カテゴリ:Fishing Reports( 157 )


2017年 11月 27日

<Episode #363> Tokachi river

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昨年の台風の影響で通行止めが続いていた日勝峠だったけれど、どうやらこの晩秋にやっと開通となったようだ。
そんなこととは全く関係なく、僕らが道東道を十勝方面へと向かうのは、この夏にABUさんと佐幌ダムへと車を走らせて以来になるのかもしれない。
その時には確か十勝川本流中流域の様子も少し見たけれど、岸際には倒木が何本も積み重なり、サンドカラーの流れが続くなどダメージがかなり深刻な状況だったと思う。
日勝峠がとりあえず復旧したように、十勝川本流のコンディションが時間と共に少しでも回復してくれればと思う今シーズンだっただろうか。

さて氷点下の気温の中で雪が降り始めた札幌だったけれど、道東道の占冠IC付近から清水IC付近まではいよいよ本格的な圧雪アイスバーンの雪道となった。
そういえば池田ICから出て十勝川の下流域へと車を走らせたのは、思い返してもやっぱり今年の春以来となると思う。
アスファルトはすでに乾いた状態だった。





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土曜日の朝は放射冷却の影響で氷点下8℃前後まで気温が下がったけれど、やはり十勝らしい抜けるような青空がフィールドいっぱいに広がっていた。
最初のポイントでは久しぶりにSさんの車を見かけ、すでに人や車が通る道として機能していない築堤下の河畔林の中のあぜ道を歩くと、木立の間からたくさんの白鳥達が本流の上で羽を休めている姿が目に入った。
予想通りロッドのガイドというガイドはあっという間にガチガチに凍り付いていく。
どうやら水位は日を追うごとに徐々に下がり始めているようで、濁度的にもアメマス釣りには特に支障があるとは思えないサンドカラーを軽く薄めた色だったと思う。
それでも透明度はやはり30cmぐらいといってもよいだろうか。
まずは友人たちと下流域の二つのポイントを巡ってみたけれど、砂がたくさん川底に堆積していて全体的に変化の乏しいフラットな川底になり、さらに水位が浅くなった印象だった。
それにアングラーの姿もそれに車もほとんど見かけることがなかった十勝川だったと思う。
それでもその広大で茫洋としたロケーションは、他のどこのフィールドでも感じられない何かしらをその地を訪れた者にだけ感じさせてくれるような気がする。
結局僕を含めて友人たちのロッドがアメマスの躍動感で曲がるということは一度もなく、なんとなく生命感があまり感じられないお気に入りの下流域から今度は少し上流へと車で移動をすることにした。






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Rod : R.B.Meiser 14' 6/7wt MKX "Jock Scott"
Reel : Farlex 3 3/4" S-handle All black
Line : Airflo Skagit Compact F.I.S.T 540gr + 15' T-8, T-11, T-14
Fly : Conehead tube fly "Interaction", "Fascination", "Amemasu rocket 2017" (Black, chartreuse, orange...)

キャストしたチャートリュースカラーのフライが着水後の数秒後にグゥンと予想外にテイクされたのは、土曜日の午後になってからだったと思う。
久しぶりに感じることが出来た十勝川の躍動感の主はまだまだ小振りなアメマスだったけれど、どこか色白でコンディションは悪くはなかっただろうか。
本当は以前の下流域で出合ったような野性味あふれる厳つい顔の顎が先割れしたアメマスに、ヒィーンという張り詰めた糸鳴りを耳にしながら是非とも出合いたかったけれど、それが叶うのはいつのことになるのだろうか。
おそらく本流のコンディションがさらに回復してからになるになるのだろう。

日曜日は雪化粧をした十勝川が僕らを出迎えてくれた。
風は穏やかだけれど、太陽が顔を出していないだけでこれほど寒さを感じるとは思ってもいなかった。
この日も期待をしてお気に入りのチューブフライをスイングさせてみる。
十勝川の水質は前日よりも格段に良くなっていたのでなおのこと期待してしまったけれど、残念ながら期待に反してスイング中に1度だけアタリを感じただけだった。

毎年12月の中旬頃まで足を運んでいた十勝川のフィールドだけれども、次にこの地へと足を運ぶのはもしかしたら来春になるのかもしれない。
そんなことを思いながら十勝川をあとにした。
                                              2.14



