2016年 10月 04日

<Episode #288> 雪夢とBrian Eno

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不思議な夢を見た。
なぜか僕はロッドを片手にウェーダーを着たままロープウェイに乗っている。
ロープウェイが名も知れぬ山の斜面に沿って少しずつ登り始めると、窓越しに秋色に染まった雄大な景色が目の前に広がっていった。
やがてロープウェイは山の中腹から山頂近くへと差し掛かる。
すると今度は山肌に生えた木々の1本1本との距離が近くなり、山の景色がよりリアルなものへと変わっていった。
窓の外に手を伸ばせば、紅葉した木々の葉に今にも手が届きそうな距離である。
今度はそんな紅葉した木々の葉にパウダーを散りばめたような白いものが次第に視界に入るようになった。
それはまさしく雪そのものである。
ロープウェイがさらに登って高度を上げると、視界からは豊かな色彩が失われ、やがて雪に覆われた白一色となった。
まるでホワイトアウト寸前といったブリザードのような冷たい冬の風がビュービューと吹き荒れる。
目の前に広がる厳しい真冬の光景。寒い。本当に寒い。寒さで思わず凍えてしまいそうだった。
そこで僕は不思議な夢から覚めた。
辺りはまだ暗い。そうか、僕はフィールドで車中泊の真っ最中だったことを思い出した。


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車の中ではずっとBrian Enoのアンビエント・ミュージックをBGMとして聴きながらハンドルを握っていた。
いつもならNu-Jazzやビートの効いたディープなダブ・サウンドをBGMとして聴くのだけれど、なぜかそんな気分だった。
ハイビームのヘッドライトに照らされた深夜のR275にフッと大きな影が浮かび上がる。
道路の真ん中に大きな角を持った牡鹿の姿。
時にはタヌキやキツネも飛び出してくるから気をつけないと。


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週末に訪れたSalty Heaven Riverのフィールドコンディションは悪くはなかったと思う。
上流にあるダムからの放水が数日前から止まり水位が20cm近く下がったのがちょっとした変化だっただろうか。
でも土曜日の午後からはまた放水が再開され、水位がいつもの感じにまで戻る。
そういえば遡上してきたサーモンの姿を見ることが例年よりもかなり少ないように僕には感じられた。
浅瀬で産卵に向けてペアリングしているサーモンの姿は今シーズンになってまだ一度も見ていない。


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朝から小さなレインボーと戯れた土曜日の正午頃、少し水深のある早瀬で"Snaelda"をスイングさせていると、
いきなりゴンとフライがひったくられて、ブレーキを絞ったリールからランニングラインがスクリーミングサウンドと共に引き出されていく。
お相手は何度も手にしたMKSをバットからのされてしまうほど悪くはないサイズのレインボーだった。
岸際で激しくヘッドシェイクする度にキリキリと僕の胃が痛くなるのを感じる。
レインボーの残した余禄からこれはもう一度ダッシュするなと思ったら、フッとラインからテンションを失い見事にアディオス。
これは僕の方にツキがなかったと諦めるしかないようだ。


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イブニング間近にもう一度僕にチャンスが訪れた。
川幅がギュッと狭まったかなり水深のある早瀬で1インチでカットしたブラスパイプの"Snaelda"をスイングさせる。
やがてスイングが終わり、そのままフライを速い流れの中でステイさせていると、ズゥンと指でホールドしたランニングラインが引き込まれた。
重量感こそそれほどでもないけれど、まるでサーモンにでもスレ掛かりしたかのようにレインボーはパワフルさ全開で疾走する。
サイズにしてはピーンと張った尾びれの大きさが印象的なレインボーだった。
赤いチヌ針を外し、流れへと戻っていくのを見届ける。
フィールドに日暮れが近づこうとしていた。
あのレインボーとの出合いは、もしも他の事に気を取られていなければ完璧だったのにと、僕はちょっぴり後悔したりした。

雪夢とBrian EnoのBGM、それに不意の衝撃といい、北のフィールドで過ごしたなかなか印象的な週末だった。
                                                67.84→68.04→67.94

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今日のBGM :


