2016年 01月 17日
今回はコーンヘッド・チューブフライ タイイング講座の第1回目。 最初に紹介するフライは、お気に入りの本流でも僕がメインに結ぶ"Fascination" ブラック&オレンジ。 過去にもブログで紹介したことがあるのだけれど、これまでの経験をふまえて、もう少し詳細に紹介出来ればと思っている。 画像と文章ではどうしても説明しきれないところがあるので、もしもチャンスがあれば2月のテムズでのタイイングデモで・・・多分(笑)。 ちなみに画像の枚数が多いので、数回のエントリーに分けて紹介させていただく。 とにかく僕が巻くフライはコストパフォーマンス重視なので、美的な部分はどうかご容赦いただければと思っている次第。 こちらは、チューブフライタイングの際の裏方で活躍してくれるタイイングツールたち。 100円ショップの瞬間接着剤。 スケールとクリップで自作したマジックツールの代用品。2個作っておくと挟んだマテリアルの持ち替えが出来て便利。 フライフィッシングを始めた頃に最初に買ったダビングワックス。 歯ブラシ、出来れば硬めのもの。 ニードルとハックルプライヤー。 シザースは2本。1本はスレッドやファイバーなど軟らかいもの用で、もう1本はワイヤーなど硬いもの用。 ダビングツイスターは、釣具量販店で購入したバス・根魚釣り用のシンカーとセムクリップを伸ばしたもので自作。 こちらはメインに使うタイイングマテリアルとツール。 プラスチックチューブはTOHO社のFIXPIPE(硬質カラミ止め)、0.8mmと1.5mm。 残念ながら販売されているのは1.5mmが最大径で、僕としては1.6~1.8mmぐらいがあると嬉しいのだけれども・・・笑。 1.5mmのチューブの内径にピッタリに差し込めるのが0.8mmのチューブなので、もっぱら僕はこの組み合わせのみ。 0.8mmのチューブは約2cmにカット。1.5mmのチューブの方は2.5cmにカットし、片側を斜めにカットしておく。 ブラス製のコーンヘッドは、Tackle Mac(タックルマック)の5mmのコーンヘッド。 ホットオレンジやチャートリュースなどの色のついたコーンヘッドやフライのヘッド部分を重くしたい時は、 UOSO社のC3というサイズのコーンヘッドを使うこともあるけれど、 やはりメインに使うのはコストパフォーマンス重視でタックルマックの方かな(笑)。 これまではチューブフライ用のアタッチメントを使っていたけれど、今回初めてPROSPORTFISHER社のニードル(Sサイズ)を使用。 やはり専用のツールだけあって使用感は申し分なく、タイイング中にチューブがクルクルと回転することもなく、 ストレスが軽減されただろうか。 以前はチューブとアタッチメントの間に切り出したシリコンチューブを挟んだりしていたけれど、これで手間が省けそう。 使用するフックはもっぱらHARIMITSU社のカン付チヌ針5号のみ。 ティペットを結んだフックのアイがちょうどそのまま1.5mmのチューブに差し込めるのが便利。 もしも差し込む際に硬い印象を受けるようなら、チューブを指で扁平に押し潰しておくと良いと思う。 バーブレス派の方は、前もってプライヤーでバーブを潰しておくと良いだろう。 (1) バイスにチューブフライタイイング用のニードルをセットし、0.8mm、1.5mmのチューブを差し込む。 2本のチューブが重なるのは、約5mmぐらいだろうか。 慎重な方は0.8mmのチューブをもう少し長く切り出し、1cm位重ねても良いだろう。 (2) 8/0の黒のスレッドで巻き始め、2本のチューブの接合部分をしっかり巻き留めたら、染み込むように瞬間接着剤を塗布する。 (3) 2本のチューブの接合部分の上に、0.025のリードワイヤーを7回転ほど巻きつける。 タックルマックのコーンヘッドを使う場合、僕は7~10回転の間で調整。 UOSO社のコーンヘッドの場合はもう少し重量があるので、回転数を微調整することもあるが、 それほどリードワイヤーの回転数に慎重になる必要なないと思う。 基本的にこの種のチューブフライにリードワイヤーを巻くのは、フライの重量を増して沈下速度を速めたいという理由もあるが、 実はこれぐらいの重量ではそれほど沈下速度に影響はなく、どちらかというと、ティペットのテンションが緩んだ際に、 フライがバランスを崩して上下に妖しく動いて欲しいからだったりする。 