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by slowfishing-yun | 2017-11-27 22:20 | Fishing Reports | Comments(12)
2017年 11月 14日

<Episode #360> ミゾレ混じりの暴風雨の中で…2

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午後を少し回ったあたりで強風のピークは一旦過ぎたように思えたけれど、それに反して本流の濁りは増々酷くなる一方だった。
天塩川はモスグリーン色から次第に薄まったサンドベージュ色へと変化し、やがて黄土色に近い濃いキャメルカラーとでも言いたくなるようなアマゾン川の様相を呈するようになる。
こんな濁度のコンディションの中でも、もしかしたら釣りになるかもしれない赤灯ポイントに着いたのは、確か午後の2時を過ぎた頃だったと思う。
目の前には2つの異なる色の流れがくっきりとしたツートン模様を描きながら下流へと流れていき、そこからさらに下流にいくにつれてその二つの流れの輪郭がゆっくりとミックスされていく。




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赤灯ポイントではリールに巻き込んだSkagit Compact FIST 600grのティップを今までのT-11から15'のT-8かType3に変えようかとも思ったけれど、この流れの速さだとフライの沈下にそれほど違いは無いように思えたので、そのままヘッドの先に15'のT-11をつなげたままにする。
ただティペットの先のフライは白のゾンカーをベースにしたConehead tube fly "Interaction" variant / White baitに結び換えた。

相変わらずミゾレ混じりの冷たい雨が降り続いていた。
キャストごとにフリースのグローブに雨がジワーっと染み込み、不快感を伴った存在感を次第に強めていく。

そんな中、ランニングラインをつまんだ指先に不意にガツンと根掛かりのような衝撃が訪れたのは、僕がポイントを一巡して最初に戻ってから数キャスト目のことだった。
あまり期待もしていなかったものだから、思わず何が起こったのかさっぱり分からず困惑してしまう。
でも僕の十数メートル下流で魚が水面を割って跳躍した時に、今回の根掛かりのような衝撃の相手がレインボーだとやっと認識出来ただろうか。





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僕が差し出したランディングネットに納まったのは、かなり体高のあるグラマラスでメタリックな美しいボディを持ったMサイズ後半のレインボーだった。
ネットに中で横たわっているレインボーの左側の顔にはダメージというものがまったくなかったのだけれど、レインボーが反転したと同時に反対側の右側の顔を見て僕は思わず驚いてしまう。
右側の顔は左側のパーフェクトな顔立ちとは全く異なり、上顎が欠損していて眼窩の下側から大きくへこみ、さらに右眼も白濁していた。
きっとこれまでにたくさんの釣り人のロッドを曲げてきたレインボーなのだろう。
ダメージを受けた原因は推測の域を出ないけれど、これほどのダメージを受けながらもタフに生き抜いている事に僕は驚きを隠せなかった。

今シーズンはこのレインボーを初めとして様々なダメージを受けたレインボーに出合っただろうか。
胸ビレが欠損したレインボーもいたけれど、背骨が曲がった大きなレインボーもいたような…。
フィールドに足を運んでいると、美しいことやそうでないこと、綺麗なことやそうでないことなど、本当に様々な表裏一体ということに出合うことがある。
ただ今回の釣り旅で僕が唯一心残りなのは、彼女の右顔の写真を一枚も残せなかった事かな。




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by slowfishing-yun | 2017-11-14 20:34 | Fishing Reports | Comments(8)
2017年 11月 13日

<Episode #359> ミゾレ混じりの暴風雨の中で…1

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iPhoneの天気予報のアプリは、北海道の上空で急速に発達した低気圧による暴風雨が、おそらく土曜日には注意報から警報に変わることを事前に知らせてくれていたと思う。
もちろんそのことは十分承知していたし、土曜日の釣りが相当タフなコンディションになることも十分覚悟していた。
だから雨量が多くなる前の午前中のワンチャンスめがけて当初はひとりでも天塩川に足を運ぶつもりでいたけれど、今回はmasaさんの車で北の本流へと向かうことになった。
岩尾内ダムからの放水が止まって水位が下がると同時に、濁度も順調に落ち着くことを札幌を発つ前から密かに期待する。
でも不思議なことに雨はまだそれほど降ってはいないはずなのに、金曜日の深夜からまた天塩川の濁度が徐々に上がり始めた。




