2015年 11月 01日

<Episode #151> 湧別川のアメマス

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グッと気温が下がった10月最後の土曜日、本流好きのアングラーは今週もどこに足を運ぼうかとフィールドの選択に迷う。
金曜の夕方から岩尾内ダムの放水が止まり、本流レインボーのほぼシーズンラストの天塩川にもう一度足を運ぼうかと迷ったけれど、
ハイウォーターのお気に入りエリアの水位が下がるのには、多少の時間が掛かるので、今回は湧別川へと車を走らせた。
上川町を過ぎると峠道は路肩に白い雪が残るアイスバーン。久しぶりの雪道走行に思わずハンドルを握る腕に力が入る。


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秋の深まった湧別川で僕が最初にマイザーの#6/7番のMKSを振ったのは、本流の片側が護岸された長いランのポイント。
先週の雨による増水でポイントの雰囲気は少々変わり、浅瀬には鮭の亡き骸だけでなくたくさんの流木が横たわっている。
岸際には産卵のピークをすでに終えたサーモン達が力なく泳いでいる。
そんなサーモン達が産み落とした卵に目がないレインボーに好かれるんじゃないかと、
今回ティペットの先に結んだフライは、コーンヘッド仕様のエッグパターンのチューブフライ。
前夜に慌ててタイイングしたフライを対岸めがけてキャスト&スイングさせていると、Mサイズのレインボーが思わずフライをテイク。
2度ほど本流の上をジャンプして、気持ちよくロッドを曲げてくれたけれど、残念ながらこのレインボーとは反転と同時にアディオス。


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少し下流へと釣り下っていくと、瀬頭から外れた緩い流れにたくさんのサーモン達が定位していた。
そんなサーモン達のすぐ後ろにフライを落とし込み、底付近でフラフワと漂酔うのをイメージしながらステイさせていると、
いきなり何かが大きな口をあけてフライを咥え、グゥアン、グゥアンと大きな振幅でヘッドシェイクし、反転すると一気に下流へと疾走した。
オレンジ色のランニングライン、白いバッキングラインと、ブレーキを絞ったサラシオーネから一気にラインが引き出されていく。
最初に写真を撮ったこの時点まではまだ僕にも余裕がったのかもしれない。


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でも、次にカメラのシャッターを押した時点で、僕の中から余裕というものが消えていたのだろう。
さらに魚は速い流れに乗って下流へと疾走していく。
2.5号フロロのティペットが切れるギリギリまでブレーキを絞っても、さらにリールから白いバッキングラインが吐き出されていった。
バッキングラインの残りは僅か。僕の心臓の心拍数が上がる。
ロッドを握りしめながら少し瀬を下り、ラインの先の相手に最後のプレッシャーをかける。
そしてまるで何事もなかったかのようにフッとロッドからテンションが失われた。
色を失った無機質なサウンドを聞きながらサラシオーネに引き出されたラインを巻き取った。
これほど長く引き出されたバッキングラインをフィールドで巻き取ったのは久しぶりかもしれない。
あれがもしも本流レインボーなら、僕にとっては紛れもなくトロフィーサイズ。
それのしてもこのアディオスは、僕にとってちょっと心残りかな。


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瀬頭から外れた緩い流れでは、何事もなかったかのようにサーモン達がステイしていた。
もう一度気を取り直して少し下流にフライを漂わせると、不意にグゥンとラインが引き込まれる。
レインボーほどのスピード感はないけれど、なかなか力強かったお相手はゴオマルのアメマス。
もしかしたらこのサイズのアメマスに湧別川で出合うのは僕にとって初めてかもしれない。
アメマスは十勝川下流域でと思っていたけれど、フィールドこそ違うものの、ちょっとフライング気味か(笑)。

その後、下流にいたMoriさんにまだ撲が足を運んだことがない1ヶ所のポイントへと迷ガイドをしていただく。
でも、さすがにMoriさんが釣った後に流しても、ちょっと厳しいなあ(笑)。


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フィールドは薄い雲で一日中覆われていた。
乾いた秋の色が深まる秋の印象をさらに強めているように感じられる。
少し下流域へと車で移動することにした。
分流した流れが合流するポイントで、対岸にキャストしたエッグパターンのチューブフライがグゥンと引き込まれる。
サイズこそ小振りだけれど、メタリックなボディに身を包んだレインボーが顔を出してくれた。
そしてさらにステップダウンを続けていると、スイングの終わりかけで鈍重なテイクがロッドに訪れる。
バットから美しい曲線を描くロッドを握りしめながら、経験的にお相手がお目当てのレインボーでないことは分かっていた。


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オホーツクの海から遡上して間もないのだろうか。
ほぼナナマルのアメマスからは、十勝川や別寒辺牛川で出合う遡上系のアメマスの匂いがした。

秋が深まりつつフィールドで、一日ゆっくりと釣りをしたように思う。
フィールドで淹れて飲む深煎りのコーヒーが、身体の芯から温まって、いちだんとありがたみを感じる季節になっただろうか。
フィールドでアメマスに出合え始めると、もうすぐ季節は晩秋から初冬へと移り変わる。いよいよ雪の季節だ。
                                                         50.72→50.69

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Today's BGM : 英国はブリストル・サウンドのMassive Attackもディープなサウンドで好きだけれど、
最近はデンマークのDJ TOMとDJ BUDAによるダブ・テクノ・ユニットLulu Rougeもミニマルな静寂さの中にインパクトがあって好きかな。




