カテゴリ:Fishing Reports( 150 )


2014年 09月 28日

<Episode #62> パニック / Salty Heaven River

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コーンヘッド仕様のBlack&Orangeのチューブフライが川底から水面へと突き出た岩盤の脇をスイングしながらかすめる。
やがてそのスイングスピードがゆっくりとしたものになりかけた時、グゥンという鈍重な衝撃と共にラインの動きが止まった。
経験的に、思わず「おっ、デカイ」と心の中で呟く。
グゥアン、グゥアンと大きな振幅のヘッドシェイクに続き、一気に下流へと猛スピードで疾走する。
数m程疾走したところでガツンと強い衝撃と共にラインが止まり、Meiserの7/8番、MKSがバットの付け根からグンニャリとのされてしまった。
あれ?どうして?まったくラインがリールから出て行かない。一瞬何が起こっているのか、その状況が僕にはさっぱり理解できなかった。
その間も僕がパニックを起こしていることなんてまったくお構い無しに凄いパワーでロッドがのされてしまう。
ふとリールのハンドル側を見ると、あろうことかオレンジ色のランニングラインがお気に入りのリールのS字ハンドルにくるっと1回転絡まってる。
急いでハンドルからランニングラインを外したけれど、時すでに遅し。
シュートのあとにランニングラインがハンドルに絡まっていないか確認するのをすっかり忘れてしまっていた。
悔やんでも悔やみきれない僕の痛恨のミス。
もしもレインボーなら、久しぶりに出合うLLサイズだったのにと・・・。


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コーンの収穫や稲刈りも始まり、季節は秋の中をゆっくりと進んでいる。
早朝のR275を北上し、朱鞠内湖を過ぎたあたりで車の外気温計は1℃を示していた。
日中は20℃近くまで気温が上がるから、これぐらい寒暖の差が出始めると、広葉樹の葉もジワジワと色付き始めるに違いない。
秋の始まりの北の本流、フィールドのコンディションは決して悪くはなかったと思う。
9月の太陽が頭上高く昇ると、フィールドは心地よい秋の清々しさに包まれた。


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2日間北の本流にステイし、パンパンの瀬、ヒゲナガの瀬、80ポイント、kenちゃんポイント、産卵床の瀬、それに岩盤ポイントなどなど、
僕が思いつくいくつのものポイントを慌しく巡る。
そして最後はyusukeさんポイント、今度からは熊の足跡ポイントに呼び名を変更しようかな(笑)。
ここも毎年のようにポイントの形状が変わっていくようだ。
少し水深のある流れにゆっくりとフライとラインを馴染ませていく。
スイングするフライにイレギュラーなアクションを加えていると、グゥンと指でホールドしたランニングラインに負荷が掛かった。
サイズとしてはMサイズだけれど、少しブレーキを絞ったKINEYAのリールから。流れに乗って心地よいラチェットサウンドを奏でてくれる。
ギラギラとメタリックに輝くレインボーが奏でた雨降る中のラチェットサウンドは、どことなくしっとりと濡れていたように僕には感じられた。
                                                         67.96→67.91

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Today'BGM :




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by slowfishing-yun | 2014-09-28 21:22 | Fishing Reports | Comments(10)
2014年 09月 23日

<Episode #61> のんびりアングラーのslowな釣り / 2バイト、2テイクの尻別川

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楽しみにしていた北の本流"Salty Heaven River"は、前日の夕立のような降雨で一気に濁りが入ってしまう。
なんだか楽しみにしていたイベントが予想外の雨で順延になったような気分。まぁ、こればかりは仕方がないことだけれども・・・。
どこかトーンダウンした気分の中、翌朝すっかり寝坊した僕は、まるで重役出勤のように、行楽客を乗せた車に挟まれて中山峠を越え、
青く晴れ渡った秋空の下、のんびりと秋分の日の尻別川へと向かう。
遠くからSLニセコ号の汽笛がフィールドに吹く風に混じって僕の耳にもかすかに届いたのは、時計の針がもう直ぐ正午を示す頃だっただろうか。
朝晩はすっかり冷え込んでいるから、フィールドの草木の色も少しずつ色合いが変わり始めているようだ。
背が伸びたススキの穂がゆっくりと風に吹かれて揺らいでいる。
昨日の雨がもしかしたら影響しているのかもしれないけれど、水の色はモスグリーン色に白濁していたかもしれない。