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フィールドに着くと雨は小降りにはなっていたけれど、予想通り僕の目の前を濁度13のモスグリーン色に染まった天塩川の流れが悠然と流れ続けていた。
少し水位の上がった本流の岸際ではすでにピークは過ぎたとはいえ、まだサーモン達が最後に力を振り絞って産卵行動の真っ最中の様子。
ちなみに濁度13というと透明度はおおよそ30cm前後と考えておくのが、今後のためにも妥当なところだと僕は思っている。
それにしても頭上の雲の流れからして、これから徐々に風が強まることは容易に想像できただろうか。
突き抜けるような晴天の青空と幾層にも重なった鉛色の分厚い雲とが織り成すコントラストが不思議なぐらいに印象的な天塩川の空だった。

そして、スイング中のフライが不意に止まるという違和感を僕が突然感じたのは、雨足が強まっただけでなく台風並みの強風が川面に吹き始めてからだったと思う。





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Saracioneからすさまじい逆回転音と共に一気にランニングラインが引き出されていく。
そのラインが引き出されていくスピードは、出合えてもあまり嬉しくない遡上系の魚種がフライを咥えた時のスピードと比べても、まるで異次元のような速さだったことを久しぶりに僕に思い出させてくれるものだった。
けっして重量感のあるようなパワーではないけれどミドル級のスピード感と併せ持ったスタミナは、ロッドを手にしたアングラーを久しぶりにヒヤヒヤさせてくれた。
モスグリーン色に染まった本流の川面を突き破ってそのメタリックなボディを見せてくれた時に、僕はそのお相手がレインボーだと確信する。
でも残念ながら折りたたみ式のフォールディングネットを差し出し、あともう少しでランディングといったところで今回もアディオス。
僕にとっては久しぶりに出合うLサイズったのだけれど、こればかりはいくら悔やんでも仕方がないところ。
やはり最後のヘッドシェイクは僕にとって鬼門だろうか(笑)

タックルはMeiserの14' 7/8wt MKXにAirfloのSkagit Compact FIST 600gr + 15' T-11の組み合わせ。
3号のフロロカーボンのティペットの先には、最近お気に入りのConehead tube fly "Interaction" variant / E.S.L 2017
最近巻いたIGU-RAもティペットの先に結んだけれど、この濁りの中ではトラウトにほとんど見つけてもらえなかった様子で、やはり黒が入った方が反応が良かったかな。

強風が吹き荒れる中、さらにステップダウンを続けているとスイング中のフライにジワーっと重量感を感じる。
躍動感の主は大きな白点が眩しいこの時期特有のアメマス。
やはり水温が低くなると出合えるチャンスが高まるのかもしれない。

やがて少し風向きが変わると、気温が下がりミゾレ混じりの冷たい雨となった。
セイコマートのホットシェフでランチを済ませ、オーバーヘッド、ヒグマの支流とポイントを移動するけれど、僕にはスイングするフライに何の違和感も感じることはなく、上流に行くにつれてサンドカラーの濁りがきつくなり始める。
小さな用水路だけでなく橋の上から見た名寄川もかなり濁っていたから、このコンディションはさすがに厳しいかもとmasaさんと相談し、次のポイントをこの日の最後のポイントとすることにした。
                                       68.15→68.35




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by slowfishing-yun | 2017-11-13 22:34 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 11月 05日

<Episode #358> Halloweenな本流

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傾き始めた夕日が、波だった本流の川面を不規則なオレンジ色に染め上げる。
その美しさに見惚れていると今がいったい何月だったのか、朝からずっとロッドを振り続けていたアングラーはさっぱり分からなくなる。
でもその燃えるようなオレンジ色がほんの数日前が確か「Halloweenの日」だったことを教えてくれたような気がした。
予報では湧別川が流れるオホーツクのこの地にも明日は雪が降るんだそうだ。
夕日が沈むと気温が次第に下がり始めた。




