回目かもしれない。確か最初は去年のやすこうさんとだったかな。
白樺の林が背後にそびえる小さな島に上陸すると、キャストを困難にするような強風が湖面の上を吹き抜けていき、
小波が幾重にも連なったざわついた湖面がどこまでも続いていた。
朝に渡った方が1本という言葉に何となく背中を押された気がした。
確かに僕にもイトウに出合えたチャンスはあったかもしれない。それっぽいバイトが1度はあったのだから。
オレンジ色に染まる白樺林が眩しかった。そして、帰りの船が迎えに来るまでに2尾のアメマスが顔を出してくれた。
帰りの船でsugiさんに偶然お会いすると北大島で2本。sugiさん、通われた甲斐がありましたね。


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キャンプ場の夜は、きっと氷点下近くまで気温が下がっていたのだろう。
車の中のシュラフにもぐりこみ、たっぷりと10時間は深い眠りに落ちたと思うのだけれど、それでも何度かは寒さで目が覚めた。
残念ながら大きな本流レインボーに出合う夢は、眠りが深すぎて見れなかったけれど・・・。

それほど降った雨の量は多くはないと思ったのだけれど、Salty Heaven Riverのサンドベージュが薄まるということは無かったようだ。
そしていくつかの支流との合流点を僕は彷徨う。
本流の流れと支流の流れとが作り出すブルーとサンドベージュのグラデーション。
そんな流れにブラック&オレンジのコーンヘッド仕様のチューブフライをスイングさせていると、不意にグゥンというバイトが訪れる。
一瞬、水面下でギラッと白い魚体が光ったのでレインボーかなと思ったら、今回のお相手はなかなか元気の良いアメマスだった。
風が吹くたびに本流の上を落ち葉がパラパラと舞った。
相変わらず頭上に広がる青空には雲ひとつ見かけない。
                                                  67.98→68.09→67.95
                                                  5.0→12.0→7.0

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by slowfishing-yun | 2014-10-19 21:47 | Fishing Reports | Comments(8)
2014年 10月 06日

<Episode #64> アミーゴの予感

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アミーゴとは、本来はスペイン語で「友達」の意味の男性形名詞(amigo)。  ウィキペディアより

目の前には水深のある、トルクがあって速い流れの十勝川としては比較的緩い流れのプールが広がっていた。
対岸めがけてアトランティックサーモンSHのS2/S3をややダウンクロス気味にペリーポークでキャストする。
一直線に伸びたアトランティックサーモンSHが着水し、やや遅れてそのさらに先に小さな水飛沫と共にフライが着水した。
ラインが目の前の流れに馴染んだ頃合を目計らって、一度だけランニングラインを整える目的で大きく上流へとメンディングする。
その瞬間、グゥンとまるで水中の大きなストラクチャーにでも根掛かりした時のような衝撃がロッドに伝わり、
ロッドにセットしたST.Johnからジ、ジーーと硬質な逆回転音が鳴り響いた。
また、それはいつもの根掛かりとはちょっと違う違和感を伴うものだった。
不思議な違和感を伴いながらも、相変わらず僕が手にしたMeiserの14フィート、6/7番、MKSはグンニャリとバットから曲がったまま。
そして一直線に伸びたラインとは少し違ったところから、ドッバーンという水飛沫と共にメチャメチャ体高のある大きなレインボーが、
まるでイルカのような横っ飛びのジャンプを水面1m程の高さで見せてくれた。
その瞬間、レインボーの顎からティペットの先に結ばれたコーンヘッド仕様のESLがポロっと外れるのが僕の目にもしっかりと映る。
十勝川での僕にとってはトロフィーサイズサイズのレインボーとのランデブーはおよそ5秒ほどだっただろうか。
それにしても思わず「デカイ」と心の中で呟きたくなる見事なプロポーションのLLサイズオーバーの本流レインボーだったのに・・・。
でも、そのシルエットだけは今でのありありと僕の中に残像として残っている。


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それは十勝川の照りつける日差しが眩しい日曜日のお昼のアミーゴ・ポイントでの出来事だった。
アミーゴとは、スペイン語で友人の意味だそうだが、このポイントでは友人達が何度か大きな本流レインボーにフックアウトされているから、
フックアウトされた者同士という親愛の気持ちこめて、その気持ち痛いほど分かるよ、アミーゴ!とでもいうか・・・笑。
確かにフックアウト・ポイントでも名称は悪くはないけれど、やっぱりアミーゴ・ポイントの方が僕にはしっくりとくるかな。


