2014年 08月 31日

<Episode #55> のんびりアングラーのslowな釣り / 尻別川

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まずもって出だしからスローだった。
日はすでに高く昇り、すっかり寝坊した僕はまったくもってのんびりとした時間に行楽客の車に混じってゆっくりと中山峠を越える。
やがて幹線道路から逸れ、羊蹄山の麓のこのままどこまでも続いてきそうなストレートな脇道を車は時々大きくバウンドしながら走った。
途中で羊蹄山からの湧き水をペットボトルに汲み、渇いた喉にゴクゴクと流し込む。
冷たかったし気持ちが良かった。
さて、目指すフィールドまではあともう少し。頭上の空には夏空がどこまでも広がっていた。


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この時期に昆布から蘭越エリアの尻別川を訪れるのは僕にとって3年振りだろうか。
ここ最近は天塩川や十勝川に足を運ぶことが多いから、すっかり足が遠のいてしまっている。
田んぼの稲穂が黄金色に染まり始めていた。本格的な稲刈りはもう少し先だろうか。
数年の間に、本流へと続く砂利道にはアスファルトが敷かれ、蕎麦畑だったところは、かわりに稲が植えられていた。
昔の光景を懐かしく思い出しながら、記憶を頼りにしつつ、ロッドを片手にフィールドへの道を歩む。


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すでに時計の針は正午を回っていた。確かに夏の釣りでは厳しい時間帯。
ウェーダー越しに本流の冷たさを感じながら、誰もいない昆布エリアの第1から第3セクションをゆっくりと釣り下る。
このエリアの川底の地形は毎年のように変化するから、ステップダウンはことさら慎重に。
聞き覚えのある低周波のサウンドが、僕に遠い昔の記憶を思い出させてくれた。
なにしろ僕がスペイやスカジットを覚えたのはまさしくこのエリアだし、最初にスペイで出合えた素敵な本流レインボーだって・・・。
でも、一番の思い出はこのフィールドで友人達と過ごした時間だろうか。


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そんな事を考えながらゆっくりとステップダウンしていると、第1セクションの中間辺りでスイングしているフライに一瞬何かが触れた。
そしてさらにステップダウンを繰り返すと・・・。
目の周りにエメラルドグリーンのアイシャドーでも施したような、小振りなアメマスだった。
綺麗だなーと思いながらそっと流れに戻すと、背中から遠くの雷鳴に混じって夏ゼミの鳴き声が響いてきた。


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相変わらず流れの速い第3セクションをあとにして、蘭越エリアへと足を進める。
蘭越エリアのいくつかのポイントを巡り、鮎釣り師に混じってロッドも振った。
そして最後には蘭越エリアの栄橋付近の通称ヌカカポイント。
ラインをフローティングシステムに変更し、ティペットの先には大きなフォーム仕様のドライのチューブフライ。
ロッドティップを上下に振ってラインスラッグをつくり、さながらトップウォーターのスイングの釣りを試してみたけれど、
速い流れも加わって、これがなかなか難しい。
映像と違って目線が低くアングルが悪いし、波立つ水面でなにしろ視認性が・・・笑。
でも、やっぱり新しいことを試してみるのって案外楽しいのかもしれない。
そんな訳でさすがにヌカカポイントというだけあって、僕は手や顔を数ヶ所ヌカカに咬まれてしまい、
週明けからの仕事には少々難ありだろうか。それにしてもカユイったら(笑)。

街道にはコスモスの花が咲き、フィールドではススキの穂がさらに伸びようとしていた。
夏ゼミに混じって秋虫の羽音が響き始め、フィールドは徐々に秋モードへと。
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by slowfishing-yun | 2014-08-31 17:55 | Fishing Reports | Comments(4)
Commented by abu-z4 at 2014-09-02 19:05
Yunさん、こんばんは。
今年、一度だけ昆布に寄ってみたことがありましたが、車が3台も止まっていたので諦めました。
懐かしいですねー。
でも、釣りのほうは厳しそうですね。
もう、以前のように楽しめる日はやってこないのでしょうか。
何処の川でも同じなのでしょうが、毎年少しずつ変化していくのでしょうね。
勿論、悪くなるだけではなく新たな発見もあったりするわけですが・・・・
歳のせいか、ノスタルジックな気持ちになってしまいました。
Commented by slowfishing-yun at 2014-09-02 21:34
ABUさん、こんばんは。体調の方はいかがでしょうか。
第2セクションの中洲に渡りながら、以前ABUさんやSHUさんとこのエリアによく足を運んでいたことを思い出していました。
昆布エリアも少々様変わりしていましたね。
踏み切りの近くには釣り人の車進入禁止の看板が立っていたりと・・・。
久しぶりに訪れた尻別川でしたが、私も少々ノスタルジックな気分になりながらロッドを振っていました。
また機会があれば、のんびりと足を運んでみようかなと思います。
Commented by andieloop at 2014-09-02 21:37
Yunさん、こんばんは!
羊蹄山の湧き水で、コーヒーを淹れたらさぞかし美味しいでしょうね。
さて、ニセコの駅舎の中にヌプリという喫茶店があり、なかなか美味しいカレーなどを食べさせてくれます。ここのマスターさんは、絵に書いたようなトラウトバムですので、カレーを食べながらフィールドや本流ニジマスのお話を聞くのも楽しいかと思います。
15~6年前ですがニセコで武者修行中の私に、『4~5cmもあるエルクヘアカディスを逆引きしてニジマスを釣るんだ~』なんて話もしてくれたので、Yunさんの新たなアイデアもかなり有効なタクティクスなんじゃないでしょうか?
Commented by slowfishing-yun at 2014-09-02 23:45
andieloopさん、こんばんは。
何よりもコーヒー好きなのですが、どうも違いが分からないでいます。でも、気分的には美味しく感じてはいるのですが・・・笑。
ずいぶんと昔のFlyFisher誌で喫茶店「ヌプリ」とそこのマスターさんの記事を読んだ記憶があります。
でも、残念ながらニセコエリアでロッドを振ったことがないので、一度も足を運んだことがないのですよ。
ウェイキングフライでドカンと大きな本流レインボー、いつか出合ってみたいものです。夢の中では出合っているのですが・・・笑。


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