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栄橋下のポイントをフローティングのスカジットコンパクトとType6のティップの組み合わせで探ってみる。
ティペットの先には数日前に巻いたコーンヘッド仕様のチューブフライ。
今回はマイロッホの破格値セールで買った赤とコパーのメタリックなフラッシャブーをアクセントとして加えてみた。
トリガーのようにオレンジ色のランニングラインを指ではじき、トゥイッチングの要領でアクションを加えていると、2度ほど咥えきれないバイトがあった。
岸際には力尽きたサーモンの姿も。


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リールをインターのスカジットコンパクトが巻かれたパーフェクトに替える。ティップはそのままType6。
ただフライだけは根掛かり覚悟でコーンヘッド仕様のゾンカーパターンのエッグサッキングリーチに結び換えた。
世の中はいわゆるランチタイム。でも僕は次のポイントを流し終えたら食事にしようと、栄橋近くのヌカカポイントに移動する。
時間帯も時間帯なだけにそれほど期待せずにキャスト&スイングを繰り返していただろうか。
深瀬の向こうの岸際に沿って走る緩流帯めがけてフライをキャストする。
フライが流れの中にしっかりと沈み深瀬の速い流れに差し掛かったところで、いきなりラインをひったくるようにゴンとストライク。
最初はグッドサイズの本流アメマスかなと思ったけれど、そこからがまったく違った。
相手は一度もジャンプすることもなく速い流れに乗っていっきに下流へと疾走していく。
パーフェクトのスクリーミングサウンドと共にランニングラインに続き、一気に白いバッキングラインがリールから吐き出されていった。
相手の疾走に合わせて間合いをつめようと僕も下流へと不安定な足元に注意しながら慎重に下る。
巻いては引き出され、巻いては引き出されの繰り返し。
そして何とかフックアウトせずに無事にランディング。長い吐息と共にやっと僕の肩の力が抜けただろうか。
9月の日差しを浴びてギラギラとメタリックに輝くLサイズ半ばの本流レインボーだった。
フィールドが尻別川ということもあるけれど、何よりもレインボーの美しさがよりいっそう感じられるこの時間帯に出合えたことが嬉しかった。
彼女がしっかりと流れに戻っていくのを見届けて、もう一度長い吐息を僕は吐いた。


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豊国橋の下流へも足を運んでみた。もしかしたら時間と共に本流のモスグリーン色はその色合いが強まっていたかもしれない。
色付いた本流の岸際でスイングの終わりかけに根掛かりとは違う鈍いアタリがあった。
背中の模様が鮮やかで、僕には何となくアメマスらしいと思えるアメマスだった。
フィールドに吹く秋の風は相変わらず穏やかだっただろうか。
コオロギやキリギリスの奏でる羽音を聞きながらキャストを繰り返すのも悪くはないと思えた秋の一日だった。
                                                        9.33→9.32

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Today's BGM : とてもシンプルなデザインのジャケットだけれども、なぜかとても惹かれてしまう。


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by slowfishing-yun | 2014-09-23 23:04 | Fishing Reports | Comments(14)
2014年 09月 15日

<Episode #57> Meiserと北のフィールド巡り

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車のカーゴルームに車中泊セット一式とお気に入りのマイザーロッド3本を積み込み、週末はフィールドへと旅立つ。
フィールドへと近づくにつれ星空はゆっくりと雲の中に消えていった。
パラパラと小雨がフロントガラスを濡らしていく。
峠を越えると気温はグッと冷え込んでいった。
念の為にとバッグの中にフリースのジャケットを入れておいてやっぱりよかったなと僕は思う。


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渚滑川のC&R区間の下流域は、僕が予想していたよりもかなり濁りがきつかった。
まるでサンドカラーを水で薄めたような色合いの流れがどこまでも続く。
最初に僕が手にしたロッドは、マイザーの#4/5/6番のHighlander-Classic。
浅瀬では遡上してきたピンクサーモンがペアリング中だから、ティペットの先のフライはコーンヘッド仕様のEgg・Sucking・Leech。

それから湧別川、それにオホーツクの小さな山上湖にも足を運んだ。
そこで僕が手にしたロッドは、マイザーの#6/7番のMKS。


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そして最後に僕が足を運んだのは北の本流、天塩川。
ここで僕が手にするロッドは、万が一に備えてマイザーの#7/8番のMKS。
600grのスカジットコンパクトが気持ちよく飛んでいく。
今回はランニングラインの処理というかハンドリングに関して、僕なりにひとつ収穫があった。
7回リトリーブしてまず小指、5回リトリーブして薬指、そして3回リトリーブして中指。
こうすることでシュート時のランニングライン同士がグシャっとダンゴのように絡むというトラブルがグッと減ったように思う。
本当は基本中の基本なんだろうけれど、なにしろものぐさなものだから、意外と適当で・・・笑。

