2015年 05月 03日

<Episode #109> GWのイトウ / 朱鞠内湖

f0317993_1204734.jpg



深い眠りに漂った僕のかすかな意識の中で携帯電話の呼び出し音が鳴る。
リアスのディープグリーンに染まったネオプレーンウェーダーの内ポケットの中で、今どきのスマートフォンではない僕の携帯電話が鳴っていた。
それは屈斜路湖にいる友人からの今日の状況を訊ねる内容の電話だった。
雲ひとつ見当たらない青空からは、小さな波の音に混じって5月の眩しい日差しが降り注ぐ。
まだ朦朧とした意識の中で友人との何気ない会話を終えても、背後の白樺林の枝が風に吹かれて揺れていた。
どうやら2時間ほど朱鞠内湖の切り株に寄りかかりながら風を感じているうちに、いつの間にか眠りに落ちてしまったようだ。
もうすぐ52歳になろうとしている僕にとって、昨夜から一睡もしないで釣りをするというものは、さすがに体力的な厳しさを感じる。
そんな事を感じながら、まだしっかりと意識が覚醒しない中で、周りの釣り人がロッドを振る動作をボーっと眺めていた。


f0317993_1230278.jpg



漁協の券売機で今日の入漁券を購入し、その時点で早朝の渡船に乗るのを見送ることにした。
イタリア半島の駐車スペースにはすでに1台の車が止まっていたけけれど、その横を通り過ぎて取水崎に向かうことにする。
車の外気温計は0℃を示していた。風はそよとも吹かず、湖畔には野鳥の囀りが響いてくる。
今年は雪も少なく、例年よりも湖の解氷が2週間ほど早いだろうか。
1時間ほど取水崎でロッドを振ってみたけれど、不思議なぐらいに湖からは生命感を感じなかったので、イタリア半島に移動することにした。


f0317993_12405484.jpg



昨年のイタリア半島でのイトウとの出合いを思い返しながら、マイザーの6/7番のロッドを振った。
やはり記憶というものは曖昧そのもので、1Xのテーパーリーダーとその先に結ぶバーブを潰したシンプルなオリーブゾンカーは同じなものの、
ラインをアトランティックサーモンSHのインターにするかS1/S2にするかで僕は随分と迷っただろうか。
リトリーブの途中で、グゥンとランニングラインが止まると一瞬もしやとドキリとするのだけれど、やはりフライのロストが激しい。
それでも、午前中のうちに3尾ほどの朱鞠内湖らしいプリッとしたシルバーカラーに染まったアメマスが顔を出してくれた。

待望の今シーズン初めての朱鞠内湖のイトウからのバイトは、僕が切り株に寄りかかったお昼寝から覚めてしばらくしてからだった。
鋭角的に切り込んだワンドの中で風が複雑に舞う中、フライが湖面下に沈んだ切り株の脇を通ろうとする時に訪れる。
2回目のリトリーブで切り株にフライを引っ掛けたかなと思ったけれど、予想に反して一瞬の間をおき、ロッドが前後に大きくバウンドする。
バーブを潰したフックだったので、かなりランディングまではヒヤヒヤしたけれど、何とか無事にセルフランディング。
朱鞠内湖のイトウとしては決して大きくはないけれど、レインボーやアメマスとはまた違ったグングンと前へと進もうとする
いかにもイトウらしいトルクフルなパワーを改めて僕に感じさせてくれたGWの朱鞠内湖での出合いだった。

帰り道では夜には見ることが出来なかったエゾヤマザクラがいたるところで咲いているのを見ると、やはり今年は2週間ほど春の訪れが早いようだ。


f0317993_13105360.jpg



Today's BGM :


[PR]

by slowfishing-yun | 2015-05-03 13:18 | Fishing Reports | Comments(6)
Commented by やすこう at 2015-05-03 20:15 x
朱鞠内にいかれたんですね。素晴らしいイトウではありませんか・・・3匹も???さすが、Yunさんですね・・・・
私も行けばよかったと後悔していますwwww
まだ、きっと、寒い朱鞠内だったと思いますが、今年はかなり夏が来るのが早そうですね。
残念ながら、連休は、東京近郊のつまらない釣りになりそうです。
6月には、また、ぜひ!!
Commented by 110-ken at 2015-05-03 21:09 x
こんばんわ!
せっかくの気持ちの良いお昼寝を覚ましてしまい申し訳ありませんでした。
でも、そのあとにイトウとの出会いがあったようなのでよかったかな(笑)

Commented by slowfishing-yun at 2015-05-03 21:24
やすこうさん、こんばんは。
ずいぶんと迷った挙句、例年よりも2週間ほど早く湖面を覆う氷が解氷した朱鞠内湖に行ってみました。
3尾はアメマスですよ。他にもイトウだと思われるバイトが2度ほどありましたが、残念ながらバレてしまいました。
イトウは中学生ぐらいのまだ若いイトウだと思いますが、パールカラーに輝いていましたよ。
日中は気温が20℃位にまで上がり、とてもこの時期とは思えないぐらい暖かかったです。
6月にお会い出来るのを楽しみにしております。
Commented by slowfishing-yun at 2015-05-03 21:30
110-kenさん、こんばんは。
さすがに大きなサイズが出そうな雰囲気のイブニングまでは粘れず、夕食に間に合うように家路を急ぎました。
気持ちの良いお昼寝というよりも、電池切れのような本当に深い眠りでした。
おそらく電話がなかったら、イブニングまで寝てしまっていたかもしれません(笑)。
Commented by sugi-51 at 2015-05-03 21:50
yunこんばんは。ご無沙汰してました。
やはり行かれてましたね、しっかりと本命まで釣り揚げて。
タフな釣行は相変わらずのようですが、体調と車の運転にはくれぐれも注意して下さい。

私は年明けから私事多忙につきロッドを振っておりませんが、明日の夜には朱鞠内へ走る予定です。
Commented by slowfishing-yun at 2015-05-03 22:01
sugiさん、こんばんは。
こちらこそ、ご無沙汰しておりました。
GWらしい好天の下で、ほとんど諦めかかっていましたが、何とか朱鞠内湖のイトウさんの顔を見ることが出来ました。
天気が少し下り坂のようですが、sugiさんが素敵な一日を過ごされることを願っております。
そのうちに恒例の朱鞠内湖MAXでお会い出来るのを楽しみにしております。
私はフライをたくさんロストしたので、また巻き足さないといけません(笑)。


<< <Episode #11...      <Episode #10... >>