カテゴリ:Fishing Reports( 150 )


2017年 10月 23日

<Episode #354> 秋の朱鞠内湖

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木曜日のまだ東の空が明るくなる前の早朝だった。
僕の車のヘッドライトに朱鞠内湖の前浜の駐車スペースに止められていたsugiさんの車の特徴的なシルエットが浮かび上がる。
もしも朱鞠内湖の前浜の駐車スペースにsugiさんの車の姿がなかったら、おそらく僕の一日遅れの秋休みはまだ濁りの残る天塩川からスタートしていたかもしれない。
かれこれ25年近く朱鞠内湖で釣りをしてきたけれど、夏休みや秋休みを朱鞠内湖で過ごしたのはほんの数日しかないと思う。
数日前に降った初雪の名残がまだ管理棟の軒下にはあった。
まだ暗く染まった湖面を吹き抜けていく風はほとんど感じなかったけれど、気温がグッと下がったことだけは確実に感じられた。

スタッフの黒田さんから「ちょっと渡船代金が高くなりますけれど…」という説明は聞いたけれど、黒田さんお勧めの「天狗の鼻」というポイントにsugiさんと渡してもらうことにした。
白い靄で湖畔だけでなく湖全体のシルエットがあいまいな湖面を渡船ボートがゆっくりと音も立てずに時間を掛けて慎重に進む。
それでも気温の低さなのか、僕の身体もゆっくりと冷えていくのがしっかりと感じられた。
先日の雨の影響なのか、湖水にはサンドベージュ色の濁りがかなり残っていたかもしれない。




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iPhoneのGoogle MAPで「天狗の鼻」のおおよその位置を確認する。
湖には霧が掛かりおそらくそれもが外部からの音を遮断しているのだろう。
前浜や国道からこれだけの距離が離れることもあってか、ほとんど人工的な音が渡船ボートのエンジン音以外、僕の耳に届くということはなかった。
静寂さと波音、そして時折響いてくるのはエゾシカの鳴き声だろうか。
やがて風が吹くと湖を覆っていた霧が晴れていき、秋の青空が顔をだした。




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秋の釣りが厳しいことはこれまでの朱鞠内湖での経験から十分承知していたけれど、今回は幸運なことにまだ湖面を覆っていた霧の存在感が消えてしまう前に2尾のイトウに出合うことが出来た。

Rod : R.B.Meiser 14' 7/8wt MKX "Copenhagen Winter Green"
Reel : Hardy The Sovereign 9/10
Line : SA Atlantic Salmon SH S1/S2 9/10
Fly : #2 Wakasagi Olive Zonker

最初のイトウはボディがよりハール調に輝いた美しいイトウだったし、2尾目のイトウは最初よりもほんの少し大きなイトウだった。
どちらも僕に久しぶりにイトウらしいトルクフルなパワーを思い出させてくれたと思う。
支えていたボディからゆっくりと手を離すと、イトウは濁りの残った湖水の中へとゆっくりとフェードアウトしていった。

僕の今年の秋休みの1日目は、そんなわけで秋の深まる朱鞠内湖からスタートした。




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by slowfishing-yun | 2017-10-23 23:44 | Fishing Reports | Comments(0)
2017年 10月 15日

<Episode #350> 秋色

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日中と夜の気温の差が大きくなると、やはり紅葉が一段と進むのだろうか。
僕らが足を運んだ湧別川にしろオホーツクの小さな山上湖にしろ、どちらのフィールドも確かに秋色には染まっていたと思う。
黄色やオレンジ、それに赤といった暖色系の色にフィールドは包まれているのだけれども、なぜかほとんど熱量というものを感じられない色彩だった。
やがてこの色彩のトーンが少しずつフェードアウトしていくと、フィールドは白一色に包まれた長いオフシーズンとなるのだろう。



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前回訪れた時よりもたくさんのチャムサーモンが遡上しているものの、さらに渇水が進んだ湧別川だった。
気温の低下でギュッと引き締まったような空気感に包まれながらキャストをしてみる。
渇水で水深が浅くなっただけでなく川幅も狭くなったせいか、12フィート6インチの6/7番のロッドでは抑え気味にキャストしないと、すぐに対岸の木の枝にフライを引っ掛けてしいそう。
どこかもの足りなさを感じながらキャスト&スイングを続けたけれど、最後まで僕は10月らしい素敵な出合いに巡り合うことが出来なかった。