さて、フィールドのコンディションは決して悪くはなかったと思うのだけれど、釣りの方は相変わらず僕にとって厳しい状況。
まだまだあどけない表情の抜けきらないレインボーや小振りなアメマスが時折り顔を出してくれるぐらい。
秋風に揺らぐ稲穂やススキの穂のようにフィールドは夏と秋のはざ間をゆっくりと揺らいでいる感じかな。
                                                  36.11→36.09
                                                  50.81→50.80
                                                  67.98→67.95

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Today's BGM : FMで偶然David BowieのHeroesのイントロが流れてきたので、つい懐かしくなる。




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by slowfishing-yun | 2014-09-15 22:22 | Fishing Reports | Comments(6)
2014年 09月 07日

<Episode #56> rainy and sunny

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国道R275のアスファルトがところどころ雨で黒く濡れていた。
強い風に吹かれて幾重にも重なった厚いダークグレイ色の雨雲が凄いスピードで頭上を流れていく。
時折り強く降りだしたいくつもの雨粒が、僕の着込んだPatagoniaのブルーのディープウェーディングジャケットを、
さらに濃い色へと濡らしていった。

徹夜のドライブに疲れて、朱鞠内湖の展望台で2時間以上も深い眠りに落ちてしまった。
だから、そんな僕は土曜日の早朝のプライムタイムというものをすっかり寝過ごしてしまったようだ。
取り敢えず、MeiserのMKS(7/8番)にスカジットコンパクト・インターが巻き込まれたSaracioneをセットする。
リールからラインを引き出すと、久しぶりに角のとれた幾分丸みのある心地よいラチェットサウンドを耳にした。


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例年のシーズンともなると遡上してきたチャムサーモン達の産卵場所となるポイントに、チャムサーモン達の姿はもちろん皆無。
そして、いくら僕がキャスティングを猛練習しても到底対岸までには届きそうもないぐらい川幅の広い本流にウェーディングした。
この日のテレメーターの濁度計が示すSalty Heaven Riverの濁度は4~6。
けれども、もしかしたら濁度計の表示が壊れているんじゃないかと思えるぐらい薄いオリーブカラーに濁っていたし、
透明度にいたってはおそらく50cmぐらいだろうから、濁りのない支流の流れとのコントラストがよりいっそう際立っていただろうか。


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木曜日の夜に色違いのコーンヘッド仕様のチューブフライを数本だけ巻いた。
タックルマックのブラス製のコーンヘッドはリーズナブルなプライスで嬉しいのだけれども、
とにかく薄くて他社のコーンヘッドよりも軽量なので、少しだけリードワイヤーをチューブの先端に巻いて重量のバランスを取ってみる。

先日の道北地方に降った大雨で本流の様子は少し様変わりしていたようだ。
本流のポイントへとアプローチするための小道や林道が崩れたり通行止めになっていたし、
いくつかのポイントの川底の様子も変化している。
堤防を歩きながら太いイタドリの茎がなぎ倒されているのを見ると、ここまで水位が上がったんだとちょっと驚いた。
それにしても自然の力って凄いなぁ。

やがて雨雲は頭上から流れ去り、夏の終わりらしい日差しが夏ゼミの鳴き声と共に本流へと戻ってきた。
僕の方はというと、いつくるか、いつくるかと緊張感と期待感を胸に秘めてキャスト&スイングを繰り返す。
新しいフライをティペットの先に結び、今日の水位で思いつくポイントのいつくかを巡ってみたけれど、残念ながらノーコンタクト。
これから始まる本格的な秋のシーズン、いつかまた大きな本流レインボーとヒヤヒヤしながらランデブーしているイメージが、
夏の終わりのような日差しの下、ジワジワと僕の中で膨らんでいった。
                                                   68.16→68.10

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Today's BGM : 20代の頃はDerek Jarmanという映画監督のフイルムがとくかく耽美的で好きだった。
同時期に「薔薇の名前」というタイトルの中世をモチーフにした映画があり、ストーリーはともかくそのサウンドトラックがなかなか素敵で、思わずLPを買ってしまった。


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by slowfishing-yun | 2014-09-07 20:06 | Fishing Reports | Comments(12)
2014年 08月 31日

