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2014年 06月 10日

<Episode #39> 蝉時雨と2本のMKS、そしてBougléの音色

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フィールドには春と夏の境目にふさわしい春ゼミの鳴き声が、カラカラに乾ききりながらずっと鳴り響いていた。
フィールドの選択にずいぶんと迷いながらも、週末にはふたつの本流に足を運ぶことにした。
まずは水位が徐々に落ち着き始めたSalty Heaven River。
それにしても新緑が眩しい季節になったものだ。


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最初に訪れたコンタクトは、ヒゲナガがたくさん飛び交う2ヶ所目のポイントだった。
テイクはおそらくドロッパーのウーリーではなく、リードに結んだヒゲナガを模した#7番のスペイフックに巻いたウエットフライの方だろう。
スロートとアンダーウイングには計3枚の白のCDCだから、きっといい感じにファイバー内にキラキラと気泡を蓄えているに違いない。
ちなみに僕のSalty Heaven RiverでのメインロッドはMKSの7/8番。


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流れの速さも加わり、僕が所有している一番高番手のロッドでも素敵なカーブを描いてくれるSalty Heaven Riverのトラウト。
でも、フックセットが悪かったのかしばらくの間のやり取りの末、残念ながらフックアウト。
ロッドがバットから気持ちよく曲がった数枚の写真が僕のカメラに残っただけで、まぁ、これもいつものこと。

遠くから正午を告げるサイレンの音が響いてきたら、堤防の上に車を止めて、春と夏のはざ間の日差しを浴びつつ、
クーラーボックスで冷やしておいたベルギー・ビールを渇いた喉に流し込む。


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ちょっとフルーティーなテイストの冷えたビールとおにぎり2個に豚汁という軽めのランチの後には、イタリアンローストのコーヒー
近くの大型スーパーで見つけたこのちょっと深煎りのコーヒーが最近の僕のお気に入り。
大きく開いたリアゲートからコーヒーの香りに混じって気持ちの良い風が眠気を誘いながらソヨソヨと舞い込んで来る。
カーゴルームのマットの上に敷いたシュラフの上で横になってみた。
徹夜明けの僕は、どうやら今日もなんとも気持ちの良い極上のお昼寝が出来そうだ。
                                                        67.96→67.94

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翌日はSalty Heaven Riverからオホーツクの地を流れる本流の畔に佇んでいた。
春と夏のはざ間にふさわしい春ゼミの賑やかな鳴き声は、やはりここでも一緒だった。
オホーツクの地を流れる本流でのメインロッドはMKSの6/7番。
ティペットの先にサーモンフライを手持ちのマテリアルで簡素化したフライを結ぶ。


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Bougléの逆回転音は、どこか甲高い春ゼミかカエルの鳴き声にもしかしたら似ているのかもしれないなあ・・・。
そんなことを考えながらBougléのハンドルフェイスが逆回転するのを、僕はどこか遠くの出来事でも見るかのように眺めていた。
僕には決して美しい音色には聞こえなかったけれど、なかなか迫力があって、独特の響きを兼ね備えたサウンドのようにも聞こえた。

一日の中での寒暖の差が大きいせいか、久しぶりに夏カゼをひいたようだ。
週末までにはまたコンディションが整うといいのだけれども・・・。
                                                        50.95  

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by slowfishing-yun | 2014-06-10 22:35 | Fishing Reports | Comments(8)
2014年 06月 01日

<Episode #37> ショートバイトと初夏のアンバランス

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日が昇ると、気温はみるみると30度近くまで上がり、僕は久しぶりに汗ばむ暑さをフィールドで感じた。
ウェーディングしながら、スイングするフライに神経を研ぎ澄ませる感覚が心地よいとさえ感じる。
そんな流れのあるフィールドに足を運ぶのは、道南の本流以来だろうか。
行き先にずいぶんと迷った挙句、週末は友人達とオホーツクの地を流れる本流に足を運ぶことにした。
ウェーダー越しに感じる本流の冷たさと日差しの強さのアンバランスさ、いかにもこの時期らしいと感じる週末だった。