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R.B.Meiser 12'6" 6/7wt MKS "Black doctor"にAirfloのSkagit・Switch 480grの組み合わせは、最近の僕の中での湧別川での定番コンビネーション。
以前は14フィートのロッドの出番が多かったけれど、夏以降の水位が低い状態になってからは、やはりこちらの組み合わせの方が軽快にキャスト&スイングが楽しめるような気がする。
これまでよりも遡上数がかなり減っていると思われるサーモン達だけれど、それでもやっぱりそのサーモン達が産み落としたエッグがキーになるのではと本流を思いつくままに彷徨ってみた。
岸際の柳が覆いかぶさった深みに上流からConehead tube fly "Egg ball insert" / SUZU-KOを送り込んでしばらくステイさせる。
予想通りステイさせた数秒後にはゴン、ゴン、ゴンという強烈なバイトが訪れる。
そしてちょっとビックリするような大きなヘッドシェイクと続いたけれど、やはり結果はアディオス。
湧別川のトラウトからのコンタクトは僕が気付いた限り、この1回だけだったと思う。





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朝はさすがに冷え込んだけれど、日中は気温も15℃前後まで上がり穏やかな天気に恵まれた湧別川だった。
Google Mapで目星をつけた新しいポイントに初めて足を運んでみる。
7,8年ほど前に対岸からはアプローチしたことはあったけれど、こちらからアプローチするのは初めてになる。
何度かの増水ですっかり雰囲気も変わってしまっていたけれど、まだその頃の面影を少しは残していて、僕としては古い友人に久しぶりに出合ったような気分が味わえただろうか。
期待通りのトラウトからのコンタクトは訪れなかったけれど、このポイントでこんな朝晩はめっきり冷え込む11月にもかかわらず咲いている花を見つけて僕は思わず嬉しくなってしまった。
もしも湧別川のトラウトに出合えていたら、おそらく僕は晩秋に咲いていたこの花の存在にすら気づかなかったかもしれないと思った。
                                            50.65




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by slowfishing-yun | 2017-11-05 20:12 | Fishing Reports | Comments(8)
2017年 10月 30日

<Episode #357> 晩秋の嵐の前に

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金曜日の深夜に天塩川の畔の小さな駐車スペースに荷物の重さでリアが少し沈んだ車を滑り込ませる。
街中の外灯の明かりに照らされた駐車スペースでの車中泊ならまだしも、もしかしたら天塩川の畔で夜を明かすなんてことは僕にとって初めての経験かもしれない。
たくさんの星たちを散りばめた星空が頭上にパノラマチックに広がる。
日の出は朝の6時頃の予報だけれど、きっと放射冷却で気温はグッと下がり、周りの物には霜が降りて白い輪郭を浮かび上がらせているに違いない。
急いでシュラフに潜り込み、車のドアを内側からロックすると、一瞬の間をおいて途方もない静寂さが一気に押し寄せてくる。
そんな恐怖感すら感じる圧倒的な静寂さに少しずつ耳が慣れてくると、やがて遠くから天塩川の流れの音が聞こえてきた。
そしてこんな真夜中にもかかわらず、サーモン達が岸際で激しく立てる水音もそれに交じって不規則に聞こえてくるのだった。




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早朝の水温は6℃前後とかなり低い。
浅場でサーモン達が産み落としたエッグはおそらくそれほど水深のあるところを流れてはいかないだろうから、僕もそれほどディープウェーディングはしていないのだけれど、やがてウェーディングシューズの中の僕の足先がジンジンと冷たさで痺れ出し始めてきた。
今年もいよいよそんなシーズン終盤になったんだなぁと思いながら、10月らしい早朝の引き締まった空気感を感じつつキャスト&スイング、そしてステップダウンをゆっくりと続けていく。
美しい朝日を感じながら、出来れば岩盤と岩盤の間のスリットの中を漂う2017年のESLにガツンという衝撃と共にLLサイズのレインボーが出てくれることを期待したのだけれど、やはり最初のお相手は魚種の違う魚だった。





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今回は久しぶりに天塩川の新しいポイントででもロッドを振ってみた。
ちなみにいつもロッドを振るポイントを初めて対岸からアプローチしてみたのだけれど、左岸から右岸に場所を移るだけでこんなにもフィールドの見え方が異なるんだと、とても新鮮な気分にさせてもらったかな。
水深は十分にあって流速といい雰囲気はとても魅力的なんだけれども、ほとんどバックスペースが取れないから次に訪れる時は、12~13フィートのもう少し短いロッドを持ってこようと思う。