<Episode #55> のんびりアングラーのslowな釣り / 尻別川

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まずもって出だしからスローだった。
日はすでに高く昇り、すっかり寝坊した僕はまったくもってのんびりとした時間に行楽客の車に混じってゆっくりと中山峠を越える。
やがて幹線道路から逸れ、羊蹄山の麓のこのままどこまでも続いてきそうなストレートな脇道を車は時々大きくバウンドしながら走った。
途中で羊蹄山からの湧き水をペットボトルに汲み、渇いた喉にゴクゴクと流し込む。
冷たかったし気持ちが良かった。
さて、目指すフィールドまではあともう少し。頭上の空には夏空がどこまでも広がっていた。


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この時期に昆布から蘭越エリアの尻別川を訪れるのは僕にとって3年振りだろうか。
ここ最近は天塩川や十勝川に足を運ぶことが多いから、すっかり足が遠のいてしまっている。
田んぼの稲穂が黄金色に染まり始めていた。本格的な稲刈りはもう少し先だろうか。
数年の間に、本流へと続く砂利道にはアスファルトが敷かれ、蕎麦畑だったところは、かわりに稲が植えられていた。
昔の光景を懐かしく思い出しながら、記憶を頼りにしつつ、ロッドを片手にフィールドへの道を歩む。


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すでに時計の針は正午を回っていた。確かに夏の釣りでは厳しい時間帯。
ウェーダー越しに本流の冷たさを感じながら、誰もいない昆布エリアの第1から第3セクションをゆっくりと釣り下る。
このエリアの川底の地形は毎年のように変化するから、ステップダウンはことさら慎重に。
聞き覚えのある低周波のサウンドが、僕に遠い昔の記憶を思い出させてくれた。
なにしろ僕がスペイやスカジットを覚えたのはまさしくこのエリアだし、最初にスペイで出合えた素敵な本流レインボーだって・・・。
でも、一番の思い出はこのフィールドで友人達と過ごした時間だろうか。


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そんな事を考えながらゆっくりとステップダウンしていると、第1セクションの中間辺りでスイングしているフライに一瞬何かが触れた。
そしてさらにステップダウンを繰り返すと・・・。
目の周りにエメラルドグリーンのアイシャドーでも施したような、小振りなアメマスだった。
綺麗だなーと思いながらそっと流れに戻すと、背中から遠くの雷鳴に混じって夏ゼミの鳴き声が響いてきた。


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相変わらず流れの速い第3セクションをあとにして、蘭越エリアへと足を進める。
蘭越エリアのいくつかのポイントを巡り、鮎釣り師に混じってロッドも振った。
そして最後には蘭越エリアの栄橋付近の通称ヌカカポイント。
ラインをフローティングシステムに変更し、ティペットの先には大きなフォーム仕様のドライのチューブフライ。
ロッドティップを上下に振ってラインスラッグをつくり、さながらトップウォーターのスイングの釣りを試してみたけれど、
速い流れも加わって、これがなかなか難しい。
映像と違って目線が低くアングルが悪いし、波立つ水面でなにしろ視認性が・・・笑。
でも、やっぱり新しいことを試してみるのって案外楽しいのかもしれない。
そんな訳でさすがにヌカカポイントというだけあって、僕は手や顔を数ヶ所ヌカカに咬まれてしまい、
週明けからの仕事には少々難ありだろうか。それにしてもカユイったら(笑)。

街道にはコスモスの花が咲き、フィールドではススキの穂がさらに伸びようとしていた。
夏ゼミに混じって秋虫の羽音が響き始め、フィールドは徐々に秋モードへと。
                                                             9.43

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Today's BGM :




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by slowfishing-yun | 2014-08-31 17:55 | Fishing Reports | Comments(4)
2014年 08月 25日

<Episode #53> Shiretoko Peninsula / Pink Salmon

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遠くで雷鳴が響き、深夜のハイウェイのアスファルトが激しい雨で黒く光っていた。
夏の終わりに友人達とピンクサーモンに出合いに知床へと足を運んだ。
どうやら今年も昨年と同様にあまり天候には恵まれないようだ。
おまけに1週間ほど前に足を運んだ友人の話によると、今年は群れがほとんど岸寄りしていないという話。
まあ、それはそれで良いではないか。
なにしろ北の大地の辺境の地でのんびりとした時間を過ごすのが目的なのだから。
今年は何人かの友人達とスケジュールが合わず、東京からの友人を含めて5人という少人数のパーティとなった。