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岸際や浅瀬には上流から流されてきた大きな大木がいくつも横たわっていた。
オホーツクの空はさながらライトブルー、フィールドに吹く風には春ゼミの鳴き声がかすかに混ざりながらも、心地よさが伴っていた。
ゆっくりと蛇行しながら流れていく、どこか十勝のフィールドとシンクロしてしまいそうなオホーツクの本流。
雪代が混じってほんのりとモスグリーンに染まった流れを、友人達と少し距離を置きながら、ゆっくりとステップダウンする。


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対岸にまでフライが届いてしまわないように、シュルシュルと伸びていくランニングラインを指先でサミングする。
それでも何個かのフライを対岸から張り出した木の枝に引っ掛けてしまって、つい溜め息がこぼれてしまった。
フローティングのスカジットコンパクトと15フィートのT11のティップに引かれて流れをスイングするフライ。
指先でホールドしたランニングライン越しに僕が感じた、ゴン、ゴンというショートバイトの生命感はたったの2回だけ。
でも、そんなことよりもまるで初夏のような眩しい日差しを浴びながら、
薄っすらと雪代の混じった冷たい本流でキャストしながら一日を過ごせたことが心地良かったかな。
ちなみにウェーダーはネオプレーンから夏仕様へ。
                                                     51.19→51.15


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by slowfishing-yun | 2014-06-01 22:38 | Fishing Reports | Comments(8)
2014年 05月 25日

<Episode #36> 春の朱鞠内湖MAXとラインバスケット

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道路脇から不意にいつ飛び出してくるか分からないエゾジカの群れ。
車が来ないことをいいことに、街路灯のない道路の上でのんびりと寝そべっているキタキツネ。
車のライトをハイビームにして、道路やその脇のキラリと光るものにピリピリと最大限の注意を払いつつ、
僕の車は朱鞠内湖に向けて深夜のR275をゆっくりと北上する。
多度志から朱鞠内まで、結局対向車とは一度もすれ違わなかっただろうか。
東の空が少しずつ白々と明るくなり始めると、ついつい朝4時の出船時間のことが気になってしまう。
早朝の朱鞠内湖、フィールドに吹く風はまだ穏やかだった。


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慌しい出発の準備で少し余裕がなかったのかもしれないけれど、R275を北上する車のハンドルを握りながら、
ふと何気なく少しモディファイした愛用のOrvis社製のラインバスケットを自宅のガレージに置き忘れてきたことを思い出した。
確か天気予報ではお昼前から風が強まったはず。
悔やんでも仕方がないけれど、シュート時にランニングラインのトラブルが増えるのは覚悟しないといけない。
本流ではバスケットは使わない派だけれど、湖などの止水のフィールドでは、僕はもっぱらバスケット派だろうか。
好みは分かれるだろうけれど、やはりバスケット使った方がシュート時にランニングラインが絡まるトラブルは少ないように思う。
それに水の抵抗も減って、僕のキャストでも飛距離は少しぐらいアップするから。
ちなみに、お昼寝の時のちょうど良い高さの枕にもなるラインバスケットだけれど、使用する際のデメリットもないわけではない。
僕にとってのラインバスケットを使うデメリットは、リトリーブしたランニングラインをバスケットの中に入れることを意識し過ぎて、
ストロークの長さ、それにリトリーブの速さと、メリハリが効いたリトリーブが出来なくなることだろうか。


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幸運なことに最初に訪れたイトウのバイトは、湖に船のエンジン音がまだしっかりと響いている時のことだった。
何しろ湖の向こう岸を葵島方面に向けてアングラーを乗せたボートが、少し遅れたエンジン音を響かせながら、
白く小さくゆっくりと動いていたものだから。
フライが着水後、数カウントほどしてからのリトリーブスタート。
確か2ストローク目に、ズゥンとランニングラインに鈍重な衝撃が訪れて、水面が大きく盛り上がった。


