2014年 07月 21日

<Episode #47> 7月の十勝川と低番手のスペイロッド

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早朝のまだ辺りが薄暗い時間帯からロッドを振るのは久しぶりのことなのかもしれない。
緑が厚い森に囲まれたフィールドからは目覚めたばかりの野鳥達の声が速い流れの音色に混じって微かに響いてくる。
どこからか野生の息遣いが僕の耳にも届いてきそうな雰囲気だった。
いつもはクリアーな本流の流れには不思議と若干濁りが入り、水位も少し上昇している。
深い闇が時間と共にジワジワと押し寄せてくるようなイブニングの釣りは、なぜか不安が強くなるのであまり得意ではないけれど、
まだまだ手元はペンライトがないとフライを結びかえるといった細かな作業に手間どるぐらい暗いのだが、
白々と明け始めた早朝の空に時間が経つにつれ本来の明るさが戻ってくる早朝の釣りは、意外と嫌いではなかったりする。
ほんのりと明るく始めた早朝の曇り空に、やがていくつものヒゲナガのシルエットが浮かび上がった。


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このところ初夏から夏にかけて僕が手にすることが多いMeiserの12フィート6インチ、5番という低番手のスペイロッドには、
スカジット・コンパクト420gr(F)に15フィートのインターのティップの組み合わせ。
2m程の長さの2.5号のフロロティペットの先には、白のCDCを3枚巻き込んだヒゲナガを模したウェットフライを結ぶ。
対岸に向けてややダウンクロス気味にスカジットキャスト。
速い流れに乗ってラインが下流へと膨らみ、水面直下のフライがそれに引かれてスイングを始め、
ちょうど流れの中間辺りにさしかかったところで、ズゥンといっきにラインが引き込まれた。
ディスクブレーキを絞り込んだHardyのMLA375から、あっという間にオレンジ色のランニングラインが引き出されていく。
早朝に奏でられるMLAのスクリーミングサウンドは硬質で上品そのもの。
そんな僕にとっては心地よくさえ感じられるサウンドはしばらくの間鳴り止むことはなかった。
それにしてもスピード感溢れる十勝川上流域のスプリンター達。
残念ながら飛びっきりのグッドサイズには、長いやり取りの末にフックアウトされてしまったけれど、まあ、それもヨシ・・・笑。


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Bobから写真と交換にプレゼントされ、過去に2度もバットを折ってしまったMeiser S2H12646C-Custom。
Bobから同じロッドで2度もバットを折ったやつはいないよと笑われながらも、最後の修理ではバットを少しだけ強くしてもらった。
ラッピングとフェザーインレイのイメージは初夏のフィールドのイメージとだけ伝えて、あとはBobに全てお任せ。
Bobが施した美しいコスメを眺めていると、確かに北海道の初夏から夏のフィールドのイメージにピッタリなのかもしれない。


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aichanさんからのアドバイスを頼りに、低番手のスペイロッドを片手に十勝川の中流域も彷徨ってみた。
分流していた流れが合わさり、またやがて本流の流れがふたつに分かれていく。
そんな複雑な流れだったけれど、アングラーにとっては何ともいえないぐらい魅力的な本流の流れだった。
ティップを15フィートのType6に換え、フライをビーズヘッド仕様の黒のウーリーに結び換える。
対岸にストラクチャーが沈み、早瀬からいっきに深いプールへと続く魅力的な流れ。
たっぷりと川岸を歩いた末に、きっとここなら居るだろうと、フライを静かに送り込む。
グゥンと指先でホールドしていたラインが強い力で引き込まれる前に、本流レインボーは水面を割って大きくジャンプしていた。
バットからグンニャリと心地よいカーブを描くお気に入りのスペイロッドと心地よいスクリーミングサウンドを奏でるHardyのMLA。
明るい時間帯に出合うメタリックな本流レインボーは、十勝川の流れの強さをその筋肉質なボディに封じ込めたかのように強くて、
さらに7月の日差しを浴びてギラギラと輝く宝石のように美しかった。