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知床のフィールドは右から吹き付ける風がめっぽう強く、海は若干のうねりを伴いながら少し波立っていた。
いつもなら海面すれすれを背びれを立てながらゆっくりと泳ぐカラフトマスの姿をたくさん見かけるのだけれど、
どうやら今年はそんな光景も見ることはなさそうだ。
苦手な風対策を兼ねて、シャンパンゴールドのティボーに巻き込んだフローティング(スティールヘッドオレンジ)のAFSを取り外し、
フローティングのスカジットコンパクトにインターミディエイトのティップの組み合わせに交換する。


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キャストとひと休みを何度か繰り返し、釣れない時間がずいぶんと長く続いただろうか。雨交じりの風は相変わらず強い。
面白いもので、ある時を境に風向きとは逆に潮が左から右へとゆっくりと流れ始めた。
キャストしたラインがゆっくりと潮に乗って右へと流れていく。
そのままフライをドリフトさせていると、ランニングラインを通してフッと言葉では表現しにくい違和感に続き、
グゥン、グゥンと海面下でピンクサーモンの白い魚体が躍動する。
岸寄りしたばかりのフレッシュなピンクサーモンは2度ほど回転するように跳躍すると、猛烈なスピードで沖へと疾走していった。


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どこかほのかに青白さも残ったプラチナシルバーに輝くオスのピンクサーモンだった。
そのあとも何度かフレッシュなピンクサーモンとのやり取りは訪れたけれど、僕にとっては長いやり取りの末、残念ながらフックアウト。
フックはバーブレスにしているから、こういうことももちろん織り込み済み・・・笑。

フライやラインが着水すると、それに驚いてパーッと逃げていくピンクサーモンの群れなんかを見ることは一度もなかったけれど、
それはそれとして、彼の地で過ごす時間はやはり僕にとって特別なものなのかもしれない。

さて、知床での釣りが終わると、僕にとっては秋の釣りがいよいよスタートする。


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Today's BGM :


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by slowfishing-yun | 2014-08-25 16:24 | Fishing Reports | Comments(10)
2014年 08月 17日

<Episode #52> 真夏のロングドライブ

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重なり合ったいくつもの大きなイタドリの葉が穏やかな潮風に吹かれてゆっくりと揺れていた。
14フィートのツーハンドロッドを手に長い坂を下ると、目の前の視界がぱっと広がり、
穏やかな表情の夏の顔をしたオホーツクの海がそこにはあった。
すれ違いざまに挨拶交じりの言葉を交わした早朝の釣りを終えたばかりの釣人の表情は、どうもあまり芳しくはない。
なかにはこれから釣りをしようという方に申し訳なくってと笑いながら言葉を濁す人もいた。

記憶と経験を頼りに数ヶ所ほどのポイントを巡っただろうか。
オホーツクの海でのトータルのキャスト&リトリーブの回数は、およそ30ぐらい。
透明度の高い海の中を巻きたての赤いゾンカーが何事もなく僕のもとに舞い戻ってくる。

海面下のピンクサーモンの姿だけでなく、跳ね、モジリと何かしらの変化を見つけようと海面を凝視し続けたので、
何だかとっても目が疲れてしまったかな。
結局オホーツクの海では、一度も目の前を横切っていくピンクサーモンの姿を僕は見ることはなかった。


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帰りにオホーツクの山上湖に立ち寄ってみる。
僕としては1年ぶりに訪れる湖だったけれど、湖を囲む山々の緑はいっそう濃いものとなり、
それを映し出す湖面の緑はより深い色合いだった。
水面下でのリトリーブの釣りでは2度ほどショートバイトが訪れたのみ、湖水の冷たさに夏用のウェーダーではかなり我慢の釣りを強いられる。
ポイントを少し移動し、ラインをインターのアトランティックサーモンSHからフローティングのAFSに換える。
フライボックスから取り出した持ち合わせの中で一番大きなドライフライをてぃぺとの先に結び湖面に浮かべてみたものの、
一度ポコッとフライに反応はあったが、どうやらお相手のサカナが小さ過ぎたのか、残念ながら躍動感までには至らなかった。
でもやっぱり止水でのドライフライの釣りは苦手。
支笏湖でセミフライやカメムシフライをキャストし、じっとひたすら待ち続ける忍耐の釣りには、慣れたつもりでいたのだったけれど・・・。
そういえば、少し上流にいたSHUさんの方から、セントアイダンの甲高い逆回転音が長い間鳴り響いていた。
残念ながらランディング寸前で2.5号のティペットを切られてしまったそうだが、相変わらず僕のフライには何の異変も起こらない。