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右利きのアングラーがキャストするには好都合の左方向からの南東寄りの穏やかな風が吹き、
早朝の湖面には潮目と小波の帯が、ずっと遠くの方まで続いていた。
そんな早朝の静寂さの中、ゴボォウ、ガボォウとイトウの荒々しい豪快なヘッドシェイクが岸際で何度も繰り返される。
バーブを潰したフックがいつ外れるんだろうかと僕はヒヤヒヤしたけれど、何とか無事にランディング。
この日僕が出合った最初のイトウはメタリックに輝く80クラスのトルクフルで豪快なパワーの持ち主だった。


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ロッドはMeiserの14フィート、7/8番、MKS。
リールは濡れると自動的(笑)にサイレント仕様になってしまうS字ハンドルをモディファイしたHardy Cascapedia MkⅡ 8/9。
ラインは3M社のAtlantic Salmon SH、9/10(590gr)、S1/S2。
このスカンジ系のSHを使ったフルシンクのラインシステムでスカジットキャストをするのだけれど、
個人的にはもう一番手重い10/11(650gr)のSHでもいいんじゃないかと思っている。
ランニングラインはタックルマックのリッジランニングライン、20lb。
リーダーは1X、12フィートのテーパーリーダー、ティペットは2.5号のフロロカーボン。


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昼前から風が徐々に強まり始め、北大島の岸辺に杭のようになって佇むアングラーは、風の存在を徐々に意識するようになる。
風向きは左前方から徐々に正面へとシフトしていき、ますますその存在感が打ち寄せる波と共に強まっていった。
風を避けるようにして2度ほど僕は湖岸で深い眠りに落ちた。
イトウの夢を見ることはなかったけれど、幸運にもお昼までに2尾のイトウに出合うことが出来た。


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ティペットの先に結んだフライは、2番と4番のストリーマーフックに巻いたシンプルなオリーブゾンカー
レギュレーションにもあるけれど、ティペットに結んだ後にフォーセップでバーブを潰す。
バーブレスにしてフックアウトすることが増えるかなと心配したたけれど、アメマスやサクラマスではやり取りの最中に外れたりして、
イトウではランディング後にいつの間にかフライが外れていたことはあったけれど、意外とフックアウトは少ないのかもしれない。

打ち寄せる波のせいか、岸際にワカサギの小さな群れを見たけれど、産卵の為の岸寄りが本格化するのはもう少し先だろうか。
早朝とイブニングはS1/S2のスカンジSHを使い、日中はS2/S3のスカンジSHを使ったけれど、
カウントダウンの時間を長く取ると、S2/S3の方はかけ上がりを通過するあたりでやはり根掛かりしやすくなるようだ。


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MAXという言葉を初めて聞いたのは、5,6年前、確か漁協の中野さんの口からだっただろうか。
かれこれ20年近く朱鞠内湖を訪れていて、さらにここ数年は渡船サービスを利用出来るようになっただけでなく、
前浜からの早朝の出船は日の出前の4時、最終の迎えは夕方の7時近くという文字通りのMAX(マックス)、
つまり朱鞠内湖での釣りが許される最大限の時間、思う存分たっぷりと楽しめるようになり、漁協の方々には本当に感謝だろうか。
もちろん、一日中曇り空で午後には雨交じり、風はますます強まる予報だったけれど、この日も何の迷いもなくMAXでお願いする。
多分に幸運なことだと思うのだけれど、迎えの船が来るまでに僕は朝から数えて計4尾のイトウに出合うことが出来た。
これまでも一日に計2尾のイトウに出合うことはあったけれど、こんなことは長年朱鞠内湖に通っていて初めてのことだろうか。
以前なら1シーズンを通しておかっぱりで1回イトウに出合えたらとてもラッキーなことだったからね。
さまざまな啓蒙活動やイトウの保護活動などなど、きっと漁協の方々の地道な努力があったからだと思うのだけれども、
着実にイトウの数は増えていっているように僕は実感したし、きっとバーブレス化も、そんなことに一役買っていくのだろう。