土曜日は雲一つない秋晴れに恵まれるなどフィールドのコンディションは日を追うごとに良くなっていったけれど、どうも僕とトラウトとのリズムが合わないのか、フィールドでご一緒したMoriさんはずこぶる好調なんだけれども僕の方はというといろいろと手を尽くすもさっぱり。
まあ、このリズムというかシンパシーばかりはどうすることもできないしね…笑。
それでも残り僅かな今年のシーズン、もう少しだけ楽しめるといいなぁと思っている次第。
                                      68.00→67.95



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by slowfishing-yun | 2017-10-30 21:49 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 10月 26日

<Episode #356> 秋の天塩川…2

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台風による雨の影響も徐々に薄らぎ、僕が天塩川に滞在している間、フィールドのコンディションは日を追うごとに良くなっていったと思う。
おまけにテレメーターの濁度計はの数字は久しぶりに3という絶好のコンディションにまで落ち着いていった。
本流の色も薄い濁りの入ったモスグリーンから深いグリーンへと変化していくのが僕にもしっかりと分かる。
それは生命感を感じる美しい流れだった。
それでも僕が事前に予想していためぼしいポイントでスイングするフライに本流レインボーからのコンタクトは訪れないのが続く。
以前から天塩川のレインボーが増える活動には微力ながらも協力しているけれど、なかなか一筋縄ではいかないようだ。
昔誰かが話していた「天塩バブル」という言葉も、すっかり過去のものとなった印象。
そんなだんだんと難しいフィールドになってきた天塩川だけれど、それでもこの広大なロケーションの中に佇み、風を感じながら黙々とロッドを振るのが僕はとっても好きかな。




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予想外だったけれど深夜に降りだした突然の通り雨で、車のルーフのステイに100円ショップのゴムバンドで留めておいたお気に入りのロッドとリールが濡れていた。
sugiさんがほとんど毎朝淹れてくれるフレンチローストの濃いコーヒーは僕の眠気をしっかりと覚ましてくれるけれど、何とかギリギリ禁煙を続けている身に深煎りのコクのあるコーヒーは、ついつい忘れかけていた煙草の事を思い出させてくれる。

もともとは土曜日までの予定だったけれど、なかなかこんなフィールドコンディションが巡ってくるチャンスはないと自分に言い聞かせて、秋休暇最終日の日曜日まで天塩川でのステイを延ばしてみた。
土曜日の雲一つない秋の快晴がまるで嘘のようにどんよりとした淡い灰色の雲に覆われた日曜日のフィールドだった。

最初のポイントはキャンプ場よりも下流の岩盤のポイントを選んだけれど、1度だけバイトはあったもののそれ以上は続かなかった。
友人からの情報を頼りに産卵床の瀬のポイントに戻ってみることにする。




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ここ最近の天塩川では新しいMKXの出番が多かったけれど、久しぶりにR.B.Meiser 14' 7/8wt MKS "Fire God"を手にしてみた。
そういえば僕が天塩川に滞在中の事だけれど、Meiser RodのHPがいよいよリニューアルされた様子
リニューアル前のHPではたくさんの写真を使ってもらえたけれど、今回は1枚でも写真を使ってもらえて嬉しかったかな。

上流の岩尾内ダムからの放水が止まり、日を追うごとに本流の水位が下がっていたこともあり、今回はフローティングのスカジットコンパクトに15フィートのタイプ3のティップの組み合わせでキャスト&スイングを繰り返しながらゆっくりとステップダウンする。
3号のフロロカーボンのティペットの先には先日こちらでも紹介したコーンヘッドチューブフライ / SUZU-KOを結んだ。

岩盤と岩盤のスリットの深みでフライをゆらゆらと漂わせながらステイさせる。
いきなり下流で水飛沫が立ったと思ったら、ガツンと指先でホールドしたランニングラインに衝撃がほんの僅かのタイムラグをおいて訪れた。
アベレージサイズのアメマスやレインボーだったけれど、何とか久しぶりに躍動感を感じさせてもらった。