今回の真夏のロングドライブ、釣りをしたというよりも、どちらかというと車のハンドルばかり握っていたような気がする。
オホーツクのピンクサーモン、それに山上湖のレインボーには出合えなかったけれど、それはそれとしてやっぱり楽しかったかな。
さて、明日は夏用のウェーダーの水漏れでも修理することにしますか・・・笑。


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Today's BGM :




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by slowfishing-yun | 2014-08-17 14:37 | Fishing Reports | Comments(4)
2014年 08月 03日

<Episode #49> スイッチ

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スイッチ。といっても今回のテーマはスイッチロッドのことではないのであしからず(笑)。

さて、まるで何かのスイッチでも入ったかのように、北の大地の気温がグングンと上がっていく。
きっと今の時期が1年を通して北海道でも一番夏らしい暑さを感じる時期なのだろう。
今回も十勝のフィールドをたっぷりと歩いたので、シャツの下のTシャツはすっかり汗で重くなってしまった。
公園の木陰に車を止め、エアコンのノブをフルにまで回す。
きっとキンキンに冷えたビールが美味しいに違いないけれど、ここはグッとこらえて氷からとけ始めたカルピスウォーターで我慢だね(笑)。

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早朝の上流域は、まだ気温も低く過ごしやすかった。
木々の葉についた朝露が滴り、時折り僕のシャツをシトっ、シトっと濡らしていく。
ヒゲナガの姿は先週ほどではなかったけれど、レインボー達の朝食の時間の川面は、何かのスイッチが入ったかのように賑やかだった。
2.5号のフロロカーボンのティペットの先にはCDCセッジ。
今回は何とかティペットが途中で切れるということもなく、相変わらず上流域のスプリンター達に僕のマイザーは翻弄されっぱなし。

ロッドもそうだけれど、それに装着するリールもクリック式、それにディスク式、カラーもゴールド、シルバー、それにブラックとさまざま。


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容赦なく照りつける十勝の太陽の日差し、汗がいくつもの筋となって額を流れる中、楽しみにしていたポイント、それに新しいポイントと、
めぼしいと思わしき中流域のフィールドを友人達と彷徨った。
ここぞというポイントでとっておきのフライをティペットの先に結んでじっくりとと流す。
高めの水温、それに時間帯と、なかなか厳しいフィールドのコンディションだったけれど、期待に反して
やはり最後まで大きな本流レインボーの何かしらのスイッチがオンになることはなかったかな。
それでも北海道でも一番暑い時期に、たっぷりと夏の本流での釣りを堪能できたように思う。
                                                        60.01→60.02


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Today's BGM :




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by slowfishing-yun | 2014-08-03 18:39 | Fishing Reports | Comments(14)
2014年 07月 27日

<Episode #48> 恵みの雨 / Tokachi River・・・2度のラインブレイク

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やはり居ましたか。それは残念でしたね。きっとレ大きな本流インボーは他にもまだ居ますよ。
ロッドを7/8番のMKSに換えて、ティペットをフロロカーボンの3号にして下さい。頑張って・・・。
雨足が強くなる中、そんな励ましの内容のメールがまだ興奮冷めやらぬ僕の携帯電話にmoriさんから届く。
ラインを回収すると交換したばかりの真新しい2.5号のフロロカーボンのティペットが、途中からブツリと切れていたのはこれで2回目。
僕がこれまであまり経験してこなかった、いわゆるラインブレイクと言うものだ。
雨の中、一度車まで戻ろうかとも考えたけれど、車からここまでの距離を考えると、同じタックルシステムでこのまま釣り下ることにした。


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午後からは前線の通過でしっかりとした雨の予報。
いつ雨が降り出してもおかしくない濃淡のない淡いグレーの曇り空が十勝の空を覆い尽くす。
ヒゲナガが乱舞するまだ薄明るい早朝の上流域で静かにウェーディングしキャストした。
真新しい2.5号のフロロカーボンのティペットの先には、VARIVAのDEEP WIDE WETというフックの#4番に巻いたCDCセッジ。
3キャスト目にスイングするフライがいきなりガツンと強い衝撃と共に引っ手繰られて、一瞬にしてフッとテンションが軽くなった。
6/7番のMKSの曲がり方は尋常ではなかったけれど、ラインを回収してみるとティペットが途中でプツリと切れていた。
これがこの日1回目のラインブレイク。きっと僕にとってはグッドサイズのスプリンターだったに違いない。
でも、久しぶりに早朝の時間帯にブグレーの壊れんばかりのけたたましいスクリーミングサウンドが聞けたように思う。