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帰りにオホーツクの小さな山上湖に立ち寄ってみる。
空の青さとピークを迎えた紅葉の美しさとが描くコントラストがとても印象的だった。
相変わらず20lbの黄色のランニングラインをリトリーブする僕の指先に根掛り以外の違和感を感じることはない。
山間に10月の太陽が静かに隠れると一気に気温が下がっていくのをありありと感じる。
出来れば届いたばかりの新しいリールでトラウトの躍動感とあわよくばそれが奏でる音色を感じられたらと願った週末だったけれど、それが最後まで叶うことはなかった。
                                     50.79



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by slowfishing-yun | 2017-10-15 20:52 | Fishing Reports | Comments(10)
2017年 10月 09日

<Episode #349> 山吹色に染まるフィールド

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前日になってフィールドの濁度計の数字がやっと一桁にまで下がり始める。
経験的に濁度計の数字が5以下になればアングラーとしてはフィールドのコンディションに対して何一つ不満な点がないのは十分承知している。
水温も12℃前後とおそらくシーズン中としてはベストなコンディションなのだろう。
ただ先日の雨の影響で水位がまだ若干高いからポイントが限られてしまうかもしれない。
上流のダムが放水を止めてくれると、本流の水位が一気に下がり始めるのだけれども…。




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sugiさんが淹れてくれた深煎りのフレンチローストのコーヒーで目を覚ましてから、本流の河畔林が山吹色に染まった本流にゆっくりとウェーディングする。
少し迷ったけれど、今回もReathのネオプレーン製のストッキングウェーダーに足を通すことにした。
浅瀬の岸際では遡上してきたチャムサーモン達が水飛沫をあげながらペアリングの真っ最中のようで、まだまだイクラを産み落とすという状況には至っていようだ。
E.S.Lが活躍するのはきっとこれからが本番なのだろうけれど、とりあえずニューバージョンのテストも兼ねてInteractionスタイルのE.S.Lをティペットには結んでみた。




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期待していたグッドサイズの本流レインボーとのコンタクトはほんの数秒のランデブーだけ。
スイングの終わりかけにフライが下流の岩盤のエッジ付近でユラユラと漂っている時に指でホールドしたラインごとゴン、ゴンと力任せに引っ手繰っていく。
そんなコンタクトが2度ほど僕が天塩川に滞在中に訪れたけれど、どちらも期待に反して長続きはしなかった。

レインボーの代わりといってはアメマスに申し訳ないけれど、尾びれの上側が何かに噛まれたような傷のあるアベレージサイズのアメマスが顔を出してくれた。
これから水温が少しずつ下がっていくと、彼らに出合うことが徐々に増えていくのだろう。

好天に恵まれた10月最初の連休だったけれど、10月の青空と山吹色に染まり始めた河畔林とのコントラストがシルエットも際立っていてとても美しかった。
風が吹くと山吹色に染まった落ち葉が本流の中を漂いながら流れていく。
秋虫の音色に交じってフィールドには雪虫が飛び始めていた。
きっとこれから朝晩は気温がグッと冷え込んで霜が降り、早朝は野草の緑黄色の輪郭が白く彩られていくのだろう。
日を追うごとにフィールドの季節が少しずつシフトしていくのを感じる。
                                        68.19→68.15



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by slowfishing-yun | 2017-10-09 20:25 | Fishing Reports | Comments(8)
2017年 10月 02日

<Episode #348> 秋の訪れとオホーツクの流れ

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今年になって初めて北海道を縦断していった台風が過ぎ去ると、それを境にして季節が夏から秋へと移り変わり始めたように思う。
秋らしい寒波と共に気温がグッと下がり、大雪山系には紅葉と共に初雪が観測されたともラジオから聞こえて来た。
イタドリの緑色だった大きな葉が少しずつ山吹色に染まり始め、草むらから聞こえてくる秋虫の羽音が以前よりも幾分勢いづいているようにすら感じられる。
フィールドに吹く風は少し冷たいものとなり、一日の中での寒暖の差が大きくなっているから、季節的にもアングラーはレイヤリングに少し頭を悩ませるのかもしれない。
夏用の透湿ウェーダーではなくネオプレーン製のウェーダーを履いて河原をたっぷりと歩くと、やっぱりウェーダーの選択を間違えたとちょっと後悔もしたりしたかな。