今回の秋休暇に過ごす天塩川の最後のポイントに選んだのは初日にも訪れた深瀬のポイントだったけれど、やはりスイング中にいきなり水面が炸裂すると同時に鈍重な重量感がランニングラインに伝わる。
数回の激しいヘッドシェイクのあと、パワフルなヘビー級のお相手は一気に下流へと疾走。
今度こそLLサイズのレインボーと僕は120%確信していたのだけれど、数分間のやり取りの末にやっと近づいてくるとやっぱり魚種が違っていた。

いろんなハプニングがあったけけれど、今年もなかなか思い出深い秋の休暇だったかなと思う次第。
                                             67.94



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by slowfishing-yun | 2017-10-26 09:53 | Fishing Reports | Comments(4)
2017年 10月 25日

<Episode #355> 秋の天塩川…1

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美深町の天塩川にかかる橋の近くの駐車スペースに車を止め、釣り旅の荷物がぎっしりで少し狭くなった荷室に敷いた寝袋の中にすっぽりともぐりこむ。
1日遅れでスタートした秋休暇の初日に訪れた朱鞠内湖で過ごした疲労感もあったけれど、350mlの缶ビール1本とほんの少しのジャックダニエルの力を借りただけで僕はすぐに深い眠りに落ちていった。
でも、まだ車の周りにははほんの少しの街灯の明かりぐらいだけしか届かない早朝の時間帯に、僕はあまりの寒さに体がブルっと反応して不意に目が覚めてしまう。
外の気温は-3℃とすっかり冷え込み、車のボディや窓ガラスだけではなくすべてのものがすっかり白い霜でコーティングされていた。
日の出までにはもう少し時間があるから、まだ寝袋の中でもう一眠りしようと思うけれど、今晩からは寝袋の中に湯たんぽを入れておこう思ったのだった。




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築堤の上に止めた車から霜の降りた斜面を本流へと、ロッドを手にパリパリッという音を立てながらながら滑って転ばないようにゆっくりと慎重に下る。
本流の奏でる流れの音と早朝の引き締まった空気感とが心地がよかった。
目の前の天塩川からはまるで温泉郷のように水蒸気がゆらゆらと立ち昇り、朝日が差し込む霞のかかった風景はとにかく幻想的だった。

バックスペースが十分に確保できる産卵床の瀬やその下流の岩盤ポイントでは、R.B.Meiser 14' 7/8wt MKXにF.I.S.TとT-11の組み合わせで釣り下る。
上流ではサーモンたちが浅瀬でバシャバシャと最後の生命の営みに真っ最中だけれど、僕の気持ちだけが焦ってしまって、ユラユラと流れの中をスイングするフライには、過去をふまえた期待に反して1度しか違和感が訪れなかった。

今度はバックスペースの乏しい対岸のポイントに移動し、R.B.Meiser 12'6" 7/8wt MKSにフローティングのスカジットスイッチとT-14の組み合わせでステップダウンする。
岩盤で構成された深瀬のポイントだけれど、スイング中のフライがいきなりグンと止まり、お相手は何度かの大きなヘッドシェイクのあとリールのスクリーミングサウンドと共に一気に下流へと疾走。
それと同時に僕に心臓も大きく高鳴り、これはもう久しぶりのLLサイズの本流レインボーとの出合いかなと思ったけれど、残念ながらお相手はちょっと魚種が違ったかな。




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独特の声で鳴きながら僕の頭上をV字状に並んで飛んでいく白鳥の群れや、水辺でゆっくりと羽を休める白鳥たちをたくさん見た今回の天塩川だった。
日を追うごとに気温や水温は少しずつ高くなっていったけれど、白鳥の群れの飛来はやはりこの北の大地にゆっくりと冬が近づいてきていることを示唆する兆候なのだろう。
今回からはユニクロのヒートテックのアンダータイツを寒さ対策で履くようにしたし、先日破格値で購入したSimmsのSlick Jacketもなかなかの着心地だった。

支流の合流する岩盤エリアでスイングの後半にやっとE.S.Lのチューブフライを見つけてくれたのは、白点の美しいまだまだ小ぶりなアメマスだった。
秋の休暇中、僕が天塩川でフライをスイングし始めて2日目の朝にしてやっとの出合いだっただろうか。