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日曜日の朝は、本格的な秋のトラウトシーズン到来をしっかりと感じさせてくれるような朝だった。
朝露に濡れたどこか湿りっ気のあるひんやりとした空気感がフィールド全体を気持ちよく包み込んでいた。
早朝の太陽が地平線から顔を出し始めた時には、7月にグッドサイズのレインボーにフックアウトされた長いランのポイントに立っていた。
ゆっくりと核心ポイントに向けて長いランをキャストを繰り返しながらステップダウンする。
いよいよ核心ポイントに近づいた時、スイングを終えようとしたフライが岸際のストラクチャー近くでグッという強い引き込みと共に止まった。
ロッドから伝わる重量感からおおよそLサイズといったところだろうか。
レインボーは一度もジャンプすることはなかったけれど、そのパワフルなスピード感はなかなかのものだった。
朝霧に包まれた早朝のフィールドにST.Johnのスクリーミングサウンドが美しく反響する。
でも何となく嫌な予感が付きまとっていた。
レインボーの疾走が止まり、ラインを軽く指でホールドしながらロッドのバットにさらに力が加わった時、フッとラインが軽くなった。
もしかしたらフックアウトするんじゃないかという僕の予感は見事に的中。
まさしくこれがこの日のアミーゴの予感の始まりの合図だったのかもしれない。


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この日のプランはスカジットコンパクトではなく、フルシンクのアトランティックサーモンSHを使い続けることが僕の中でのテーマだった。
フライはVARIVASの#4番のストリーマーフックに巻いたコーンヘッド仕様のゾンカーパターンのエッグサッキングリーチがメイン。
最初はS3/S4を使ったけれど、岸際での根掛かりが多いので、途中からはS2/S3をメインに使い続ける。
結局この日は4度のテイクがあり、僕にとってのトロフィーサイズも含めて3度もフックアウト。
まさしくアミーゴの秋の一日となっただろうか。
早朝に感じたアミーゴの予感はあながち間違ってはいなかったけれど、あんなサイズのレインボーがここ十勝川にはいるんだと思うと、
思わずニヤッと含み笑いしてしまいそうな気持ちのよい秋の一日だったような気がする。
                                                       59.91→59.87

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by slowfishing-yun | 2014-10-06 22:46 | Fishing Reports | Comments(12)
2014年 09月 28日

<Episode #62> パニック / Salty Heaven River

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コーンヘッド仕様のBlack&Orangeのチューブフライが川底から水面へと突き出た岩盤の脇をスイングしながらかすめる。
やがてそのスイングスピードがゆっくりとしたものになりかけた時、グゥンという鈍重な衝撃と共にラインの動きが止まった。
経験的に、思わず「おっ、デカイ」と心の中で呟く。
グゥアン、グゥアンと大きな振幅のヘッドシェイクに続き、一気に下流へと猛スピードで疾走する。
数m程疾走したところでガツンと強い衝撃と共にラインが止まり、Meiserの7/8番、MKSがバットの付け根からグンニャリとのされてしまった。
あれ?どうして?まったくラインがリールから出て行かない。一瞬何が起こっているのか、その状況が僕にはさっぱり理解できなかった。
その間も僕がパニックを起こしていることなんてまったくお構い無しに凄いパワーでロッドがのされてしまう。
ふとリールのハンドル側を見ると、あろうことかオレンジ色のランニングラインがお気に入りのリールのS字ハンドルにくるっと1回転絡まってる。
急いでハンドルからランニングラインを外したけれど、時すでに遅し。
シュートのあとにランニングラインがハンドルに絡まっていないか確認するのをすっかり忘れてしまっていた。
悔やんでも悔やみきれない僕の痛恨のミス。
もしもレインボーなら、久しぶりに出合うLLサイズだったのにと・・・。


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コーンの収穫や稲刈りも始まり、季節は秋の中をゆっくりと進んでいる。
早朝のR275を北上し、朱鞠内湖を過ぎたあたりで車の外気温計は1℃を示していた。
日中は20℃近くまで気温が上がるから、これぐらい寒暖の差が出始めると、広葉樹の葉もジワジワと色付き始めるに違いない。
秋の始まりの北の本流、フィールドのコンディションは決して悪くはなかったと思う。
9月の太陽が頭上高く昇ると、フィールドは心地よい秋の清々しさに包まれた。


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2日間北の本流にステイし、パンパンの瀬、ヒゲナガの瀬、80ポイント、kenちゃんポイント、産卵床の瀬、それに岩盤ポイントなどなど、
僕が思いつくいくつのものポイントを慌しく巡る。
そして最後はyusukeさんポイント、今度からは熊の足跡ポイントに呼び名を変更しようかな(笑)。
ここも毎年のようにポイントの形状が変わっていくようだ。
少し水深のある流れにゆっくりとフライとラインを馴染ませていく。
スイングするフライにイレギュラーなアクションを加えていると、グゥンと指でホールドしたランニングラインに負荷が掛かった。
サイズとしてはMサイズだけれど、少しブレーキを絞ったKINEYAのリールから。流れに乗って心地よいラチェットサウンドを奏でてくれる。
ギラギラとメタリックに輝くレインボーが奏でた雨降る中のラチェットサウンドは、どことなくしっとりと濡れていたように僕には感じられた。
                                                         67.96→67.91