だからフィールドではフライのスイング中にロッドティップを上下に動かしたり、ランニングラインを張ったり緩めたりして、 フライのバランスを強制的に崩し、フライに少しでも動きが発生するように心掛けている。 もしも本気でフライをしっかり沈めたいのなら、チューブフライをブラスやコパー製にするか、フルシンクのスカンジSH、 シンクレートの高いティップを使うのが良いだろう。 (4) 巻きつけたリードワイヤーをスレッドでしっかりと巻きとめ、もう一度瞬間接着剤を塗布。 そしてスレッドを後方の位置まで移動しておく。 ある程度チューブフライの残りの部分を残しておいた方が、タイイング終了後にチューブをカットして微調整可能。 (5) スレッドにお好みのダビング材を縒りつけ、ダビングボールを作る。 僕はもっぱらスードゥーヘアの余ったものを使うことが多いかな。 カラーはホットオレンジ、ピンク、チャートリュースなどお好みのカラーで。 エッグを印象付けたい場合は、ホットオレンジとピンクをブレンドしたもので、少し大きめにダビングボールを作るのも可。 (6) ダビングボールの前方にSPIRIT RIVER社のPalmer Chenilleの黒を巻きとめ、1回転させてスレッドで固定する。 今回は1回転だが、好みによっては2回転でも可。でもあまり多く巻くとボリュームが増えて見栄えがいまひとつ。 フライの配色によっては、今回の黒以外にもチャートリュース、ピンク、オレンジ、ピーコック、パールなどを使うことがある。 (7) 根元のファイバーを取り除いたコックフェザントランプの黒をティップ側から巻き留める。 巻き留めるコックフェザントランプはファイバーが出来れば長めのものがお勧め。 最近は黒がなかなか手に入らないから、ダークオリーブで代用することもある。 黒やダークオリーブの他にオレンジも使うことがあるけれど、こちらは少し暗めのカラーなのがちょっと残念かな。 (8) 黒のコックフェザントランプを同じ位置で3~4回転ほどハックリングし、スレッドで固定する。 あまり多く巻くとボリュームが出すぎてしまうので、巻く量を加減しながら巻くと良いだろう。 コックフェザントラップはそれほどストークが硬くはないので、両側のファイバーを使うようにいている。 (9) 片側のファイバーを取り除いたマラードフランクのホットオレンジをティップ側から巻き留める。 好みによっては、このマラードフランクを巻くのは省き、コックフェザントランプのみでも良いし、 時にはコックフェザントランプを巻くのを省いて、マラードフランクのみのこともあるので、パターンはさまざま。 (10) 同じ位置で2回転ほどハックリングしスレッドで固定。 マラードフランクのストークはどちらかというと太くて硬いので、あまり多くは巻き留めないようにいている。 安価なコックフェザントランプやマラードフランクの代わりに、オーストリッチやアムファーストを使う選択肢もあるけれど、 確かにオーストリッチは動きが良いし、アムファーストはまだら模様が綺麗に出るけれど、 コストパフォーマンス重視のため、僕はめったに使わないかな。何しろ値段が高いし・・・笑。 以前は、テイルにマラブーをダビングループでツイストしてハックリングしたこともあったけれど、動きは良いものの、 マラブーのファイバーに張りがそれほどないので、最近はあまり使わないかな。 (11) お好みのダビング材で、リードワイヤーの後端の辺りまでボディを作る。 僕は最近ダビング材は使わず、100円ショップや手芸店で購入したラメ入りの縒り糸を使うことが多い。 カラーはゴールドが好みだけれど、シルバー、パール、ブラックなどフライの配色を考えながらお好みのカラーで。 UV Polar Shenilleのゴールドを巻きとめ、2回転ほど重ならないようにハックリングする。 カラーはゴールド以外にシルバー、それにコパーなどのメタリック系を使うことが多い。 (12) Large Krystal Hackleの蛍光オレンジを巻きとめ、同じ位置で1回転ハックリングする。 Large Krystal HackleはUV Polar Shenilleよりも発色が良いので、僕が頻繁に使うマテリアルの一つ。 色のバリエーションも豊富で、他のカラーもお勧め。 (13) さらにLarge Krystal Hackleの黒を2回転ほど重ならないように同じ位置でハックリング。 それほど丁寧に巻く必要はないと思う。 ただ、ハックリングの際にはファイバー同士が絡んだり、ファイバーが巻き込まれてしまうことがあるので、 時々ニードルでかき出し、歯ブラシなどでファイバーを後方へと整えておくとトラブルが少ない。 さらにこれまで巻き終えたマテリアルのファイバーを、指につけた少量の水で濡らしながらタイイングすると、 ファイバー同士が巻き込まれたりするトラブルが少ないので、どうかお試しあれ。 第1回目のタイイング講座はここまで。 続きは後日にでも。 Today's BGM :