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浮島峠を越えたあたりで車の外気温計は写真の2℃よりもさらに下がって1℃を表示していた。
右の急カーブで十分に徐行はしていたけれど濡れた路面で一瞬テールが滑って思わず僕はヒヤッとする。

土曜日の朝にまず足を運んだのは、ススキの穂が風に吹かれてなびき、コスモスの花が咲くかなり減水が進んだ初秋の湧別川だった。
まだそれほど多くは産卵行動に至っていないようだけれど、偏光グラス越しにも時折数尾の群れでゆっくりと遡上していくチャムサーモン達の姿が見える。
この日はマイザーの12'6"、6/7wtのMKSとFarlexの組み合わせにスカジット・スイッチ480grと15フィートのシンクティップのラインシステムで一日を通す。
小さなレインボーが2尾ほど顔を出してくれたけれど、ドキリとするような鈍重なテイクが訪れるということもなかった。



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翌日は友人たちと湧別川から渚滑川へと移動することにした。
渚滑川ではマイザーの13'、5/6wtのMKSにSaracione 3 1/2"の組み合わせにスカジット・スイッチ420grと15フィートのシンクティップのラインシステムで通す。
渚滑川では湧別川ほどのたくさんのチャムサーモンの姿を見なかったけれど、それでも流速の緩いポイントでは群れで泳ぐチャムサーモンの姿を見た。
渚滑川の流れは僕が初夏に訪れた時よりも透明感の高い青味を帯びた美しい流れだった。
もしかしたら雲一つない初秋の青空が川面に映っていたことも美しい青色を描く一因なのかもしれないけれど、色づき始めた木々の色合いとのコントラストもあってか、とにかく言葉を失うぐらいに美しかった。
ただ残念のはとにかく風が強かったということ。
風が強まり始めるとおびただしい数の枯れ葉が流れの中に漂い、フライにひっかるなど釣りの方にまったく集中出来なくなったりする。
それでも流れの中をゆっくりと漂うとても小さなビーズヘッド仕様の黒のウーリーを、少し赤く色づき始めたレインボーが流れの中を漂うおびただしい数の枯れ葉の中から見つけてくれて、僕としてはホッと胸をなでおろした次第。



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by slowfishing-yun | 2017-10-02 22:30 | Fishing Reports | Comments(11)
2017年 09月 17日

<Episode #347> Lake Shikotsu

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ここ最近はフィールドへMoriさんとご一緒することや、はたまたフィールドでご一緒することが多いだろうか。
そんな彼が最近すっかりのめり込んでいるというのがドローンを使った空撮のようで、彼が苦労して編集した美しい映像もさることながら、何枚かの写真もLINEで送ってくれて、僕としてはなかなか楽しい時間を過ごせている次第。
それにしても通常は撮ることが出来ないがいつもとは違ったアングルから撮られた写真は、やはりいつ見ても新鮮に感じてしまう。
実は私も以前にトイカメラを使ったフィールドのサイレントムービーを作ったことがあり、ディレクター、エディター、プロデューサーとすべてをこなすMoriさんの苦労がほんの少しは分かるだろうか。




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おそらく僕たちが支笏湖に着いた時間帯は、アングラーの釣欲というか釣熱もすっかりトーンダウンした、まどろんだ時間帯だったのだろう。
ひとり、またひとりとアングラーがロッドを手にポイントから駐車してある車まで戻ってくる姿が視界に入ってくる。
支笏湖で僕らが最初に選んだウグイの幼魚がたくさん泳ぐ美笛川河口のポイントは、アングラーよりも台風前の週末をキャンプ場で過ごす家族連れで賑わっていたかもしれない。
いかにも美笛川の河口らしいパノラマチックなロケーションの中、背後から子供たちの楽しそうな歓声が聞こえてくると僕らはなかなか釣りモードに入ることが出来ず、とうとう車へと戻り軽いランチを済ませてポイントを大きく移動することにした。



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Rod : R.B.Meiser 14' 6/7wt MKX "Jock Scott"
Reel : Hardy MLA 375
Line : SA Atlantic Salmon SH 8/9(520gr) S1/S2
Fly : Conehead wooly bugger black (VARIVAS Streamer Hook #4)