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Today'BGM :




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by slowfishing-yun | 2014-09-28 21:22 | Fishing Reports | Comments(10)
2014年 09月 23日

<Episode #61> のんびりアングラーのslowな釣り / 2バイト、2テイクの尻別川

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楽しみにしていた北の本流"Salty Heaven River"は、前日の夕立のような降雨で一気に濁りが入ってしまう。
なんだか楽しみにしていたイベントが予想外の雨で順延になったような気分。まぁ、こればかりは仕方がないことだけれども・・・。
どこかトーンダウンした気分の中、翌朝すっかり寝坊した僕は、まるで重役出勤のように、行楽客を乗せた車に挟まれて中山峠を越え、
青く晴れ渡った秋空の下、のんびりと秋分の日の尻別川へと向かう。
遠くからSLニセコ号の汽笛がフィールドに吹く風に混じって僕の耳にもかすかに届いたのは、時計の針がもう直ぐ正午を示す頃だっただろうか。
朝晩はすっかり冷え込んでいるから、フィールドの草木の色も少しずつ色合いが変わり始めているようだ。
背が伸びたススキの穂がゆっくりと風に吹かれて揺らいでいる。
昨日の雨がもしかしたら影響しているのかもしれないけれど、水の色はモスグリーン色に白濁していたかもしれない。


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栄橋下のポイントをフローティングのスカジットコンパクトとType6のティップの組み合わせで探ってみる。
ティペットの先には数日前に巻いたコーンヘッド仕様のチューブフライ。
今回はマイロッホの破格値セールで買った赤とコパーのメタリックなフラッシャブーをアクセントとして加えてみた。
トリガーのようにオレンジ色のランニングラインを指ではじき、トゥイッチングの要領でアクションを加えていると、2度ほど咥えきれないバイトがあった。
岸際には力尽きたサーモンの姿も。


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リールをインターのスカジットコンパクトが巻かれたパーフェクトに替える。ティップはそのままType6。
ただフライだけは根掛かり覚悟でコーンヘッド仕様のゾンカーパターンのエッグサッキングリーチに結び換えた。
世の中はいわゆるランチタイム。でも僕は次のポイントを流し終えたら食事にしようと、栄橋近くのヌカカポイントに移動する。
時間帯も時間帯なだけにそれほど期待せずにキャスト&スイングを繰り返していただろうか。
深瀬の向こうの岸際に沿って走る緩流帯めがけてフライをキャストする。
フライが流れの中にしっかりと沈み深瀬の速い流れに差し掛かったところで、いきなりラインをひったくるようにゴンとストライク。
最初はグッドサイズの本流アメマスかなと思ったけれど、そこからがまったく違った。
相手は一度もジャンプすることもなく速い流れに乗っていっきに下流へと疾走していく。
パーフェクトのスクリーミングサウンドと共にランニングラインに続き、一気に白いバッキングラインがリールから吐き出されていった。
相手の疾走に合わせて間合いをつめようと僕も下流へと不安定な足元に注意しながら慎重に下る。
巻いては引き出され、巻いては引き出されの繰り返し。
そして何とかフックアウトせずに無事にランディング。長い吐息と共にやっと僕の肩の力が抜けただろうか。
9月の日差しを浴びてギラギラとメタリックに輝くLサイズ半ばの本流レインボーだった。
フィールドが尻別川ということもあるけれど、何よりもレインボーの美しさがよりいっそう感じられるこの時間帯に出合えたことが嬉しかった。
彼女がしっかりと流れに戻っていくのを見届けて、もう一度長い吐息を僕は吐いた。


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豊国橋の下流へも足を運んでみた。もしかしたら時間と共に本流のモスグリーン色はその色合いが強まっていたかもしれない。
色付いた本流の岸際でスイングの終わりかけに根掛かりとは違う鈍いアタリがあった。
背中の模様が鮮やかで、僕には何となくアメマスらしいと思えるアメマスだった。
フィールドに吹く秋の風は相変わらず穏やかだっただろうか。
コオロギやキリギリスの奏でる羽音を聞きながらキャストを繰り返すのも悪くはないと思えた秋の一日だった。
                                                        9.33→9.32

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Today's BGM : とてもシンプルなデザインのジャケットだけれども、なぜかとても惹かれてしまう。


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by slowfishing-yun | 2014-09-23 23:04 | Fishing Reports | Comments(14)