by slowfishing-yun
| 2016-01-17 17:19
| 私的FlyTyingの愉しみ
|
Comments(6)
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sugi-51 at 2016-01-18 00:34
yunさん、こんばんは。
先日は夜遅くまでお疲れさまでした。 タイイング講座を楽しみに、タックルマックにてアタッチメントとコーンヘッドを注文して準備を進めておりました。手芸店、まれに立ち寄りますが少々気が引けるのは私だけでしょうか? 沢山の写真と詳細な説明は手間がかかり大変でしょうが、素人には分り易く大変助かります。 2時間目の講座も楽しみにしてます。
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slowfishing-yun at 2016-01-18 20:58
sugiさん、こんばんは。
こちらこそ、新年会はお疲れ様でした。大勢の人数だったので少々まとまりが悪かったですが、楽しんでいただけましたか(笑)。 チューブフライのタイイング講座、次回は水曜日あたりを予定しています。久しぶりに大変でした。 特に写真の整理が大変です。たいていはフライを夜に巻くことが多いので、ライトの加減など写真の撮影そのものも苦手だったりします。 手芸店は私も苦手ですね。でも、100円ショップぐらいなら結構大丈夫かもしれません。時々マニキュアを買ったりもしますから・・・笑。
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satoruer at 2016-01-25 20:18
yunさん、こんばんは。
0.8mmのチューブにちょうど良いニードルの代わりになるものが身近にありました。スプレー缶などのノズルがいい感じです。少し研磨するとバッチリでした〜。
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slowfishing-yun at 2016-01-25 21:32
satoruerさん、こんばんは。
なるほど、ニードルの代わりにスプレー缶のノズルというアイデアもありますね。 先日、ついにチューブフライ専用のニードルを購入してしまいました。 さすがに専用というだけあって、なかなか使い勝手はよかったです。 もしも壊れる様なことがれば、今度はスプレー缶のノズルですね。
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越沼武志
at 2017-11-28 12:26
x
フックとティペットを結んで差し込む所を画像で欲しいです!
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slowfishing-yun at 2017-11-28 21:29
越沼さん、こんばんは。コメント、ありがとうございます。
私はハリミツ社の菅付チヌ針5号を使っていますが、フックにティペットを結んで、1.5mmのプラスチックパイプにフックのアイが隠れるまで差し込んでいます。 時にはフックのシャンクの半分ぐらいまで差し込むこともあるんですよ。 越沼さんがお使いのフックのアイの大きさがわからないので何とも言えませんが、アイが大きすぎる場合はシリコンチューブをジョイントチューブとして使うしかないと思います。 |
札幌市在住Yunの北海道をメインフィールドにしたスカジットキャストによるトラウト&サーモン釣行記。R.B.MeiserなどのダブルハンドのカスタムスペイロッドやTube Flyなどの気ままなフライタイイングにお気に入りのリール、それにオリジナル音楽(Dub Techno, Ambient, Minimal, Drone, Noise Industrial)とフィールド動画(YouTube)などなど by Yun カテゴリ
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