期待していた大きな本流レインボーからの反応はいくつもの目ぼしいポイントを巡るものの全く起こる気配もなく、でもふと頭上を見渡してみると雲一つない秋晴れに恵まれた日があるなど、レインボーは全く相手にはしてくれないけれど、なんだかとても気持ち良く一日を過ごすことが出来たと思う。
おまけに土曜日の夜にはMoriさんがキャンプ場でキムチ鍋を準備してくれ、さらにKaneyasuさんが用意してくれた焚き火をジャックダニエルをちびりちびりと舐めながら皆で囲めたからね…笑。
そいえば焚き火を囲むなんて知床以来のような気がするなあ。
                                 68.02→68.09→67.96



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by slowfishing-yun | 2017-10-25 18:42 | Fishing Reports | Comments(0)
2017年 10月 23日

<Episode #354> 秋の朱鞠内湖

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木曜日の東の空がまだ明るくなる前の早朝だった。
僕の車のヘッドライトに朱鞠内湖の前浜の駐車スペースに止められていたsugiさんの車の特徴的なシルエットが浮かび上がる。
もしも朱鞠内湖の前浜の駐車スペースにsugiさんの車の姿がなかったら、おそらく僕の一日遅れの秋休みはまだ濁りの残る天塩川からスタートしていたかもしれない。
思い返すとかれこれ25年近く朱鞠内湖で釣りをしてきたけれど、夏休みや秋休みを朱鞠内湖で過ごしたのはほんの数日しかなかったと思う。
数日前に降った初雪の名残がまだ管理棟の軒下にはあった。
早朝のまだ暗い色に染まったままの湖面を吹き抜けていく風を僕はほとんど感じなかったけれど、気温がグッと下がったことだけは確実に感じられた。

スタッフの黒田さんから「ちょっと渡船代金が高くなりますけれど…」という説明を受けて、黒田さんお勧めの「天狗の鼻」というポイントにsugiさんと渡してもらうことにした。
白い靄で湖畔だけでなく湖全体のシルエットがあいまいな湖面を、確かスタッフの長谷川さんがナビを見ながら操船する渡船ボートがゆっくりと音も立てずに時間を掛けて慎重に進む。
それでも気温の低さなのか、僕の身体もゆっくりと冷えていくのがしっかりと感じられた。
先日の雨の影響なのか、湖水にはサンドベージュ色の濁りがかなり残っていたかもしれない。
でもボートが朱鞠内湖の北部に進むにつれて、その濁りもやや薄まっていっただろうか。




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iPhoneのGoogle MAPで「天狗の鼻」のおおよその位置を確認する。
湖には霧が掛かりおそらくそれもが外部からの音を遮断しているのだろう。
前浜や国道からこれだけの距離が離れることもあってか、ほとんど人工的な音が渡船ボートのエンジン音以外、僕の耳に届くということはなかった。
静寂さと波音、そして時折響いてくるのはエゾシカの鳴き声だろうか。
やがて風が吹くと湖を覆っていた霧が晴れていき、秋の青空が顔をだした。




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秋の釣りが厳しいことはこれまでの朱鞠内湖での経験から十分承知していたけれど、今回は幸運なことにまだ湖面を覆っていた霧の存在感が消えてしまう前に2尾のイトウに出合うことが出来た。

Rod : R.B.Meiser 14' 7/8wt MKX "Copenhagen Winter Green"
Reel : Hardy The Sovereign 9/10
Line : SA Atlantic Salmon SH S1/S2 9/10
Fly : #2 Wakasagi Olive Zonker

最初のイトウはボディがよりハール調に輝いた美しいイトウだったし、2尾目のイトウは最初よりもほんの少し大きなイトウだった。
どちらも僕に久しぶりにイトウらしいトルクフルなパワーを思い出させてくれたと思う。
支えていたボディからゆっくりと手を離すと、どちらのイトウも濁りの残った湖水の中へとゆっくりとフェードアウトしていった。

僕の今年の秋休みの1日目は、そんなわけで秋の深まる朱鞠内湖からスタートした次第。




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Today's BGM :



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by slowfishing-yun | 2017-10-23 23:44 | Fishing Reports | Comments(6)
2017年 10月 15日