何年かぶりに95kmのポイントに足を運んでみた。
美笛川の河口とロケーションもすっかり変わり、僕の中では最も支笏湖らしいロケーションのひとつではないかと思っている。
背後の木々が風に揺れてカサカサと乾いた音を立て、風向きと湖流とがゆっくりと変化していった。
青空はやがて雲に消され、さざ波立つ湖面に何となくトラウトの気配が感じらえ始める。
何度かフライが届くレンジの外で大きなトラウトの立てる波紋とシルエットを見ることが出来たのが、薄らぎ始めたモチベーションを維持するエネルギーとなったのかもしれない。

一定のリズムでランニングラインをリトリーブする指先に不意に強烈な衝撃が訪れる。
ランニングラインとSHのつなぎ目はロッドのトップガイドからまだ2mほど先にある。
僕のフライがボトムやストラクチャーにタッチすることは一日を通して一度もなかったから、指先に伝わる重量感からすると、もしかしたら悪くないサイズのトラウトだったかもしれない。
まあこれもいつものことだから、想像の範囲を超えないのだけれども…笑。

何年かぶりに支笏湖へと足を運んだかもしれない。
相変わらず支笏湖の鱒釣りは難しいけれど、本流とはまた違った支笏湖ブルーの清々しい透明感がフィールドには漂っていたように僕には感じられた。

P.S.もしかしたら釣りになるかもと朝は尻別川へと足を運んでみたけれど、喜茂別周辺まではほぼクリアーだった水質も昆布エリアとなるとなかなかの厳しいコンディション。とうとう尻別川では一度もロッドは振れなかった。



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by slowfishing-yun | 2017-09-17 21:34 | Fishing Reports | Comments(10)
2017年 09月 11日

<Episode #346> 小さな秋の気配

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夏の終わりと小さな秋の気配を感じながら釣りをした週末だった。
これまでにないぐらいに減水した本流が目の前に広がっている。
そういえばススキの穂が先週よりも数cm伸び、イタドリの葉が少し黄色く色づき始めていただろうか。
秋虫の音色も先週よりも一段と賑やかになっている気がしたりもした。
そして通り雨のような雨が過ぎ去ると、フィールドに吹く風にいっそう小さな秋を僕は感じるのだった。




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F.I.S.Tと15フィートのT-14の組み合わせにコーンヘッド仕様のチューブフライ"Interaction"、そんなボトムを意識したヘビーなタックルだとレインボーはさっぱり相手にしてくれなかったけれど、フローティングのスカジットコンパクトとタイプ3のティップの組み合わせに#6番のマーチブラウンのウェットフライに変えてみると、サイズはともかく表層付近でレインボー達がスイングするフラに興味を示してくれて、僕は思わずロッドを手にしながらもドキリとしてしまう。




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二日目の日曜日はMoriさんが最近購入してハマっているというドローンで上空から釣りをしている動画を撮影してくれた。
ドローンが飛んでいるので少々気は散るけれど、なるべく気にせずドローンの方を見ないのがコツだろうか(笑)。
それにしてもこれまで見たこともないアングルからの映像で、僕にはとても新鮮だった。
残念ながらドローンが飛んでいなかった時にグッドサイズのレインボーがスイングの後半でリトリーブを加えている僕のフライを見つけてくれたけれど、ランディング前に惜しくもアディオス。なかなかのオスのレインボーだったかな。
                                     67.80


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by slowfishing-yun | 2017-09-11 22:18 | Fishing Reports | Comments(10)
2017年 09月 04日

<Episode #345> 秋シーズン

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ロッドを片手に秋虫の音色が響く土手の斜面を登ると、築堤にとめた車の向こうに秋の始まりのようなオレンジ色に染まった夕焼けが広がっていた。
フィールドを吹き抜けていく風には、何やら秋らしい涼しさすら感じられる。
夕日が沈んで辺りがすっかり暗くなり始めたら、きっとシャツの上にユニクロのフーディでも着る必要がありそうだ。
この週末は、台風の影響で釣りに出かけるのは難しいかなと思っていたけれど、予想に反して何とか北のフィールドに立つことが出来たのは本当に幸運だった。
楽しかった今日という一日のように、どうか明日も素敵な一日となりますように…笑。



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早朝のフィールドには白いガス状の霧が掛かっていて、とにかく幻想的な雰囲気を醸し出していたのが印象的だった。
まるで流れの描くストリームが、霧の奥へとゆっくりと静かに消えていくかのように…。
そんな霧の向こうから思わずドキリとするようなサーモンサイズのレインボーの跳躍音がする訳ではないけれど、そんな音がいつ響いてきてもおかしくはないような早朝の中州に続く深瀬のポイントだっただろうか。