結局、ラインバスケットがなかったのでシュート時にランニングラインがグシャグシャの難解なパズルになることもあったけれど、
ランニングラインのハンドリングさえしっかりすれば、意外と何とかなるのかもしれない。
でも、確かに大事なものをついうっかり忘れてしまいがちの僕だけれど、次回はラインバスケットを忘れないようにしようと思う。
そんな事を、モスグリーン色の湖水へと溶け込んでいく4尾目のイトウの背中を見送りながら、僕は思ったのだった。

P.S. 次回もしもMAXにチャレンジすることがあれば、折りたたみイスか、お昼寝用のロールマットでも持参してみようかなと。


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by slowfishing-yun | 2014-05-25 17:46 | Fishing Reports | Comments(6)
2014年 05月 18日

<Episode #34> WindyなLake Syumarinai

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早朝の気温は3度近くまで下がり、北海道上空を通過する等圧線がギュッと狭まった低気圧の影響で、
冷たい強風が音を立てながら湖面の上を吹き抜けていく土曜日の朱鞠内湖だった。
それと同調するかのように、背後の白樺の木立の幹が、ビュービューと風に吹かれて大きく揺れている。
風による波の影響なのか、硬い粘土質の湖底が押し寄せてくる波に洗われて、湖水がほんのりとサンドベージュに濁っていた。
風は冷たく、グローブが欠かせない土曜日の釣りとなった。


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R.B.Meiser S2H14078MKS the "Fire God" and Kineya Model 705


先週のこともあり、ロッドをMeiserのMKS、6/7番から7/8番に持ち替える。
パラパラと雨粒が帽子の上にスッポリと被ったジャケットのフードや背中に当たる音が、耳から離れることはなかった。
ジャケットが雨に濡れて重くなるにつれ、身体は少しずつ冷えていき、寝不足の僕はジワジワと疲労感を感じ始める。
これで何の前触れもなく不意に大きなイトウからのコンタクトでもあれば、
一瞬にして疲労感はどこかへと昇華していくのだろうけれども・・・。
相変わらず、右前方からの強風が湖面の上を吹き抜けていく。
いつもなら丸一日キャストを続けていてもほとんど疲労感や筋肉痛を感じることはないけれど、
右前方からの強風だけは話は別で、飛距離を出そうと無理をすると、キャストアウト時に何度かパチンとフライが僕の背中を叩く。
危ない、危ない。
レギュレーションに沿って、フォーセップでバーブを潰しておいたフックで良かったと思うことが何度かあったかな。


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突然目の前の波間にガバッと大きな波紋が広がる。もちろん僕のキャストレンジ内。
急いでその辺りにフライ(オリーブゾンカー)を泳がせてみたけれど、イトウはすでに泳ぎ去った後だった。
アトランティックサーモンSH(S1/S2)と20lbのリッジランニングラインを繋ぐヨリモドシがちょうどトップガイドを通過する直前辺りで、
グーっと掛かる負荷と共に小気味良い躍動感がロッドに伝わってくる。
朱鞠内湖らしい小顔であどけない表情のアメマス達だったけれど、後志利別川のアメマスの雰囲気にもちょっと似ていて、
冷たい雨に濡れたアングラーの気持ちをどこか優しくほぐしてくれたように思う。
どうやら今シーズンはアメマスの数が多い予想


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by slowfishing-yun | 2014-05-18 15:52 | Fishing Reports | Comments(4)
2014年 05月 11日

<Episode #32> 朱鞠内湖の春のイトウ・・・取水崎からイタリア半島へ

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フライが着水した後の数回目のリトリーブで、20lbの黄色いランニングラインをつまんだ僕の指先が何かの衝撃で不意にグゥンと止まる。
これで朝から数えて6回目の根掛かりだし、その度に#4番フックに巻いたフライ(オリーブのゾンカー)はロストしていたから、
僕のプラスチック製のフライボックスの中も、来週にはフライをまた巻き足さないといけないなぁ、と思うぐらいすき間が空き始めていた。
でも、予想に反してグゥアン、グゥアンとロッド全体に伝わり始めたバイブレーションというか振幅の大きなヘッドシェイク。
どうやら今回は6回目の根掛かりではなく、朱鞠内湖の水面下に沈んだ動く切り株のようだった。
膝上までウェーディングした僕は少し後ろへと下がりつつ、慌てて余ったランニングラインをロッドにセットしたセントジョンに巻き込む。