<Episode #350> 秋色

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日中と夜の気温の差が大きくなると、やはり紅葉が一段と進むのだろうか。
僕らが足を運んだ湧別川にしろオホーツクの小さな山上湖にしろ、どちらのフィールドも確かに秋色には染まっていたと思う。
黄色やオレンジ、それに赤といった暖色系の色にフィールドは包まれているのだけれども、なぜかほとんど熱量というものを感じられない色彩だった。
やがてこの色彩のトーンが少しずつフェードアウトしていくと、フィールドは白一色に包まれた長いオフシーズンとなるのだろう。



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前回訪れた時よりもたくさんのチャムサーモンが遡上しているものの、さらに渇水が進んだ湧別川だった。
気温の低下でギュッと引き締まったような空気感に包まれながらキャストをしてみる。
渇水で水深が浅くなっただけでなく川幅も狭くなったせいか、12フィート6インチの6/7番のロッドでは抑え気味にキャストしないと、すぐに対岸の木の枝にフライを引っ掛けてしいそう。
どこかもの足りなさを感じながらキャスト&スイングを続けたけれど、最後まで僕は10月らしい素敵な出合いに巡り合うことが出来なかった。




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帰りにオホーツクの小さな山上湖に立ち寄ってみる。
空の青さとピークを迎えた紅葉の美しさとが描くコントラストがとても印象的だった。
相変わらず20lbの黄色のランニングラインをリトリーブする僕の指先に根掛り以外の違和感を感じることはない。
山間に10月の太陽が静かに隠れると一気に気温が下がっていくのをありありと感じる。
出来れば届いたばかりの新しいリールでトラウトの躍動感とあわよくばそれが奏でる音色を感じられたらと願った週末だったけれど、それが最後まで叶うことはなかった。
                                     50.79



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by slowfishing-yun | 2017-10-15 20:52 | Fishing Reports | Comments(10)
2017年 10月 09日

<Episode #349> 山吹色に染まるフィールド

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前日になってフィールドの濁度計の数字がやっと一桁にまで下がり始める。
経験的に濁度計の数字が5以下になればアングラーとしてはフィールドのコンディションに対して何一つ不満な点がないのは十分承知している。
水温も12℃前後とおそらくシーズン中としてはベストなコンディションなのだろう。
ただ先日の雨の影響で水位がまだ若干高いからポイントが限られてしまうかもしれない。
上流のダムが放水を止めてくれると、本流の水位が一気に下がり始めるのだけれども…。




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sugiさんが淹れてくれた深煎りのフレンチローストのコーヒーで目を覚ましてから、本流の河畔林が山吹色に染まった本流にゆっくりとウェーディングする。
少し迷ったけれど、今回もReathのネオプレーン製のストッキングウェーダーに足を通すことにした。
浅瀬の岸際では遡上してきたチャムサーモン達が水飛沫をあげながらペアリングの真っ最中のようで、まだまだイクラを産み落とすという状況には至っていようだ。
E.S.Lが活躍するのはきっとこれからが本番なのだろうけれど、とりあえずニューバージョンのテストも兼ねてInteractionスタイルのE.S.Lをティペットには結んでみた。




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期待していたグッドサイズの本流レインボーとのコンタクトはほんの数秒のランデブーだけ。
スイングの終わりかけにフライが下流の岩盤のエッジ付近でユラユラと漂っている時に指でホールドしたラインごとゴン、ゴンと力任せに引っ手繰っていく。
そんなコンタクトが2度ほど僕が天塩川に滞在中に訪れたけれど、どちらも期待に反して長続きはしなかった。

レインボーの代わりといってはアメマスに申し訳ないけれど、尾びれの上側が何かに噛まれたような傷のあるアベレージサイズのアメマスが顔を出してくれた。
これから水温が少しずつ下がっていくと、彼らに出合うことが徐々に増えていくのだろう。

好天に恵まれた10月最初の連休だったけれど、10月の青空と山吹色に染まり始めた河畔林とのコントラストがシルエットも際立っていてとても美しかった。
風が吹くと山吹色に染まった落ち葉が本流の中を漂いながら流れていく。
秋虫の音色に交じってフィールドには雪虫が飛び始めていた。
きっとこれから朝晩は気温がグッと冷え込んで霜が降り、早朝は野草の緑黄色の輪郭が白く彩られていくのだろう。
日を追うごとにフィールドの季節が少しずつシフトしていくのを感じる。
                                        68.19→68.15



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by slowfishing-yun | 2017-10-09 20:25 | Fishing Reports | Comments(8)