2ヶ所目に訪れたポイントは産卵床の瀬に続く深瀬のポイント。
バックスペースがあまり取れないので、ここではオレゴンの工房でリメイクしてもらった13フィート、7/8番、MKXを使うことにする。
540grのフローティングのスカジットスイッチの先に15フィートのT-14を繋ぎ、ティペットの先には数日前に巻いたばかりのConehead tube fly "Interaction 2017" black&orangeを結んだ。
10m程ステップダウンしたあたりだっただろうか。
スイングのほぼ終わりかけでフライの動きが一瞬止まる。
水面下の岩盤にフライが根掛りでもしたのかと思ったけれど、次の瞬間静寂さが猛烈なヘッドシェイクへと変貌した。

予想したほど下流には疾走しなかったけれど、なかなかパワフルかつトルクフルなLサイズ後半のオスのレインボー。
でも僕にとってとにかく印象的だったのはレインボーの大きな頭もそうだけれど、それ以上に不自然な形で「く」の字に曲がったレインボーの背中の方だった。
奇形という言葉は好きな言葉ではないけれど、おそらく生まれながらにして何かしらの障がいがあったのだと思われる。
ここまで大きくなったこのレインボーのタフさにも驚いたけれど、このレインボーがここまで大きくなれた天塩川もすごいなあと思ったのだった。



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対岸から初めてポイントにアプローチしてみる。
いつもとは違う風景を目にしながらキャスト&スイングを楽しんだけれど、残念ながら小さなアタリが2度ほど。

イブニング前には早朝のポイントで3キャスト目にLLサイズにアディオスされてしまう。

日曜日は前日のmasaさんのLLポイントでキャスト&スイングしててみたけれど、すでにLLサイズはお留守にされているようで出合えずじまい…笑。

そして日曜日に僕が訪れた最後のポイントで最後のキャスト&スイングを終え、リールにラインを仕舞い込み岩盤の岸際を歩いていると、ふと砂地に見慣れた鹿やキツネの足跡ではない横並びの鋭い爪の跡が残されているような気がした。
さらに進むと、今度は岸際の砂地にヒグマの足跡がしっかりと残されている。
ここは天塩川の美深エリアの中でも超メジャーポイントのひとつ。
おまけに6月29日に流れたTVの美深町でのヒグマ関連のニュース映像でも映っていた場所。
正午も過ぎた時間帯だったのですっかり油断してしまい熊スプレーは車の中に置きっぱなし。
かなり緊張しながらいつも以上に鈴と笛を鳴らしつつ何とか何事もなく車まで戻って来れたけれど、やっぱり油断大敵ということだろうか。
僕にとってはとてもいい教訓になったと思う。
                                          68.01→67.94

P.S.月曜日の朝に美深町役場に連絡する。まだ若いヒグマで右岸と左岸を行ったり来たりしているとのこと。これからのシーズン、天塩川へと足を運ばれる方は是非気をつけて下さい。



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by slowfishing-yun | 2017-09-04 23:40 | Fishing Reports | Comments(8)
2017年 08月 27日

<Episode #344> スコール

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ここ最近はオホーツクや知床のピンクサーモンのフィールドへとめっきり足を運ばなくなり、どうもこの時期のフィールド選択にずいぶんと迷うようになってしまったかもしれない。
結局のんびりとした時間にフィールドに向けて自宅を出発した時には、まだそよぐ風にお盆を過ぎた夏の気配が含まれていたように思う。
空はまだまだ夏の青さの残る8月の青空だった。
でも僕がハンドルを握る車が中山峠を越えて羊蹄山の麓の真狩村のあたりに差し掛かってから、どうやら少しずつ風が強まり始めて、目指す先のフィールドの空の色が濃い灰色に変わっていった。
やがてポツポツと大粒の雨粒が車のフロントガラスに当たり始める。
尻別川の昆布エリアの駐車スペースに車が滑り込んだ時には、ほんの短時間だけれど車の外に出るのを躊躇うほどのスコールのような激しい雨となった。