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薄っぺらいドライバーズシートの背中から伝わってくる3000回転近くで回り続けるエリーゼのエンジンの振動も、
深夜のハイウェイを北上する僕の眠気覚ましとしてはあまり効果が期待出来なかったようだ。
ふと襲ってくる眠気を我慢しながら、遊漁券を買いに前浜にある漁協に辿り着いた時には、ガスが掛かった空はぼんやりと明るくなって、
ちょうど前浜からたくさんのアングラーを乗せた渡船が穏やかな湖面に向けて出船しようとしている時だった。風はそよとも吹いていない。


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波ひとつ無い穏やかな湖面が広がる早朝の取水崎では、なぜか湖から生命感というものが何ひとつ感じられなかった。
ルアーの着水音やフライロッドの風切り音が、野鳥のさえずりに混じりつつ湖を覆うようにスッポリと被ったガスの向こうから響いてくる。
この距離感のない感覚というのは徹夜明けの僕にとってはかなり厄介で、釣りになかなか集中出来ず、
ついには目眩にも似た強い眠気を感じ、ロッドを置いて気絶でもしたかのように湖岸で眠りに落ちてしまった。
どれくらいの時間、僕は意識を失ったかのように眠ったのだろうか。そんな僕を眠りから覚ましてくれたのは、漁協の中野さんで、
すっかり「ここはどこ?」、「どうしてここにいるの?」とまったく状況を呑み込めていない僕がいたりする。
おそらく僕はまだ意識が朦朧としていて会話はしどろもどろで支離滅裂だったと思うけれど、
そんな僕にも中野さんは会話の最後に、Yunさん、イタリヤ半島がお勧めですよとアドバイスしてくれた。
それに湖面が風でざわつくと、さらに状況が良くなるかもという話まで。


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春の日差しと野鳥のさえずりを聞きながら、取水崎からイタリヤ半島までお気に入りのスペイロッドをかついて歩いてみた。
通称イタリヤ半島というポイントに足を運ぶのは、かれこれ20年以上朱鞠内湖に通っていて3回目になる。
白樺林のオフホワイトの白い幹が春の日差しを浴びてよりいっそうその白さに磨きをかけていた。
おそらく睡眠不足のアングラーの指先への不意の鈍重な衝撃の訪れは、時計の針にして10時半頃だっただろうか。
スピード感は無いけれど、底へ底へと潜るようなとにかく予想以上にトルクフルなやり取りだった。
僕としてはティペットがいつ倒木への根ずれでプツンとラインブレイクしてしまうのではとヒヤヒヤしっぱなしだったけれど・・・。
もしかしたらこの日のお相手のイトウの姿が湖面に浮上し、その全身が現れるまで、やり取りにはかなりの時間のを要したのかもしれない。
バットがミシミシと音を立てるの聞きながら、冷静に6/7番のロッドでのやり取りとしてはちょっと限界だったかなと思う僕がいたりもする。
ちなみにラインはアトランティックサーモンSH、S1/S2。もしかしたら、表層なのでフルインターのSHでもよかったかな。
ずんぐりとした丸太のようなボディ。90には少し足りなかったけれど、僕にとっては朱鞠内湖で出合うメモリアルなサイズのイトウだった。
今思うと今回の出合いは、中野さんの予想通り、湖の上を春のそよ風が吹き、湖面が少しざわついた時の出合いだったかなと思う。
ちなみに僕がワカサギの姿を見たのは、岸際に残った氷の下に泳ぐのを一度きりだけだったかな。
そのあとも本物の根掛かりでさらにフライを2本ほどロストし、面倒なタイイングがよりいっそう現実味を帯び始めたのだった。


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by slowfishing-yun | 2014-05-11 10:59 | Fishing Reports | Comments(8)
2014年 05月 05日