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久しぶりにSHUさんと十勝川の中流域を彷徨ってみた。
少し離れていたけれど、ふと何気なく違和感のような気配を感じて上流にいたSHUさんの方を見ると、
彼の手にしたバンブーのスペイロッドがバットからグンニャリと曲がり、AFSのラインが鋭角的に水面へと突き刺さっていた。
レインボーの疾走と共にSHUさんがバンブーにしがみつきながら川原を走る。そして僕は彼のネットでランディングのお手伝い。
久しぶりに見るLサイズの十勝川レインボーは体高もあり、メタリックで美しかった。


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午後からはSHUさんと別れ、ひとりで未知の中流域を彷徨ってみた。
ポツリポツリとフロントガラスに雨滴が浮かび上がる中、堤防をゆっくりと車で走りながら、ポイントを探してみる。
以前から気になっていたポイントに辿り着くと、ゆっくりとした雨足が次第に強まり始め、やがて本降りとなってしまった。
Meiserの14フィート、6/7番MKSに540grのスカジットコンパクト(インター)。ティップは15フィートのType3。
スプールから切り出した真新しい2.5号のフロロカーボンのティペットの先には、僕の中でパイロットフライとも言っても過言でない
VARIVASの#6番のストリーマーフックに巻いたビーズヘッド仕様の黒のウーリー。

ポイントのちょうど中間に差し掛かった頃、中層をスイングしていたフライがガツンと引っ手繰られ、
続けざまに大きな本流レインボーがドバーンと大きくジャンプする。
北の本流での経験と手にしたロッドから伝わる重量感、それについさっき見た視覚的情報を頭の中で統合すると、
レインボーのサイズはさしずめLLサイズといったところか。もちろん僕にとっては十勝川で出合うトロフィーサイズ。
ギャーン、ギャーーーン、さらに一呼吸置いて、ギャーーーーーーンと、
レインボーがもの凄いスピードで下流へと疾走すると、ロッドにセットしたパーフェクトからは恐怖感すら感じるスクリーミングサウンドと共に
オレンジ色のランニングライン、そして白いバッキングラインととてつもないスピードでいっきに引き出されていった。


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ラインを巻いては、またリールから引き出され、雨降る中のスリリングなやり取りは本当に長く感じられた。
ブルーのシャツが雨でビショビショに濡れていることなんてまったく意識の外だったと思う。
2度目の大きな跳躍を何とかこらえたところで、おそらくフックアウトはしないだろうと確信した。
パーフェクトにオレンジ色のランニングラインを少し巻き取り、レインボーとの間合いが少し縮まったところでレインボーは3度目のジャンプ。
そしてそれを境にロッドとライン全体からプツリとテンションが失われた。
もしかしてフックアウトかとラインを回収してみると、2.5号のフロロカーボンのティペットかブツリと途中で切れていた。
これが今日2回目のラインブレイク。


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ABUさんからは、もしかしたら恵の雨かもというメールが届いた。
まだスリリングなやり取りの興奮は冷めないけれど、気を取り直してスプールから新しい2.5号のフロロカーボンのティペットを切り出し、
その先にもうひとつのパイロットフライを結んで、ゆっくりとステップダウンを繰り返しながら、ポイントの後半を釣り下る。

そして何かがスイングするフライにタッチする感覚の後、指でホールドしたラインに鈍重な加重が加わった。
レインボーはまたしても流れに乗っていっきに下流へと疾走する。
僕が足を運んだ中流域でパーフェクトの激しいスクリーミングサウンドを耳にするのは、今日これが2回目。
パーフェクトのハンドルフェイスがもの凄い速さで逆回転する。
雨降る中、ヒヤヒヤしながらも僕が何とかランディング出来たのは十勝川の美しいLサイズのレインボー。
エナメル塗装を落としたパーフェクトのハンドルフェイスのように、本流レインボーはメタリックに輝いていた。

レインボーをリリースしホッと息をつくと、雨でビショビショに濡れた体がいっきに冷えてきた。
ABUさんが言うように、僕にとっては本当に恵みの雨だったかもしれない。
さて、心地よい疲労感と共に車まで戻ることにしますか・・・笑。
                                                  59.98→60.00

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by slowfishing-yun | 2014-07-27 17:30 | Fishing Reports | Comments(14)
2014年 07月 21日