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by slowfishing-yun | 2016-10-04 00:13 | Fishing Reports | Comments(12)
Commented by sawayakasawade at 2016-10-04 09:44
Yunさん
おはよう御座います。
先週は厳しい中、しっかりと結果を出されるとは流石です。
私は車とリールを壊してしまい、踏んだり蹴ったりの一日でした(笑)
夜の部も参加できず非常に残念でしたが、またタイミングが合いましたらどうぞ宜しくお願い致します。
最近全然釣ってませんが、まだまだこの川に通おうと思います。
Commented at 2016-10-04 17:51
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by abu-z4 at 2016-10-04 19:54
Yunさん、こんばんは。
土日は、お疲れ様でした。
Yunさんと一緒に始まった今回の釣りでしたが、期待が大きかったせいか、かなりヘコんでしまいました。
あれほどの変化を目の当たりにすると、魚たちにとって1週間と言う時間は長い物なのだろうなぁ、なんて感じました。
僕が悩んでいた間にも、Yunさんはレインボーと戯れていたのですね。
いつものことながら、羨ましい限りです。
今シーズン、僕ももう一度至福のひと時を味わってみたいものです。
また、宜しくお願いいたします。
Commented by slowfishing-yun at 2016-10-04 20:55
サワヤカサワデーさん、こんばんは。
車の異音の話はうかがっていましたが、リールまでトラブル発生でしたか。
もしかしてラチェットかスプリングでしょうか?
お気に入りのリールでしょうから、早く直るといいですね。
私は今シーズンもアディオスばかりです。でもそれはそれとして楽しいのですが・・・笑。
次回は夜の部にも参加されることを楽しみにしております。
Commented by slowfishing-yun at 2016-10-04 20:57
鍵コメのタッドさん、こんばんは。
残念ながら今回はタイミングがちょっと悪かったようですね。
きっとまた訪れるチャンスはあると思いますので、その際は是非楽しまれてください。
Commented by slowfishing-yun at 2016-10-04 21:02
ABUさん、こんばんは。
週末は朝晩がめっきり冷え込む中、お疲れ様でした。
最近はフィールドで朝を迎えるのが、楽しみになりつつあります(笑)。
早朝は私も期待したのですが、どうもレインボーからの反応が悪かったですね。
これもタイミングですから、仕方がないのかもしれません。
後半の本流シーズン、お互いに素敵な出合いに恵まれることを願っております。
次回もまた宜しくお願いいたします。
Commented by yaskhoo at 2016-10-04 21:06
こんばんわ、YUNさん、やすこうです。
雪夢とBrian EnoのBGM・・・・Yunさんのブログに共感して、なんだか幻想的で、釣りをさておいて、たまらなくフィールドに出たくなりました。
車中泊の夢想もきっと、思い返せば心象風景になるんでしょうね・・・
Brian Enoって、昭和感がありますが、Windows95の起動音も作曲してるんですね。ちょっとびっくりしました。
週末の天気が回復してフィールドにご一緒できることを祈っていますwww
Commented by slowfishing-yun at 2016-10-04 21:30
やすこうさん、こんばんは。
連休は無事にお会い出来るのを楽しみにしております。
朝晩はめっきりと冷え込み、おそらくそんな寒さで雪夢のような夢を見たんだと思います。
Brian Enoは初期のRoxy Musicのキーボード担当だったようですね。
私はアンビエントミュージックを彼が作曲し始めてから聴くようになりました。
確かに何となく昭和感があるかもしれません・・・笑。
週末は宜しくお願いいたします。
P.S.写真のレインボーはやすこうさんがまさしくアディオスされたポイントでしたよ(笑)。
Commented by masa1st1956 at 2016-10-04 21:58
Yunさん、こんばんは。
週末はお疲れ様でした。
あの厳しい状況の中、結果を出すのは流石かと・・・私の場合、二回に一回しか結果が出ません(笑)
しかし今年の天塩は人の多さにビックリです、早く他の本流が回復がしないとポイントの争奪戦が続きそうで・・・
私は月末まで週末は釣りに出れそうもありませんが、また宜しくお願いします。
Commented by mooly at 2016-10-04 22:00
Yunさん、こんばんは。
久しぶりの本流。正直なところもう少し状況いい感じを予想していましたが、
でも小物は数多く反応してくれましたので、いつもよりは気も途切れなく楽しく二日間を過ごせました。
初夏の本流もいいですが、私的には秋の本流の雰囲気のほうがやっぱり好きです。
一度グッと冷え込んで、ネオプレーンじゃないとダメなぐらいになれば、いよいよ本番 って感じになるかもしれませんね。
その日が楽しみです。
Commented by slowfishing-yun at 2016-10-04 22:40
masaさん、こんばんは。
週末はお疲れ様でした。
早朝の本流で上流から響いてきたどこか聞き覚えのあるサラシオーネ・サウンド。
やはり上流におられたのはmasaさんでしたね(笑)。
確かにどこのポイントにも先客のアングラーがおられる週末でした。
それでもラッキーなことに何とかレインボーが顔を出してくれました。
よそ見をしながらフライをしばらく流れの中にステイさせるのは、
ミチオ・メソッド、ミキコ・メソッドに続く新しいメソッドかと思います(笑)。
夜の部で話題になったフライをスイングさせている最中にラインをトリガーのように動かす話、
私の感想としては、ラインとフライの位置関係によっては効果あるように感じています。
やはり、信じるものは救われるといったところでしょうか(笑)。
お仕事の方がお忙しいようですが、隠密行動のレポートを楽しみにしております。
Commented by slowfishing-yun at 2016-10-04 22:47
Moriさん、こんばんは。
週末はお疲れ様でした。
確かに遡上しているサーモンの姿がまだまだ少ないので、秋シーズンの本番はこれからなのもしれませんね。
もちろん私も秋シーズンの雰囲気の方が好きだったりします。
きっと初雪の便りが聞こえ始める頃が、一番面白い時期なのかもしれませんね。
そうそう、昨日仕事帰りにテムズに立ち寄ったのですが、
私の巻いたフライを買って下さった方が出合ったLLサイズのレインボーの写真を見せてもらい、
思わず嬉しいのと羨ましいのがゴッチャになってしまいました(笑)。
また次回も宜しくお願いいたします。


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