<Episode #30> GWのOyster River

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きっと春のシーズンとしては、残念ながら今年はすでにピークというものを過ぎていたのかもしれない。
だからアングラーの姿もそれに比例してめっきりと少なくなっていたGWのOyster Riverだった。
それにしてもこの極東の地を流れるフィールドに足を運ぶ度に感じるのだが、いろんな意味で本当に生命感に溢れたフィールドだと思う。
それは決して清々しいイメージのものではなく、死と生、分解と再生という生命の連鎖や循環にとって必要不可欠な
泥臭い淀んだイメージなのかもしれない。
どうりでここで出合う口の中が不思議と黒いアメマス達は、そのイメージ通りワイルドなわけである。
満潮時を過ぎた湿地帯のぬかるみに何度も足を取られながら、時折りフッと鼻を突く泥炭臭をかぎつつ、僕はそんな事を考えていた。


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今年のGWはフリース地のグローブをはめることもなかったぐらいだから、
おそらくフィールドはウェーディングしていても過ごしやすい気温・水温だったのだろう。
カモメなどの海鳥の鳴き声が時折り混ざる背後からの風には、概ね穏やかさしか僕は感じなかったように思う。
潮周りにもよるのだが、GWは出来れば少しでも流れのあるフィールドに立ち、スローなスイングの釣りを楽しみたかったので、
随分とフィールドの選択に悩んだ挙句、極東の地を流れるOyster Riverに足を運ぶことにした。


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早朝の川面に広がるライズリングの数も少なく、もっぱら小さなアメマス達が僕がスイングさせるフライのお相手だったたけれど、
今回もゆっくりとしたペースで釣りを楽しめたように思う。
対岸で鮭稚魚の群れを追う海鳥の鳥山を見たのは一度っきり。しかも随分と遠いところで。これではちょっとフライを届けられそうもない。
それでも背中の色がほんのりとグリーンがかったいかにも海と川とを行き来していそうなコンディションの良いアメマスが、
何度か僕の鮭稚魚を模したイントルーダーを見つけてくれたりしたから、この貴重なフィールドには感謝しないといけないのかもしれない。
ラインシステムはスカジットコンパクト・インター・540グレインに15フィート、クリアーのインターティップがメイン。
ロッドはマイザーの14フィート、6/7番、MKS。
随分と見慣れてしまった風景になってしまっただけれど、やはりこの茫洋とした風景は他では味わうことが出来ないように思う。

P.S.個人的にToday's BGMの2曲目、THE JUJU ORCHESTRA の"Take Four"という曲は、
グルーブ感のあるリズムセクション、それにファンキーなメロディーラインといいメチャメチャ僕好み。
それにしてもイカシタ曲だなぁ・・・。

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by slowfishing-yun | 2014-05-05 16:57 | Fishing Reports | Comments(6)
2014年 04月 29日

<Episode #27> irregular

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何ともいえない淡くて春らしい日差しが、まるで薄い皮膜でも被ったように柔らかく川面に降り注いでいた。
僕はようやく時期と気温とが絶妙にシンクロした本当に春らしい日差しをフィールドで感じることが出来たように思う。
週末に友人達と過ごしたのは、フィールドに芽吹くフキノトウの緑黄色が幾分大きくなり始めた東の果ての本流だった。
川面には海鳥の落し物がフワフワと漂っていたりして、何だかとっても雰囲気は穏やかだっただだろうか。


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干潮の時間帯にいつもとは違うイレギュラーな立ち位置からフィールドを眺めてみた。
すると、まったく別のフィールドにでも足を運んでいるような感じがして、不思議なぐらい新鮮な気分だった。
もしかしたらいつもと何ら変わらないレギュラー仕様だったのは、マイザーロッドとスカジットラインのシステムぐらい?
取り敢えずリトリーブもスイングもスカジットコンパクト・インターに15フィート、インターミディエイトのティップの組み合わせ。
ロッドはマイザーの14フィート、6/7番、MKS。