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激しい雨が降り止むと、今度は眩しい日差しと共に先ほどよりもさらに青いと感じる夏の青空が頭上に現れた。
そして少しのタイムラグをおいて、夏ゼミの鳴き声がフィールドに響き始める。
湿度の伴った夏の暑さがフィールドを覆っていた。
そういえば早春のアメマス以来、ずいぶんと久しぶりに足を運ぶ晩夏の尻別川だった。
水位は若干低めだったけれど、もう少しクリアーかなと思っていた本流の色は濃いオリーブ色に染まり、透明度はおおよそ80cmといったとこだろうか。
第1、第2セクションで何度かバイトはあったけれど、僕がフックを外すためにトラウトに触れるという状況までには至らなかった。



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遅いランチと飲み物を買いに蘭越町にあるセイコマートに入ると、今度は先ほどの数倍ほどのまるでバケツをひっくり返したような豪雨となった。
僕が車の中での遅いランチを食べ終わるころにはスコールのような大雨が嘘のように降り止む。
おそらく本流が濁るまでには多少のタイムラグがあるとしても、田畑や用水路からあふれた黄土色に濁った水が本流に注ぎ始めるのだろう。
今日はイブニングまで本流で粘ろうとヌカカ対策もしっかりと準備してきたけれど、今日はこれでストップ・フィッシングにしよう。

雨のあとは、なぜかフィールドに吹く風がひんやりとしたものとなった。
着替えをしていると草むらからの秋虫の音色が突然消え、頭上を爆音とともに2機のオスプレイが旋回しながらあっという間に遠くへと消えていった。
そしてフィールドには秋を感じる静けさが何事もなかったかのようにまた戻ってきた。
                                          9.30


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by slowfishing-yun | 2017-08-27 21:44 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 08月 22日

<Episode #342> 夏の本流

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釣り旅へと出かけようと1週間ぶりに車の運転席に乗り込むと、車の中にクモの巣が張り巡らされていて、とても驚いたのが週末の始まりだった。
どうやら先週末の釣行のさい、いつの間にか車の中にクモが忍び込んでいた様子。
それにしても車の中にこんなにクモの巣が張っていたのは初めての経験。

そして本流が流れる北のフィールドに立つと、まったりとした夏のにおいがしたように僕には感じられた土曜日。
それはある意味、僕と鱒との距離を感じさせるにおいだったように思う。
不思議なもので、年に数回はフィールドに立つとそんなにおいを自然と感じたりして、無用な期待をしなくなったこともあっただろうか。
出来れば僕の気のせいだあってほしいと願いながらお気に入りのロッドをキャストしていたように思うこの週末だった。



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先週とは違って、いかにも夏らしい好天には恵まれていたけれど、減水がさらに進み、日中の水温が思わず生温いとさえ感じる23℃ぐらいまで上昇した天塩川だった。
そんな週末の2日間で僕は天塩川の思いつくポイントを彷徨い、いつもよりも少し先までウェーディングして普段の水位ならフライを届けることが出来ないポイントまでフライをキャストし、ドキドキしながらスイングさせてみたりする。
どんな出合いが訪れるか全く予想がつかない緊張感は、僕なりにかなり楽しかったかな。
でも、そんな淡い期待感の中で顔を出してくれるのは、フライの大きさとはまったく不釣り合いな小さなレインボーぐらい。
そしてフィールドで僕が目にした釣り人の姿はというと、それもたったの3人とかなり閑散としたものだった。



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夏のけだるさも不注意というか気の緩みの一つの要因だったかもしれない。
いつもよりも速いピッチでリトリーブするラインにグゥンと衝撃が伝わる。
でもその悪くはない躍動感は残念ながら長続きはしなかった。
フライを回収してみるとチューブフライにセットしたチヌ針のフックが伸びていた。
おそらくその前のキャストで川底の大きな石に引っ掛かったフライを少し強引に外した時にフックが伸びてしまっていたのだろう。
フックの状況を確認していなかったのを少しだけ悔いたもしたけれど、やはり夏の暑さのせいにすることにした。

お気に入りの深瀬のポイントでは、到底フライを届けられない対岸でサーモンサイズの魚が跳ねていたから、もしかしたら夏の美しくてパワフルな本流レインボーに出合えるチャンスがどこかで巡ってくるのかもしれない。
車をとめた駐車スペースの脇の草むらから秋虫の羽音が聞こえてくると、フィールドに近づいてくる秋の気配をほんの微かに感じるのだった。