<Episode #47> 7月の十勝川と低番手のスペイロッド

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早朝のまだ辺りが薄暗い時間帯からロッドを振るのは久しぶりのことなのかもしれない。
緑が厚い森に囲まれたフィールドからは目覚めたばかりの野鳥達の声が速い流れの音色に混じって微かに響いてくる。
どこからか野生の息遣いが僕の耳にも届いてきそうな雰囲気だった。
いつもはクリアーな本流の流れには不思議と若干濁りが入り、水位も少し上昇している。
深い闇が時間と共にジワジワと押し寄せてくるようなイブニングの釣りは、なぜか不安が強くなるのであまり得意ではないけれど、
まだまだ手元はペンライトがないとフライを結びかえるといった細かな作業に手間どるぐらい暗いのだが、
白々と明け始めた早朝の空に時間が経つにつれ本来の明るさが戻ってくる早朝の釣りは、意外と嫌いではなかったりする。
ほんのりと明るく始めた早朝の曇り空に、やがていくつものヒゲナガのシルエットが浮かび上がった。


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このところ初夏から夏にかけて僕が手にすることが多いMeiserの12フィート6インチ、5番という低番手のスペイロッドには、
スカジット・コンパクト420gr(F)に15フィートのインターのティップの組み合わせ。
2m程の長さの2.5号のフロロティペットの先には、白のCDCを3枚巻き込んだヒゲナガを模したウェットフライを結ぶ。
対岸に向けてややダウンクロス気味にスカジットキャスト。
速い流れに乗ってラインが下流へと膨らみ、水面直下のフライがそれに引かれてスイングを始め、
ちょうど流れの中間辺りにさしかかったところで、ズゥンといっきにラインが引き込まれた。
ディスクブレーキを絞り込んだHardyのMLA375から、あっという間にオレンジ色のランニングラインが引き出されていく。
早朝に奏でられるMLAのスクリーミングサウンドは硬質で上品そのもの。
そんな僕にとっては心地よくさえ感じられるサウンドはしばらくの間鳴り止むことはなかった。
それにしてもスピード感溢れる十勝川上流域のスプリンター達。
残念ながら飛びっきりのグッドサイズには、長いやり取りの末にフックアウトされてしまったけれど、まあ、それもヨシ・・・笑。


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Bobから写真と交換にプレゼントされ、過去に2度もバットを折ってしまったMeiser S2H12646C-Custom。
Bobから同じロッドで2度もバットを折ったやつはいないよと笑われながらも、最後の修理ではバットを少しだけ強くしてもらった。
ラッピングとフェザーインレイのイメージは初夏のフィールドのイメージとだけ伝えて、あとはBobに全てお任せ。
Bobが施した美しいコスメを眺めていると、確かに北海道の初夏から夏のフィールドのイメージにピッタリなのかもしれない。


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aichanさんからのアドバイスを頼りに、低番手のスペイロッドを片手に十勝川の中流域も彷徨ってみた。
分流していた流れが合わさり、またやがて本流の流れがふたつに分かれていく。
そんな複雑な流れだったけれど、アングラーにとっては何ともいえないぐらい魅力的な本流の流れだった。
ティップを15フィートのType6に換え、フライをビーズヘッド仕様の黒のウーリーに結び換える。
対岸にストラクチャーが沈み、早瀬からいっきに深いプールへと続く魅力的な流れ。
たっぷりと川岸を歩いた末に、きっとここなら居るだろうと、フライを静かに送り込む。
グゥンと指先でホールドしていたラインが強い力で引き込まれる前に、本流レインボーは水面を割って大きくジャンプしていた。
バットからグンニャリと心地よいカーブを描くお気に入りのスペイロッドと心地よいスクリーミングサウンドを奏でるHardyのMLA。
明るい時間帯に出合うメタリックな本流レインボーは、十勝川の流れの強さをその筋肉質なボディに封じ込めたかのように強くて、
さらに7月の日差しを浴びてギラギラと輝く宝石のように美しかった。

乾いた川原には毎年この時期になると見かける名も知れぬ赤紫や黄色の花々がいたるところで咲いていた。
(調べたところ、赤紫色の花の正式名称はムシトリナデシコというのだそうだ)
そんな砂地から生えた見覚えのあるたくましい花々を目にすると、僕は今年も何とか、十勝川で釣りをしているんだという気分になれる。
不思議な気分の中、ロッドを手にして十勝川の流れの中に佇んでいると、僕はなぜかしら美しいピアノの旋律が聴きたくなった。
                                                        59.85→59.99→59.85

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by slowfishing-yun | 2014-07-21 16:14 | Fishing Reports | Comments(12)