カレンダーではもうすでに6月だというのに、季節外れの寒波が北の大地を包み込む。
そして土曜日に訪れた北のフィールドでは冷たくて強い風が木々の幹や新緑の葉をガサガサ、ギーギーと揺るがせ続けていた。
濃淡の乏しい色彩を欠いたようなモノトーンの空が頭上を覆いつくす。
遠くの緑が白く霞み始めると、やがてパラパラと存在感の薄い小雨も降った。
朝夕の気温は5℃前後。
きっとエゾハルゼミもこの寒さでは木々の葉の裏で震えているに違いない。
数日前にオレゴンの工房から修理を終えて戻ってきたMKXを使ってみることにする。
14フィートの7/8番のスペックで、コスメは不思議な色合いのグリーンが特徴的な"Copenhagen Green"。
そして、オールブラック仕様のサラシオーネの4”のサーモンリールとの組み合わせは、特に僕のお気に入りのコンボのひとつ。
なんとなくこの黒のコンボだとリールのハンドルが描く柔らかいS字のカーブがさらに浮かび上がるような気がするのだが・・・。
一度バットセクションのフェルール近くをキャスト中に折ってしまったけれど、工房のNicがうりふたつのロッドをもう一度組み上げてくれた。
半年ぶりに天塩川のポイントをいくつか彷徨った。
Moriさんに案内してもらったポイントは、ヒグマの気配がプンプン。決して朝夕に一人では近づきたくはないかな。
テレメーターの濁度計はどうやら故障しているようだけれど、フィールドで僕が感じる本流の濁度は5~6前後。
薄っすらと白さの混じった淡いモスグリーンの流れがいつものように力強く流れていき、時間が経つにつれて透明度が少しずつ増していった。
早朝らしい野鳥のさえずりでフィールドは包まれていたけれど、この寒さの中でヒゲナガの姿は一度も見ることはなかった。
夕方前には少し風が弱まり小さなカゲロウがハッチしていて、川面スレスレを滑空するように小さなツバメが飛んでいる。
もしも好天が続けば、そろそろウエットフライの釣りが楽しめるようになるかもしれない。
ウエットフライが入ったフライボックスも用意しておかないとね。
68.10
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