乾いた川原には毎年この時期になると見かける名も知れぬ赤紫や黄色の花々がいたるところで咲いていた。
(調べたところ、赤紫色の花の正式名称はムシトリナデシコというのだそうだ)
そんな砂地から生えた見覚えのあるたくましい花々を目にすると、僕は今年も何とか、十勝川で釣りをしているんだという気分になれる。
不思議な気分の中、ロッドを手にして十勝川の流れの中に佇んでいると、僕はなぜかしら美しいピアノの旋律が聴きたくなった。
                                                        59.85→59.99→59.85

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Today's BGM :






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by slowfishing-yun | 2014-07-21 16:14 | Fishing Reports | Comments(12)
Commented by mooly at 2014-07-21 20:30
Yunさん、こんばんは。お疲れ様でした。
かなり迷っての大移動。ずばり正解でした。
今回も十勝川スプリンターを楽しめましたね。
毎度のことですが、あの弾丸ダッシュには翻弄されます。
中流域も低番手ロッドでちょうどいい感じですね。
ただ、そのうちトロフィーサイズが掛かり、バットからグンニャリされて、何も出来ずにサイナラ~・・・
って日が来ると思いますけど。(笑)
いろいろな事があり、楽しい週末でした。
また、よろしくお願いします。
Commented by やすこう at 2014-07-21 20:40 x
こんばんわ。
十勝はいい感じですね。きっと、下のほうは暑いんでしょうね・・・・
低番手のマイザーはいい感じですね。私も欲しいのですが、揃えたラインシステムとの関係から躊躇しています・・・
ところで、来月の知床のあとは、いったことのない山上湖にも行ってみたいと思っています・・・・勝手がわからないまま、適当に考えているところですが・・・
あ、10月にも北海道にお邪魔できそうです。もう、東京は猛暑の日々ですが、北のフィールドに焦がれていますwww
熱中症にはお気をつけて・・・
Commented by slowfishing-yun at 2014-07-21 22:09
moriさん、こんばんは。
北の本流から東の本流への大移動、ご苦労様でした。
ね、言ったとおりでしょ。あのまま札幌に戻らなくてよかったですね(笑)。
それにしても北の本流に続き、東の本流でもイトウに出合うとは、これには私も参りました。
hideさんからも以前に居るとは聞いてはいましたが、実際にその姿を目にするとは思ってもいませんでした。
十勝川のスプリンター達、確かにあの猛烈なロケットダッシュには、今回も翻弄されっぱなしでした。
Commented by slowfishing-yun at 2014-07-21 22:20
やすこうさん、こんばんは。
自転車の方でかなり身体を鍛えておられるようですね。そちらもなかなか楽しそうです。
今回の十勝は、曇り空だったのでそれほど暑くはありませんでした。東京はきっと暑いのでしょうね。
最近は低番手のスペイロッドを見直しています。予想していたよりも使えるフィールドがありそうですし・・・。
そんな感じですから、MKSで低番手のロッドをオーダーしてみようかと密かに迷っています(笑)。
オホーツクの山上湖ですか?今年はまだ足を運んでいませんが、もしかしたら面白いかもしれませんね。
黒やオリーブのウーリーがあれば、きっと何とかなると思いますよ。
今回の知床は少人数ですが、お会い出来るのを楽しみにしております。
Commented by abu-z4 at 2014-07-22 08:33
Yunさん、おはようございます。
先週末は、お疲れ様でした。
僕にとって2回目の車中泊釣行は、今回も快適で楽しいものになりました。
特に2日目にYunさんと伴に歩いた中流域での釣りは、数年前に頻繁に十勝を訪れた頃を思い出すような印象深いものになりました。
十勝の魅力を十分楽しめたと思います。