P.S. FBで知り合ったUsamiさんから届いた旧モデルのスカジットスイッチ(420gr)とマイザーの13フィート、5/6番のMKSとのマッチングがドンピシャだったのがとても嬉しい収獲だった半面、早春に購入したオレンジ色のPatagoniaのストームフロント・ヒップパックが、防水ファスナー以外のところから浸水したのがちょっと痛かったかな。まずはアクアシールで補修してみようと思っている。
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by slowfishing-yun | 2017-08-22 22:01 | Fishing Reports | Comments(4)
2017年 08月 13日

<Episode #340> 雨の本流

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天塩川のキャンプ場で迎えた土曜日の朝。
昨日の午後から降り始めた8月の冷たい雨がまだ降り続いていた。
きっと台風から温帯低気圧に変わった前線の影響なのだろう。
けっして大粒の雨というわけではないけれど、時にはシトシトと霧雨のように、また時にはパラパラと小粒となり、まるでゆっくりと波打つかのようにその存在感を変えながら、僕のRearth社製のレインジャケットにゆっくりと染み込んでいった。
フィールドでは雨が降り止むということはなく、レインジャケットの耐水性能を超えて染み込んだ雨とその冷たさで、僕は思わずブルっと何度も身震いしてしまっただろうか。


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祝日の午後から降り始めた雨は土曜日になっても降り止むことはなく、かなり水位が下がっていた本流だったけれど、少しずつ水位が上がると同時に濁りも増していったように思う。
風が穏やかだったこともあってか、雨が弱まると草むらからは虫の音が響き、ツバメが低空を飛び交っていた。
いつくかのポイントを巡り、最後に訪れたポイントだった。
フローティングのスカジットコンパクトの先に15フィート、タイプ3のティップを結び、ティペットの先にはコーンヘッド仕様のブラスチューブSnaeldaのスモーキータンを結ぶ。
流れを超えてややクロス気味にキャストしたフライが着水して数カウント後、いきなり強烈な衝撃と共に手にしたラインがひったくられる。
ブレーキを絞ったSaracioneから何度もすごいパワーでラインを引き出し、心地良さを超えたスクリーミングサウンドを何度もロッドを手にしたアングラーの耳に届けてくれた。



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サイズこそLサイズ半ばだけれど、そのサイズ以上に分厚くて幅広の体高の方が僕には印象的なレインボーだった。
左の顎には古傷があったから、おそらく以前に他のアングラーのロッドをギリギリまで絞り込んだことのあるレインボーなのだろう。
雨が降り続ける中、iPhoneで何枚かの写真を撮り、そっとリリースする。
またきっとサイズアップだけでなくパワーアップもして、他のアングラーのロッドを極限まで絞り込んでくれるに違いない。



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天塩川へと足を運ぶ前に、サワデーさんお気に入りの本流をサワデーさんご本人にガイドしてもらう。
この日が先週の土曜日に届いたばかりのR.B.Meiser 14' 6/7wt MKX "Jock Scott"のフィールドでの道具としてのデビューとなった。
ガイドしていただいたフィールドは独特の風情のあるロケーションだったけれど、大きなレインボーの気配がプンプンなので機会があればまた訪れてみたいと思う。
そしてロッドのレビューに関しては、近いうちにこちらで紹介できればと思っている。
そんなフィールドで新しいロッドのキャストフィールを感じていると、流れに馴染みながらスイングする黒のInteractionをMサイズのレインボーが気に入ってくれたようだ。
とても気持ちのよいフライへの出方とレインボーの描く3回のジャンプはお見事だったかな。


水温が20℃よりも下がっていたこともあり、金曜日の午後からは水位の下がった天塩川へと移動することにした。
ポイント選びにはかなり迷ったけれど、今シーズンになって二人の友人がLLサイズに出合っている、少し水深のあってバックスペースがほとんどないポイントに足を運ぶことにした。
15フィートのT-14の先に黒のInteractionを結び、あれは僕の記憶が正しければ確か2キャスト目だったと思う。
流れに馴染みながら程よいスピードでスイングするフライに不意にグゥーンと鈍重な違和感を感じる。
そしてグゥワン、グゥワンという幅広のヘッドシェイクと続き、これは明らかにトロフィーサイズかもと思った僕の期待に反して、
フッといつものようにテンションがどこかへとフェードアウトしてしまう。
今回もグッドサイズのお相手とは束の間のランデブーに続くアディオス。
大きなため息とともに、途方もない虚脱感に包まれてしまった「山の日」の祝日だったかな(笑)。
                                   67.79→67.97


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by slowfishing-yun | 2017-08-13 17:15 | Fishing Reports | Comments(4)