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鮭稚魚を模したフライとインターのティップが流れに馴染んだ頃合を見計らって大きくラインを上流側へメンディング。
きっと僕のフライは急激なアクションでヒラを打ったようにバランスを崩し、イレギュラーな動きでアメマスを魅了するのだろう。
それにリズミカルなリトリーブではなく、ストロークの長さ、リトリーブのスピードと出来るだけイレギュラーなリトリーブを心掛ける。
きっとアメマスはイレギュラーな動きのものの方により強く好奇心を示すはずだろうから。


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そんな事をひとつずつ確かめながら、ペリーポークからのスカジット・キャスト&イレギュラー・リトリーブを繰り返す。
それでも不思議と残された体力を考えつつ、穏やかな春らしいフィールドで過ごす時間を楽しんでいたかもしれない。
そんな訳で、2009年から毎年お世話になっている鈴木旅館さんで、初めてお弁当ではなく朝食をいただいたりした今回の釣り旅。
急ぐともなく、何ともまったりとした日曜日の朝だったかな。こちらも、ずいぶんとまぁイレギュラーでして・・・笑。
さてさて、岸際の浅場で小さな鮭稚魚達を見かけたけれど、今回は下流へと移動していく鳥山をそれほど見ることがなかったから、
アメマスの鮭稚魚への刺激的なボイルは、もしたら僕らがフィールドを離れてからになるのかもしれないね。


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by slowfishing-yun | 2014-04-29 18:56 | Fishing Reports | Comments(10)
2014年 04月 21日

<Episode #25> Railroad River or Oyster River

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まるで毎年の恒例行事のように、今年も友人達と北海道の極東の地を流れる本流に足を運んでみた。
2本の平行に走るローカル線の線路の下に敷かれた枕木の数々。
それは見渡す限りどこまでも果てしなく延々と並べられているかのようであった。
それにしても木製の枕木というのはコンクリート製の枕木とは違って、色、ひび割れ具合、
それに表面に鋭利な物で刻まれた何かしらの数字といい、どれひとつをとってもそれぞれが個性的で
決して同じ物はなかったように思う。
もちろん枕木としての本来の機能は別としてではあるが・・・。
もしかしたらここ、極東の本流で出合うアメマスにも同じことが言えるのかもしれない。
サイズはともかく、体に少し傷のあるアメマスだったり、上顎の少しへこんだワイルドな表情のアメマスだったり、
背中の色も茶色や少しグリーン、それにアメマスに特徴的な白い斑点の数や大きさも、よ~く見るとそれぞれが個性的で、
僕なんかにいたっては、ついつい釣りの方に夢中になってしまうけれど、もしかしたらそんなアメマスとの出合いは、
やっぱり一期一会なのかもしれないと思ってしまう。


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泥炭地のタンニンが染み出した、まるで濃く入れ過ぎた紅茶のような色合いの本流は、今年も緩やかに流れていた。
少し濁っているのかなと思ったけれど、ブーツの先が薄っすらと見えるぐらいだから、それほどでもなかったようだ。
そんな極東の本流で、どこかワイルドな雰囲気を漂わせるクチグロのアメマスは、今年もやはり顕在だったように思う。
アメマス達のパワフルさはリールが奏でる心地よい音色とともに、僕が手にしたMKSをグイグイとバットから曲げていった。


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風はとにかく強くて、土曜日にはそんな強風に雪すらも混ざり、体感温度もみるみると下がっていった。
今年は例年よりも残雪の量が少し多いのかもしれない。
そのせいかフキノトウも存在感を主張するには、まだまだそのサイズが小さかったように思う。
極東の地では、春の訪れにもう少し時間を要するのかもしれない。


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ラインはスカジットコンパクト・インターにクリアーのType1、15フィートのティップの組み合わせ。
スカジットコンパクト・フローティングにType3、15フィートのティップの組み合わせも用意したけれど、結局最後まで使わなかった。
岸際を懸命に泳ぐシラウオの群れを僕は初めて見かけたけれど、次回は浅瀬に鳥山も出始めていよいよ鮭稚魚なのかもしれない。
今回は年甲斐も無く、寝不足にもかかわらずすっかり釣りの方に夢中になってしまって、体の方はなんだか疲労困憊気味。
さてさて、次回はもう少し体力のことも考えながらパワフルなアメマスとの出合いを楽しもうかなと・・・笑。