久しぶりに週明けから、次の釣行を楽しみにしている自分です(笑)
Commented by maximizer828 at 2014-07-22 11:07
Yunさん、こんにちは。
先週末はお疲れ様でした。
今回もご一緒させていただいて、とても楽しく過ごせました。ありがとうございました。
それにしても、初日、あの真っ暗な山の中を一人で行ったとは驚きました。僕にはとても…
十勝でのキャスト練習はお陰様で、飛距離が少し伸びてきたような気がしました!
あとは、良い所に入れて釣れたらいいのですが、もし僕に、あの川の元気なグッドサイズが掛ったとしたらマーキスサーモンはどうなってしまうんでしょう…かなり妄想ですけど(笑)
今週末は行けそうにないので、ウエーダーの修理と素振り、フライ作りで頑張りたいと思います。
またどうぞよろしくお願いします。
Commented by slowfishing-yun at 2014-07-22 21:29
ABUさん、こんばんは。
こちらこそ、週末はお疲れ様でした。車中泊も快適に過ごされたようで何よりでした。
と言いつつ、2日目はすっかりのんびり釣行になってしまいましたが・・・笑。
十勝川の中流域は流れも魅力的で、私も思わず次の流れはどんな感じかとワクワクしてしまいました。
有楽町のジンギスカンも美味しかったですし、次回の釣行がまた楽しみですね。
Commented by slowfishing-yun at 2014-07-22 21:41
maximizer828さん、こんばんは。
今回も美味しいシングルモルトにハードパン、ごちそうさまでした。
朝の薄暗いうちは、これから明るくなると自分に言い聞かせて不安感もそれほどでもないのですが、
イブニングはつい油断するとすぐに真っ暗になってしまうので、苦手意識が強いんですよ(笑)。
おっ、少し飛距離が伸びましたか。きっとそれは熱心な練習の賜物ですね。
マーキスサーモンは60クラスのグッドサイズがフライをテイクするととんでもないことになりますよ(笑)。
あとはリールに任せるか、それとも手で回転するスプールを押さえるしかないと思います。
ウェーダーの修理にキャスト練習、それにタイイングと、あまり無理をなさらないように・・・笑。
Commented by andieloop at 2014-07-23 00:39
Yunさん、こんばんは!
低番手のスペイロッドでも、十勝のグッドサイズのニジマスをきっちりキャッチするとは流石の一言に尽きます。私はどうもニジマス馴れしていないのか、翻弄されっぱなしで・・・。
Commented by slowfishing-yun at 2014-07-23 19:08
andieloopさん、こんばんは。
いえいえ、私もグッドサイズのレインボーには翻弄されっぱなしですから・・・笑。
元気の良いレインボーに出合えただけでも楽しいのですが、
低番手のスペイロッドだと、さらにキャストも軽快でハラハラ、ドキドキとスリリングな楽しさも増すようです。
Commented by bolocyan at 2014-07-24 21:22
yunさん今晩は
足元のコケとマイザーのライムグリーンのコスメとシャツの色彩がとてもナイスですね。とくにシャツの柄がチョーナイスですね W
僕は8月の下旬にでも十勝川に行こうと考えていますが、そのころの十勝川のコンディションっていったいどんなものなのでしょうか?
とにかくそれまでに僕もウェアを新調しなくてはと考えています W。
それでは また・・・
Commented by slowfishing-yun at 2014-07-24 21:42
bolocyanさん、こんばんは。
岩に生えたコケが綺麗で、思わず記念にシャッターを。私も気に入っている写真の1枚です(笑)。
シャツは確か去年ユニクロで柄が気に入って、釣りの時に着ていこうと買ったものでした。
さすがに仕事の時は着れませんが、ユニクロもなかなか悪くはないですよね(笑)。
8月後半はショアからのピンクサーモンに行くことが多いので、その時期の十勝川の経験がないんですよ。
水温さえ高くなければ、もしかしたら十勝川本流も面白いかもしれませんね。


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