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by slowfishing-yun | 2015-11-01 17:37 | Fishing Reports | Comments(10)
Commented by bolocyan at 2015-11-01 23:53
yunさん今晩は
今回は湧別川でしたか。
大きなアメマスですね。僕は湧別川では大きなアメマスの印象があまりなく
大きなアメマスもいるんだなぁ~なんて思いながら記事を読ませていただきました。
僕もLulu Rougeを2年ほどまえにyoutubeで見つけましてインパクトがあったのを覚えています。
お尋ねのワーム件見つかりましたよ。メールでも送りましたが、
マリアのママワームのアクションフィッシュという形でした。僕は1.5 1.8インチを使用していました。
Commented by masa1st1956 at 2015-11-02 09:53
Yunさん、おはようございます。
湧別アメマス70は非常に希かと思います。
大口のグッドサイズアディオスは残念でしたが、サラシオーネでバッキングライン出しはそれはそれで楽しめたのではと・・・
しかし、Yunさん、Moriさんの後のポイントは入っても無駄と今回改めて思いました(笑)
Commented by abu-z4 at 2015-11-02 11:54
Yunさん、こんにちは。
リールにわずかに残るバッキングライン、ヒヤヒヤ・ドキドキですね。
残念な結果かもしれませんが、結構楽しめたのじゃないですか?
それに、コンディションの良いビッグサイズのアメマス、十分に素晴らしいです。
僕は、天塩・十勝で今年のレインボーを終わりにしたのですが、湧別もありましたね。
ちょっと気になったりします(笑)。

Today's BGM は初めて聞きましたが、季節的にもいい感じですね。
こういうの、好きです(笑)。

Commented by mooly at 2015-11-02 12:28
Yunさん、こんにちは。 迷ガイドです。
すみませんでした、てっきりアメマスコースのガイド依頼と勘違いしてしまっていました。(笑)
懲りずにまたご依頼下さいませ。通信設備を駆使した遠隔操作ガイドもうけたまわっておりますのでどうぞ。
それにしてもバッキングなくなるのは、あせる~!
私は経験ないですが、感覚的には車でガス欠になる感じ? いやいやもっとスリリングですよね。
トイレで用を足して、ふと見ると紙がない。ていう感じ? いやいや違う違うそれはまた違った意味のスリリングですね。
私にはわかりませんが、想像だけで怖すぎます。ほんの数秒の出来事かとは思いますが、脳裏に焼き付きますね。
Commented by slowfishing-yun at 2015-11-02 20:22
bolocyanさん、こんばんは。
私も湧別川にあまりアメマスの印象は強くはなかったので、今回の出合いは意外でした。
おまけにこのサイズとなると、ちょっとビックリです(笑)。
でも、本当は大きなレインボーに出合いたかったのですが・・・。
Lulu Rougeはアレンジがなかなか面白いです。それに音質というか音色も私の好みに近くて、良いところをついているなあと(笑)。
ワームの件、ありがとうございました。
いつか使ってみようと思っていましたがbolocyanさんがすでに使っていたのでビックリ、おまけにグッドサイズをかけてしまうとは・・・。
マリアのママワーム、なかなかショップには置いていないので、ネット通販で購入してみようかなと。
十勝川のアメマスあたりに使ってみたら、きっと面白いんじゃないかと思っています。
でも、これってやっぱりフライじゃないかな・・・笑。
Commented by slowfishing-yun at 2015-11-02 20:29
masa1st1956さん、こんばんは。
十勝川ならともかく、確かにこのサイズとなると湧別川ではかなりレアなのかもしれませんね。
私もMoriさんの後からフライを流してもさっぱりでした。とにかく、なかなかの迷ガイドです(笑)。
湧別川にもどうにもならない相手がいるようですね。久しぶりにとてもスリリングなやり取りでした。
あのままプレッシャーをかけなければ、リールに巻いたラインすべてを持って行かれたかもしれません。
Commented by slowfishing-yun at 2015-11-02 21:37
ABUさん、こんばんは。
Lulu Rouge、気に入っていただけましたか。是非大音量で聴かれることをお勧めします(笑)。
ロッドを握りしめながら瀬を渡っていれば、もしかしたらランディング出来たかもしれないと、ちょっと心残りだったりします。
でも、勢いで対岸に渡ったはよいものの、戻れなくなると困りますからね・・・笑。
フライをテイクしてからのアクションがレインボーとは異なっていたので、何だろうと思いつつやり取りしていたら大きなアメマスでした。
まるでサーモン並みの太さと厚さでしたから、とてもコンディションは良かったです。
Commented by slowfishing-yun at 2015-11-02 21:49
Moriさん、こんばんは。迷ガイド、ありがとうございました。
本当はレインボーコースのガイド依頼だったのですが、とにかくガイドがゲストの前に釣ってはいけませんよ・・・笑。
是非とも通信設備を駆使した遠隔操作ガイドは別の方で宜しくお願いいたします(笑)。
それにしてもピッタリと横というか後ろにつかれて釣りをするのって、落ち着かないものですね。
私はもしも海外に釣りに行っても、ガイドの方と釣りをするのは苦手なのかもしれません。多分行くことはないと思いますが(笑)。
おそらく20秒ぐらいはやり取りしていたと思います。自分のキャパを越えたどうにもならない状況って、きっとこんなことをいうのでしょうね。
お相手のパワーには脱帽でした。
Commented at 2015-11-02 23:16 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by slowfishing-yun at 2015-11-03 00:13
鍵コメのKAZUYAさん、こんばんは。
実は写真の下流に水深のあるとても速い流れがあるんです。その流れを一気に下られたので、どうしようもありませんでした(笑)。
ロッドの番手は気になりますね。私の場合、天塩川ではもっぱら7/8番を使いますが、それでもどうにもならないレインボーがいるようです。
でも、6/7番ならオールマイティにどこのフィールドでも使えるのかもしれませんし、いっそのこと2本というのはいかがでしょうか?(笑)。
最初に私が思い切ってマイザーを買った時は1ドルが126円でしたので、それに比べたら・・・笑。


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