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by slowfishing-yun | 2014-04-21 23:54 | Fishing Reports | Comments(8)
2014年 04月 13日

<Episode #23> 早春の強い風と川面のきらめき

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きっと夜のうちは気温がグッと冷え込んでいたのだろう。
フィールドのいたるところに白く際立ったうぶ毛というか棘のようにも見える細かな霜が降りていた。
道南に訪れた春を僕に感じさせてくれる緑黄色のフキノトウも、もちろんそれは例外ではない。
ただその寒さの角だけは、少しは丸みを帯び始めていただろうか。
なぜなら、まだ早朝のうちは風がその存在を忘れるぐらい、ひと際穏やかだったものだから。


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道南の本流に架かるいくつかの橋の前後で、まだまだ冷たい流れの中に静かにウェーディングした。
膝下ぐらいの水深の岸際をサ、サ、サっと、とてもすばしっこく泳ぐ小さな鮭稚魚の姿を見た。
でも、もしかしたらその数は思ったよりも少なかったかもしれない。
なんとも早春らしく、今日はとにかく日差しが強いから、もしかしたらストラクチャー周りに隠れているのかもしれないけれど。


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期待感をお釣りがくるぐらいたっぷりと持って臨んだ最初の2ヶ所のポイントでは、まったく何のコンタクトも訪れなかった。
そして3ヶ所目の少し水深があるポイントで、やっと僕の流すフライにプルプルと小振りなアメマスからのコンタクトが訪れる。
それにしても、身体の割にはずいぶんとあどけない表情のアメマスだった。
雪代の入った冷たい流れにそっとリリースする。あっという間に姿が見えなくなった。
楽しみにしていた無駄の欠片も無い筋肉質なアメマスとのスリリングな出合いは、そういう訳で来年へと持ち越しに。


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午後からは風がずいぶんと強まったかな。
下流からの強い風に煽られて小波立つ川面が、早春の太陽の日差しを浴びてギラギラと眩しく輝いていた。
頭上のすぐ近くの空でホバリングしながら囀るヒバリの鳴き声が、何だかとても春らしくって心地が良かったように思う。
S1/S2のアトランティック・サーモンSHを巻き込んだKineyaのリールの逆回転音も、そんなヒバリ達の鳴き声のように、
僕にはちょっと控えめだけれど、とても心地が良い音色のように響いてきたのだった。

                                                         3.27→3.29

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by slowfishing-yun | 2014-04-13 17:53 | Fishing Reports | Comments(4)
2014年 03月 30日

<Episode #21> Rhythm

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特に示し合わさなくても、相互のリズムがいわゆるアウンの呼吸のようにシンクロすることもあれば、
多少のリズムのずれが、何とも表現し難いいい感じのうねりのようなグルーブ感を作り出すことだってある。
でも、残念ながら楽しみにしていた土曜日は、きっと僕らとフィールドとのリズムがまったくかみ合わなかったのだろう。
3月末の急激な気温上昇による雪代流入、そして予想以上の水位の急激な上昇と、
流れのあるフィールドは、カフェオレ色を通り越して、いわゆる泥濁りといったところだろうか。


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後志利別川も尻別川も、雪代による増水で、まったく釣りにならないぐらいに濁っていた。
何年ぶりだろうか。久しぶりに島牧にも足を運んだけれど、やはりラインバスケットを持参していないアングラーにとって、
ランニングライン同士が頻繁に絡み合う釣りは、予想以上のストレスが掛かる釣りになった。
そして最後は、やっぱり支笏湖。
透明感のある湖水に、早春の太陽がキラキラとまぶしく輝く。
でも予想通り、フィールドとのかみ合わないリズムは、やはり最後までかみ合うことは無かったようだ。
せめてToday's BGMで流れるグルーブ感に溢れたリズム&ビートでも楽しもうかと思う。

                                                3.86→4.14
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by slowfishing-yun | 2014-03-30 19:09 | Fishing Reports | Comments(4)